オンライン住宅ローンサービス「モゲチェックを運営する株式会社MFSは、9月29日からAI(人口知能)を活用した「住宅ローンの審査に通る確率」の提供を開始した。住宅ローン利用者は、限られた情報でより正確な融資承認確率を知ることができ、その情報をもとに自分に最適な住宅ローンを選ぶことができるという。特許も出願済みの新サービスについて紹介する。
独立行政法人の住宅金融支援機構によると、現在、3割近くのユーザーがネットを活用して住宅ローン選びを行っている。MFS社は、コロナ禍でオンライン化が加速する中、今後ますます「住宅ローンをネットで選ぶ動き」も広がると推測する。一方で、住宅ローン利用者にとっては「自分が金融機関の審査に通るかどうか分からない」という点はハードルであり、自分にとって最適なローンを選べないという問題があった。同社ではこれまでも、住宅ローン利用者に対して独自の計量モデルによって計算される融資承認確率を提示してきたが、アメリカ合衆国でエンタープライズAIのリーディングカンパニーであるDataRobot, Inc.が提供するAIソリューションを自社サービスに活用することを決定。独自に収集した1万件以上の住宅ローン審査データをもとにAIによる融資承認確率の計量モデルを構築し、モゲチェックでサービスに取り込んだ。
AI導入により期待される効果として、①金融機関の審査基準の変化をリアルタイムで反映②融資承認確率の精度向上の2点がある。金融機関の審査基準の変化をリアルタイムで反映することで、定期的にアナリストが改善してきた独自の計量モデルと異なり、AIモデルは審査データをAIが即座に学習し、自動的に改善できるようになる。また、ユーザーは、常に最新の審査データが反映されたAIモデルによる融資承認確率が確認できる。
融資承認確率の精度向上では、今年3月からの検証期間では、独自の計量モデルでは正解率が約75%だったのに対し、AIモデルでは約80%と5%の精度向上を記録。審査結果データの蓄積によって継続的にAIモデルは自動改善され、精度が向上していくことが実証された。
モゲチェック」は、オンライン上でユーザー属性に応じた最適な住宅ローンを提案する住宅ローンサービス。9項目を入力するだけで、自分が重視するポイントごとに整理された住宅ローンがランキング化され、ローン審査に通る確率も表示される。これまで個人では比較が難しかった住宅ローンを「誰もが最適な住宅ローンを簡単に選べるようにする」ことを目指し、2015年8月提供を開始。ユーザー数は7万人を超える。住宅ローン以外にも不動産投資をサポートする「INVASE(インベース)」など、ファイナンスとテクノロジーを融合した各種サービスを提供している。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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