不動産投資の出口戦略は「逆算思考」で作る

不動産投資は出口戦略が大事と言われますが、出口戦略をどう作るかという点については触れられていないことも多く、実際に考えてみようと思うと意外に難航するといったケースも珍しくありません。この記事では、不動産投資の出口戦略の作り方について考えていきたいと思います。

  1. 不動産投資で出口戦略を考えることが大事な理由
  2. 逆算思考とは
  3. まず目的と目標を整理し、逆算思考で最短距離を考える

不動産投資で出口戦略を考えることが大事な理由

たとえば、マンション投資の場合、購入した後の出口戦略は「売る」「持ち続ける」の2択しかありません。売るのであれば、「いつ売るか、いくらで売るかを決めるだけだから簡単じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが存外に難しいのです。

たとえば、2017年時点で、値上がりしたマンションをお持ちの不動産投資の方も多いかと思います。しかし、できれば高値で売りたいという気持ちが先行して、「一昨年・昨年と価格が上がったなら、今年も上がるんじゃないか」「ちょっと下がっても家賃収入が入ってくるし…」と決断は先延ばしになります。そう考えている方の多くは、仮に来年に価格が下がったとしたら、「まだ誤差の範囲だろう」「待っていたらまた上がってくるはず」と思うのではないでしょうか。そして、数年後に本格的に下落基調が見え始めた時に「あの時売ればよかった」「この価格では売りたくない」とマンションを抱え続ける羽目になってしまうことが予想されます。

これは、「いつ売るか、いくらで売るか」を決めておかないために起こる判断ミスです。不動産投資は、売却をしなければ利益が確定しないという水物の実物資産です。ですから、いつ買うか、いくらで買うかということ以上に、いつ売るか、いくらで売るかを決めておくことが大切なのです。

逆算思考とは

逆算思考というのは、最初に達成したい目標を定めて、そこからの最短距離を考える思考方法です。対となる思考方法は順算思考と呼ばれるもので、目標は定めずにその場その場で状況判断をしていくため、柔軟性はありますが意思決定やアクションを起こすまでに時間がかかるというデメリットがあります。それぞれの思考方法が売却までにたどるイメージとしては、以下のようになります。

不動産投資の逆算思考

順算思考では、最初は「高く売りたい」と考えていたものの、価格が上がるにつれて「まだ上がるのでは」「持ち続けたほうがよいのでは」と思うようになり、価格が下がってきた時点で「やっぱり売ったほうが良いのでは」と考え、価格が本格的に下げに転じた時点で「もう売ってしまおう」と決断するといった思考プロセスになります。

一方の逆算思考では、「家賃と売却の利益総額が1000万円になった時点で売ろう」ということを決めたら、あとは毎年の「家賃と売却の利益総額がいくらになったか」を確かめながら、売り時を判断していくので、無駄が少なく意思決定にかかる時間が短くなります。

仮にイメージ内の矢印一つの期間が1年だとすると、もし順算思考と逆算思考の方が同じ利益額を手にしていたとしても、順算型では12年かかっているのに対して、逆算型は7年しかかかっていないということになります。逆算思考は目標に対して最短距離を描くために、目標達成のスピードを格段に向上させることができるというメリットがあります。

まず目的と目標を整理し、逆算思考で最短距離を考える

逆算思考で目標を定めるためには、まず不動産投資の目的を整理する必要があります。目標は、目的を達成するために置かれるものですので、当初に立てた目標が達成できていたら、自然と目的が達成できているという関係性になっています。そのため、目標が適切かどうかは、目的が明瞭かどうかで決まると言えるでしょう。

不動産投資の目的は、老後のために生活資金を備えたい、子どもの教育資金を捻出したい、不動産投資の収入だけで食べていけるようになりたい、など人それぞれかと思います。大切なことは、何年後までにいくらの利益を確保したいか、そしてそれが達成できていなかった時に、どういう決断をするか、ということを定めておくことです。

たとえば、「目標は10年後に1000万円の利益を確保すること。ただ、10年後に800万円まで利益が確保できていたなら売っても良い。逆に10年後に利益が500万円以下だったとしたら、売らないで持ち続ける」などのように目標を立てます。そうすると5年後にはどれくらいの利益が出ていないといけないか、3年後ではどうか、といった詳細の目標にブレイクダウンしていくことができます。

もちろん、購入当初の時点で立てた目標ですので、色々と考慮に入れていなかったことも起こるかと思いますが、その都度、それを織り込んだ目標に再修正していけば良いでしょう。このようにして立てた一連の目標が不動産投資の出口戦略となって、後々に生きてくることになります。

まとめ:不動産投資の成功は適切な目標設定から

不動産投資は、他の投資と比べて長期の投資となります。投資期間は最低でも数年以上、長ければ数十年というスパンになります。ただ、投資の年数が長くなるために、目標をしっかりと定めておかないと、いつまでも意思決定ができないという状況になりがちです。ただ、現状はかなり不動産価格も上がってきており、今後は持ち続けるだけではなく状況に応じて適切な判断をしていくことが必要となってきます。今から不動産投資を始める方は、特に、目標設定を明確にして逆算思考で臨むことをおすすめします。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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