初心者でも手軽に始められる投資と言えば、投資信託もその1つです。しかし投資信託を取り扱う金融機関やファンドの数は多く、どこで・何を・どのように買付をするべきか迷う人も多いでしょう。
この記事ではこれから投資信託を始めてみたい方のために、投資信託の具体的な買い方・売り方を解説します。金融機関選びなどのコツについても解説するので、参考にしてください。
目次
- 証券会社を選ぶ
- 口座開設
- 投資信託の銘柄(ファンド)を選ぶ
3-1.資産クラスとその割合を考える
3-2.買付手数料0円、信託報酬の低い銘柄を選ぶ
3-3.ファンドの詳細な情報をチェック - 投資信託を購入する
4-1.積立買付
4-2.金額買付
4-3.数量(口数)買付
4-4.指値注文はできない - 投資信託を売却する
- 投資信託を買うときの大切なポイント
6-1.分散投資をする
6-2.売るタイミングについて想定しておく - 投資信託のビギナーにやさしい証券会社
7-1.楽天証券
7-2.SBI証券 - まとめ
1.証券会社を選ぶ
投資信託の買付をするためには、まず金融機関で口座を開設します。投資信託という観点で見た場合、以下に当てはまる証券会社を選ぶと便利です。
- 取り扱うファンドが豊富
- 最低投資金額が安い
- 情報提供が充実している
すべての投資信託を取り扱う会社はありませんが、多い会社は2,000本~3,000本程度を取り扱っています。投資信託にもさまざまなタイプがあり、リスクやリターンも異なりますので、選択肢は多いほうが望ましいと言えます。なお取扱本数が多くても、検索ページでさまざまな条件で絞り込むことができるので、1つ1つ見る必要はありません。
金融機関選びでは最低投資金額も要チェックで、一部のネット証券では100円から購入できます。積立も可能なので、毎月少しずつ積み立てることでリスクを抑えながら資産形成ができます。
また投資信託は手数料や基本情報に加え、運用実績やレポート、第三者評価などの情報も重要です。これらの情報が充実している証券会社のほうが、さらに銘柄選びをしやすいと言えます。
2.口座開設
証券口座を開設するには、以下の資料が必要です。
- 身分証明書(運転免許証、健康保険証など)
- マイナンバーが確認できる資料
インターネットで口座開設を申込み、本人確認書類を写真撮影で提出するのが主流な方法です。銀行口座の登録など初期設定を済ませ、書類の審査が完了すれば取引できるようになります。
投資信託の場合、つみたてNISAで購入するのも一つの選択肢です。年間最大40万円まで積立ができ、その枠内で得られた利益は非課税になるメリットがあります。つみたてNISAを始めるには、NISA口座を別途開設する必要があります。通常の総合口座とは別なので注意しましょう。また、一般NISAとの併用はできません。
3.投資信託の銘柄(ファンド)を選ぶ
ここからは、具体的な銘柄を選ぶときのコツについて解説します。
3-1.資産クラスとその割合を考える
ファンドを選ぶ前に必ず行ってほしいのが、どの資産クラスを選ぶのか考えることです。資産クラスとは、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、REITといった大まかな分類を意味します。
たとえば20代でこれから資産を積極的に増やしていきたいなら株式の割合を多めに、定年が見えてきて資産を守りたい50代の方などは債券を多めにするなどの方向性が考えられます。
証券会社によっては投資信託のファンドや資産クラスの組み方を提案してくれるサービスもありますので、利用してみるのもよいでしょう。
3-2.買付手数料0円、信託報酬の低い銘柄を選ぶ
投資信託の主要なコストが、買付手数料と信託報酬です。買付手数料は購入するたびにかかるコストなので、無料で購入できる証券会社・銘柄を選べば負担を抑えられます。
信託報酬はファンドを運営するために必要な費用で、ファンドによって異なりますが、年率0.1%~2%ほどかかるのが一般的です。毎日、日割りで基準価額から差し引かれる費用なので、似たようなファンドであればより信託報酬の低いファンドから検討するとよいでしょう。
3-3.ファンドの詳細な情報をチェック
各々のファンドには「目論見書」という説明書のようなものが用意されています。これまでの運用方針、目指すリターン、リスクなど詳細な情報が記載されているので、必ず読んでおきましょう。
また月間レポートでは、基準価額や純資産の推移、分配金実績など、これまでのパフォーマンスを見られます。良い成績を出せているかをチェックしましょう。
投資信託はリスク・リターンともに納得したうえで選ぶことが必要です。なお目論見書は証券会社のホームページで公開されているので、口座開設をする前に読むこともできます。
4.投資信託を購入する
投資信託には、主に以下3つの購入方法があります。
4-1.積立買付
毎月(SBI証券などでは毎週、毎日も選択可能)決まった日に一定の金額で投資信託を買い付ける設定をすれば、次回からは自動的に買い付けをしてくれるので手間がかかりません。
積立買付にはもう1つのメリットがあり、時間を分散できることです。一度に多くの買付をするより、時間を分けて少しずつ買い付けることで平均購入単価を平準化し、「高値づかみ」のリスクを避けられます。
4-2.金額買付
金額を指定して投資信託を買い付ける方法です。1,000円、10,000円など好きな金額を指定して購入できます。金額買付の場合、最低投資金額以上であることが必要です。たとえば最低100円であれば、10円や50円での買付はできません。
4-3.数量(口数)買付
ファンドの口数を指定して買付を行います。たとえばファンドAの基準価額が1口1万円の場合、10口を買い付けるなら10万円を支払うことになります。金額買付や数量買付は、積立ではないスポットでの買い付けで利用します。
4-4.指値注文はできない
株式やFXでは、利用者が価格を指定して購入することもでき、これを主に指値注文といいます。これに対して投資信託は、複数の売買注文をマッチングさせる市場取引ではなく、1日ごとにファンドの価格が決まる仕組みとなっており、指値注文はできません。
5.投資信託を売却する
投資信託は一般的に中長期で運用するため、数時間や1日といった短期で売ることはありません。株やFXのデイトレードのように、値段を毎日何度もチェックすることもありません。
ただし金融商品である以上、いつかは売ることになります。投資信託を売却したいときは、解約を希望する金額または口数を指定して解約注文を出します。一度にすべて売却することも、少しずつ売却することも可能です。基準価額や純資産などのトレンド、金融・経済状況を見て総合的に判断しましょう。
投資信託の売却では、約定してもすぐに現金が手に入るわけではありません。売却金が入ってくるタイミングは、ファンドや金融機関によってさまざまであることにも注意しましょう。
6.投資信託を買うときの大切なポイント
投資信託の買付では、下記のポイントが重要です。
6-1.分散投資をする
分散投資とは、複数の資産クラスや銘柄などに資金を分散することです。投資の格言で「卵は一つのカゴに盛るな」と表現されることもあります。卵を全部同じカゴに乗せると、カゴが落ちたときにすべて割れてしまいます。そのため他のカゴにも卵を分けておく必要があるのです。
個別株式などよりもリスクを抑えて長期的に投資することが前提となる投資信託では、株式だけでなく債券も加える、国内だけでなく海外も加えるなどの分散投資が有効です。なお1つのファンドで複数の資産クラスを運用する「バランス型」の投資信託を選ぶのも1つの手です。
6-2.売るタイミングについて想定しておく
投資信託は一般的に短期で売ることはなく、数カ月・数年などある程度長期保有するのが前提です。それでも、どのような状態になったら売るのか、あらかじめ考えておく必要があります。
売るタイミングとして、まず値下がりしたら損切りのため売るということが考えられます。基準価額が15%以上下がったら売るなど、損切りラインを定めておきましょう。
老後の生活を支えるため、徐々に売るパターンもあります。生活資金に回す分としていくら必要なのかを計算し、毎年10%ずつ売るなど方針を決めておきましょう。
7.投資信託のビギナーにやさしい証券会社
初心者の方が投資信託で資産形成をするのに適した証券会社を2つご紹介します。
7-1.SBI証券
大手ネット証券の1つであるSBI証券は、投資信託の取り扱いも豊富です。買付手数料はすべて無料となっており、コストを抑えた投資ができます。またTポイントを使って投資信託を買い付けることが可能だったり、積立購入の頻度設定やNISAへの対応など様々な機能が充実していたりする点も強みです。
SBI証券には銘柄検索機能があり、資産クラス・信託報酬・買付手数料などさまざまな条件でファンドを検索できます。ユーザーでなくても検索できるので、口座開設前に見てみるのもよいでしょう。
7-2.楽天証券
同じくネット証券大手の楽天証券では、2,600本以上と数多くの投資信託を取り扱っています(2021年8月11日時点)。買付手数料はすべて無料です。
投資信託を50万円以上保有すると、毎月ポイントがもらえる特典も。貯まったポイントは、楽天証券以外に楽天市場や楽天トラベルなどで利用することも可能です。普段から楽天関連のサービスをよく使う人であれば、ポイントを有効活用できるでしょう。
まとめ
投資信託の買い方や売り方について、証券会社・銘柄選びも交えて解説しました。
投資信託はリスクを分散しながら長期的に資産の成長を目指す金融商品です。基準価額や信託報酬、過去のパフォーマンスなどを確認しながらファンドを選び、合わせて積立購入やNISA口座の利用なども検討することで、自身の投資目的に合った運用を目指してみてください。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム (全て見る)
- 楽天証券、投資信託取引の評判は?メリット・デメリットを比較 - 2024年7月12日
- 楽天証券、「NISAのつみたて投資枠+クレジット決済」のメリットと注意点 - 2024年7月12日
- SBI証券、Pontaポイントの貯め方は?手続き方法とポイントの使い道も - 2024年6月13日
- SBI証券、dポイントの貯め方は?手続き方法とポイントの使い道も - 2024年5月22日
- SBI証券、Vポイントの貯め方は?手続き方法とポイントの使い道も - 2024年5月22日