高く売るには不動産会社がカギ。優良な不動産仲介会社の選び方5つのポイント

※ このページには広告・PRが含まれています

収益不動産を所有している人の中には不動産の売却を考えている方もいらっしゃるでしょう。売却価格はその不動産が生み出す収益や、駅からの距離、周辺の環境によって変わってきますが、依頼する不動産会社によっても価格は違ってきます。できるだけ高く売却してくれる不動産会社はどうやって探せば良いのでしょうか。

今回は不動産会社や契約の種類や特徴などを確認した上で、優良不動産会社の選び方の5つのポイントについて解説いたします。

目次

  1. 不動産会社によって得意分野が違う
  2. 売却の仕方には2種類ある
    2-1.買取
    2-2.仲介
  3. 大手不動産会社と中小の不動産会社の違い
  4. 売却が得意な会社とそうではない会社の違い
  5. 媒介契約の仕方は専任・専属専任・一般媒介の3つ
  6. ある程度相場の価格は把握して依頼する
  7. 優良不動産会社の選び方5つのポイント
    7-1.不動産一括査定サイトで相場を把握する
    7-2.安くても買取を選択する場合
    7-3.会社の大小よりも売却実績の多い会社
    7-4.担当者が一生懸命やっているか
    7-5.誇張表現を鵜呑みにしない
  8. まとめ

1.不動産会社によって得意分野が違う

不動産会社というとどの会社も同じだと思う方もいらっしゃると思いますが、会社によってやっていることやビジネスモデルが全く違います。以下は国土交通省が定めている宅地建物取引業の範囲です。

宅地建物取引業を営もうとするものは、宅地建物取引業法の規定により、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けることが必要です。
宅地建物取引業とは、次の行為を業として行うものと宅地建物取引業法で規定されています。
○ 宅地または建物の売買
○ 宅地または建物の交換
○ 宅地または建物の売買、交換または貸借の代理
○ 宅地または建物の売買、交換または貸借の媒介

*国土交通省「宅地建物取引業の免許について」から引用

不動産会社は宅地建物取引業の免許を取得して不動産業を行っています。不動産業務の内容は幅広く一つの不動産会社が全ての業務を行っているわけではありません。一般的に行われている不動産業務の種類と内容をまとめたものです。

種類 内容
新規の土地開発、物件建築など 新築の大規模マンションや施設開発、主に大手ディベロッパーが行う
居住用不動産仲介 中古不動産の売買仲介
中古不動産買取 中古不動産の買取と再販
投資用不動産販売 新築の投資用不動産
収益不動産仲介 中古の収益不動産の仲介
アパート建築 土地活用やアパート建築
注文住宅、戸建て販売 戸建ての建築や販売
賃貸管理 不動産管理など

この表のように不動産会社が行う業務は様々で、それぞれの業務に特化して専門的に行っている会社もあれば、複数の業務を行っている会社もあります。このように不動産会社には得意分野と、そうではない分野がありますので、高く売却したい場合は売却を得意とする不動産会社に依頼することが大切です。

2.売却の仕方には2種類ある

不動産の売却の仕方には買取と仲介の2種類あります。どちらを選ぶかで売却価格が変わってきますので、それぞれの特徴を知っておきましょう。

2-1.買取

不動産を不動産会社が買い取ってくれる方法です。買取業者の中には、たとえば投資用マンション専門の「ハヤガイ」というサービスでは最短3日で買い取ってくれるといった業者があり、現金化を急いでいる場合はメリットがあります。他にも仲介手数料がかからない、物件の瑕疵担保責任がない、リフォームをしなくて良い、などのメリットがありますが、その分、仲介で売却するより価格が安くなるデメリットがあります。

2-2.仲介

不動産会社が仲介をして第三者に売却をする方法です。メリットは自分の希望価格で広告を出すことができ、現金化を急いでいなければ希望の価格で売却できるまで待つことができる点です。仲介手数料がかかる、瑕疵担保責任があるなどのデメリットがあります。また、高く売りたくても買主との交渉や周りの相場によって価格が下がる可能性もあります。買取と比較すると売却まで時間がかかるため、現金化を急いでいる人には不利になります。

このように売却の方法には2種類あります。高く売却をしたい場合は、仲介で売却する方がメリットはあるでしょう。どちらの方法で売却するかは、希望価格や緊急度合いなど今の状況を踏まえて検討することが重要になります。

3.大手不動産会社と中小の不動産会社の違い

大手不動産会社と中小の不動産会社ではどちらにメリットがあるでしょうか。

仲介で売却をしようとする場合は、不動産会社が買うわけではありません。第三者の買主が購入を考えますので、大手か中小かは問題ではないでしょう。しかし、大手と中小では取引範囲や支店の数などが違い、物件の所在地などによって売却範囲や手数料の額が違ってくることがあります。表にまとめましたので確認しましょう。

比較項目 大手不動産会社 中小の不動産会社
情報公開や収集 レインズを使用 レインズを使用
仲介手数料 両手が多い 片手でも可能な場合がある
関連会社など 関連会社、支店が多い 関連会社がない場合がある

この比較表からまずわかることは大手、中小ともにレインズという不動産会社の情報ネットワークを使用していますので、どちらに依頼しても告知範囲は同じだという点です。

仲介手数料は買主と売主の両社に発生します。両社の手数料が発生する場合を両手と言います。不動産会社によっては契約数を増やすために、経営判断で売主から手数料を取らない場合があります。それを片手といいます。中小は経営判断で手数料を取らないケースがありますが、大手は規定通りに業務を進めるケースが多いので売主の負担だけをなくすということが少なくなります。

また、大手は関連会社や支店が個人や法人の顧客を持っていますので、そういったネットワークがある点では大手が有利になります。

例えば、売主は地方にいて、物件は都心にあるという場合は、近くの中小の不動産会社に依頼するより、関東エリアに支店を多く持つ大手不動産会社の方が有利になるでしょう。全ての会社に当てはまるわけではありませんが、このようなケースもありますので、依頼する前に確認して探すようにしましょう。

4.売却が得意な会社とそうではない会社の違い

売却を得意とする会社とそうではない会社に依頼をした場合に、どのような違いが生じるのでしょうか。

普段は物件管理しかしていない会社の場合、管理費で経営が成り立っていますので、売却にはあまり力を入れなくても経営に差支えがありません。逆に仲介を主に行っている会社は、仲介手数料が主な収入になるため、高く売却できる方がメリットはあります。仲介をメインに行っているかどうかで、買主との交渉や、広告の出し方が違ってきますので、不動産会社の選択は慎重に行いましょう。

5.媒介契約の仕方は専任・専属専任・一般媒介の3つ

契約の仕方にも注意が必要です。不動産売買の契約には専任媒介契約と専属専任媒介契約、一般媒介契約の3種類の契約方法があります。違いを表にまとめましたので確認しましょう。
            

仲介手数料 他の仲介会社との契約 自分で探した買主と自分で契約できるか
専任媒介契約 ×
専属専任媒介契約 × 不可
一般媒介契約

*公益社団法人全日本不動産協会HP「一般媒介契約について」から引用

複数の不動産会社と契約をしたい場合は一般媒介契約でなければできません。また専属専任媒介契約は自分の知り合いなどが購入したいと直接言ってきても、不動産会社との契約が終わるまで自分で契約することができません。

不動産会社からすると、一般媒介契約の場合だと、頑張って買い主を探しても他の不動産会社で決まる可能性があります。そういう理由で不動産会社にとっては、専任媒介契約の方が一般媒介絵契約より優先順位が高くなります。どちらで契約するかは、売却の緊急性や、査定見積もりなどで違ってきますので、よく検討して依頼するようにしましょう。

6.ある程度相場の価格は把握して依頼する

不動産会社と契約した後に査定価格が安いと感じても一定期間は解約できませんので、ある程度の相場は把握して依頼するようにしましょう。収益還元法という試算方法で算出するのもいいですし、不動産一括査定サイトで査定を依頼するのもいいでしょう。売却しようとする不動産のおおよその価格を知って依頼することで、誇張表現をしている会社とのトラブル防止にもなります。

7.優良不動産会社の選び方5つのポイント

不動産会社の種類や、契約の種類などの売買の基本的なことを確認しました。基本事項をもとに優良不動産会社を選ぶ5つのポイントについて見てみましょう。

7-1.不動産一括査定サイトで相場を把握する

売却したい不動産のある程度の相場は知っておくことに触れました。相場を知る方法として不動産一括査定サイトに依頼する方法があります。複数の不動産会社の査定価格を見ることができますので、最高値や最安値、各社の査定理由などを知ることができます。

代表的な不動産一括査定サイトとして、「すまいValue」というサービスがあります。このサイトは、不動産業界を代表する小田急不動産、東急リバブル、三菱地所の住まいリレー(三菱地所ハウスネット)、住友不動産販売、三井不動産リアルティ、野村不動産ソリューションズの大手6社によって共同運営されています。

不動産一括査定サイト「すまいValue」

無料で不動産を査定してもらえますので、本格的に契約する前に不動産会社の営業姿勢や売却方針などを知ることができます。その時点で断ることができますし、気に入った会社があれば本格的に依頼することもできます。

7-2.安くても買取を選択する場合

仲介の方が買取より高値で売却できることに触れました。もし、仲介で試算しても高値で売れそうにない場合や時間がかかる場合は、条件次第では買取で検討することも必要です。

築古ですでに初期投資費用を回収し、買取の価格で売却をしても残債が完済できる上に数百万円利益がでる場合は買取でも損はしません。仲介でも高値が付かず、時間がかかるようであれば売却の機会そのものを逃す可能性もありますし、買取価格も時間が経てば下がる可能性もあります。仲介であまりうまみがなさそうであれば、どちらがメリットがあるのか試算をして選択をしましょう。

7-3.会社の大小よりも売却実績の多い会社

不動産会社を選ぶ際は、大手か中小かという点ではなく、売却実績の多い会社を選びましょう。不動産会社には得意、不得意があることには触れましたが、売却実績があれば中小の会社でも買主との交渉や価格設定も慣れています。売却に慣れていない大手不動産より、売却を多く経験している中小の方がより高くで売却できる可能性があります。その点を特に注意して探すことが大切です。

7-4.担当者が一生懸命やっているか

不動産が少しでも高く売れるかどうかは、不動産会社の担当者が積極的に売ろうとしているかどうかも影響してきます。話をして査定価格になった理由を聞いたり、対応の早さなどを見たりして、一生懸命やっている会社に依頼することも大切です。不動産一括査定サイトに依頼して、より高くで売却してくれそうだったり、反応が早い会社も積極的に売却しようとしている可能性がありますので、対応は注意して見るようにしましょう。

7-5.誇張表現を鵜呑みにしない

複数の不動産会社に依頼をすると、より高い価格で査定している不動産会社と契約したくなりますが、誇張表現を鵜呑みにしないことが大切です。中には最初は高値で契約をして、徐々に安くする悪質な会社もあったります。他社と比べて著しく高い査定価格が提示された場合は、その査定理由をしっかりと確認し、他社の査定理由と照らし合わせて妥当かどうかを判断することも大切です。

まとめ

収益不動産を売却する場合の価格は、多くの場合収益や駅からの距離や築年数などで変わってきます。しかし、実際に査定した価格ですぐに売却できるかどうかは、仲介している不動産会社の力量が大きく影響してきます。

今回ご紹介した売却を依頼する際のポイントを以下にまとめましたので参考にてみて下さい。

優良不動産会社の選び方5つのポイント

  1. 不動産一括査定サイトで相場を把握する
  2. 安くても買取を選択する場合
  3. 会社の大小よりも売却実績の多い会社
  4. 担当者が一生懸命やっているか
  5. 誇張表現を鵜呑みにしない

今回のポイントをもとに、信頼できる不動産仲介会社をパートナーにつけて、納得の行く価格・条件での売却を目指しましょう。

The following two tabs change content below.

西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。