ESG投資でSDGs達成へ、GPIF・経団連・東京大学が「Society 5.0 for SDGs」で共同研究開始

※ このページには広告・PRが含まれています

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、経団連、東京大学は6月10日、「Society 5.0 for SDGs」の実現に向けてSociety 5.0とESG(環境、社会、ガバナンス)投資を結びつけるべく共同研究を行うことに合意したと発表した。総運用資産額約6600兆円以上とされるESG投資でSociety 5.0推進企業の取り組みを促進し、SDGs達成を目指す。今秋、第1次報告書を公表する予定。

ソサエティー5.0は科学技術基本法に基づき、5年ごとに改定されている科学技術基本法の第5期(2016年度~2020年度)のキャッチフレーズ。IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータなどの新技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れてイノベーションを創出、一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題を解決するというもの。経団連は18年、ソサエティー 5.0の包括提言を策定。この中で、デジタル革新を通じた経済成長と社会課題の解決や自然との共生、さらにSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献できる日本発の社会像としてSociety 5.0 for SDGsを打ち出した。

経済界、学術界、投資家の三者連携の追い風となったのは、投資とサステナビリティが結びついたESG投資の高まりだ。責任投資原則(PRI)に署名する機関は約2,400、その総運用資産額は約6600兆円以上と推定される。Society 5.0とESG投資を「車の両輪」としてSDGs達成を目指す。

研究テーマ案は「Society 5.0 for SDGsの実現に向けて、何が求められるのか」。投資家サイドに向けては、グローバルベースで潜在的な投資資金の規模は現状どの程度か、それを更に増加させていくための方策は何か、企業サイドにはSociety 5.0実現によってどのような付加価値がどの程度創出されるのか、実現に向けてどの程度の投資資金が必要になるのかを探る。また、Society 5.0推進企業への投資を円滑化するために、その実現のために何が必要か(情報開示、評価手法の改善など)を研究のポイントとしている。

研究体制は経団連が副会長、金融・資本市場委員長の國部毅(三井住友フィナンシャルグループ会長)、副議長金融、資本市場委員長の日比野隆司(大和証券グループ本社会長)、企業行動・SDGs委員長の二宮雅也(損害保険ジャパン日本興亜会長)スタートアップ委員長に髙橋誠(KDDI社長)が参加。東京大学は藤原帰一 未来ビジョン研究センター長、GPIFは水野弘道理事兼CIO(最高投資責任者)が名を連ねる。

【参照リリース】経済産業省「「Society 5.0 for SDGs」の実現に向けた経団連・東京大学・GPIFの共同研究開始について

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 ESG・インパクト投資チームは、ESGやインパクト投資に関する最新の動向や先進的な事例、海外のニュース、より良い社会をつくる新しい投資の哲学や考え方などを発信しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」