なぜ満室なのに後悔?不動産投資の5つの落とし穴

不動産投資をいざ始めてみると、思わぬ事態に遭遇することがあります。始めた後に「こんなはずではなかった…」と後悔しないよう、この記事では、以下のような不動産投資の落とし穴をご紹介していきたいと思います。

  1. 高利回り物件なのに、満室でも赤字が出てしまう…
  2. 焦って満室にしなければ良かった…
  3. 満室でオーナーチェンジのはずが、売買契約直後に一気に空室に…
  4. 大学などの主要施設が移転しまった…
  5. 入居者ではない人が自分の部屋に…

高利回り物件なのに、満室でも赤字が出てしまう…

物件価格100万円、利回り20%の地方のマンションと出会ったAさんは、「利回り20%だったら5年~10年で元が取れるはず。100万円だったら、仮に失敗しても痛みは少ないし」と思い、マンションを購入しました。しかし、購入して1年後に「買わなきゃ良かった…」と頭をかかえることになってしまいました。

これは不動産投資の初心者にありがちな失敗なのですが、「物件価格100万円、利回り15%」というのは「毎年利益が20万円出る物件」と勘違いすることではまってしまう落とし穴です。

たとえば、この物件の場合、家賃収入は毎月1.2万円程度ですが、毎月の管理費と修繕積立金が0.8万円前後かかります。こういった物件は築年数が数十年と古いケースが多い上にアクセスも悪く、部屋の修繕費用がかかる割に入居者はほとんど集まらないという状況になりがちです。そうすると、賃料を値引きするしかなくなりますが、元々の賃料が低いため、値引きをしてしまうと毎月の利益は雀の涙となってしまいます。その上、退去時にはクリーニング費用などの原状回復費用が発生して総額でみると赤字になってしまうこともあります。

また、それに加えて、購入価格と固定資産税の評価額は異なりますので、毎年数万円の固定資産税や確定申告の作業の手間や外注費がかかるといったこともあり得ます。

物件を手放したくても、少しでも不動産投資経験のある方は、こういった物件に見向きもしないので、売却価格を下げてでも不動産投資初心者に売るしかないという状況になります。仮に売れたとしても、売買時の費用で10万円~20万円以上かかることが想定されるので、物件を購入してから手放すまでに、ケースによっては売買の諸費用や毎月の赤字、税金などの総額で100万円以上の赤字を出してしまう可能性があるのです。

利回りが良すぎる物件に関しては「美味しすぎる話にはウラがある」と慎重に判断をすることをおすすめします。

焦って満室にしなければ良かった…

都内の駅徒歩10分以内のマンションであっても、落とし穴は存在します。たとえば、目黒区にある駅徒歩7分のマンションを購入したBさんは、マンションからの家賃収入を重視していたため、できるだけ空室の期間を少なくして満室を維持できるように、入居審査なども簡略化していました。

しかし、購入後3人目の入居者であるCさんは、入居後すぐに家賃を滞納するようになりました。Bさんが頭を抱えるのはここからです。Cさんは入居をしているため、家賃収入自体は発生しています。そのため、家賃の回収ができていない状態であっても、Bさんは物件からの売上が立っているとみなされ、所得税が課税されてしまうのです。

しかし、Cさんを追い出そうにも、法律は入居者側を保護するような内容となっているため、家賃滞納を1ヶ月・2ヶ月した程度では強制退去をさせることは難しく、家賃滞納が3ヶ月・4ヶ月となったタイミングなどで裁判所に掛け合い、判決を出してもらってから…という流れになります。

Bさんからすれば、いくら満室で売上が立っていても家賃が回収できていないので、毎月のローンの返済や翌年の税金の支払いは自分の手元資金を切り崩して行う必要があります。強制退去のために裁判などを起こす必要もあり、全てが片付くまでに数十万円のキャッシュアウトと対応の手間が発生してしまいます。また、仮に訴訟で勝ったとしても、満額の家賃支払いを請求できない可能性もあります。

これは、入居時の審査をきちんとしなかったために起こる問題です。一度滞納が発生してしまうと、利回りが低下するということ以上に大きく頭を悩ませる事になりますので、入居者審査の厳格化や家賃保証会社の利用などはしっかりと行うほうが良いでしょう。

満室でオーナーチェンジのはずが、売買契約直後に一気に空室に…

満室の状態で売買契約を結んだにも関わらず、成約後一ヶ月から数ヶ月で一気に空室が出ることがあります。これは、売り主のオーナーが物件価値を上げるために無理やり入居者を集めたというケースや、学生の比率が高く入居者の退去時期が重なってしまうケースなどが考えられます。

入居者を無理に集める方法としては、たとえば、売り主が知人や友人に入居者となってもらったり、フリーレントを多くして入居者を集めたりする方法などがあります。

こういった状況を見抜くには「レントロール」と呼ばれる家賃の明細票(賃貸条件の一覧表)をしっかりとチェックする必要があります。入居時期が重なっていたり、直近の数ヶ月に入居がかたまっているケースなどは上記の落とし穴に該当する可能性があるため、特に注意が必要です。

また、周辺エリアの空室状況を自分なりにリサーチし、購入予定の物件の入居率が著しく高かった場合には、どんな要因で入居率が高くなっているのかをしっかりと確認するようにすることも大切です。

大学などの主要施設が移転しまった…

入居者の多くを大学やオフィスなど近隣の主要施設に依存している場合、大学やオフィスが移転した際に空室率が一気に跳ね上がるというリスクを抱えることになります。購入する時は、「○○大学の学生さんが毎年入居者となるので安定的な収入を想定できます」ということがメリットに感じられますが、購入後はその大学が移転してしまうことが大きなリスクとなりますので注意が必要です。

また、周辺環境の変化という点では、近隣にハイグレードマンションなどが建築されるケースも、同じように入居率を大きく左右する要因となります。仮に売り主や不動産の販売・仲介会社がハイグレードマンションが建築される計画があることを知っていたとしても、「聞かれなかったから答えなかった」というスタンスの可能性もありますので、購入する物件の周辺調査をしっかりと行うようにしたほうが良いでしょう。

入居者ではない人が自分の部屋に…

入居時には「ちゃんとした人だな」と感じて安心して貸し出したにも関わらず、久しぶりにマンションを訪れてみると、知らない人や知らない外国人が自分の部屋を出入りしていた、というケースに遭遇することもあります。

これは、無断で民泊などを行い、部屋を転貸しているケースです。契約を取り交わす際に、「無断で転貸などを行った場合は、退去することに同意する」といった内容を契約書に盛り込んでおくことで、そういったシーンを発見した際のやり取りが非常にスムーズとなります。

民泊の利用者は年々増え続けており、貸し出す側も非常に簡単に部屋を登録できるようになってきていますので、自衛のためにも民泊による転貸を想定した契約書をあらかじめ作成しておくことをおすすめします。

まとめ:不動産の落とし穴を理解して、適切に対処しよう

不動産の落とし穴は、事前に知ってさえいればいずれも回避することが可能なものばかりです。うますぎる話や自分にとって都合が良すぎる話は、全面的に信用をせずに、しっかりとリスクを考えて適切に対処をしていくことが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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