不動産売却でトラブルになる4つ原因とは?信頼できる不動産会社の選び方も

不動産売却では、何らかの事情でトラブルに発展するケースがあります。そこで今回のコラムでは、不動産売却で多いトラブルについて紹介し、トラブルになりやすい4つのポイントについて解説していきます。

また、慎重に不動産会社を選ぶこともトラブル回避には欠かせません。そのため、トラブルにならないための不動産会社の選び方も紹介します。

目次

  1. 不動産売却で起きやすいトラブル
    1-1.契約締結に関するトラブル
    1-2.契約解除に関するトラブル
    1-3.瑕疵に関するトラブル
    1-4.報酬に関するトラブル
  2. 不動産売却のトラブルにつながる4つの原因
    2-1.不動産売却に関する知識が不足している
    2-2.契約内容が曖昧になっている
    2-3.確認が不足している
    2-4.不動産会社任せにしている
  3. 不動産売却を依頼する不動産会社の選び方
    3-1.宅地建物取引業免許を確認する
    3-2.行政処分情報をチェックする
    3-3.複数の不動産会社を比較する
  4. まとめ

1 不動産売却で起きやすいトラブル

不動産売却で起きるトラブルはいくつか種類がありますが、公益財団法人不動産流通推進センターの「2021不動産業統計集(3月期改訂)不動産業の概況」では、2019年に発生したトラブルにおける相談件数(売買)が公表されています。そのうち相談件数の上位5位までをまとめたのが下記の表です。

トラブルの内容 件数 割合
重要事項説明等(重要事項の不告知を含む) 84件 32.1%
契約の解除(ローン不成立の解除を含む) 33件 12.6%
瑕疵問題(瑕疵補修を含む) 25件 9.5%
契約内容に関わる書面の交付 13件 5.0%
手付金、中間金等の返還 8件 3.1%

※参照:公益財団法人不動産流通推進センター「2021不動産業統計集(3月期改訂)不動産業の概況 主要原因別紛争相談件数」より抜粋

具体的にどのようなトラブルがあるのか、次の項目から見ていきましょう。

1-1 契約締結に関するトラブル

契約締結時にトラブルに発展しやすい代表的な例は、重要事項説明等における重要事項の不告知です。不動産を売却する際は、瑕疵(かし)などの重要事項がある場合は契約までの間に告知をする必要があります。

重要事項とは主に下記のような事案です。

  • 近隣の工場から大きな騒音がする
  • 周辺に産業廃棄物処理場が建設される予定がある
  • 近隣に反社会組織の事務所がある
  • 過去に事故が起き、入居者が死亡した、など

宅地建物取引業法47条において、これらの事実を故意に告げなかったり、不実のことを告げる行為は禁止されています。

ただし、例えば騒音などのような瑕疵が指摘された場合、人それぞれの主観的な印象になり、感じ方も異なります。売主、あるいは仲介を担う不動産会社が告知する必要がないと判断しても、買主にすると騒音が気になることもあり、トラブルに発展することもあるのです。

1-2 契約解除に関するトラブル

不動産は高額な買い物になるため、契約を締結した後で家族や親族の反対にあったり、思い直したりするなどで契約を解除するケースもあります。契約解除自体は違法ではないため、正式な手続きを行えばキャンセルすることができます。

このときに必要になるのが、契約締結時に買主から売主に渡される手付金です。手付金は通常、物件価格の1割程度ですが、下記のように扱うことで契約解除が成立します。

  • 買主からの申し出…手付金をそのまま売主に渡す
  • 売主からの申し出…手付金を2倍にして返還する

また、どちらかが嘘をついていたなどの契約違反で契約が解除になるケースもあります。この場合、手付金の2倍の違約金が発生する、という条項を盛り込まれていることがあります。

契約解除に関してトラブルになりやすいのが、この手付金と違約金の扱いです。通常は手付金や違約金に関して双方が納得する形で金額を設定し、不動産売買契約書に記載しておきます。しかし、記入漏れがあったり、どちらかが契約解除をする段階になって不服を申し立てるケースもあります。こうしたことでトラブルになってしまうのです。

その他、契約に関してトラブルになりやすい事例として「ローン特約の不備」があります。買主が金融機関からの融資を活用する場合、契約締結後に審査に落ちてしまうことでトラブルに発展することがあるのです。

契約書にはローン審査が否決された場合に契約を解除できる「ローン特約」を記載します。しかし、ローン特約について不記載だったり、期限を設けていない場合に、契約解除をめぐってトラブルに発展することもあるのです。

1-3 瑕疵に関するトラブル

不動産取引の場合に用いられる瑕疵とは、住宅にある欠陥や不備のことで、次の4つの種類があります。

  • 心理的瑕疵…過去に事件や事故があったなどで、心理的にマイナスになる事案
  • 物理的瑕疵…住宅としての条件を満たしていない構造上の欠陥
  • 法律的瑕疵…法律上の基準を満たしていない違反項目
  • 環境的瑕疵…周辺の環境に起因している住環境における欠陥

売主には契約不適合責任があり、物件にこれらの瑕疵がある場合に責任を負うことになります。そのため瑕疵を正しく告知していなかったり、引き渡し後に明らかになった瑕疵に対する補償などでトラブルに発展することがあります。

1-4 報酬に関するトラブル

仲介を担当する不動産会社との間で、トラブルに発展しやすいのが仲介手数料の問題です。通常、不動産売買における仲介手数料は下記のように計算されます。

  • 成約価格が200万円以下の場合:成約価格×5.5%
  • 成約価格が200万円超400万円以下の場合:成約価格×4.4%+2.2万円
  • 成約価格が400万円超の場合:成約価格×3.3%+6.6万円

※参照:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

しかしこれはあくまでも上限で、交渉次第で金額を変更することは可能です。契約後に仲介手数料の交渉を行ってしまうなどして、トラブルに発展することもあるのです。

また、仲介手数料以外にオプション費用を請求されることもあります。仲介手数料以外の費用が発生する場合は、あらかじめ双方が合意していなければいけません。こうした法律を知らずに請求されたまま支払ってしまい、後でトラブルに発展するケースがあります。

2 不動産売却のトラブルにつながる4つの原因

これまで不動産売却で起きやすいトラブルについて解説しましたが、これらのトラブルにつながる原因について4つのポイントを紹介します。

2-1 不動産売却に関する知識が不足している

不動産売却では、売主の知識が足りないためにトラブルに発展しているケースがあります。例えば、前述した瑕疵の不告知というトラブルでは、何が瑕疵に当たり、どのように告知しないといけない、といった知識がないことでトラブルにつながってしまいます。

トラブルを未然に防ぐには不動産売却で起きやすいトラブルについて学んでおくことが重要ですが、専門的な知識を必要とする場面も多く、また不動産に関する法律は随時改正されています。自身でも学んでいくことに加えて、現行の法律に詳しい信頼できる不動産会社への依頼も大切なポイントになります。

2-2 契約内容が曖昧になっている

不動産売買は大きな金額の動きやすい取引です。口約束などで曖昧なまま契約を進めてしまい、後で「言った、言わない」というトラブルに発展することもあります。

代表的な例は、エアコンなどの設備機器です。例えば、不動産会社が査定をする際に売主が「残していきます」と言ったとしても、引き渡しまでの間に故障してしまい処分していることがあります。

この場合、口約束でしか取り決めがされていないため、買主はエアコンが設置されたままだと思ってしまい、トラブルに発展してしまうのです。

通常、重要事項説明などで設備機器の有無について確認しますが、書面で明確にしておくなどで後々トラブルに発展することを防ぐことができます。

2-3 確認が不足している

不動産取引でトラブルが起きるのは、売主と買主、売主と不動産会社、買主と不動産会社の間です。この3者の中で、何かしらの行き違いがある場合にトラブルに発展しやすくなります。そのため重要な事項だけではなく、ちょっとしたことでも不安や不明な点は確認することが大切です。

特にトラブルに発展しやすいのは、「言ったつもり」「やってくれているはず」といった思い込みです。「◯◯の件はどうなりましたか?」など、その都度確認することでトラブルを避けることができます。

2-4 不動産会社任せにしている

仲介を担当する不動産会社は、不動産取引のプロです。そのため、知識や経験がない売主の方であれば、不動産会社に任せきりになってしまうこともあるでしょう。

しかし、不動産会社が適切に業務を行っているか確認できるのは、仲介を依頼している売主だけです。売主の想定通りに進んでいるのか、随時確認するようにしましょう。

業務の確認や、契約書の内容などをチェックすることはもちろん、売主としての意見を言うことも大切です。不明点や疑問点があれば遠慮なく伝え、スムーズな取引につながるよう積極的な協力体制を作っていきましょう。

3 不動産売却を依頼する不動産会社の選び方

これまで不動産売却におけるトラブルについて紹介しましたが、信頼できる不動産会社を選ぶこともトラブルを回避する方法の一つです。そこでこの項目では、どのような不動産会社を選ぶといいのか、解説していきましょう。

不動産会社を選ぶ際の代表的なポイントを下記に挙げました。

  • 物件のあるエリアに精通している
  • スピーディーな対応をしている
  • 売却する物件タイプを得意としている
  • 豊富な実績がある
  • 親身になって相談に乗ってくれる
  • 知識に基づいたアドバイスをしてくれる、など

これらに加えて、トラブルを回避するためにより気をつけたいポイントとして、次の2つを確認してください。

3-1 宅地建物取引業免許を確認する

不動産売買を扱う不動産会社は、宅地建物取引業に関する免許が必要です。この宅地建物取引業免許を正しく所持しているか確認しましょう。通常は店舗に免許が掲示されていますが、自社のホームページに写真を掲載していたり、番号を載せています。

免許は、国土交通大臣による免許と、各都道府県知事による免許があります。この違いは拠点の場所です。複数の都道府県に渡って支店がある場合は国土交通大臣免許、地域の不動産の場合は都道府県知事免許となっています。

また、免許番号の前にある括弧の中の数字もポイントになります。(2)や(5)などとなっていますが、これは免許の更新回数です。宅地建物取引業免許は5年に一度更新するため、(2)の場合は免許を取得してから10年〜15年、(5)の場合は25年〜30年ということになります。

免許を取得してからの期間が長いほど信頼できるとは一概には言えませんが、判断材料の一つになります。

3-2 行政処分情報をチェックする

不動産会社の情報を知りたい場合、管轄の行政庁で名簿を確認することができます。この名簿には代表者名や資本金、免許取得年月日、有効期間などが記載されています。

また、法令違反によって受けた行政処分についても確認することができます。行政処分を受けていれば、過去に何らかのトラブルに遭った、または起こしたと考えられます。そのため行政処分情報をチェックすることで、適切な不動産会社選びができるのです。

行政処分には、免許取り消し、業務停止、指示などがあり、それぞれの処分理由についても言及されています。

国土交通省の「宅地建物取引業者の違反行為に対する監督処分の基準」では、違反行為や業務停止期間などについて確認することができます。

  • 誇大広告等の禁止違反…7日、15日、30日
  • 重要事項説明義務違反…7日、15日、30日
  • 媒介契約締結時における書面の交付義務違反…7日
  • 営業を目的とした名義貸し…90日、など

これらを参考に、どのような行政処分を受けたことがあるのか、確認することでより慎重に不動産会社を選ぶことができます。

3-3.複数の不動産会社を比較する

不動産売却でトラブルに発展してしまう事例には、1社の不動産会社だけに依頼をしてしまい、相場よりも安く不動産を手放してしまったり、適切な交渉を行ってもらえなかったりなどの事例もあります。

このようなトラブルを避けるには、複数の不動産会社を比較し、査定結果や不動産会社の対応力などをしっかり確認することが大切です。

複数の不動産会社を比較する際は、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトが便利です。下記に5つのサイトをまとめましたので、不動産会社選びの際にご参考ください。

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まとめ

不動産売却のトラブルを回避するためには、どのようなトラブルがあるかを把握し、その原因や対策について知っておくことが重要になります。

今回は売却時に起きやすいトラブルのほか、トラブルにつながりやすいポイントを4つ挙げました。どの事例においても、売主が積極的に売却に関わりながら、売却のパートナーとなる不動産会社と協力体制を作ることが重要なポイントとなってきます。

信頼できる不動産会社を選ぶ際は、1社だけでなく複数の不動産会社を比較することも大切です。不動産一括査定サイトを活用するなどして、効率的に不動産会社を探されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。