国内と中央アジアの不動産物件に投資できるファンドを提供する不動産投資型クラウドファンディングの「TECROWD」(テクラウド、運営会社TECRA株式会社)では、2022年の春ごろから中央アジア・カザフスタンの不動産にも投資できるようになりました。
今回はTECROWDが提供するカザフスタンファンドの特徴や利回り、リスク、投資の注意点を紹介します。
目次
- TECROWD(テクラウド)とは
- TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドの特徴や利回り
2-1.カザフスタンとはどんな国? - TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドに投資するメリット
3-1.短期運用でリスクを軽減できる
3-2.高利回りで運用効率が良い
3-3.実績豊富な会社が建設監修を行う
3-4.優先劣後構造を採用している - TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドに投資するリスクや注意点
4-1.元本保証はない
4-2.カントリーリスクには特に注意
4-3.竣工リスクがある - まとめ
1.TECROWD(テクラウド)とは
会社名 | TECRA株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長 今井 豊和 |
資本金 | 1億5,600万円 |
本社所在地 | 〒220-6004神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA4F |
免許 | 建設業許可(特-30)第74708号 宅地建物取引業者免許(4)26122号 不動産特定共同事業許可番号 神奈川県知事 第12号 |
一級建築士事務所登録 | M design+architect一級建築士事務所 神奈川県知事登録 第17479号 |
業務内容 | 建築一式工事、土木工事、設計及び監理、海外開発、不動産の売買、賃貸、仲介、管理 |
オフィス | [横須賀オフィス] 〒238-0004 神奈川県横須賀市小川町13-1 アサヒ横須賀ビル7F [モンゴルオフィス(TECRA MONGOLIA LLC)] ”The Down Town” Bldg , 601 , 6F , Jamiyan Gun street 18/1 , 1 khoroo , Sukhbaatar district , Ulaanbaatar city , Mongolia |
TECROWD(テクラウド)は日本・中央アジアの不動産に投資ができる不動産型クラウドファンディングです。
経済成長が著しい中央アジアの国の不動産に投資でき、これまで日本の他、モンゴルのレジデンスやオフィス、カザフスタンの住宅物件などが投資対象のファンドを提供しています。
運営会社のTECRA株式会社は、建築工事一式や建築物の設計や施工管理など、不動産事業を展開しています。
TECROWDで投資対象となる物件の多くが、運営会社による建設・施工・管理が成された物件で、国内の不動産と同品質の海外不動産に投資できるのが特徴です。
2.TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドの特徴や利回り
TECROWDでは、中央アジア内のモンゴルをメインに不動産ファンドを提供していましたが、2022年の春以降はカザフスタンの物件に投資できる不動産ファンドを提供するようになりました。
2022年11月7日時点、TECROWDが提供する全36ファンドのうち、7件がカザフスタンの不動産ファンドとなっています。
TECROWDカザフスタンファンドの利回り・募集期間・募集金額
ファンド名 | 想定利回り | 募集期間 | 募集金額 |
---|---|---|---|
TECROWD36号ファンド Miras Townhouse | 9.50% | 9ヶ月 | 416,000,000 円 |
TECROWD35号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 7ヶ月 | 246,000,000 円 |
TECROWD33号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 7ヶ月 | 275,000,000 円 |
TECROWD31号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 6ヶ月 | 279,000,000 円 |
TECROWD30号ファンド Three City Towers | 9.00% | 10ヶ月 | 443,000,000 円 |
TECROWD29号ファンド Three City Towers | 9.00% | 12ヶ月 | 407,000,000 円 |
TECROWD27号ファンド White House in Chaikina | 10.50% | 8ヶ月 | 320,000,000 円 |
想定利回りが9.00%~11.00%の高水準となっており、高級住宅地のタウンハウスプロジェクトや土地面積20,000平米以上の大規模住宅プロジェクト、カザフスタン最大の都市・アルマティ市内の商業施設・住居の複合施設など、いずれのファンドもカザフスタン内の比較的規模の大きな建設プロジェクトに関連しているのが特徴です。
また、土地造成工事完了までの短期運用ファンドである点も特徴的で、開発許可の取得済みの開発用地や建物の建築確認の取得、土地造成のための出資を募るファンドになっています。そのため、TECROWDが提供する他のファンドと比較しても、運用期間が短くなっています。
2-1.カザフスタンとはどんな国?
カザフスタンは中央アジアに位置する国で、旧ソビエト連邦の国として知られています。高度面積は日本の約7倍で、旧ソビエト連邦の中ではロシアに次ぐ広さを誇ります。
人口は約1,900万人、首都はアスタナ、国内最大の都市はアルマティです。
ロシアや中国をはじめ、周辺の主要国との関係を重視している他、アメリカやEU、日本とも良好な関係を維持しています。
また、石油や天然ガスなどのエネルギー資源や鉱物資源に恵まれた国で、レアメタルを含めた非鉄金属の産出量・埋蔵量も豊富です。
※出典:外務省「カザフスタン共和国(Republic of Kazakhstan)基礎データ」
3.TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドに投資するメリット
TECROWDのカザフスタンファンドに投資するメリットは次のとおりです。
- 短期運用でリスクを軽減できる
- 高利回りで運用効率が高い
- 実績豊富な会社が建設監修を行う
- 優先劣後構造を採用している
3-1.短期運用でリスクを軽減できる
TECROWDのカザフスタンファンドは、土地造成工事完了または建築確認取得までの短期運用型ファンドとなっており、運用期間は短ければ6ヶ月、長くて12ヶ月です。
不動産を実際に保有して運用する場合、投資の効果が出るまでに数年の時間がかかることに加え、投資に失敗した場合の資金のロスが大きくなります。また、すぐに利益を上げられず、資金拘束される期間も長いなどのリスクがあります。
海外不動産投資は購入した不動産がいつまでも建築されない「竣工リスク」が高く、大きな資金を投じる際には十分な注意が必要です。TECROWDでは短期運用ができるファンドが多いため、上記のリスクを軽減しながら投資できるのがメリットとなります。
3-2.高利回りで運用効率が良い
TECROWDのカザフスタンファンドでは、想定利回り9.00%~11.00%のファンドが提供されています。不動産ファンドに投資できる他の不動産投資型クラウドファンディングが3.00~8.00%程度であることと比較して、かなり高い水準といえます。
投資資金を効率よく運用できる可能性があるのは、同ファンドの魅力の1つといえるでしょう。
3-3.実績豊富な会社が建設監修を行う
カザフスタンファンドの多くでは、ドイツに本社を構えるKVLグループのカザフスタン現地法人が建設監修を務めています。
同グループは国際的な建設プロジェクトの実績が豊富であり、カザフスタン国内のアルマティでも15年以上不動産開発事業を展開している実績があります。そのため、TECRA株式会社同様、高品質な不動産物件を投資対象とできる期待が持てます。
3-4.優先劣後構造を採用している
TECROWDのカザフスタンファンドでは、優先劣後構造を採用しています。投資家の出資分を優先出資、運営会社などの出資分を劣後出資として扱い、償還時に元本割れが起きた場合は、劣後出資分から損失を負担する仕組みです。
そのため、損失額が劣後出資分を越えない限り、投資家の出資元本が毀損することはありません。ただし、劣後出資分を超えると投資家の損失になってしまうため、元本が保証されているというわけではないという点に注意が必要です。
4.TECROWD(テクラウド)のカザフスタンファンドに投資するデメリット、リスク
一方、TECROWDのカザフスタンファンドに投資するデメリットやリスクは次のとおりです。
- 元本保証はない
- カントリーリスクには特に注意
- 融資が受けられないリスクはゼロではない
4-1.元本保証はない
損失額が劣後出資分を越えた場合、投資家の出資元本が毀損する可能性があります。
TECROWDのカザフスタンファンドでは、優先劣後構造による出資金保護の仕組みがありますが、元本が完全に保証されるわけではありません。
また、不動産投資型クラウドファンディングで高利回りであるということは、相応のリスクが内在ということに注意が必要になります。TECROWDのカザフスタンファンドでは建築確認後に売却を行うことで収益を上げていますが、売却が遅延したり、想定金額まで売却価格が伸びなかったりなどの可能性があるためです。
高利回りファンドは投資家へのリターンが高い分、事業者側での収益を確保するためにそれだけ大胆な利幅を設けているということになります。リスクがある資産運用方法であることに注意して、分散投資を行うなどの対策を行っていきましょう。
4-2.カントリーリスクには特に注意
不動産投資にはさまざまなリスクが伴いますが、海外不動産投資においてはカントリーリスクに特に注意しましょう。
2022年11月時点では、ロシアとウクライナ・アメリカ・EUなどとの緊張関係が継続しており、経済などに多大な影響を及ぼしている状況にあります。地理的にカザフスタンはロシアとウクライナの間に位置しており、カザフスタンが今後どのような状況になるかはやや不透明といえます。
政治情勢などによっては、不動産運用が難しくなる恐れがあることを十分理解しておきましょう。
4-3.竣工リスクがある
TECROWDのカザフスタンファンドは建築確認の取得などが融資の条件となっており、建築確認の許可が遅れた場合や取得に失敗した場合は、融資が実行されないリスクがあります。
TECROWDを含めたグループ内に現地の金融機関が属しているため、事前承認を得た物件に融資が実行されない可能性は低いと考えられますが、カザフスタンの経済情勢や金融機関の経営状態も融資に影響する恐れがある点には注意しましょう。
その他、火災や地震などの自然災害や、戦争や暴動などにより建築確認の取得が遅れたり、取得できない可能性もあります。キャピタルゲイン(売却益)による大きなリターンを見込める反面、これらのリスクがある点には注意が必要です。
まとめ
今回はTECROWDが提供するカザフスタンファンドについて解説しました。
カザフスタンファンドは高利回りで運用期間が短いため、効率的な資金運用ができます。一方、元本保証はない他、カントリーリスクなど注意点もあるため、投資判断は慎重に行いましょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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