SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は4月28日、戦略的な資本及び業務の提携に関し基本合意書を締結したと発表した。「デジタル領域および対面領域を含む各種領域における各社の強みを活かし顧客に一層の利便性を提供」する狙いで、両者の強みを活かしスマートフォン証券や金融サービス仲介業などで協業していく。
公表された基本合意は①スマホ証券および金融サービス仲介業の提携②対面証券ビジネスの提携③SMBCグループによるSBIインベストメント株式会社の新設ファンドへの出資④地方創生に向けたサービス提供における提携⑤証券システム及び証券事務分野における提携⑥SBIグループおよびSMBCグループ間の資本協力関係の強化への取組みの6項目を柱としている。
筆頭のスマホ証券および金融サービス仲介業では、SBI証券子会社の株式会社SBIネオモバイル証券とSMBCグループが両者の経営資源を最大限活用し、若年層を中心とする投資初心者層向けの金融サービス提供に向け、協議を開始した。また、SMBCグループは、 SBIネオモバイル証券の発行済株式総数の20%をSBI証券からの株式譲渡その他の方法により取得する予定だ。「SBI証券、SBIネオモバイル証券、SMBCグループは、各社の有する幅広い顧客基盤や金融商品・サービスの活用などを通じ新たな資産形成の機会と多様化するニーズに応えるサービスの提供などについて検討する。 加えて今後改正予定の新たな金融サービス仲介制度の活用についても検討していく」と、特に力点を置いている。
対面証券ビジネスにおける提携では、SBI証券子会社のSBIマネープラザ株式会社とSMBC日興証券が地域金融機関の対面証券ビジネスの共同提供に向け検討を進める。SMBC日興証券はSBIマネープラザの株式を取得することも検討する。SMBCグループによるSBIインベストメント株式会社の新設ファンドへの出資では、SBIインベストメントが設立するFinTech、AI、ブロックチェーン分野、Society5.0、 Industry4.0、5Gに関連する内外スタートアップを対象としたベンチャーキャピタルファンドに、SMBCグループがLP出資を行う。
地方創生に向けたサービス提供では、SBI、SMBC両グループが保有するデジタル技術や金融サービスを活用、 SBIグループが新設予定の会社を通じて地方創生推進に向けたサービスを提供していく。証券システム及び証券事務分野における提携は、SBIホールディングスとSBI証券、SMBC日興証券が、 それぞれのシステム子会社における提携を検討、 人材交流とノウハウの共有で 両社の証券システムの内製化・共通化を進める。
金融業界では、スマホ向けサービスで若年層への浸透を図る動きが活発化している。証券最大手の野村ホールディングス株式会社は2019年、LINE株式会社とLINE証券を共同設立、拡大戦略に打って出た。メガバンク系のSMBCグループとSBI証券やスマホ金融サービス「ネオモバ」を擁するネット金融大手SBIグループの提携で、競争はさらに激化しそうだ。
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