モバイル専門マーケティングリサーチを行うMMD研究所は5日、マカフィー株式会社と共同で実施した「『モノ・コト』インターネットがもたらすライフスタイルの変化 日本におけるIoT意識調査」の結果を発表した。
「生活者が求めている IoT(モノのインターネット) は『モノ』だけではなく、インターネットによって出来るようになる『コト』が重要なのではないか?」という仮説から、スマートフォンを利用する20歳~69歳の男女1000人を対象に調査。IoTやITデバイスの利用状況、生活に取り入れたいこと、取り入れない理由、IoT への期待やイメージなど生活者の意識と実態を探った。
買い物以外の利用経験はまだ少数であり、費用や設定の煩雑さがネックとなっている現状が明らかになった。一方でIoT自体には「生活の利便性が向上する」「時間を効率的に使える」といった期待感が高く、取り入れたい項目には家事や防犯など生活に直結する項目が挙がった。
IoTやITデバイスで行ったことがあることで最も利用経験が多かったのは「書籍、雑貨の購入」(45%)、次いで「日用品の購入」(43.2%)、「洋服の購入」(38.6%)となった。EC サイトや単純な視聴を除いた家電の操作や自宅の防犯、家事での利用はすべて 2%未満となった。

IoTを取り入れない理由は「費用がかかる」(37.3%)、「設定が面倒」(36.1%)、「やり方を調べるのが面倒」(26.8%)などの回答が多数を占める。ダイヤル回線を使っていた時代のパソコンも、費用や面倒さゆえに敬遠する人が多かった。

しかし 「IoTに対する期待やイメージ」は「生活の利便性が向上しそう」(46.4%)「時間を効率的に使えそう」(37.3%)「楽に暮らせそう」(35.7%)といったポジティブな意見が多い。一方、ネガティブなイメージで最も多かったのは「情報が犯罪に活用されそう」(25.8%)だった。

IoTやITデバイスの利用を「生活に取り入れたい」のは「エアコンのon/offや消し忘れの通知」(70.5%)、「鍵関連」(66.9%)「荷物の到着日の変更」(67.6%)が上位。外出先で気が付いて慌てたり、すぐに操作ができないことにストレスを感じた人は少なくないだろう。

このうち「外出先で行いたい」という回答は「エアコンのon/offや消し忘れの通知」(70.5%)、「鍵関連」(66.9%)、「部屋の電気のon/offや消し忘れの通知」(65.2%)、「家の内外の遠隔監視」(58.3%)となり、4項目で過半数を占める。

別な設問で「暮らしに対する不満」を尋ねたところ、「自分の趣味に使える時間」(22.8%)、「自宅の防犯対策」(22.4%)、「病院やレストラン、施設などへの予約方法や待ち状況の確認」(18.6%)といった回答が寄せられた。こうした不満は、IoTによるソリューション提案の余地があるとも読める。

そのほか、取り入れたい案件としては、「体重、体脂肪計の確認、管理」、「子どもの居場所確認」、「業務に関するメールの確認」などがあった。年代別に見ると、20代~40代では「自分の趣味に使える時間」、50代~60代では「自宅の防犯対策」が最も大きな不満となった。
調査は、ライフラインや防犯といった住まいに不可欠なサービスを、より便利に利用したいという潜在的ニーズを示す。スマートフォンでこうした操作を行える次世代型共同住宅も登場しているが、都市部など限定的な展開にとどまる。汎用性の高い器機、直感的な操作性、価格やアフターケアなどで現在の障壁を解消できれば、IoT普及も加速していくだろう。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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