シービーアールイー株式会社(以下、CBRE)は10月4日、日本の投資家による既存物件への直接投資のほか、不動産開発目的の投資や間接投資(ファンドへのエクイティ出資などを通じた不動産投資)の動向についてまとめたレポート「日本の投資家によるアウトバウンド不動産投資 2017年上期」を公表した。
レポートによると、2017年1月から6月の日本の投資家によるアウトバウンド不動産投資額は前年同期比23%増の13億ドルだった。地域別ではそのほとんどが米州向けで、アセットタイプ別ではオフィスが全体の88%を占め、もっとも多かった。直接不動産投資、間接不動産投資はともに米州に集中し、直接不動産投資額は12.6億ドルで前年比73%増だった。
不動産開発目的の投資も拡大が続いた。今期発表されたプロジェクトは事業費ベースで7億ドル、対前年同期比35%増、2016年以降に発表され現在も進行中の開発は事業費ベースで19億ドルにまで積み上がっている。エリア別ではアジア太平洋地域が全体の95%、セクター別では複合施設が全体の38%、オフィスが30%、住宅が28%だった。
間接不動産投資は60%が米州向けで、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アジア太平洋は各20%だった。CBREは、間接投資によるアウトバウンド不動産投資額は地域分散がさらに進むとみている。また、機関投資家の本格参入により今後数年の間に153億ドルにまで拡大する可能性があると推計した。これは、2012年から2016年までの既存物件を対象にしたアウトバウンド直接不動産投資累計額91億ドルを上回る規模だ。
そして、日本の商社・不動産会社は海外を対象にした不動産ファンドの組成を加速するとも予想した。これらのファンドが低金利で運用難に直面している機関投資家や年金資金などの受け皿となることで潤沢な資金が対外不動産投資に流入するとみている。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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