事故物件の売却は難しい?事故物件の特徴とスムーズに売却する方法を解説

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過去に事故が発生した事故物件は、心理的瑕疵を有していると考えられます。事故物件は、相場から瑕疵分を引かれる、なかなか買い手が見つからないなど、一般の不動産と比較して売却には不利な状況にあると言えます。

所有している物件で事故が起きてしまったら「事故物件の売却は出来るのだろうか?」と不安に思う方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、事故物件の特徴とスムーズに売却する方法を解説します。

目次

  1. 事故物件とは「心理的瑕疵」のある物件のこと
  2. 事故物件の特徴3つ
    2-1.事故物件は心理的瑕疵を有している
    2-2.事故物件は告知義務が発生する
    2-3.事故物件は周辺相場よりも査定額が低くなる
  3. 事故物件の売却方法3つ
    3-1.事故物件の取り扱い経験がある不動産会社に売却依頼する
    3-2.複数の不動産会社に査定依頼をする
    3-3.不動産会社に事故物件の買取を依頼する
  4. まとめ

1.事故物件とは事故物件とは「心理的瑕疵」のある物件のこと

事故物件とは、自殺や他殺といったように、人の死に関する事件や事故が建物内で発生した物件のことです。

宅地建物取引業法には事故物件に関する定義がなく、事故物件として扱うかは事故死か自然死かで線引きを行いながら不動産取引を行っています。

事故死とは、自殺や殺人、事故(転落や転倒)、孤独死、変死、病死などです。自然死とは、病死や老死などです。両方に病死が含まれていますが、同じ病死でも救急車を呼んで病院で亡くなった場合と自宅で病死した場合で扱いが異なります。

このように、事故物件(心理的瑕疵がある物件)に該当するか否かは、死亡に至った要因や状況によって個別具体的に判断されることになります。

2.事故物件の特徴3つ

どのような物件が事故物件に該当するのか明確な定義は定められていません。しかし、事故物件に該当していないと判断して何も告げずに売却してしまうと、後でトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

事故物件を売却する際は、以下の3つのポイントに気を付けておく必要があります。

  1. 心理的瑕疵を有している
  2. 告知義務が発生する
  3. 相場よりも査定額が低くなる

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

2-1.事故物件は心理的瑕疵を有している

事故物件に該当しているのかを判断する上で重要なのが心理的瑕疵です。心理的瑕疵とは、買主が事前にその事実を知っていれば、物件を購入していなかったような瑕疵のことです。

例えば、物件の近くに暴力団事務所、ゴミ処理場や下水処理場、葬儀場や火葬場、刑務所や風俗店などの施設がある場合も心理的瑕疵を有していると考えられます。

これらの心理的瑕疵のうち、人の死に関わる事故が起きた物件は事故物件と呼ばれるようになります。

2-2.事故物件は告知義務が発生する

告知義務とは、瑕疵を有している物件を売却する場合には、その内容を売買契約前に売主に伝えなければならない義務です。告知して事情を知った買主が物件を購入した場合には、契約不適合責任に問われることはありません。

しかし、事故物件であることが買主に知られると買ってくれなくなる、買いたたかれるという理由で告知せずに売却すると、告知義務を果たしていないことになります。

買主が事故物件であることに気づいて、売主に申し出た場合には契約不適合責任に問われます。

契約不適合責任とは、物件に瑕疵が潜んでいた場合に売主が修繕や損害賠償、契約解除などの責任を負う義務です。告知義務を果たさずに売却すると、契約解除だけでなく、損害賠償を請求される可能性があるため、告知を忘れないように注意しましょう。

2-3.事故物件は相場よりも査定額が低くなる

事故物件は心理的瑕疵を踏まえた上で、市場価格から値引きして売却することになります。

不動産会社に査定を依頼すると、事故死の内容による違いはあるものの、周辺の市場価格と比べた場合、3~5割程度低くなる傾向があります。

3.事故物件の売却方法とは

事故物件を売却する際は3つのポイントに注意が必要でした。では、それらのポイントを踏まえた上で事故物件を売却するにはどうすればいいのでしょうか?

事故物件の売却方法として以下の3つが挙げられます。

  1. 事故物件の取り扱い経験がある不動産会社に売却依頼する
  2. 複数の不動産会社に査定依頼をする
  3. 不動産会社に事故物件の買取を依頼する

それぞれの売却方法について詳しく見ていきましょう。

3-1.事故物件の取り扱い経験がある不動産会社に売却依頼する

まずは告知義務を果たした上で、事故物件の取り扱い経験がある不動産会社に売却依頼するという方法が挙げられます。

しかし、心理的瑕疵を有している物件であるため、なかなか買い手が見つからない、価格の引き下げを要求されるなどの可能性がある点には注意が必要です。

事故物件を売却する際には、事故物件の売却経験が豊富にある不動産会社に依頼するのも選択肢の1つと言えるでしょう。

3-2.複数の不動産会社に査定依頼をする

事故物件の査定依頼をする際は、1社だけでなく複数社へ同時に依頼しましょう。1社だけでは査定結果の比較検討ができず、適正な価格であるかどうか判断が難しくなるためです。

事故物件であることを不動産会社に伝え、査定価格だけでなく、どのような売却方法があるのか、売却の期間はどれくらい必要なのか、詳しい相談をしてみましょう。

また、複数の不動産会社に相談する際は不動産一括査定サービスの利用も検討してみましょう。物件情報を一度登録するだけで、複数の不動産会社に査定依頼をすることが可能です。

過去に事故物件の取り扱い経験があるかどうかも確認し、より条件の良い売却相談ができる不動産会社を探してみましょう。

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不動産一括査定サイトによって、登録されている不動産会社が異なります。査定を依頼したい不動産に合わせて、利用するサイトを選んでみましょう。

3-3.不動産会社に事故物件の買取を依頼する

なかなか事故物件の購入希望者が現れない場合は、不動産会社に買取を依頼するのも選択肢の1つです。通常の物件と同様に、事故物件の買取に対応している不動産会社もあります。

しかし、買取は仲介と比較して物件の売却価格が2~3割ほど低くなる傾向があります。そのため、価格よりも売却時期を優先したいという方以外は適していない方法になります。

買取か仲介か、売却方法を選ぶときは、売却を完了させたい時期と売却価格を比較し、各々の優先順位に基づいて判断していきましょう。

まとめ

事故物件は心理的瑕疵を有しているため、事故物件であることを告知しておかないと後で瑕疵担保責任を問われる可能性があるので注意が必要です。

事故物件の査定結果には、市場価格に心理的瑕疵分の減額が反映されるため、3~5割程度低くなります。

売却する際には、普段通り売却する、時間をおいて売却する、買取を依頼するという方法が挙げられますが、買取はさらに物件を安く手放すことになるので注意が必要です。

少しでも高く売却することを優先する、早く売却することを優先するのかよく考えて、不動産会社に相談しながら売却を進めましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。