東京の不動産を売却するタイミングはいつ?コロナ禍の以前・以後の価格を比較

※ このページには広告・PRが含まれています

2021年は新型コロナの影響により東京の人口の転出超過が起きる一方、不動産価格の大きな下落にはつながっていませんでした。このような状況の中、東京で不動産を売却するのであれば、いつが売り時なのか知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、新型コロナウイルスの感染拡大前後で不動産の価格推移を検証し、不動産の売り時について考察します。

目次

  1. 東京の住宅価格指数推移
    1-1.東京のマンション価格指数推移
    1-2.東京の戸建住宅価格指数推移
  2. 東京の人口推移
  3. 東京都の人口減少は、短期的には不動産価格へ影響を与えていない
  4. まとめ

1.東京の住宅価格指数推移

東京におけるマンションと戸建住宅の価格について、2018年から2021年秋までの推移をそれぞれ検証します。

1-1.東京のマンション価格指数推移

国土交通省が発表している資料によると、東京都における2018年1月以降のマンション価格指数は以下グラフのように推移しています。

東京のマンション価格指数推移

※参照:国土交通省「不動産価格指数

2020年度のGDP成長率がマイナスになるなど、新型コロナウイルスの拡大は日本経済に大きな打撃を与えました。しかし、2021年9月までの推移で見ると、東京都のマンション価格指数は新型コロナウイルスの感染拡大傾向にあった2020年1月後の方が上がっています。

2020年の夏ころには1度大きく値下がりしたものの、2020年末には値下がり前の水準まで戻りました。その後は2021年春まで上下動を繰り返し、2021年の4月以降は上昇傾向にあります。

2021年9月には価格指数が170.9まで上がっており、参照している統計の中では史上最高値となりました。なお、2020年1月の価格指数と2021年9月の価格指数とを比較すると、約12.5%値上がりしています。

NHK「東京都の新型コロナデータ」によると、2021年7月中旬から9月初旬にかけて東京都の新型コロナウイルス感染者数が1,000人を超える日も多く見受けられました。2021年6月頃と比較すると、夏の感染者は大幅に増加しています。

しかし、同期間においても東京都のマンション価格指数は上昇を続けました。少なくとも2021年の夏以降に関しては、東京都のマンション価格指数推移と新型コロナウイルスの感染者数推移との間には、単純な相関関係にないことが分かります。

1-2.東京の戸建住宅価格指数推移

国土交通省が発表している資料によると、東京都における2018年1月以降の戸建住宅価格指数は以下グラフのように推移しています。

東京の戸建住宅価格指数推移

※参照:国土交通省「不動産価格指数

東京都の戸建住宅価格指数推移は、マンションの価格指数推移と比較すると上下の推移が強いと言えそうです。2018年1月以降の推移で見ると、横ばいの時期や急降下・急上昇を繰り返している時期が複数見受けられます。

2021年9月時点における東京都の戸建住宅価格指数は117.0で、2018年以降の推移で見ると2番目に高い水準となりました。なお、2018年以降で最も高い数値を記録したのは2021年7月で、同月の戸建住宅価格指数は117.4です。

東京都の戸建住宅価格指数に関しては、2021年の夏以降は特に高い状態にあると言えます。2021年の夏以降に、東京都の戸建住宅は約13年ぶりの高値を記録している状況です。

また、戸建住宅価格指数は上下動が激しいため、2021年下旬以降は売り時かというと慎重な判断が必要です。

不動産の売却が完了するまでには、3ヶ月から6ヶ月など数ヶ月以上かかることもめずらしくありません。戸建住宅の売却を検討する場合は、市況の変化などを不動産会社に確認しながら時期を見極めるのが重要なポイントとなります。

2.東京の人口推移

人口増加は住宅需要を拡大するため、人口が減少しているエリアでは不動産も値下がりしやすくなります。また、2020年に入って東京都の人口は転出増加となった時期もありました。新型コロナウイルス前後で東京都の人口は実際にどう変化しているのか検証します。

東京都が発表している統計によると、2018年から2020年における東京都の人口推移は以下グラフの通りです。

東京都の人口推移 2018年~2020年

東京都の人口推移

※参照:東京都「人口の動き

東京都によると、2020年中の人口に関する統計は国勢調査の結果に基づく補正が入っている一方で、2021年の統計には補正が入っていません。このため、まずは2018年から2020年までの人口推移を検証します。

新型コロナウイルスが拡大して以降、それまで増加が続いていた東京都の人口統計に関して、転出増加の動きが見られたことは大きく報道されました。しかし、2020年の通年で見ると、人口は結果的にほぼ横ばいとなっていることがわかります。

東京都の人口は4月から5月大きく増加してきました。同時期が入社・入学などの時期に該当するためと予測されます。それ以外の時期を見ると、東京都の人口は比較的横ばいから微増を繰り返している状況です。

2020年も春先に人口が増加した点は例年と変わりありません。しかし、夏以降は明確に人口が減少したことから、新型コロナウイルスの感染拡大は人口の増加傾向にある程度の歯止めをかけていると言えるでしょう。

なお、2021年における東京都の人口推移(2021年12月28日時点の発表データに基づく)は以下グラフの通りです。

東京都の人口推移 2021年

東京都の人口推移 2021年

※参照:東京都「人口の動き

2020年までの推移と比較すると、春先の人口増加傾向がさらに弱まっている状況です。2020年は3月から5月にかけて人口が0.37%増加しましたが、2021年の3月から5月にかけての増加率は0.15%にとどまっています。

東京都で人口が減少している理由には、景気の悪化による所得水準の低下やリモートワークの普及など様々な原因が考えられます。

大企業の拠点移動など環境も変化している中では、新型コロナウイルスの感染者数が減れば東京都の人口も再び増加傾向が強まるのか、今後の推移には要注目です。

3.東京都の人口減少は、短期的には不動産価格へ影響を与えていない

これまで見てきたように、東京都の人口減少と不動産価格は短期的には単純な相関関係にないことが分かります。特にマンションの価格が上昇している背景には、金融緩和による低金利も大きな要因として考えられます。

金融緩和が行われると市場に流れる資金が多くなり、債券から株式や不動産などのリスク資産へ資金が流れる傾向があります。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に大規模な金融緩和が行われた結果として、不動産価格を支えている側面もあると言えるでしょう。

ただし、テレワークの普及により人口減少が長期的に続いた場合、価格が大きく下落していく可能性もあります。自身が所有する不動産のエリアや物件タイプごとに、ミクロの視点で価格推移を調査しておくことも重要なポイントとなります。

売主と買主の相対取引で価格の決まる不動産売買は、指数と全く違う価格推移をしていることも少なくありません。不動産会社へ定期的に査定を依頼しておくなど、実際の価格推移を定点観測しておくと良いでしょう。

下記、複数の不動産会社へ査定依頼ができる不動産一括査定サイトの一覧です。不動産一括査定サイトでは、物件情報を登録することで複数社とのやり取りの手間を省き、売却するかどうかを査定後に判断することができるため、「まずは売却価格を知りたい」という時にも便利に活用できるサービスです。

主な不動産一括査定サイト

サイト名 運営会社 特徴
SUUMO(スーモ)不動産売却[PR] 株式会社リクルート 大手から中小企業まで約2,000の店舗と提携。独自の審査基準で悪質な不動産会社を排除。60秒で入力が終了し、無料査定がスタートできる。
すまいValue[PR] 不動産仲介大手6社による共同運営 査定は業界をリードする6社のみ。全国875店舗。利用者の95.5%が「安心感がある」と回答
LIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービス[PR] 株式会社LIFULL 全国3826社以上の不動産会社に依頼できる。匿名での依頼も可能
リガイド(RE-Guide)[PR] 株式会社ウェイブダッシュ 17年目の老舗サイト。登録会社数900社、最大10社から査定を受け取れる。収益物件情報を掲載する姉妹サイトも運営、他サイトと比べて投資用マンションや投資用アパートの売却に強みあり
HOME4U[PR] 株式会社NTTデータ スマートソーシング 全国2100社から6社まで依頼可能。独自審査で悪徳会社を排除

【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

まとめ

2021年における東京都の人口には減少傾向が明確に見受けられるものの、9月までの時点では、マンションは大幅に値上がりしている状況です。

その一方で、戸建住宅に関しては約13年ぶりの高値を記録していますが、戸建住宅は価格の上下動が激しいため、実際に売り出す場合は時期の見極めが重要になります。

そのほか、東京都の人口推移を見ると、マンションが値上がりし始めた2020年夏以降は、横ばいまたは減少しています。このため、2020年以降における東京都のマンション価格推移と人口推移との間には、短期的な視点での相関性は低いと考えられます。

ただし、東京都の不動産価格が上昇傾向にある背景には、金融緩和による低金利の影響があります。緩和が制限されたり、人口減少が長期的に起きた時には不動産価格が大きく下落してしまう可能性もあると言えるでしょう。

また、相対取引で価格の決まる不動産取引において、実際に所有している不動産の価格と市場傾向が異なる推移をしていることも少なくありません。売り時を考えるのであれば、市場のデータも参考にしながら定期的に査定依頼をするなど、それぞれの対策も行ってみましょう。

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」