LAETOLI株式会社は7月21日、東京都中央区銀座の「中銀カプセルタワービル」をファンド化した不動産投資型クラウドファンディング(CF)サービス「COZUCHI(コヅチ)」の「銀座EXITファンドⅠ・Ⅱ」の配当と償還が完了したと発表した。運用期間短縮により当初想定の年利回り10%を上回る実績利回りとなった。併せて、同ビルのデジタル保存に向け、NFT(非代替性トークン)を活用することを決定した。
同ビルは、建築家の故・黒川紀章氏が提唱した「メタボリズム思想」を体現する世界的な名建築の一つだったが、老朽化が進み、アスベストなどの安全面の問題から「不動産の劣化という観点からすれば限界的な状況」(同社)であり、再開発に向けて今年4月に解体工事が始まっている。
同社は区分所有部分であるカプセル部分計50戸の権利取得を行い、計2回にわたりファンドを組成、投資家から約36億円の出資応募を受け付けた。しかし、同ビルは、老朽化が進んでも黒川氏の思想に共感した人や、斬新で近未来的なカプセルに魅力を感じた人の関心を引き寄せている。このため、COZUCHIでは安全面の問題と現実的な経済合理性から、再開発に向けた最終段階の同ビルを商品化したが、経済合理性だけではなく、文化的な価値について残していく方法を模索。21年末、黒川紀章建築都市設計事務所と保存についての協定を正式に締結し協議を重ねてきた。
現実的な観点でデジタルでの保存を中心に検討していく中で、NFTの活用を決定、解体が惜しまれていた建物を現実世界およびメタバース世界の両方で完全再現することを目指す。
「今後もCOZUCHIでは投資家にとって、資産運用の選択肢となれるよう経済合理性を重要視しつつ、文化的価値にも光を当て、残すべき想いや価値を次の世代へと託していく」と同社。同プロジェクト以外にも、経済合理性を超えた文化的価値を守り、新しいカルチャーを創るため、コミュニティサイト「KABUKI X」を運営するなど、「想いと豊かさを循環させる不動産投資」というCOZUCHIのコンセプトをより鮮鋭に打ち出している。
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※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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