株式会社LIFULL(ライフル)は6月21日、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」で、東京23区の新築マンションの平均価格を区単位で発表した。平均価格1位は「港区」の3.6億円、平均価格の1位は港区の約3.6億円、続いて「千代田区」約2.3億円、「新宿区」約2.1億円の順だった。
㎡単価は千代田区が最高額となった。一方、港区は平均専有面積が167.25㎡と他区に比べて広く、㎡単価では千代田区の267万円/㎡が最も高くなった。㎡単価の前期比では新宿区(+55.2%)が最高の伸び率となった。
2021年のオリンピック・パラリンピックの選手村マンション「晴海フラッグ」は、1億円超の住戸も多数ある購入に応募が殺到、申し込みを1名義につき2戸までとする新たな制限を設けたことは記憶に新しい。翌22年はウクライナ侵攻に伴う資材の高騰や円安が影響し、新築マンションの価格が高騰。晴海フラッグは本当に「割安」なのか。今回の調査で、実際に新築マンションの価格相場と比較して可視化した。
東京23区全域の新築マンション平均価格は1億943万円、平均㎡単価は151.6万円となった。また、㎡単価の対前期比が100%を超えたのは、23区のうち18区だった。調査では、併せて23区の最低平均価格も比較している。11位以降の区では新築マンション平均価格が1億円を下回り、最低額は「墨田区」の4,813万円、最も平均㎡単価が安いのは「足立区」の86.3万円/㎡だった。
住宅市況の分析を行うLIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗氏は、この1年で新築マンションの価格が高騰している要因として、①ウクライナ侵攻によるサプライチェーンの逼迫で資材価格が上昇している②円安の影響でコストプッシュの追い討ちが発生している③住宅ローン超低金利の継続で購入意欲には衰えがない(実需)④株価の高騰によって多くの含み益を抱えた投資家が資産の付け替えに前向きである(投資)の4点を挙げた。
一方で、上位の都心周辺エリアではいずれも平均価格が1億円を突破、平均㎡単価が100万円を大きく上回る水準で、この価格水準は、10年ほど前に遡れば高級マンションの目安とされた分譲坪単価350万円(=㎡単価換算約106万円)を東京23区のうち19区で上回っており、中山氏は「現在の価格水準および価格上昇がこれまでの市場価格とは大きく乖離している」と指摘する。
晴海フラッグについては、ライフルホームズに掲載されている中央区の新築マンションの平均㎡単価は「HARUMI FLAG SKY DUO」より41.9万円高い177.5万円(+30.9%)となっていることから、晴海フラッグの価格設定は相場よりも割安だと分析。「コロナ禍やウクライナ侵攻、円安などの外部環境の変化を最も強く受けた象徴的なマンション」と形容している。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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