アパート投資を行う場合、自分が所有する物件の顧客ターゲットは単身の若年層になる場合が多いと言えます。現在の若年層は、いわゆる主に1996年から2010年にかけて生まれた世代である「Z世代」に差し掛かる人たちが該当します。
アパートの入居者をうまく獲得し、さらに入居率を高めるためには、Z世代のニーズを的確に捉えることも重要なポイントとなります。今回の記事では、Z世代の価値観をまとめたうえで、それに適したアパート経営のポイントや注目エリアを紹介します。これからの若年層を捉えたアパート経営を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- Z世代の基本的な特徴
1-1.1996年〜2010年生まれの世代
1-2.デジタルネイティブの世代
1-3.周囲からの評価を気にしつつも競争を嫌う - Z世代の物件探しの特徴
2-1.家賃を重視
2-2.効率性も重要なポイント
2-3.Web情報を物件選びで重視
2-4.周辺にあると嬉しい施設にも変化 - Z世代の価値観を踏まえた注目エリア
3-1.乗り換えなしで都心へ行ける駅
3-2.埼玉・神奈川の快速列車停車駅
3-3.東京23区の東部・北部
3-4.他の大都市より東京が優位に - 若年層に選ばれるアパート経営の不動産会社
4-1 株式会社シノケンプロデュース
4-2 株式会社アイケンジャパン - まとめ
1 Z世代の基本的な特徴
Z世代の特徴としては、次のような点があります。
- 1996年〜2010年生まれの世代
- デジタルネイティブの世代
- 周囲からの評価を気にしつつも競争を嫌う
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
1-1 1996年〜2010年生まれの世代
そもそもZ世代とは、1996年〜2010年ごろに生まれた世代を指します。2025年現在において15歳〜29歳にあたるため、単身アパートの主要ターゲットとなる若年層(大学生〜若手の社会人)が該当する世代です。
社会情勢や経済環境は国により異なりますが英語でも「Generation Z」という単語があるように、おおむね世界中で若手を指す単語となっています。日本の場合は、バブル後の長い低迷期に該当する時期です。
また、一時代前から懸念されていた少子高齢化の影響が明確になり始めた時期でもあります。徐々に労働力が定年により減少し始め、時代の最後には人口自体の減少も意識される時代となりました。
1-2 デジタルネイティブの世代
Z世代は、生まれた時からデジタルデバイスが当たり前に身の回りにあった時代です。さらに、高校生〜大人になる2010年代以降には、スマートフォンがすっかり普及し、スマートフォンを軸としたデジタルデバイスと共に生きるライフスタイルが染み付いています。
情報収集のツールとして、SNSを重視する傾向にあるのが特徴です。また、成長するなかで、オフラインの体験がオンラインに置き換わっていった様を目の当たりにした世代でもあります。そのため、リアリティのある体験に憧れを抱く傾向にあるのも特徴です。
1-3 周囲からの評価を気にしつつも競争を嫌う
Z世代は、周囲からの評価や印象に敏感なのが特徴です。インターネットを通じていい情報も悪い評判も簡単に拡散する状況を認識しているため、周囲からよく思われよう、承認されようとする意識が強い傾向にあります。
しかしながら、同時に競争して上に立とうとする意識が弱いのも特徴です。特に仕事面においては、不景気の中で、出世しても経済的な恩恵を受けにくく、責任ばかりが重くなる印象を持っているため、出世に興味のない人も増えています。
また、日本が経済的に低迷する時代を生きて来たため、保守的で慎重な傾向にあるのも特徴です。たとえば、消費行動において慎重で、自動車や高価な不動産など、高額な資産保有を敬遠する傾向があります。
2 Z世代の物件探しの特徴
Z世代の物件探しの特徴は次のとおりです。
- 家賃を重視
- 効率性も重要なポイント
- Web情報を物件選びで重視
- 周辺にあると嬉しい施設にも変化
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
2-1 家賃を重視
世代に限らず家賃は賃貸において重要は判断要素の一つですが、経済面で保守的な方の多いZ世代は、他の世代以上に家賃に対する感度が高いと考えられます。ただし、イタズラに安い家賃の物件を探すとは必ずしも限りません。次に紹介する「効率性」にもつながりますが、物件の自分にとっての魅力に対して割安な物件を求めるのが特徴です。
2-2 効率性も重要なポイント
Z世代においては、効率性も重要な判断材料の一つとなります。たとえば、通勤・通学にかける時間を節約したいという意向は強く、通い先から近い場所に住むことを希望する方が多いと言えます。
コストパフォーマンスの良さを重視しますが、デザインや流行よりも「自分にとって便利か」を重視するのが特徴です。たとえばバストイレ別で住みやすい、推し活用のスペースがあるといった、自分のQOLを高めるポイントを重視する方も少なくありません。
また、自分にとっての利便性や快適さを重視するため、都市のブランドや歴史的な背景などはZ世代にとって優先順位が下がるポイントといえるでしょう。
2-3 Web情報を物件選びで重視
Z世代は、物件選びや利用する不動産会社選びにおいて、Webでの情報を特に重視する傾向にあります。物心がついた時にはインターネットがある環境が当たり前となっていた彼らは、情報収集においてもWeb上の情報を頼りにします。
一世代前のミレニアル世代と比べた時には、SNSを重視するようになっているのも一つの特徴です。彼らからの入居需要を獲得するためには、Webマーケティングを積極的に行うことも大切です。
2-4 周辺にあると嬉しい施設にも変化
ハウスコム株式会社「Z 世代 500 人含む全国 900 人に聞いた“部屋選び”最新調査」によると、自宅の周囲にあると嬉しい施設として「ドラッグストア」をあげる方が増えています。スーパー・コンビニは、元から高水準ですが、コンビニをあげる方は微減しています。
都市部に住む方にとって、コンビニは「あるのが当たり前」な存在となったため、あえて声が上がらないのではと考えられます。一方で郵便局や銀行、ATMをあげる方が大きく減りました。これらのサービスの多くはコンビニが代替するようになりました。
また、振り込みや送金などはWebバンキングを使えばどこからでも対応できます。こうした背景から、金融機関が周囲になくても困らない方が増えたと考えられます。
3 Z世代の価値観を踏まえた注目エリア
Z世代の価値観を踏まえた注目エリアは、次のとおりです。
- 乗り換えなしで都心へ行ける駅
- 埼玉・神奈川の快速列車停車駅
- 東京23区の東部・北部
- 他の大都市より東京が優位に
3-1 乗り換えなしで都心へ行ける駅
乗り換えが不要で都心部へ一本で行ける駅は、もともと賃貸需要を獲得しやすいですが、Z世代にとってはより一層注目されるエリアとなるでしょう。
時間の効率性や自分なりのQOLを重視するZ世代の中には、乗り換えや駅内の移動による時間のロスを減らしたいと考える人が少なくありません。そのため、乗り換え不要な駅の付加価値は高まると想定されます。
3-2 埼玉・神奈川の快速列車停車駅
埼玉・神奈川の駅の中で、東海道本線や湘南新宿ライン・上野東京ラインが停車する駅は、注目度が高まるでしょう。
これらの電車は、いくつかの駅を通過するため、より速く東京などの拠点駅に到着できます。都心部からの距離がやや遠くても、実際の所要時間が短ければ、効率性を重視するZ世代に好まれるでしょう。都心部の物件と比べて賃料が低く収まることも、Z世代へ訴求する上での材料となります。
3-3 東京23区の東部・北部
23区内では、東部・北部の区が注目エリアとなります。東京駅の西側は、山手線の内側で地価も高いため、投資のハードルは高く、またZ世代の需要を集めづらいと言えます。対して、東京駅から見て東側、過去に下町と呼ばれた地域は、東京駅至近でありながら家賃が割安な傾向にあります。
Z世代は、漠然とした街のブランドやイメージをあまり気にせず、あくまで実用的な魅力を重視します。その点では、都心部と比べて家賃や地価が割安な、23区の東側・北部は、Z世代の人気を集めやすいエリアといえます。
3-4 他の大都市より東京が優位に
足元は少子高齢化が進む中で、日本の多くの地域が今後減少に転じます。東京につぐ大都市である大阪市内でも、地域によってはすでに人口減少が始まっています。空室が多いということは、その分収益が悪化することを意味します。対して、東京は今後も長期にわたり人口が増加する見通しで、少子化が進んでも他地域からの若年層の流入が期待できます。
2025年時点では東京都内とあまり変わらないほど入居者を獲得しやすい大阪の不動産ですが、将来は徐々に都心とそれ以外の格差が広がる可能性があります。
4.若年層に選ばれるアパート経営の不動産会社
4-1 株式会社シノケンプロデュース

会社名 | 株式会社シノケンプロデュース |
セミナーURL | https://www.shinoken.com/ |
本社所在地 | 東京都港区浜松町二丁目3番1号 日本生命浜松町クレアタワー |
売上高 | 1,059億45百万円(2023年12月期)※グループ全体 |
社員数 | 1,127名(2023年12月末現在)※グループ全体 |
シノケングループは、首都圏、福岡、大阪、名古屋、仙台など全国の主要都市でアパートを企画・開発している大手企業です。
シノケンプロデュースのセミナーは、「人生100年時代を支える資産づくり」をメインテーマに、不動産投資のリスクや回避方法、自己資金を抑える方法、満室経営のポイントなどがわかるアパート経営セミナーとなっています。
セミナーでは、「将来が不安だけど何から取り組んでいけばいいか分からない」という方や「不動産投資に興味はあるけど失敗するのが怖い」という方でも、実際の失敗事例や最新の業界情報に触れながら、資産形成や不動産投資をどのように始めればいいかのエッセンスを得ることができます。
老後までにいくら必要か、年金はいくらもらえるか、今後の日本はどう変わっていくのか、その状況に対して資産形成や資産運用にどう取り組んでいけばいいか、といったことなどについても改めて学ぶことの多いセミナーです。
参加特典として不動産投資のノウハウブックと漫画を無料でもらうことができます。また、東京以外にも名古屋・大阪・札幌など全国どこへでもセミナー講師が駆けつける無料の個別相談会も利用可能です。
シノケンプロデュース一棟アパート経営の特徴
主要エリア | 首都圏・福岡・名古屋・大阪・京都・神戸・仙台 大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内、駅徒歩10分圏内 |
投資対象 | 新築アパート |
販売実績 | 7,000棟以上 |
管理戸数 | 50,000戸以上(2024年12月末時点) |
入居率 | 98.75% (2024年年間平均/自社企画開発物件) |
シノケンプロデュースのアパート販売実績は7000棟以上、グループ会社のシノケンファシリティーズでは管理戸数50,000戸以上(2024年12月末時点)の実績があり、入居率98.75% (2024年年間平均/自社企画開発物件)を実現しています。
シノケンプロデュースのアパートはグッドデザイン賞や住宅性能表示制度(劣化対策等級2相当)、金融機関(木造アパートで融資期間35年)など第三者機関からの評価を多数獲得しています。1990年の創立から30年以上経った2023年時点まで、震度7クラスの地震を経験しても倒壊半壊・液状化による被害が0棟という実績もあり、高い耐震性にも強みがあります。
また、アパート経営は区分マンション投資と比較して多額の資金が必要になりますが、シノケンプロデュースは資金調達にも強みがあり、シノケンのオーナーは約4割が自己資金500万円未満となっています(2018年調査時点)。自己資金をあまり用意できない・資金はできるだけ手元に残しておきたいという方でも始めやすくなっています。
4-2 株式会社アイケンジャパン

会社名 | 株式会社アイケンジャパン |
本社所在地 | 東京本社 東京都港区北青山3丁目2番4号 日新青山ビル3階 福岡本社 福岡県福岡市中央区天神2丁目7番21号 天神プライム12階 |
売上高 | 156億円(2024年6月期/見込み) |
社員数 | 166名(2024年6月末時点) |
サービス理念など | 堅実が一番を、業界の常識としたプラットフォーム企業を目指します。 |
セミナー参加特典 | PDF書籍無料プレゼント |
アイケンジャパンは、「堅実なアパート経営」をコンセプトに掲げる不動産投資会社で、2006年の創立から1000棟以上の開発・引渡し実績があります。
アイケンジャパンのセミナーでは、アパート経営のメリットやデメリット、リスクを知りたい方や成功する土地や建物の選び方を知りたい方にとっても理解を深めることができるため、不動産投資初心者の方やマンション経営とアパート経営のどちらが良いか悩んでいる方、アパートの買い増しを検討中の方にメリットの大きい不動産投資セミナーとなっています。セミナーはリアル・オンラインどちらでも受講することが可能です。
アイケンジャパンでは、セミナー参加で同社のアパート経営ノウハウが詰まった詳細資料とアパート経営に関する書籍のPDFを無料プレゼントしてもらえますので、まずは情報収集からという方にもメリットがあります。
アイケンジャパンのアパート経営セミナーの内容例
- 新築木造アパートのメリット・デメリット
- 2割の「成功アパート」オーナーになる方法
- 成功アパート(=決め物物件)の必須条件
- 実績やシミュレーション
アイケンジャパンの一棟アパート経営の特徴
アパートブランド | GRANDTIC(グランティック) GRANDTIC L-STYLE(グランティック・エルスタイル) REGALEST(レガリスト) RIZEST(ライゼスト)など |
主要エリア | 首都圏、関西圏、名古屋、札幌、仙台、広島、岡山、福岡、熊本、台湾 |
開発棟数 | 1,050棟(2022年6月末時点) |
入居率 | 99.7%(2021年12月時点) |
管理戸数 | 7,947戸(他社施工物件も含む、2022年12月末時点) |
アイケンジャパンのアパートは、対象エリアを主要駅10分圏内(首都圏は15分圏内)、入居者のターゲットは物件選びの目線が厳しい社会人女性に絞って、防音性・防犯性・デザイン性・コストパフォーマンスなどを追求し、入居率99.3%(2023年年間実績)を実現しています。事業計画の設定家賃に対しても、10年以上経っても98.7%(2024年6月末時点)の高い収益率を達成できており、オーナーからの紹介・リピート率も高い会社です。
提案時の設定家賃に対しても、10年以上経っても98.7%(2024年6月末時点)の収益率を達成できており、オーナーの収益を実現しています。変形地や狭いスペースでの高度な建築ノウハウがあるため、アパートを建てにくかった場所にも対応でき、エリアのニーズや立地条件によって最適なタイプを提案してくれます。
さらに、オーナーに対する保証やサポートが手厚いのもアイケンジャパンの特徴です。家賃滞納保証や管理代行サポートなども利用できるため、初心者の方でもアパート経営に取り組むことができます。建物完成後は全部屋に入居者が決まるまで無期限で家賃保証が行われる「初回満室保証」があり、地盤の問題や構造上の欠陥についても、建物引渡日の翌日から20年以内に不同沈下が発生し、建物に被害が出た場合、建物と地盤の修復工事を行う「宅地地盤保証」という保証があります。
建物の劣化対策にも力を入れています。2017年3月以降に販売されているアイケンジャパンのアパートは、住宅の品質確保に関する法律に基づく住宅性能表示制度の劣化対策等級において最高等級3の評価を得ています。
また、アイケンジャパンの入居者のターゲットとして想定しているのは「社会人女性」のため、①オートロック・カラーモニターフォン、②共用廊下・共用階段が屋内となるように設計、③バルコニー前をライトで照らすなど、④高さのあるベランダにする、⑤防犯シャッター、⑥防犯カメラの設置など、ターゲットから求められる高い防犯性を備えている点も特徴的です。
まとめ
Z世代は、ちょうど今若者の世代で、学生や若手の社会人となっています。Z世代は、効率性を重視し、消費行動に慎重であるのが特徴です。また、ブランド価値や印象よりも住み心地や効率性を重視します。
また、時間の効率の良さの観点から、ターミナル駅へ乗り換えなしで行ける駅や快速電車が止まる駅などが人気です。少子高齢化が進む中で、東京以外で入居者の獲得は高くなると想定されます。Z世代の嗜好や特性を踏まえて、将来的に入居需要を獲得できるアパートで経営を進めましょう。

伊藤 圭佑

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