スルガ銀行(静岡県沼津市)が9日に発表した2019年第一四半期(4~6月)の連結決算で、今年6月末現在の不良債権額が前年同期比4.6倍の1356億円となったことが分かった。
融資先のシェアハウス業者が事業破綻した影響で、投資用不動産向け融資の焦げ付きへの懸念から不良債権処理費用が急増した。また、純利益が前年同期比70.6%減の31億円と大幅減になった。経常収益は352億円(同7.1%減)、経常利益は47億円(同69・8%減)だった。
個人向けローン実行額は162億円(同85.2%減)で、シェアハウス融資問題などの影響は深刻だ。シェアハウス関連融資について18年4月以降も継続的に顧客との面談を実施し貸出金の回収可能性を見直した結果、貸倒引当金繰入額等の与信費用が増加したことなどで経常費用は前年同期比82億円増の305億円となった。
19年3月期の通期業績予想は純利益250億円、経常利益365億円で予想を据え置いた。ただし「今後、貸倒引当金の積み増しなどによる業績予想修正の可能性がある」としている。
スルガ銀行を始めとした地方銀行は、これまで低金利を背景として個人向けの融資に対し積極的な姿勢を示してきていたが、一連の不正融資の問題を重く受け止め、厳しい審査基準へと切り替え始めている。地方銀行全体が個人向けローンに消極的になれば、今後の不動産投資市場にも大きな影響が出ることは避けられないだろう。
【参考ページ】スルガ銀行「2019年3月期 第1四半期 決算情報」
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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