住宅不足の社会問題を背景に、昭和30年代から40年代にかけて多くの団地が建築されました。その頃に建設された団地は築40年~50年以上の団地もあるため、今の新築物件と比べると設備面で古くなっている住居も少なくありません。
この記事では、そんな築古の団地を高く売る方法や、売却時の注意点などを解説していきます。築古団地の売却を検討している人はぜひ確認ください。
- 築古の団地を高く売る方法
1-1.設備入れ替え工事をして売却する
1-2.リフォーム・リノベーションしてから売却する
1-3.クリーニングして売却する
1-4.不動産会社へ事前に相談する - 築古の団地を売却するときの不動産会社選びのポイント
2-1.相場を自分でも調べておく
2-2.複数の不動産会社に査定依頼し、比較検証する
2-3.買取も視野に入れる - まとめ
1.築古の団地を高く売る方法
築古の団地を高く売る方法として、本記事では以下の3点を取り上げています。
- 設備入れ替え工事をして売却する
- リフォーム・リノベーションして売却する
- クリーニングして売却する
それぞれ詳しく解説します。
1-1.設備入れ替え工事をして売却する
築古の団地を高く売る1つ目の方法は、設備を入れ替えて売却する方法です。築古団地の設備は古いため、設備を最新式にすることで出来るだけ買主に良い印象を持ってもらいましょう。
具体的には、衛生面を気にする人が多い「キッチン」「トイレ」「浴室」など、水まわり設備を入れ替えると付加価値がアップして売却価格のアップにもつながります。
トイレを節水効果の高い設備に交換したり、浴室のタイルを貼り替えたり、ユニットバスへ交換したりという設備入れ替え工事なども効果的です。
1-2.リフォーム・リノベーションしてから売却する
築古の団地を高く売る2つ目の方法は、リフォームしてから売却する方法です。築古物件は築年数の経過により内装が劣化していることが多いため、クロスやフローリングの張り替え工事などをすることにより高く売却できる可能性を高めることが可能です。
ただし、リフォームやリノベーションを大規模に行ってしまうと費用が高くなり、売却価格の上昇値よりも大きな経費が掛かってしまう可能性もあります。最小限のリフォームに留めたり、売却を依頼する不動産会社に相談しながら行うなど慎重に検討しましょう。
1-3.クリーニングして売却する
築古の団地を高く売る3つ目の方法は、業者に依頼してクリーニングをしてから売却する方法です。
不動産を売却する時、自分で清掃しても落ちない汚れがあります。築古の団地は、築浅物件と比較すると汚れが目立つため、フロアクリーニングや水まわりのクリーニングも検討してみましょう。
たとえば、浴室のタイルにカビが生えていたり、フローリングに黒ずみが多かったりすると、買主の印象が悪くなることがあります。自分で落とせない汚れはクリーニングの専門業者への依頼を検討してみましょう。
1-4.不動産会社へ事前に相談する
前項までで、築古の団地を高く売る方法を解説しました。ただ、上述した方法はいずれも費用がかかるため、不動産会社に相談してから行うかどうか判断しましょう。
特に以下のような団地は要注意です。
- 外観の劣化が激しい
- 共用部が汚い
- 立地が悪い(駅から遠いなど)
上記の場合、いくら内装をグレードアップさせたとしても「外観が汚い」「駅から遠すぎる」など、別の理由で売れない可能性があります。このような団地の場合は、不動産会社とよく相談し、「どのような部分がネックとなるのか?」「改善できる余地はあるか?」ということを慎重に検証する必要があります。
一旦売り出した後に集客状況や検討者の状況を見て、上述したリフォームやクリーニングを改めて実施することも可能です。売却活動と並行しながら対策を練ることも検討しておきましょう。
2.築古の団地を売却するときの不動産会社選びのポイント
築古の団地を売却するときの不動産会社選びは、以下がポイントになります。
- 相場を自分でも調べておく
- 様々な種類の不動産会社に査定依頼する
- 買取も視野に入れる
詳しく解説します。
2-1.相場を自分でも調べておく
1つ目のポイントは、相場を自分でも調べておくことです。相場を自分で調べておくことで、不動産会社が提示する査定価格の信憑性を確認できるため、優良な不動産会社の選定につながります。
相場を調べる際は、REINS Market Informationや土地総合情報システムなどのサイトを活用してみましょう。
上記のサイトなら周辺の成約事例を調べられます。ただし、不動産会社が閲覧できるレインズよりも見れる事例の数が少なくやや精度が劣るため、参考程度に認識しておきましょう。
2-2.複数の不動産会社に査定依頼し、比較検証する
2つ目のポイントは、様々な種類の不動産会社への査定依頼です。不動産会社によって、不動産種類・エリアの得意・不得意があり、最終的な売却価格や売却までにかかる期間に大きな差が出てくる可能性があるためです。
また、複数の不動産会社へ査定依頼することによって査定価格だけでなく、査定の根拠や不動産会社の対応内容、過去の実績などを比較することにもつながります。出来れば1社だけでなく、3~6社ほどの不動産会社への査定依頼を検討してみましょう。
下記は主な不動産一括査定サイトの一覧です。これらの査定サイトでは全国5~10社の不動産会社へ無料査定依頼が可能で、悪徳な不動産会社の排除も積極的に行っている特徴があります。
主な不動産一括査定サイト
サイト名 | 運営会社 | 特徴 |
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2-3.買取も視野に入れる
3つ目のポイントは、買取も視野に入れることです。買取とは、不動産会社に仲介を依頼して買主を探してもらうのではなく、不動産会社自身に築古団地を買い取ってもらうことです。
不動産買取は、売却の期間・手間を省略できる、契約不適合責任(瑕疵担保責任)がなくなる、というメリットがあります。下記、団地売却で買取を視野に入れるメリットについて見て行きましょう。
売却の期間・手間を省略できる
不動産会社によっては、築年数が経過して劣化の激しい不動産は売却が長期化してしまう可能性があるため、仲介を取り扱わないことがあります。
一方、買取の場合はリノベーションしてからの転売というケースもあり、耐用年数を超えている物件でもエリアによって買取が検討出来ることがあります。ただし、買取価格は買取業者によって大きく異なるため、こちらも複数社に査定依頼をして買取価格の提示を受けてから判断しましょう。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)
契約不適合責任とは、建物に売買契約書に明記されていない欠陥があった場合、「補修費用の負担」などの責任を売主が負うことです。
しかし契約不適合責任は、個人の売主に対し買主が宅建業者(不動産会社)であれば免責になるため、不動産会社の買取の場合には売主の瑕疵担保責任は免責になります。
築古物件は建物が劣化している関係で、築浅物件に比べる瑕疵担保リスクが大きくなります。引渡し後のリスクヘッジをする意味でも、買取を検討してみてみましょう。
まとめ
築古の団地を高く売るためには、「設備入れ替え工事」「リフォーム・リノベーション」「クリーニング」してから売却する方法があります。しかし、いずれも費用がかかるため、実施するかどうかは不動産会社へ相談した後に判断しましょう。
また、築古の団地だと取り扱い不可の不動産会社もあるため、複数社へ査定依頼して優良な不動産会社の選定が重要です。
中村 昌弘
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