アパート経営の投資利回りを高めるための3つの極意とは?

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アパート経営を行う場合には、空室のリスクと常に隣り合わせであるため、できる限り投資利回りを高めながら運用を行い、万が一のために資金をためておくことが重要です。

アパート経営の投資利回りは「家賃収入」「コスト」「物件価格」の3つで決まりますが、たとえば「家賃収入」を増やそうとして、ただ家賃だけを高くしてしまうと入居者が離れていってしまい、家賃収入としてはむしろ減ってしまう恐れがあります。

この記事では、これからアパート経営を始めてみたいという方に向けて、高い投資利回りでアパート経営に取り組むための3つの極意をご紹介したいと思います。

目次

  1. アパート経営はただ座っているだけでは儲らなくなってきた
  2. アパート経営の投資利回りを高めるための3つの極意
  3. アパートのリフォームやリノベーションを行う
    1. リフォームは小規模修繕
    2. リノベーションは大規模修繕
  4. アパートの管理費などを削減する
    1. 管理している不動産会社を変更する
    2. 電球を蛍光灯からLEDに変更する
    3. アパートローンの借り換えを行う
  5. アパートに太陽光パネルを設置して副収入を得る
  6. まとめ

1 アパート経営はただ座っているだけでは儲らなくなってきた

アパート経営は、長期的な家賃収入が期待できるというイメージ以外にも、資金が少なくても金融機関から融資を受けながらできる、出資するだけで管理は任せておけばいいので不労所得になる、といったように良いイメージを抱いている人も多いと思います。

アパートの数が少なく、アパートの需要が高かった時代であれば、ただ座っているだけでも長期的な家賃収入を得て儲けることができたかもしれません。しかし、現在は不動産投資がブームになった影響を受けてアパートの供給数も増えてきたため、以前よりも簡単に儲けることはできなくなってきています。

そのため、現在はアパート経営を行うにあたり、しっかりと空室のリスクを抑えながら投資利回りを高めるための経営戦略を練る必要が出てきました。投資利回りを高めるためには、どのような方法があるのでしょうか?

2 投資利回りを高めるための3つの極意

投資利回りを高めるということは、アパート経営によって入ってくる収入を増やすということです。アパート経営を行った場合の収入は、家賃収入から修繕費や委託管理費といった諸費用を引いて残った部分になります。

そのため、収入を増やすには、家賃収入を増やす、コストを抑える、家賃収入以外の収入を得るということが重要なポイントと言えるでしょう。

これらのポイントから導き出されるアパート経営の投資利回りを高めるための極意として、以下の3つが挙げられます。

  • アパートのリフォームやリノベーションを行う
  • アパートの管理費などを削減する
  • アパートに太陽光パネルを設置して副収入を得る

それぞれどのように取り組めば良いのか詳細について見ていきましょう。

3 アパートのリフォームやリノベーションを行う

まず1つ目の極意は、家賃収入を増やすためのアプローチです。家賃収入を増やすには、全体的に家賃設定を上げる必要がありますが、いきなり家賃設定を上げられても、入居者としても納得できません。

そこで、家賃設定を上げても納得できる状態を作り上げる方法として、部屋のリフォームやリノベーションを行うといった手段が挙げられます。リフォームやリノベーションを行うことで利便性が高くなるほか、部屋がきれいな状態になるため、家賃設定を上げたとしてもある程度の需要が期待でき、投資利回りを高めることにつながるでしょう。

リフォームとリノベーションはどちらも一時的に大きな出費を伴ってしまいますが、長い目で見ると、家賃設定を高くすることができるため、結果的に得られるメリットは大きいと言えるでしょう。

「リフォームとリノベーションって言い方が違うだけじゃないの?」と疑問に感じている人も多いと思うので、両者の違いについても少し触れておきます。

3-1 リフォームは小規模修繕

リフォームとは、老朽化した部分を修繕や交換によって新しい状態にして利便性を高めるような修繕を意味しています。例えば、退去時に行う壁紙の張替えや、古くなったキッチン設備やトイレ、浴槽などを新しいものに交換することなどがリフォームのイメージとなります。

部分的な修繕や変更にはなるものの、設備面としてはリフォーム前よりも利便性が高まるため、入居者を確保しやすくなります。また、家賃設定を多少上げたとしても「その設備がついているなら妥当な設定か」といったように、家賃設定を正当化できるきっかけになると言えるでしょう。

3-2 リノベーションは大規模修繕

リノベーションとは、リフォームのような部分的な修繕や設備の修繕ではなく、大掛かりな工事を伴うような修繕を意味しています。例えば、元々の部屋の間取りが2LDKといったように、入居者が限定されてしまうような間取りの場合には、仕切りの壁をなくして広々とした1LDKに変更するような工事がリノベーションです。

リノベーションは、リフォームよりも大掛かりな工事になるため、費用が多くかかるというデメリットがあります。しかし、築年数の経過した古いアパートを現代のニーズに合わせた新しいアパートに変更できるため、より入居者を確保しやすくなると言えるでしょう。

ウォークインクローゼットを設置するといったように、リノベーションで現代のニーズに合わせれば合わせるほど、利便性は高くできます。しかし、リノベーションを行った分だけ家賃設定を上げることができるわけではありません。

そのため、リフォームだけでなくリノベーションを行う場合にも、家賃設定の引き上げ額を決めた上で、どの程度のリフォームやリノベーションが適正なのか考える必要があります。リフォームやリノベーションの費用を一気に回収しようとするのではなく、入居者目線に合わせた適正価格を設定するようにしましょう。

4 アパートの管理費などを削減する

家賃設定を引き上げることが一番の理想とは言えますが、周辺の家賃相場などを考えると、家賃設定を引き上げることで孤立してしまい、空室のリスクを引き上げてしまう可能性もあるため、注意しなければなりません。

2つ目の極意は、ポイントの2つ目にあったコストを抑えるためのアプローチです。収入を増やすための対策を考える際は、家賃収入を増やすことを優先的に考えがちですが、いくら家賃収入を増やしたとしても管理費などのアパート経営を行うためのコストが多ければ、増えた分の家賃収入を相殺してしまうことになります。

逆に、家賃収入が変わらなかったとしても、管理費などのコストを抑えることができれば、収入の増加につながるため、結果的に投資利回りを高めることにつなげることができると言えるでしょう。

特に築年数の経過したアパートにはコストが多くかかってしまう無駄が潜んでいる場合が多くあります。代表的なコストを抑える方法をご紹介します。

4-1 管理している不動産会社を変更する

アパートの販売を手掛けている不動産会社がそのままアパートの管理を行っていることが一般的です。不動産会社は、入居者を募集するための広告活動、アパートの定期清掃、家賃徴収、入退去時の室内や経年劣化による建物の修繕の手配など、様々なアパートの日常的な管理を行っています。

これらの不動産会社が行う日常的な管理に対して、管理委託費をオーナーは支払う必要がありますが、明確な管理委託費の上限が定められていません。家賃収入の5~10%が相場と言われているため、これが10%程度に設定されている場合は、管理委託費を低く設定している不動産会社に変更することで、コストを抑えることができます。

例えば、不動産会社を変更することで、管理委託費が家賃収入の10%から5%に下がった場合には、家賃収入が毎月100万円のアパートあれば、毎月10万円管理委託費として徴収されていたものが、毎月5万円に減ることになります。1年で考えると60万円節約できたことになるため、実質60万円家賃収入が増えるのと同じ効果が期待できます。

不動産会社を変更することに気乗りしない場合は、不動産会社に管理委託費の引き下げを要求することも手段の1つと言えます。管理を行っている不動産会社からすれば、管理を変更されてしまうと、大きな収入を失ってしまうことにつながるため、要求に応じてくれる可能性が高いと言えるでしょう。

4-2 電球を蛍光灯からLEDに変更する

アパートの管理を行うにあたって発生するコストは、不動産会社に支払う管理委託費だけではありません。水道光熱費もコストに対して占める割合が大きいと言えます。

特に、築年数が経過したアパートを購入する場合には、部屋以外の共用部分に使用している電球が蛍光灯のままである可能性が高くなっています。蛍光灯は、電気代が高いだけでなく、切れた場合の交換費用もそれなりになるため、LEDに変更することをおすすめします。

LEDは、電球を交換するだけで対応できなければ、大掛かりな工事が必要になる可能性があります。しかし、リフォームやリノベーションと同様、投資利回りを高めるために必要な支出であると考え、前向きに取り組んでいった方が良い項目と言えるでしょう。

4-3 アパートローンの借り換えを行う

アパート経営を長く続けていると、ローンを組んだ当時とは経済の状況や融資環境などが変わり、安い金利で借り換えをできるケースもあります。

ほとんどのケースでローンの返済が毎月の支出のなかで最も大きな比率を占めることになるかと思いますので、借り入れの金利を低くして、毎月の返済額や返済利息を減らすということも大切です。

5 太陽光パネルを設置して副収入を得る

家賃設定を高く設定することもできない、コストを抑えることもできないという状態ではもうお手上げなのでしょうか?3つ目の極意は、ポイントの3つ目にあった家賃収入以外の収入を得るためのアプローチです。

アパート経営を行うにあたり、家賃収入以外の収入を得る方法と言ってもピンとくる人は少ないかもしれません。しかし、実際にアパート経営を行うオーナーに増えつつあるのが、アパートの屋根に太陽光パネルを設置して副収入を得るという方法です。

「売電の制度が始まった当初から比べると買い取り価格が下がったのに手遅れでは?」と思っている人も多いのではないでしょうか?確かに、買い取り価格は下がってしまいましたが、太陽光の需要が増えたことで設備投資の単価が下がったため、以前より手軽に太陽光発電を行うことができるようになりました。

太陽光発電は、発電量が天候に左右されてしまいますが、1年間を通して考えると安定した発電量が期待できるため、アパート経営を行う場合の空室のリスクよりも大幅にリスクを抑えながら運用を行うことができるのがポイントです。

他に副収入を増やす方法として、車離れによって空きが目立つようになった駐車場にトランクルームを設置するという方法です。こちらは太陽光発電と比較すると、まだ取り組み事例が少ないので、今後も安定した運用が期待できるか下調べをしておく必要があります。

6 まとめ

不動産投資がブームになったことによって、アパートの供給数が増えたため、ただ座って見ているだけで高い収益性を確保することができる時代ではなくなってきました。

そのため、現在はアパート経営を行うにあたり、しっかりと空室のリスクを抑えながら投資利回りを高めるために、家賃収入を増やす、コストを抑える、家賃収入以外の収入を得るという3つのポイントに対して経営戦略を練る必要が出てきました。そこで、登場するのが以下の3つの極意です。

  • アパートのリフォームやリノベーションを行う
  • アパートの管理費などを削減する
  • アパートに太陽光パネルを設置して副収入を得る

これらの3つの極意の中には、取り組む際に支出を伴うものもあるため、無理に全てを行おうとするのではなく、入居者の満足度を維持・向上させながらアパート経営の効率を高めていくために何が必要なのかをしっかりと考えた上で、優先順位が高い手段から行っていくことをおすすめします。

リフォームやリノベーションなどは、やればやるだけいいというものでもないため、自信が持てない場合や不安に感じる場合は、不動産会社やFPといった専門家に相談するなど、第三者の意見を取り入れることで、より安定したアパート経営を行うことができるでしょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。