公務員がアパート経営を始めるメリット・デメリットは?副業の注意点も

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原則として副業が禁止されている公務員ですが、条件をクリアするとアパート経営は自営とは見なされず行うことができます。また相続したアパートは申請が認められることによって、引き続き経営することが可能です。

そこで今回のコラムでは、公務員がアパート経営を始めるメリットやデメリット、さらには注意点についても解説していきます。

目次

  1. 公務員は原則として副業禁止
  2. 公務員がアパート経営を始めるメリット
    2-1.本業とは別の副収入を得ることができる
    2-2.金融機関の属性評価が高く融資を受けやすい
  3. 公務員がアパート経営を始めるデメリット
    3-1.アパート経営が軌道に乗っても規模拡大ができない
    3-2.服務義務に反する可能性がある
  4. 公務員がアパート経営を始める際の注意点
    4-1.在籍する団体の規則を確認する
    4-2.利害関係が発生しないようにする
    4-3.自営として認めてもらう方法もある
  5. まとめ

1 公務員は原則として副業禁止

公務員は国民に対して平等に働く国や地方公共団体の職員であり、営利を目的とした活動の制限を受け、副業は原則禁止されています。これは国家公務員法などで「私企業からの隔離」「他の事業又は事務の関与制限」「営利企業への従事等の制限」といった決まりがあるためです。

ただし、アパート経営は一定の範囲で認められています。この範囲については、「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」で自営と見なされる事業が定められており、不動産賃貸に関する項目を抜粋すると下記のようになります。

  • 独立家屋が5棟未満
  • 独立的に区画された部屋が10室未満
  • 劇場や映画館などの設備を設けない
  • 賃貸料収入の年額が500万円未満
  • 旅館やホテルなどに用いない
  • 管理業務を事業者に委ねる、など

これらの条件をクリアすれば資産運用とされるため、公務員でもアパート経営によって副収入を得ることができるということです。

2 公務員がアパート経営を始めるメリット

この項目では、公務員がアパート経営を始めるにはどのようなメリットがあるのか紹介します。代表的なのは次の2つです。

2-1 本業とは別の副収入を得ることができる

前述したように、副業が原則禁止されている公務員の方は本業とは別の副収入を得ることができません。しかし、アパート経営であれば一定の範囲で認められているため、本業の収入に加えて資産形成を考えている方でも取り組めるメリットがあります。

2-2 金融機関の属性評価が高く融資を受けやすい

アパートを購入する際は、金融機関から融資を受けることが通常です。金融機関での融資審査では物件の担保評価に加えて融資を受ける方の属性評価が行われます。申込者の属性は、主に下記の項目で評価します。

  • 年齢
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成
  • 自己資金額
  • 保有資産、など

公務員は一定の給与が見込みやすく、営利企業のような経営破綻による失業のリスクがない職業です。そのため、金融機関からも高い評価を得やすく、他の職業より良い融資条件でアパートローンを組めるケースも少なくありません。

3 公務員がアパート経営を始めるデメリット

公務員は国家公務員法などの法律があり、これらの法律に抵触すると懲罰の対象になります。アパート経営でも法律に触れる可能性があるため、注意するようにしましょう。

3-1 アパート経営が軌道に乗っても規模拡大ができない

公務員はアパート経営はできるものの、範囲が限定されています。つまりその範囲を超えるような経営はできません。

アパート経営が軌道に乗っても、部屋数が10以上、年間の家賃収入が500万円以上にならないようにしないといけません。つまり2棟目、3棟目といったように、自由に規模を拡大することはできないのです。

また管理費を浮かせるために自分で管理をした場合、法律違反になってしまいます。このように範囲が限定されるため自由度は低く、さらに違反した場合は懲罰の対象になってしまうリスクがあります。

3-2 服務義務に反する可能性がある

公務員は国家公務員法により、服務の宣言を行います。公務員は国民全体の奉仕者として、民間企業等の勤労者とは異なった服務義務が課されているためです。

具体的な服務義務は下記のようになっています。

  • 信用失墜行為の禁止
  • 秘密を守る義務
  • 職務に専念する義務
  • 政治的行為の制限
  • 他の事業又は事務の関与制限
  • 争議行為などの禁止、など

※参照:人事院「義務違反防止ハンドブック 服務規律保持のために

これらの服務義務から逸脱し、公務員としての信頼をなくすような行為を行ってはいけないことが国家公務員法や地方公務員法で定められています。違反すると減給や免職処分を受ける可能性もあります。

アパート経営を行っていると、入居者間でトラブルになることもあります。また建物に破損が見られ、急な工事が必要な場合もあります。しかし、そのような場合に管理業者から連絡が来たとしても、職務時間内であれば電話に出たり、折り返したりすることは原則としてできません。「職務に専念する義務」に反する可能性があるからです。

対応が遅れることでトラブルが大きくなり、アパート経営に影響を及ぼすこともあります。こうしたリスクがあることも、公務員がアパート経営を行うことのデメリットとなります。

4 公務員がアパート経営を始める際の注意点

これまで公務員がアパート経営をするメリットとデメリットを見てきましたが、これらを踏まえて注意点を紹介していきます。

4-1 在籍する団体の規則を確認する

公務員の副業および兼業については、国家公務員法や地方公務員法、さらに「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」などを確認して、理解を深めてから行うようにしましょう。

特に地方公務員の場合は、自治体によって独自の規則を定めていることもあります。そのため法律で認められていても、自治体の規則に違反しているケースがある可能性もあるのです。

ご自身者が在籍する自治体の規則を確認し、理解してからアパート経営を行うようにしましょう。

4-2 利害関係が発生しないようにする

人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」には細かな条件が記されていますが、特に気をつけておきたいポイントは下記の「特別な利害関係の発生」です。

5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1)職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。

※引用:人事院「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

「特別な利害関係」とは、補助金等の割り当てや交付などを行う場合の契約関係を言います。ここで注意したいのが、アパートの建設工事を担う業者との間に利害関係ができてしまうケースです。

工事価格を下げたり、設備機器を安く購入したりといったことがあると、後のトラブルになることも考えられます。公務員という立場を活用することなく、工事や物品購入などを進めていく必要があります。

4-3 自営として認めてもらう方法もある

公務員は原則として副業を認められていませんが、「公務員の兼業について(概要)」によると、許可を得る、報酬は常識を超えない、などの条件つきで、兼業が認められるケースもあります。

また、範囲を超えたアパート経営が認められるケースがあります。例えば、両親から賃貸アパートを相続する、兄の駐車場事業を受け継ぐといったケースでは、公務員であっても承認される可能性があります。

承認してもらうためには、不動産登記簿謄本、賃貸契約書の写しなどの必要書類とともに自営兼業承認申請書を提出します。申請が認められれば、正式にアパート経営および不動産投資ができるようになります。ただし、アパート経営を続ける場合は、毎年1月末日までに規定の報告を行うことになっています。こうした規則を正しく理解して、守るようにしましょう。

まとめ

公務員の方がアパート経営を行うには様々な条件をクリアする必要がありますが、本業以外の収入を得ることができるメリットがあります。また、金融機関から高い評価を得やすいため、より良い融資条件でアパートローンを利用できる可能性もあります。

ただし、法律に抵触した場合は、処罰の対象になります。所属団体の注意事項を確認しながら慎重に行うようにしましょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。