国内不動産の価格はリーマンショック以降に上昇し続けており、2017年現在はかなり高い水準だと言われ始めています。新築・築浅の物件の表面利回りも3%~4%となっており、ローンの融資金利などを考えるとなかなか手を出しづらい状況です。
しかし、海外不動産に目を向けてみると、都心のハイグレードマンションで利回り10%の物件が掲載されていたりするなど、まだまだ景気の良さそうな話も目にすることがあります。ただ、海外は国内に比べてリスクが大きいというイメージが強いですし、いくら利回りが高いからといっても投資の決断をするには勇気が必要です。
この記事では、この海外不動産のメリット・デメリットについて詳しく解説していきたいと思います。
海外不動産投資のメリットとは?
まず、海外不動産のメリットについてまとめてみると、以下のようなポイントが挙げられます。一つ一つ詳しく見ていきましょう。
- 成長性がある国に投資ができる
- 不動産の投資利回りが高い
- 地震などのカントリーリスクを分散できる
- 海外投資の知識・経験が身につく
- 日本人としての強みを活かせる
成長性がある国に投資ができる
たとえば、日本から比較的身近な東南アジアの国々では、GDPの成長率が5%を超えるなど、現在も著しい成長を見て取ることができます。また、高齢社会に突入した日本とは異なり、人口ピラミッドはまだまだ若年層の割合が大きく、労働人口の増加も期待することが可能です。
不動産の投資利回りが高い
国全体の経済が成長し続ければ所得が上がり、人口が増加すれば不動産の需要が増えるため、それに伴い土地や不動産の価値も上がっていくことが期待できます。日本国内での不動産投資のように、小幅なGDP成長と長期的な人口減少のなかで、人気エリアでパイを奪い合うようなことになることは少なく、自然な経済成長のなかで高い投資利回りを実現することができるというのが海外不動産の一番のメリットとなります。海外不動産投資は、特定の不動産を購入するというよりは、成長する国・成長する都市を見極めて、その可能性に対して投資をするという側面のほうが強いかもしれません。
地震などのカントリーリスクを分散できる
日本国内だけで投資を行っていると、地震や天災などが起きた際に日本全体の不動産価値が下がってしまうという事態に対処できないというリスクを抱えることになりますが、海外に不動産を保有しておくことで、日本の不動産価値が減少しても海外不動産は上昇しているといったような分散効果を得ることが可能です。
海外投資の知識・経験が身につく
海外不動産投資を続けていくと自然と海外に目が向くようになり、投資に関する良質な情報が手元に集まってくるようになります。国内だけにとらわれて投資を行っていると、長期的なジリ貧の状況に否応なしに巻き込まれることになりますが、海外を投資の選択肢として持っておくことは、投資家として非常に大きなアドバンテージとなることが考えられます。
日本人としての強みを活かせる
東南アジアの国などには親日の国や「日本ブランド」が通用する国も多く、日本人であると伝えるだけで現地の業者が親身になってくれたり、日本人のオーナーであることが入居者の安心に繋がったりするケースがありますので、他の国の投資家よりも投資をスムーズに進めることができるというメリットがあります。
海外不動産投資のデメリットは?
一方、海外不動産投資にはデメリットも数多く存在します。主なデメリットとしては、下記のようなポイントが考えられます。
- エリアに関する土地勘がない
- 信頼できない業者が多い
- ローン融資を受けられないことがある
- 外国人には投資できない土地や物件もある
- 為替リスクがある
エリアに関する土地勘がない
海外不動産投資のデメリットは、日本に比べるとエリアの土地勘が薄い状況で投資をしなければいけないという点です。たとえば、東京都に住んでいれば港区・中央区・千代田区が都心一等地で、そこに比べると同じ東京都内であっても葛飾区や荒川区、八王子市などの物件はグレードが劣るといったことが肌感でわかりますが、マレーシアのクアラルンプールのどこが人気エリアで、どのエリアからが都心の外れにあたるかといったことを判断するのは難しいと言えます。そのため、投資国・投資エリアに強い会社を見つけて、パートナーにすることが大切です。アジアであればビヨンドボーダーズという会社がおすすめですので、まずは話を聞いてみると良いでしょう。
信頼できない業者が多い
日本人は、海外でビジネスを行う際にカモにされやすいという点も注意が必要です。法整備やコンプライアンス意識が整っていない国も多く、契約書を勝手に書き換えようとしたり、受注した仕事をきちんと履行しなかったりといったトラブルも数多く発生します。本当に信頼できる業者とだけ付き合えるかどうかが海外不動産投資の一番の成否の分かれ目となります。
ローン融資を受けられないことがある
投資先の国にとって外国人であるということで、現地の金融機関からの融資を受けにくいケースや、国内の金融機関からは「海外不動産はリスクが高い」と敬遠されるなどの融資に関するデメリットもあります。現金でしか物件を購入できないというケースも十分に想定されますので、物件購入の際にはまずはパートナーの不動産会社に確認をしてみてください。
外国人には投資できない土地や物件もある
インドネシアなどのように外国人は土地を買うことができないという国もあります。海外不動産への投資は、外国人であることで投資行動に制約がかかるということは、頭に入れておいたほうが良いでしょう。
為替リスクがある
海外不動産は外貨建ての現物資産となるため、為替の影響を受けることになります。不動産価格が上がっていても、為替差損で利益が出ないというケースも考えられますが、逆に為替差益が出るということもありますので、為替による変動はデメリットだけでなくメリットになることもあります。
まとめ:デメリットやリスクを把握して対処すれば海外不動産投資はアリ
海外不動産への投資は、勝手が分からずに「なんとなく危なさそうだし、面倒くさい」と考えてしまいがちですが、リスクやデメリットを一つ一つリストアップして、適切な対処や予防策を施していけば、リスクを最低限に抑えながら、国内の不動産よりも高いパフォーマンスを出すことも可能です。まずは、海外不動産投資に関する書籍や無料セミナー、無料相談など、情報収集から始めてみると良いでしょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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