アメリカ不動産投資で気を付けたい6つのリスクとは?事前にできる対策も

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アメリカは新興国と比較すると地政学リスクが低く、不動産投資の対象国として選びやすい国と言えます。

しかし、エリアによっては災害リスクが、州によっては税金に関するリスクが高い地域もあり、アメリカ国内でもエリアによって注意しておきたいポイントがあります。

そこで本記事ではアメリカ不動産投資における6つのリスクについて解説し、事前にできる対策についてまとめています。アメリカ不動産投資を検討されている方は、ご参考下さい。

目次

  1. アメリカ不動産投資の6つのリスク
    1-1.為替リスク
    1-2.自然災害のリスク
    1-3.金利変動のリスク
    1-4.賃貸管理に関するリスク
    1-5.固定資産税上昇のリスク
    1-6.源泉徴収税に関するリスク
  2. まとめ

1.アメリカ不動産投資の6つのリスク

アメリカ不動産投資には、主に6つのリスクがあります。各リスクを軽減するためには、事前の情報収集やエージェント選びが重要です。

1-1.為替リスク

USドルは世界の基軸通貨であり、新興国などの通貨と比較すればUSドルの変動幅は少なくなっています。しかし、世界の基軸通貨であるゆえに、USドルは世界経済変動の影響を受けやすいリスクを持っています。

例として、円ドルレートについてみていきましょう。20年間の値動きを追ってみると、最低値と最高値との差額は約60円です。

※日本銀行「時系列統計データ」を参照して筆者作成

比較期間を2015年1月〜2019年12月の5年間に限定しても、最低値と最高値との差は約20円あります。アメリカ不動産を売却するときには、物件購入時の為替レートがいくらだったのか、確認しておくことが重要です。

なお、為替は税金の計算にも関係しています。日本国内で納税する税金を計算するときには、ドルを円に変換するからです。物件購入時よりも円安が進んでいる時期に売却すると、譲渡税の課税額も増加することになります。

1-2.自然災害のリスク

特にアメリカ南部の州ではハリケーンなど自然災害のリスクに要注意です。自然災害のリスクに備えるためには、火災保険の付保と保障内容の精査が必要になります。

過去の事例を見ると、テキサス州南部やルイジアナ州などは、特にハリケーンの通り道になりやすい傾向があります。

※引用:アメリカ海洋大気庁「HISTORICAL HURRICANE TRACKS

その一方で、アメリカ北部や西部の州では、ハリケーンの被害が少ない地域です。ハリケーンのリスクを避けるのであれば、例えばカリフォルニア州やワシントン州など、アメリカ西部の州で物件購入するのも1つの方法となるでしょう。

なお、アメリカでは、ハリケーン以外にも竜巻・雹・山火事などの自然災害が発生しています。火災保険を契約するときには、これらの被害も保障されるのか、事前の確認が重要です。

1-3.金利変動のリスク

変動金利のローンを利用する場合は、金利の変化に要注意です。金利変動のリスクを軽減するためには、固定金利のローンを利用するか、金利が上がってもキャッシュフローを確保できる物件に投資することなどが必要になります。

コロナウイルスが経済に大きな影響を与えている2020年12月時点では、アメリカも金利の引き上げに慎重な姿勢を示しています。日本銀行も金融緩和を維持する方針を示しており、長期金利の引き上げ目処は立っていません。

しかし、経済の落ち込みに伴い、融資に慎重な姿勢を示す金融機関が増えています。貸し倒れのリスクを考慮して、金融機関が高い金利を提示してくることも考えられます。

また、すでにローンを契約済みの場合でも、変動金利で契約している場合は、金利上昇の可能性を考慮することが必要です。現在ローンを利用中の場合は、固定金利のローンへ借り換えることもリスクヘッジにつながります。

1-4.賃貸管理に関するリスク

日本からアメリカ不動産に投資する場合、オーナーが自主管理をするのは困難であることから、賃貸管理会社の導入が必要になります。

しかし、投資家が単独でアメリカ現地の賃貸管理会社を探すにも、これからアメリカ不動産へ投資する方にとって非常にハードルの高い作業と言えるでしょう。

一方、不動産売買を仲介するエージェントを探すことは、難易度の高い作業ではありません。アメリカで不動産エージェントを営む日本人は少なくないためです。

賃貸管理のリスクを軽減するためには、アメリカ不動産を扱う日本の不動産会社に相談するのが有効です。なお、日本の不動産会社を選ぶときには、アメリカ現地に拠点を持っているところを選ぶと良いでしょう。

ただし、エージェントが賃貸管理まで請け負っているとは限らず、賃貸管理を管理会社に委託した結果、管理の質が低かった場合は管理会社変更の検討が必要です。

賃貸管理会社をもう1度探すのは大きな労力を要します。現地の不動産事情に詳しい会社へ相談し、良質な管理会社を紹介してもらえるか確認してみましょう。

【関連記事】【7分で分かる】アメリカで不動産投資を始めるための10のステップ

1-5.固定資産税上昇のリスク

アメリカでは、税金が連邦税と州税に分かれており、州ごとに税金の種類が異なります。また、不動産価格が上昇しているエリアでは、固定資産税の増加に要注意です。

例えば、2020年12月時点、テキサス州では所得税が州税として徴収されません。しかし、所得税が徴収される州と比較すると、固定資産税率が高くなっています。(※テキサス州「PROPERTY TAX ASSISTANCE」を参照)

また、テキサス州では近年不動産価格が大きく上昇してきた背景があり、不動産価格の上昇に伴い固定資産税評価額も上がっています。固定資産税の上昇はキャッシュフローの圧迫につながるので要注意です。

税金は、投資家が自らコントロールできません。不動産価格が上がっているエリアの物件を購入する場合は、固定資産税が上がってもキャッシュフローが出るか、あらかじめ確認することが重要です。

1-6.源泉徴収税に関するリスク

日本では不動産を売却すると譲渡所得税が課税されますが、アメリカでも州によっては譲渡所得税が発生します。譲渡所得税が源泉徴収税になっていると、物件売却当初は、税金を差し引いた分の金額しか売主に入ってきません。

源泉徴収を回避するためには、税務署への事前届出が必要です。しかし、税務署の審査次第で届出が認められないこともあります。

例えばローンの残債が残る物件を売却する際、売却益を利用してローン返済するケースが多いでしょう。しかし、源泉徴収税が差し引かれることで、売却益がローンの残債に届かないリスクもあります。あらかじめ、源泉徴収に備えて資金を用意しておくことが重要です。

まとめ

アメリカ不動産投資で失敗するリスクを軽減するためには、実績を持っており、信頼できるエージェントを見つけることが重要です。物件選びと賃貸管理会社を選ぶカギは、エージェントが握っています。

アメリカ不動産投資のリスクは、そのほとんどが事前に対策できます。特に、キャッシュフローにこだわって物件を選ぶことがポイントです。キャッシュフローが出る物件に投資していれば、税金や金利に関するリスクを軽減できます。

実績を持っており、良い物件を紹介してくれるエージェントの協力を得られれば、管理会社や保険などについても、適切な選択が可能となります。アメリカ不動産投資を検討する際は、適切な情報を豊富に持っているエージェントの協力を得られるように行動してみましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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