不動産の「売り時感」は76.9%、住宅購入に関する意識調査

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株価の乱高下や消費増税など経済の不透明感が強い中、不動産の売りムードが優勢だ。野村不動産ソリューションズ株式会社が同社の不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象とした「第16回住宅購入に関する意識調査」では、「売り時だと思う」(22.1%)という回答と「どちらかと言えば売り時だと思う」(54.8%)を合わせ、不動産の売却意向は76.9%に達した。

調査は、不動産の購入検討者であるノムコム会員に、年2回(1月・7月)不動産の買い時感をはじめとする市況に対する考えを聞く。第16回目は2019年1月11日~20日に実施、1498人から有効回答を得た。まず、不動産について「買い時」という回答は「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」を合わせた37.9%(前回比0.1ポイント減)。これに対して「買い時だと思わない」の回答は42.3%(同1.5ポイント増)と微増だった。

買い時だと思う理由は「住宅ローンの金利が低水準」とする回答が67.8%(同3.0ポイント減)と最も多く、「今後、住宅ローンの金利が上がると思う」が25.9%(同5.0ポイント増)、「今年の10月に、消費税が増税予定」が56.0%(同4.8ポイント増)と増加した。年が変わり、増税による影響がより現実味を増しているようだ。

消費税増税の住宅購入計画への影響を聞く設問には「影響を受ける」という回答が53.3%で前回の8%増税時に比べ10.2ポイント減、これに対して「影響を受けない」は32.4%(同比13.2ポイント増)となった。「影響を受けない」と回答の理由は「住宅ローン減税の期間延長など、消費税増税に伴う住宅取得支援施策が予定されているため」が43.3%と、最も高かった。増税率が、前回の5%から8%のアップよりも小幅なためという意見もある。

一方、売却意向のある367名のうち「売り時だと思う」「どちらかと言えば売り時だと思う」は76.9%、前回比0.5ポイント減の微減となった。理由は、「不動産価格が上がったため」が52.5%(同0.5ポイント増)となり、次いで「今なら好条件での売却が期待できるから」が48.2%(同1.4ポイント減)となった。

今後の不動産の価格については「下がると思う」が38.6%(同3.9ポイント増)と2011年の調査開始以降最も高く、次いで「横ばいで推移すると思う」が30.6%(同2.1ポイント減)で、「上がると思う」は19.2%(前回比1.2ポイント減)にとどまった。不動産価格の下降を予測する人が増えている。

不動産価格の上昇、下降の理由を問う自由回答で、「上がる」の理由は「2020年オリンピック、大阪万博などのイベントが予定され、都市部の不動産価格は上がる」「建設費(人件費、材料費)が上昇している」など。「下がる」理由では「人口減少、空き家の増加により二極化がすすむ」「オリンピック特需が終わる」「景気の先行きが不透明」などが挙がった。「横ばいで推移」するという回答もあり、理由は「オリンピックまでは横ばい」「基本的に横ばいだが、利便性の高いエリア、都心部駅近は上がる」という見方による。

今回の調査では売却意向が優勢を維持したが、これから半年の国内外の動向によっては「売り時」「買い時」の意識差が広がるか、縮まるか。次回の調査が注目される。

【参照リリース】野村不動産ソリューションズ株式会社「第16回 住宅購入に関する意識調査アンケート」
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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