プロ投資家が語る!ワンルーム投資でありがちな6つの失敗事例と対処策

※ このページには広告・PRが含まれています

皆さん、こんにちは。今回は、ワンルームマンションの投資でありがちな6つの失敗事例と対処策について、複数戸のワンルーム投資を行いつつ投資サークルも主催している私の実体験をベースにご紹介をしていきます。

例外はありますが、上級者でない限りは原則としてこの記事に記載してある行動は避けた方が、投資の成功可能性は高まります。

目次

  1. 東京以外(地方郊外)のエリアに投資物件を購入してしまう失敗
    1-1.ワンルームマンションの購入は都心部で検討する
    1-2.都心の単身世帯の増加はワンルーム検討に追い風である
    1-3.再開発が活発な東京都内は賃貸需要も増加
    1-4.ワンルームは地方郊外のエリアは避けて投資する
  2. 最寄駅から徒歩10分以上の投資物件を購入してしまう失敗
    2-1.ターミナル駅まで乗り換えで1本以内の物件を選定する
  3. 専有面積(広さ)が20㎡以下の狭小物件を購入してしまう失敗
    3-1.3点ユニットの物件は避けて検討する
  4. 旧耐震の投資物件を購入してしまう失敗
    4-1.旧耐震物件では金融機関の評価を得づらい
  5. 投資物件を見学しないで購入してしまう失敗
    5-1.昼と夜、平日と休日に複数回見学をしてから検討する
  6. 入居者の需要(ニーズ)を自身の生活水準で考えてしまう失敗
  7. まとめ

1.東京以外(地方郊外)のエリアに投資物件を購入してしまう失敗

不動産投資とひとくちに言っても、物件の構造や種類によって様々なスタイルがあります。例えば、マンション一棟、アパート、ワンルームマンション、一戸建て、新築物件なのか中古物件なのか、複数保有する場合にはその組み合わせも様々です。今回は主にワンルームマンションを保有する前提でお話します。

1-1.ワンルームマンションの購入は都心部で検討する

まず、不動産投資のリスクのうち、もっとも影響が大きいものの一つに空室リスクがあります。不動産投資では長期的かつ安定的にインカムゲイン(家賃収入)を得ることが最大の目的ですので、空室期間をいかに短くするかが成功のカギといえます。

物件の構造や種類に限らず、まずは東京で購入することを検討しましょう。神奈川県には横浜や川崎、埼玉県では大宮や浦和、千葉県では船橋や浦安等の有力なエリアがあります。関西では大阪府や京都府にもそれぞれ有力なエリアがあるでしょう。

しかし、初めてワンルームを購入するのであれば都心部で、そしてできれば国内で最も人口が多く、賃貸重要が旺盛な東京23区内の物件を検討することをおススメします。その他のエリアは、物件を複数保有するうえでポートフォリオの一環として、後から買い増しすることができます。

1-2.都心の単身世帯の増加はワンルーム検討に追い風である

日本は人口減少社会に突入していますが、東京都は圧倒的に人口が多く、特にワンルームを購入するうえでの単身世帯者の増加が見逃せません。

2019年5月に発表された総務省統計局による住民基本台帳人口移動報告の都道府県別転入超過数を調べてみますと、東京都への転入超過数は13,073人で、2位の神奈川県(6,229人)、3位の埼玉県(3,641人)、4位の千葉県(3,202人)の合計転入数を上回っています。東京以外の地方都市では県庁のある中核都市でさえも人の流出が止まらないところもあります。

1-3.再開発が活発な東京都内は賃貸需要も増加

また、東京都では再開発が活発に行われています。2020年の東京オリンピックやそれ以降を見据えた大規模な開発プロジェクトが広範囲で進行中です。

例えば、大手町、丸の内、品川エリアにはじまり、最近では渋谷エリアの再開発も話題になります。完成済みの渋谷ヒカリエ、渋谷ストリームをはじめ、渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラス、渋谷ソラスタ等、実に駅と街を根本的に造りかえる規模の再開発が行われています。

その他にも大田区では羽田空港を中心とした再開発プロジェクトが展開されており、ビジネスや日常生活における利便性は飛躍的に増すものと考えられます。企業が増加することで賃貸需要も増加するというスパイラルです。

1-4.ワンルームは地方郊外のエリアは避けて投資する

今後、地方郊外のエリアはワンルームでも投資リスクは高くなると考えます。地方郊外のマンションには、都心部と比較すると専有面積が倍以上で、物件価格が半分以下というものもあります。一見魅力的に思えますが、都心部とは対照的に地方では人口が減少しており、2019年の現状では将来的に回復する見込みもありません。

国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した「日本の地域別将来推計人口」によれば、2020年から2030年にかけては、東京都と沖縄県を除く45道府県で人口が減少するという推計が出されています。不動産投資は一般的に中長期的な投資となります。20~30年経過してもしっかりとした入居者がつくようなエリアで家賃収入を得ることができるかが重要です。

2.最寄駅から徒歩10分以上の投資物件を購入してしまう失敗

ワンルーム購入に限らず、不動産投資では最寄駅から徒歩10分以内の物件を購入することが重要です。鉄則と言い換えても良いでしょう。ワンルームの入居者は利便性を重視する傾向が高いので、駅からの距離がある物件は今後賃貸付けが非常に厳しくなります。

最寄駅が山手線のターミナル駅(例えば、池袋駅、新宿駅、渋谷駅等)や若者に人気の駅(例えば、恵比寿駅、中目黒駅、三軒茶屋駅等)であれば徒歩10分を超えても賃貸需要は旺盛です。しかし不動産投資が初めての人は、あえて最初に購入する物件でターミナル駅や人気駅以外の徒歩10分を超える物件を選定する理由はありません。

今後の将来需要を見据えると、できれば徒歩7分から8分以内の物件を購入することを目標にすると良いでしょう。もちろん、徒歩5分以内の物件のほうが望ましいのですが、その分物件価格が高くなりますのでバランスが大事です。

2-1.ターミナル駅まで乗り換えで1本以内の物件を選定する

また、不動産投資の成功確率を高めたいのであれば、ターミナル駅まで乗り換えで1本以内に行ける駅を選定することも大事です。例えば、ターミナル駅である新宿駅に1本で行ける山手線、中央線、総武線、埼京線、小田急線、京王線、丸の内線、大江戸線、新宿線、西武新宿線等にある駅です。

私の知人の投資家は、最寄駅から徒歩10分以上のワンルームを購入しましたが、数年後に苦戦を強いられていました。なぜなら、ワンルームで徒歩10分以内の物件はいくらでもありますので、よほど家賃が入居者にとってお得に感じる水準でなければその物件を選択する理由がないからです。

最初のうちは入居が付いても、退去の回転も早くなり思うような収益が得られなくなる可能性が高いのです。

3.専有面積(広さ)が20㎡以下の狭小物件を購入してしまう失敗

ワンルームを購入するにあたっては、部屋の間取り・形は大事ですが、専有面積(広さ)は最低でも20㎡以上、できれば22~23㎡以上の物件を選定すると良いでしょう。私が保有する物件に関して言うと、東京23区のワンルームマンションの建築規制の関係で、保有物件のうちワンルームはすべて専有面積25㎡以上です。

都の条例では、ワンルームマンションに関する紛争の防止や、マンション周辺の居住者との関係、生活環境を良好に保つことを規制の目的としています。ワンルームに住む単身者は居住にあたり住民票を移さないケースが多く、自治体の住民税等の収入につながらないという問題が根底にあります。

需要が底堅いエリアであれば、この建築規制によりワンルームを新規に建築することに一定のハードルがあるものの、今後建築される場合には専有面積は基本25㎡以上の物件が出てきますので、狭い部屋の物件は競争力が落ちてくることが予想されます。

3-1.3点ユニットの物件は避けて検討する

また、そもそも専有面積が20㎡以下の物件には、バス・トイレ・洗面台が一体となっている、いわゆる「3点ユニット」の場合が多くあります。最近の築浅物件は独立洗面化粧台があることも珍しくなく、専有面積が狭い・3点ユニットの物件は入居者に敬遠され、競争力が落ちてしまうことが考えられます。

実際に家具を置くことや物の多さを考えると、狭い物件や3点ユニットはまず選ばない、という意見を持つ方は多く存在します。

4.旧耐震物件を購入してしまう失敗

ワンルームの購入に限らず、物件の選定にあたっては、「新耐震物件」と「旧耐震物件」があることと、その違いに関しても認識しておくと良いでしょう。

不動産は建築する際、建築基準を満たしているかの検査が義務付けられていますが、その基準は1981年6月1日を境にして変更になっています。1981年6月1日以降に着工された建築物は新耐震物件といい、旧耐震物件はそれ以前の建築物となります。

新耐震基準以降の物件に関しては、阪神淡路大震災や東日本大震災で倒壊した物件は一棟もありません。旧耐震物件は駅の近くにあることも多く、そうした物件は立地が魅力的です。また、築古ですので物件価格も安く抑えられており、その価格の安さから購入を検討する投資家も少なくありません。

4-1.旧耐震物件では金融機関の評価を得づらい

私の周囲の失敗事例としては、旧耐震物件を現金で購入したものの、売却したいと思ったときに、購入予定者の金融機関のローンが付かず売却することをあきらめたケースがあります。これは、旧耐震物件の耐震性の低さから、金融機関が担保評価を低く見積もる、もしくは担保価値を見出さずローンをそもそも付けないことによります。

不動産投資は通常流動性が低いと言われますが、ローンが付かない物件は現金で購入するしかなく、購入者がかなり限定されてしまいます。また、それにより物件価格も低くなってしまいがちです。古い物件ゆえ、抜群に好立地のこともありますが、流動性リスクを取るのは上級者になってからでも遅くはないでしょう。

5.投資物件を見学しないで購入してしまう失敗

にわかには信じがたい話ですが、投資物件を見学しないで購入するケースが最近多くなってきていると実感しています。この物件に住んでみたい、と思ったときに、一般的には気になる賃貸物件を内見するかと思いますが、なぜ、投資物件を購入する際、見学しないで決定してしまうのか理解に苦しむところです。

私の周囲では、投資物件をGoogleのストリートビューを使ってパソコン上で閲覧をしただけで購入した人がかなりいます。物件を見学していないので、購入した後も最寄駅のどちら側に所在するのかもわかっていません。駅周辺に新しい商業施設ができたり、競合物件ができたりしても、そもそも関心が低い状態ですので、気がつくこともないでしょう。

5-1.昼と夜、平日と休日に複数回見学をしてから検討する

彼らの物件は、最初のうちは賃貸も付いていますが、市況や周辺状況に変化があった場合に、物件を見ていないので対応策が後手に回ってしまいます。自宅から遠い地方に購入した訳でもないのに、物件の見学をしないのは論外です。

不動産の販売会社が何と言おうと、せめて3回は物件を見学した方が良いでしょう。私は、昼と夜、平日と休日に分けて3~4回は見学し、駅周辺も自身の足で歩いて確認をしました。忙しいと言い訳をせずに、購入前には見学するべきです。

そうでなければ、どんな人が住みたいと思ってくれるのか、入居率が下がるリスクはどこにあるのかがはっきりと分からず、将来的に空室期間が長くなりかねないからです。

6.入居者の需要(ニーズ)を自身の生活水準で考えてしまう失敗

入居者のニーズは、家賃価格帯によって様々です。不動産投資に関心はあるものの、なかなか物件を購入できないという投資家の方がよくいますが、そういった方は自身の目線の高さがハードルとなり、物件の選定に行きつかないのです。

例えば、年収が1,500万円の人と年収が500万円の人では、マンションに住むとしてもグレードは明らかに違うはずです。普段の自身の目線や感覚だけで判断をしてしまうと、そのエリアではニーズがある賃貸需要を逃してしまい、物件の購入もできなくなってしまいます。

自身が居住するマイホームであれば、自分で納得が行くまで基準を満たすような物件を探すのも良いでしょう。ですが不動産投資でそのような考え方のみでいては、販売会社からせっかく良い物件を提案されても、いつまでたっても物件を購入することができないでしょう。

例えば、下町は嫌いだという理由で自身のモノサシだけで物件選定をしていた投資家は、割安な清澄白河(江東区)の物件を検討すらしませんでした。もともと倉庫街だった清澄白河は、今ではブルーボトルコーヒーやワイナリーのフジマル醸造所等が出店し、カフェ巡りが楽しめる街として人気が出ています。

自身では普段下町には足を運ばなくても、賃貸需要が明らかにある(清澄白河駅は都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線が乗り入れており、年々利用者数も増加しています)エリアの掘り出しモノ物件は見逃さないようにしたいものです。

まとめ

ワンルームマンション投資は、不動産投資の中では投資額が比較的安いため、初心者の方でも比較的とっつきやすいと言えます。しかし、この記事で触れたような失敗を多くの方が経験しており、初心者に易しい難易度の投資かと言われればそういうわけではありません。

不動産投資では安定した入居率をもとに毎月家賃収入が入ってくる形をキープするのが大事です。そのため、特にワンルーム投資初心者の方は、都心部で駅徒歩10分以内、新耐震基準に適合している、専有面積20㎡以上、といった条件の賃貸需要が高い物件に絞って探し、自分の足でしっかりと現地調査を行ったうえで投資判断をすることが必要です。

The following two tabs change content below.

依田泰典

不動産投資家。公認不動産コンサルティングマスター。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。
・ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティング業務に従事(MVP受賞)。ソニー在籍中、株式投資(信用取引)等幅広く金融商品を運用するほか、東京23区の分譲マンションをメインに不動産投資を実践。
・ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の仕入・販売、事業開発(不動産ファンド)、経営企画・広報業務に従事。
・独立後は、東証プライム市場上場グループ企業等の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動(営業・資金調達支援)。その後、仲間とIT関連のスタートアップを創業。
・米系PEファンドのKohlberg Kravis Roberts(KKR)への出資をはじめ、国内では不動産テック等IPOを目論む複数のスタートアップ(ミドル・レイターを含む)への出資のほか、複数のVCファンド(シード・アーリーメイン)にLP出資。
・宅地建物取引士(宅建マイスター)、貸金業務取扱主任者、賃貸不動産経営管理士、ビル経営管理士、競売不動産取扱主任者、社会保険労務士、行政書士、情報処理技術者等の資格を保有。
・趣味は街の散策と食べ歩き。YouTube鑑賞(BreakingDown、YOASOBI)。漫画(島耕作、キングダム、ザ・ファブル)。格闘技(合気道有段者)。坂道ファン(推しは櫻坂46山崎天)。
連絡先はコチラ
yass.yoda@gmail.com