不動産投資より高利回り!?今話題の民泊投資ってどうなの?

2015年後半頃から日本で急速に盛り上がりを見せているのが民泊投資です。「民泊」という言葉に法律上の厳密な定義はありませんが、一言で言えば自宅の部屋や別荘などを短期で貸し出すことを指します。昨今では米国発のAirbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)に代表されるように、自分の部屋を貸したい人と旅行で泊まれる部屋を探している人とをインターネット上で結びつける仲介サービスが増えてきており、世界中で民泊ビジネスが盛り上がっています。民泊市場の盛り上がりに伴い、民泊投資は新たな不動産投資の選択肢として個人投資家だけではなく大手の不動産会社や鉄道・インフラ会社などからも熱い視線を集めています。

民泊投資が魅力的な3の理由

なぜ、急速に民泊投資は盛り上がりを見せているのでしょうか?ここでは、その理由を大きく3つに分けてご紹介したいと思います。

  1. 訪日外国人観光客増加と宿泊施設不足
  2. 空き家活用など地方創生へのきっかけ
  3. シェアリング・エコノミーの推進

訪日外国人観光客増加と宿泊施設不足

日本政府は経済成長に向けた重要な戦略の柱として「観光立国」を掲げており、積極的な観光政策を進めています。具体的には、2020年までに訪日外国人観光客数を4,000万人、2030年までに6,000万人まで増加させるという目標を掲げており、そのためにVISA緩和政策やLCC就航本数の増加、海外での日本プロモーションなど様々な施策を展開しています。政府によるこれらの施策が功を奏し、ここ数年は日本を訪れる外国人観光客数が増加の一途を辿っており、東京や大阪、京都などの主要都市ではホテルや旅館などの宿泊施設の不足が課題となっています。その結果、訪日観光客から民泊施設への宿泊需要が急激に高まっており、民泊投資が魅力的な投資手段の一つとなっているのです。

空き家活用など地方創生へのきっかけ

民泊は、宿泊施設不足を補うための手段としてだけではなく、空き家活用や地方創生の起爆剤としても期待されています。人口減少が進む地方では空き家問題が深刻化していますが、空き家をリノベーションして民泊施設にすることで観光客を呼び寄せ、地方創生につなげようという動きが全国各地で活発化しているのです。特に、最近では一度日本を訪れたことがあるリピートの外国人観光客が、東京や大阪などの都会ではなくより地方部へと旅の目的地をシフトしている傾向があり、地方ならではの魅力やユニークな体験を提供できる民泊施設に対する需要はとても高まっています。

シェアリング・エコノミーの推進

シェアリング・エコノミー(共有型経済)とは、人々がモノやサービスを「所有」するのではなく「共有」することによって成り立つ新たな経済モデルのことを指し、昨今では日本に限らず世界中でシェアリング・エコノミー型のサービスが台頭しています。シェアリング・エコノミー型サービスの代表例としてよく挙げられるのが民泊仲介サイトのAirbnbやタクシー配車アプリのUberなどですが、不稼働資産を活用することで無駄な資源やコストを使うことなく必要に応じて需要を満たすことができるシェアリング・エコノミー型のサービスは、環境破壊や資源枯渇などが世界的な社会問題となっている昨今において、これらの問題を解決しうる持続可能なビジネスモデルとして非常に注目を浴びているのです。このマクロの大きな流れは日本にも押し寄せており、政府も「シェアリング・エコノミー」を推進する政策を次々と打ち出しています。その代表格とも言えるのが、「住宅のシェアリングサービス」である民泊なのです。

いかがでしょうか。上記で説明したように「民泊」はマクロな経済動向のなかで必然的に需要が高まっており、今後の市場成長が期待される領域なのです。投資の世界では昔から「国策に売りなし」という言葉もありますが、まさに民泊はその言葉があてはまる領域だと言えるでしょう。

民泊に関わる法律

「民泊」と聞くと、違法な「ヤミ民泊」や近隣住民とのトラブルなどあまりよくないイメージをお持ちの方も多いかもしれません。実際に、日本では不動産事業として合法的に民泊運用をしている個人や企業も数多くいる一方で、法的な要件を満たさないまま部屋を貸し出している民泊オーナーもいるのが現状です。そこで、ここでは民泊に関わる法律についても簡単にご紹介していきます。現在の日本では、民泊を合法的に行うためには主に下記3つのうちのいずれかの法律に基づいて運用する必要があります。

  1. 住宅宿泊事業法
  2. 特区民泊
  3. 旅館業法簡易宿所営業

それぞれについて簡単にご説明していきます。

住宅宿泊事業法

住宅宿泊事業法(民泊新法)は、2017年6月施行の法律で、新法下では、個人は一定の要件さえ満たせば「届出」をするだけで自宅のマンションや一軒家を活用して合法的に民泊運用することが可能です。ただし、マンションなどの集合住宅の一室を使用する場合は管理規約によって民泊が許可されている必要があるので注意が必要です。また、新法下では年間の営業日数制限が180日と定められており、自治体によってはさらに厳しい制限が設けられるケースもありますので注意が必要です。民泊のような短期の貸し出しは最大でも180日間しかできないため、最近では残りの180日間をマンスリーマンションとして運用するハイブリッド型の運用スタイルも注目が集まっています。

特区民泊

特区民泊は、国家戦略特区に指定されている自治体が条例を制定した場合、旅館業の許可がなくても特区民泊の認定さえ受ければ合法的に部屋を貸し出すことができるという制度です。特区民泊は住宅宿泊事業法とは異なり年間の営業日数制限はないのですが、宿泊客の最低宿泊日数が2泊3日以上と定められているため、1泊だけの短期客を受け入れることはできません。また、この特区民泊はそもそも条例を定めた国家戦略特区でしか活用できません。2017年10月現在、特区民泊の認定を受けられるのは東京都大田区、大阪府、大阪市、新潟県新潟市、福岡県北九州市の5地域となっています。

旅館業法簡易宿所営業

旅館業法簡易宿所営業の許可を取得すると、営業日数や宿泊日数の制限を受けることなく365日まるまる民泊として部屋を貸し出すことが可能となります。簡易宿所営業は収益性の面では最も魅力的な方法ですが、許可を取得するためには用途地域や設備要件など旅館業法で定められた様々なハードルをクリアする必要があり、許可取得手続きにはコストもかかります。

3つの方法を一覧比較!

ここでは、「住宅宿泊事業法」「特区民泊」「旅館業法簡易宿所」という3つの合法的な民泊投資方法のメリット・デメリットが一覧で分かるように、比較表にしてまとめました。

住宅宿泊事業法 旅館業法簡易宿所営業 特区民泊
許認可など 届出 許可 認定
提供日数の制限 年間営業日数180日以内(条例で引き下げ可能) なし 2泊3日以上の滞在が条件
宿泊者名簿の作成・保存義務
玄関帳場の設置義務 宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的設置は求めない。 なし(条例による設置義務付けも可能) なし
最低床面積(3.3㎡/人)の確保(宿泊人数の制限) 一居室の床面積原則25㎡以上(自治体の判断で変更可能)
上記以外の衛生措置
(定期的な清掃等)

(換気、採光、証明、防湿、清潔などの措置)

(換気、採光、証明、防湿、清潔などの措置)
非常用照明などの安全確保の措置義務
(家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和)

(建築基準法において措置)

(建築基準法において措置)
消防設備の設置(消火器、誘導灯、連動型火災警報器)
(家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和)

(建築基準法において措置)

(建築基準法において措置)
近隣住民とのトラブル防止措置
(宿泊者への説明義務、苦情解決の義務)
(届出時にマンション管理規約、賃貸住宅の賃貸契約書の確認)
なし
(近隣住民への適切な説明、苦情対応)
不在時の管理業者への委託義務 なし なし

上記の比較表を見て頂ければ分かるように、それぞれのスキームによって長所・短所は異なりますので、民泊投資の目的や物件の特性、物件の立地などに応じて最適な方法を選択することが重要となります。

民泊投資の種類

民泊投資に関わる法律について理解したら、次は具体的な民泊投資の運用スタイルについてもご紹介します。民泊投資の代表的な運用スタイルとしては、下記の3つが挙げられます。

  1. オーナーとして運用する
  2. サブリースで運用する
  3. 転貸で運用する

それぞれのタイプについてみていきます。

オーナーとして運用する(ハイリスク・ハイリターン)

民泊用の物件を購入し、自らが民泊ホストとして運用するというパターンです。この場合、物件の購入費用に加えて場合によってはリノベーション費用や旅館業の許可取得費用など様々な費用がかかる可能性もあり、初期費用はかさみます。しかし、高稼働が期待できる物件を手に入れることさえできれば、宿泊客からの売上が全て手元に残るため、大きな利益を上げられる可能性があります。しかし、稼働率の変動により売上が左右されるほか、想定よりも稼働率が低いと初期費用の回収に時間がかかる可能性があるため、ハイリスク・ハイリターンの運用スタイルだと言えるでしょう。なお、民泊運用にあたっては宿泊客の対応や物件の清掃など全てを自分で対応する必要はなく、民泊運用代行会社のサービスを活用することができます。しかし、代行会社を利用する場合は売上の20%程度が手数料としてとられてしまうので、収益のシミュレーションをする際はその手数料分もしっかりと計算に入れておく必要があります。

サブリースで運用する(ミドルリスク・ミドルリターン)

民泊用の物件を購入し、民泊運用をしたい不動産会社や運用代行会社などにサブリースとして借り上げてもらうというのも一つの手法です。民泊用のサブリースとして貸し出す場合、通常の賃貸として貸し出すよりも高収入が見込める点、毎月安定的に収入が得られる点などが魅力です。一方で、稼働率に応じて収入が増えることはなく、想定よりも稼働率が悪ければサブリース契約の見直しにより家賃収入が減る可能性もゼロではないため、ミドルリスク・ミドルリターンの投資だと言えます。

転貸で運用する(ローリスク・ローリターン)

自ら物件を購入するのではなく、賃貸として借り受け、それを転貸して民泊運用するという方法もあります。この場合、物件購入にかかる初期費用は必要ないため、小さめの物件であれば通常の敷金・礼金に家具のセットアップなどを加えても数十万円程度で民泊投資を始めることができます。しかし、毎月の家賃支払いが発生するため収益性という面ではあまり多くは期待できませんし、稼働率によっては赤字となってしまう可能性もあります。ただし、仮に赤字が発生したとしても、賃貸契約を解除すればその時点で民泊運用から撤退することはできるため、そこまで大きな損失を被ることもありません。最もローリスク・ローリターンの投資スタイルだと言えます。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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