埋没物がある不動産・土地を売却するときの注意点は?撤去の必要性や費用も

埋没物がある土地は欠陥があるとなされるケースもあり、売主の契約不適合責任を問われる可能性もあります。埋没物がある不動産を売却する際はこれらの点に注意し、適切な対応を行うことが大切です。

本記事では、埋没物と土地の欠陥、売主の契約不適合責任について概説したうえで、埋没物がある不動産を売却する際の注意点、撤去の必要性や費用について解説していきます。

目次

  1. 埋没物と土地の欠陥
    1-1.埋没物にはどのようなものがあるか
    1-2.売主の契約不適合責任と欠陥
  2. 埋没物のある不動産を売却する際の注意点
    2-1.埋没物の有無が不明な場合、調査して売却する
    2-2.埋没物があることを不動産売買契約書に明記する
    2-3.埋没物を撤去して売却する
    2-4.撤去費用分を値引きして売却する
  3. 埋没物の撤去の必要性と費用
    3-1.埋没物の撤去の必要性
    3-2.埋没物の撤去費用の目安
  4. まとめ

1.埋没物と土地の欠陥

埋没物にはどのようなものがあり、それが売主にどのようなリスクをもたらすのか、についてみていきましょう。

1-1.埋没物にはどのようなものがあるか

埋没物には、大きく分けて「現在使用されているもの」と「現在使用されていないもの」があります。

使用されている埋没物には、上下水道やガスなどの配管があり、古い家では、このような配管がどこに埋設されているか不明であるケースも少なくありません。このようなインフラに使用されている埋没物は、居住者の生活や不動産の価値を維持するために必要なものであるといえるでしょう。

しかし、使用されていない埋没物が土地の価値を損ねることがあります。使用されていない埋没物の例としては、コンクリートや鉄骨、屋根瓦といった建築廃材や、以前、使用されていたが現在は使用していない井戸や浄化槽、下水管、杭などが挙げられます。

1-2.売主の契約不適合責任と欠陥

使用されていない埋設物は、その土地の上に建物を建築する上で障害となることがあり、土地の欠陥とみなされることがあります。大量のコンクリートなどの廃棄物や、使用されていない井戸などは建物を建設する際に支障となることが多く、土地の欠陥となる可能性が高いでしょう。

現在使用しているインフラであっても、他人と共用する排水管や浄化槽は撤去することが難しいことから、土地の欠陥となることがあります。欠陥がある不動産を買う買主側には、その欠陥がもたらすリスクがあります。そのため、欠陥がある不動産は売りにくくなります。

また、売主は不動産の種類、品質、数量について、売買契約に適合する状態で引き渡す義務があります。すなわち、売買契約の内容と引き渡した不動産の状態が一致していない場合、売主は原則として契約不適合責任を負います。

契約不適合が発見されたとき、買主は追完(補修や代替物)請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求ができることになります。埋没物がある、という欠陥を買主に通知せずに、引渡し後に判明した場合、買主からこのような請求をされるリスクがあることになります。

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2.埋没物のある不動産を売却する際の注意点

埋没物のある不動産を売却する際には、次のような点に注意する必要があります。

  • 埋没物の有無が不明な場合、調査して売却する
  • 埋没物があることを不動産売買契約書に明記する
  • 埋没物を撤去して売却する
  • 撤去費用分を値引きして売却する

以下、それぞれについて、詳しくみていきましょう。

2-1.埋没物の有無が不明な場合、調査して売却する

埋没物の有無が不明なまま、売却後に買主に発見され、それが建物の建築に影響を及ぼすような欠陥となった場合、売主の契約不適合責任を問われトラブルに発展する可能性もあります。

埋没物の有無が不明な場合は、できる限り調査してその有無やどのような埋没物が埋まっていて、建物の建築にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを明確にしておきましょう。

不動産売却の仲介を行っている会社の中には、埋没物などの瑕疵(欠陥)のある不動産を専門的に行っている会社があります。このような不動産会社を探すには、複数社へ問い合わせができる不動産一括査定サイトを利用するのが便利です。

不動産一括査定サイトでは、不動産査定の結果を比較するだけでなく、売却を依頼できる不動産会社を手軽に探せるメリットがあります。物件登録時には、備考欄に「埋没物がある可能性があり、対応できる会社に依頼したい」などのように記載しておくと良いでしょう。

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2-2.埋没物があることを不動産売買契約書に明記する

埋没物のある不動産を売却する場合、その埋没物について売買契約書に明記し、買主には埋没物があり、建物の建築に影響を及ぼす可能性があることを承諾した上で売買契約を締結することが重要です。

売買契約書上に土地の欠陥が明記されておらず、契約内容と引き渡した不動産の状態が一致していない場合、売主は原則として契約不適合責任を負うことになります。

また、契約不適合責任免除特約を設けていたとしても、売主が知っていながら買主に告げずに売買契約を締結した場合、民法の信義則に反することになるため、契約不適合責任は免除されません。

2-3.埋没物を撤去して売却する

埋没物がある不動産を売却する際、埋没物を撤去すればその土地の欠陥となりうる要因は排除されることになり、スムーズな売却が可能でしょう。

ただし、撤去するには費用がかかるため、地価が高くない地域の土地では、売却代金によって撤去費用を回収できない可能性もあるので注意しましょう。不動産の価格は、土地の形状や周辺環境などによっても影響を受けます。

埋没物を撤去する際は、予め撤去費用を見積り、不動産の売却価格を査定したうえで慎重におこなうようにしましょう。

2-4.撤去費用分を値引きして売却する

埋没物がある不動産を売却する際、買主がその埋没物を撤去することを想定し、その費用に相当する価格分を相場より下げることで、売却できる可能性があります。

仲介を依頼している不動産会社へ相談し、周辺地域のニーズに合わせた値下げ幅を設定するなど、売却の戦略を立ててみましょう。

3.埋没物の撤去の必要性と費用

ここまで見てきた埋没物を売却する際の注意点から、埋没物を撤去する必要性について考えてみましょう。併せて、埋没物の撤去費用の相場もみていきます。

3-1.埋没物の撤去の必要性

土地の欠陥にあたるような埋没物がある場合、できれば撤去して売却した方が相場価格通りに売却でき、トラブルも回避できるといえるでしょう。

しかし、撤去費用を捻出することが難しかったり、撤去しようにも他人が使用している排水管などのインフラは撤去すること自体が難しいケースもあります。そのような場合、必ずしも撤去しなければ売却できないということはなく、撤去費用相当分を相場価格から差し引くことで売却できることがあります。

また、埋没物の有無を明らかにしなかったり、埋没物があるのに隠して売却するのは、売却後のトラブルにつながり、売主の契約不適合責任を問われる可能性があるのでやめましょう。売買契約書に埋没物がある旨を記載し、埋没物が建物の建築に影響を及ぼす可能性があることを買主に伝え承諾を得たうえで売却するようにしましょう。

3-2.埋没物の撤去費用の目安

埋没物の撤去費用は、埋没物の種類によって以下のような金額が目安になります。

  • コンクリート:1.2万円~/㎥
  • レンガ・瓦:2.2万円~/㎥
  • 浄化槽:10万円~/個
  • 井戸埋め戻し:10万円~/個

埋まっている深さによって、撤去費用は変動することがあります。また、地域によっても費用相場は変わってきます。複数社に問い合わせてみて、かかる費用を比較されてみると良いでしょう。

まとめ

埋没物がある不動産は売りにくいだけでなく、その埋没物が土地の欠陥とみなされるような場合では、売主側には買主側からその瑕疵につき責任を追及されるリスクがあります。

埋没物の有無を調査して、埋没物が見付かり、その埋没物が土地の欠陥となりうるような場合は、買主にその旨を告知し、撤去することを検討しましょう。告知しないと、売主に契約不適合責任が発生するため注意が必要です。

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佐藤 永一郎

佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。