IT関連サービスのプラットフォームやソフト、ハードウェアに関するビジネスを手掛けるGAFAは、米国市場において圧倒的な時価総額を誇っています。GAFAは世界のリーディングカンパニーとして、動向が常に注目されており、米国株投資の際には押さえておきたい銘柄です。
米国株投資を考えている人の中には、GAFAへ効率よく投資できるファンドを探している人も多いのではないでしょうか。
当記事では、GAFAをメインテーマとしているファンドを紹介します。また、次世代GAFAとも呼ばれる新たな企業群の呼称や、GAFA投資のメリットと注意点なども紹介しています。GAFAへの投資を考えている人はご確認ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。
目次
- GAFAが組入銘柄となっているファンド
1-1.iFreeNEXT FANG+インデックス
1-2.netWIN GSテクノロジー株式ファンド - GAFAとは?新しい呼称の台頭も
2-1.ビッグテック企業群の一角GAFA
2-2.GAFA以外の優れた企業群
2-3.次世代GAFA?MT SAAS
2-4.ビッグテックの指数 - GAFA投資のメリット
3-1.テック系の大きな動きを把握できる
3-2.世界有数の大企業への投資 - GAFA投資の注意点
4-1.GAFAによる市場寡占の問題 - まとめ
1.GAFAが組入銘柄となっているファンド
S&P500など、米国株をテーマとしたファンドでは、ほとんどの場合GAFA銘柄が組み込まれています。したがって、米国株ファンドへの投資を通じてGAFA銘柄にも投資可能です。
そこで今回は、別視点からGAFAを中心としたテクノロジーをテーマとしたファンドを紹介します。
1-1.iFreeNEXT FANG+インデックス
iFreeNEXT FANG+インデックスは、NYSE FANG+指数に連動する成果を目指すファンドです。NYSE FANG+指数については後述しますが、GAFAを始めとした10のテクノロジー銘柄の値動きを指数として表したものです。NYSE FANG+指数を確認することで、テクノロジー銘柄の大きなトレンドを把握できます。
ファンド名 | 基準価額 | 純資産(百万円) | トータルリターン/1年 | トータルリターン/3年 | シャープレシオ/1年 | 信託報酬 |
---|---|---|---|---|---|---|
iFreeNEXT FANG+インデックス | 24,777円 | 18,343 | -15.51% | 34.91% | -0.5 | 0.77550% |
2022年6月30日発行の月次レポートによると、全10銘柄中、組入上位5銘柄は以下のとおりです。
銘柄 | 業種/国 | 比率 |
---|---|---|
1.アリババグループ | 一般消費財/中国 | 10.50% |
2.バイドゥ | コミュニケーション・サービス/中国 | 10.00% |
3. Apple | 情報技術/アメリカ | 9.80% |
4.テスラ | 一般消費財/アメリカ | 9.70% |
5.マイクロソフト | 情報技術/アメリカ | 9.70% |
中国でオンラインショップを運営するアリババや、中国のGoogleといわれる検索エンジンサービスを提供するバイドゥが上位を占めています。
アリババやバイドゥは、中国国内をメインに活動する地域限定的な企業ですが、多くの人口を擁する中国市場の経済基盤は強固です。消費活動が盛んな中国市場と相まって、今後も業績を伸ばし続けるとみられています。
1-2.netWIN GSテクノロジー株式ファンド
netWIN GSテクノロジー株式ファンドは、テクノロジーを活用することで収益の伸びが期待される企業で構成されたファンドです。GAFAを筆頭に、次世代を担うテクノロジー関連株が35銘柄ピックアップされています。
直近の運用成績は、米国市場の軟調によってやや苦戦をしいられています。
ファンド名 | 基準価額 | 純資産(百万円) | トータルリターン/1年 | トータルリターン/3年 | シャープレシオ/1年 | 信託報酬 |
---|---|---|---|---|---|---|
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし) | 21,536円 | 705,085 | -13.57% | 16.38% | -0.6 | 2.09% |
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Aコース(為替ヘッジあり) | 12,624円 | 149,502 | -31.20% | 6.17% | -1.3 | 2.09% |
2022年6月30日発行の月次レポートによると、全35銘柄中、組入上位5銘柄は以下のとおりです。
銘柄 | 業種/国 | 比率 |
---|---|---|
1.マイクロソフト | 情報技術/アメリカ | 9.80% |
2.Amazon | 一般消費財/アメリカ | 7.90% |
3. アルファベット | コミュニケーション・サービス/アメリカ | 5.40% |
4.Apple | 情報技術/アメリカ | 4.80% |
5.アドビ | 情報技術/アメリカ | 4.60% |
かつては、組入銘柄の上位はGAFAを中心に構成されていましたが、Facebookがメタプラットフォームズに社名変更した後は、組入上位銘柄に名前が挙がることが少なくなりました。直近の組入銘柄10銘柄にも入っていません。
時代の移ろいによってGAFAという呼称は、更新される可能性が高まっています。
2.GAFAとは?新しい呼称の台頭も
GAFAとは、ITプラットフォームサービスを中心に提供しているGoogle、Amazon、Facebook、Appleのイニシャルをとって付けられた呼称です。現在Facebookはメタプラットフォームに名称変更していますので、厳密にはGAMAとなります。
新しく登場している呼称も合わせて、以下に紹介します。
2-1.ビッグテック企業群の一角GAFA
GAFAはITプラットフォームを核として、事業規模を拡大してきました。それぞれの主要な事業は以下のとおりです。
- Google:検索エンジン
- Apple:デジタルデバイスやソフトウェア
- Facebook:SNS
- Amazon:ネットショップ
すべて米国企業で、Apple以外は2000年代のITバブルに乗じて頭角を表した企業です。
Googleが展開する主なビジネスは、主に検索エンジンと広告サービスです。主軸とするサービスやツールは以下の3つに分類できます。
- 検索エンジンとブラウザやGmailなどのソフトウェア
- Google AdSenseやGoogle AdWords
- Android OSやGoogle Play
GmailやGoogle Drive、ドキュメント、スプレッドシート、グーグルフォトなど、クラウドサービスを活用しつつ、マイクロソフトのオフィスシリーズが得意としていた分野にも進出しシェアを拡大しています。
近年ではインターネット上だけでなく、データ解析を駆使した自動運転技術にも取り組んでいます。ビックデータを活用した新しいビジネス展開に視線が集まっています。
Apple
Appleのメインとなるビジネスモデルは、デバイス販売です。ビジネスモデルのカテゴリーは以下のとおりです。
- PCデバイスのMac
- スマートフォンのiPhone
- タブレットのiPad
- OS、音楽や動画配信、電子書籍などのデジタルコンテンツ配信サービス
中でもビジネスを牽引するのはiPhoneです。iPhoneを中心としたAppleデバイスとソフトウェアのシームレスな連携は、Apple製品独自のもので強みの一つとなっています。
Facebookは、現在はメタ・プラットフォームズという名称に社名変更しています。SNSを中心としたビジネスモデルを展開しています。主なコンテンツは以下のとおりです。
現在では、Instagramが収益の柱となっています。将来はVRヘッドセット「Oculus Quest 2」の開発を経て、拡張現実や仮想現実の没入型体験サービスの提供への移行を目指しています。
Amazon
Amazonはネットショップを中心としてビジネスを展開しています。近年では、ネットショップ以外の分野への進出も。主なビジネスモデルは以下のとおりです。
- マーケットプレイス型ネットショップ
- 音楽、動画配信、電子書籍サービス
- クラウドサービス
ネットショップの延長線上に、音楽、動画配信、電子書籍サービスを展開し、プラットフォーム上で相乗効果を生み出している点が特徴的です。
クラウドのAmazon Web Services (AWS)は、Amazonが世界でもっとも信頼されていると自信を見せるクラウドプラットフォームです。ネットショップ事業とは異なる分野でも、存在感を示しています。
2-2.GAFA以外の優れた企業群
圧倒的な時価総額を誇るGAFAは現在でも注目の的ですが、GAFAの台頭をきっかけに新しいテック企業が、頭角を表しつつあります。GAFA以外の注目企業をまとめた企業群の呼称を3つ紹介します。
GAFAM
GAFAMはGAFAにマイクロソフトを加えた5社をまとめた呼称です。GAFAMと呼ばれる企業群は、2000年代の末以降、世界でもっとも時価総額が高い企業とされていた時期がありました。
近年では、社名変更を行ったFacebookが苦戦をしいられて時価総額を落としているため、少々トレンドにそぐわない呼称になりつつあります。
BATH・BATX
BATHは、百度、バイトダンス、アリババ、テンセント、ファーウェイの5社で構成される企業群です。ファーウェイをシャオミに変更した、BATXという呼称が使われることもあります。GAFAに対抗しうる企業は、現状では中国の4大IT企業とも言われています。
G-MAFIA BAT
ジーマフィアバットと呼ばれる企業群は、Alphabet、Microsoft、Amazon、Meta、IBM、appleと中国の百度、アリババを足した9社で構成されます。別名、ビック9という呼称も。
アメリカのIT大手企業と、アジアのIT大手企業を合わせた9社は、世界的に価値のある企業として関心を集めています。世界のテクノロジー情報の収集はG-MAFIA BATを押さえておくと、網羅性が高く効率的です。
2-3.次世代GAFA?MT SAAS
MT SAASとは、世界的にサービスを展開していたり、画期的なサービスとして多くの注目を受けていたりする、クラウド関連製品を取り扱っている企業群です。SaaS (Software as a Service)を提供する企業で構成された企業群です。
MT SAASの企業群は以下のとおりです。
- マイクロソフト
- Twilio
- Shopify
- Amazon
- アドビ
- セールスフォース
Twilioは、電話やSNS、ビデオ、チャットなど世の中のコミュニケーションチャネルをクラウド化し、APIとして提供している企業です。APIを使うことで様々なサービスのカスタマイズが出来るようになります。
Amazonとは違う路線で活路を見出す、オンラインストアのプラットフォームを提供するShopify、PhotoshopやIllustratorなど、グラフィックデザインツールを軸にサービスを展開するアドビ、顧客を管理をベースとしてさまざまなカスタマイズができるセールスフォースなど、MT SAASは、注目のSaaSを提供する企業群です。
2-4.ビッグテックの指数
世界を牽引するテクノロジー企業の動向を表す便利な指数として、NYSE FANG+指数を紹介します。
NYSE FANG+指数
NYSE FANG+指数は、世界のテクノロジー産業をリードする10銘柄で構成されたFANG+の株価指数です。構成銘柄は以下のとおりです。
- メタプラットフォームズ
- Amazon
- ネットフリックス
- Apple
- アリババ
- バイドゥ
- エヌビディア
- テスラ
GAFAとGAFAに追随する企業、アジアのIT大手をあわせた指数です。GAFAに投資したい場合、GAFAに追随する銘柄まで幅広くカバーしているNYSE FANG+指数のインデックスファンドやETFへの投資が効率的です。
3.GAFA投資のメリット
GAFAへの一括投資は、世界をリードする先進IT企業へまとめて投資できるのが注目ポイントです。以下、詳細を説明します。
3-1.テック系の大きな動きを把握できる
世界で見ても有数の時価総額を誇るGAFAへの投資によって、テック系企業の動向を把握することができます。各社とも巨大なプラットフォームを運営しており、テック系企業をはじめ様々な業界に影響を及ぼすため、それぞれの動向を追うことである程度のビジネスの大きな流れが掴みやすくなるでしょう。
3-2.世界有数の大企業への投資
ITプラットフォームをベースとしたGAFAのサービスは、世界中さまざまなところで利用されています。大きな成功を収めた大企業ですが、現状に甘んじること無く、GAFAは現在も企業価値を高めるべく、日々企業努力を重ねています。
まだまだ今後の成長が期待できるGAFAへの投資は、資産運用観点からみてもメリットとなるでしょう。
4.GAFA投資の注意点
GAFAへ投資する際に懸念される点を紹介します。
4-1.GAFAによる市場寡占の問題
過去にGAFAの市場寡占を問題視し、GAFAへ規制を設ける案がアメリカで浮上しました。いくらGAFAが巨大組織とはいえ、国から規制をかけられると厳しい立場へ追い込まれてしまいます。
GAFAが抱える問題は、規制によるビジネスの制限です。GAFAによる市場の寡占による問題点として、以下の2点が懸念されます。
- 個人情報の取得によるプライバシーの侵害や情報漏えい
- 寡占によって中小企業が参入しにくくなる
プライバシーの問題では、日本で「官民データ活用推進基本法」の中で「オープンデータ」を規定しGAFAのデータ独占を阻止、EUでは「GDPR(General Data Protection Regulation/EU一般データ保護規制)」という法案を用いて、個人情報のセキュリティを強固なものにしました。
中小企業の成長が阻害され、新しいイノベーションが育つ土壌ができにくい点も重要な課題とされています。
今後、GAFAに対する国家の規制が追加され、成長が阻害される可能性を秘めています。
まとめ
GAFAは大企業となった今でも、新たな分野へビジネス展開を目指し、さらなる成長を遂げようとしています。一方で、多くの人口を擁する強固な中国市場を背景に業績を伸ばし続ける、バイドゥやアリババも見逃せない存在です。
GAFAという呼称が使われ始めたのは、2017年〜2018年頃ですが、コロナ禍を経てわずか数年で様相が変わりつつあります。テクノロジー銘柄のトレンドを押さえる場合、Shopifyやセールスフォースなど新たに米国での台頭が予想される企業や、中国企業の動向も見逃せないポイントです。
sayran
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