不動産投資型クラウドファンディングを利用する場合、どのような実績を残しているのかが気になるところです。
今回は不動産投資型クラウドファンディングサービスの1つである「Rimple(リンプル)」に着目して、過去の募集ファンドの内容や実績について検証してみます。Rimpleでの不動産投資を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
- Rimpleとは
1-1.一口1万円での少額投資が可能
1-2.ポイントを投資資金として活用できる
1-3.優先劣後方式により投資家を保護している - Rimpleの実績・利回りを過去の募集ファンドから検証
2-1.投資対象不動産はすべて東京都内のマンション
2-2.予定分配率は年々低下している
2-3.運用期間は6ヶ月の案件が多い
2-4.応募倍率が高い - Rimpleの注意点・リスク
3-1.元本割れリスクがある
3-2.投資後は満期まで途中解約できない
3-3.応募が集中し、投資ができない可能性がある - まとめ
1.Rimpleとは
Rimple(リンプル)は東証プライム上場グループ企業のプロパティエージェント株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。プロパティエージェントは東京23区をメインにマンション・アパートの開発・販売事業を展開しており、そのノウハウを生かして厳選した不動産物件を投資対象としたファンドを提供しています。
Rimpleの特徴としては下記の3点が挙げられます。
- 一口1万円での少額投資が可能
- ポイントを投資資金として活用できる
- 優先劣後方式により投資家を保護している
1-1.一口1万円での少額投資が可能
Rimpleでは、それぞれのファンドに一口1万円の少額から投資できます。
現物不動産投資では、投資物件を購入するために数百万円から数千万円の資金が必要となり、金融機関から融資を受けることになります。また、同じ不動産投資型クラウドファンディングでも、一口10万円程度の資金が必要になるサービスもあります。
一方、Rimpleでは、一口1万円から投資を始めることが可能です。まずは少額から不動産投資を始めてみたい方に向いているサービスといえます。
1-2.ポイントを投資資金として活用できる
Rimpleでは独自のポイントや他社のポイントを投資資金として活用することができます。
Rimpleでは「リアルエステートコイン」というサービスを提供しています。1コイン=1円として投資に使用できるほか、セゾンの永久不滅ポイントなど、他社のポイントをリアルエステートコインに交換することも可能です。
1-3.優先劣後方式により投資家を保護している
Rimpleでは優先劣後方式によって投資家を保護する仕組みを構築しています。
優先劣後方式では、優先出資者(=投資家)は劣後出資者(=運営会社)よりも優先的に利益分配を受けられ、損失に対しては劣後出資者に先に負担してもらうことができます。
劣後出資分までの損失であれば、優先出資分(=投資家の出資分)の元本毀損リスクを回避することが可能です。このような仕組みによって投資家を保護することで、Rimpleは投資家にとって利用しやすいサービスになっているといえます。
ただし、運営会社の経営状況によっては投資家への補填を行う資金が足りず、優先劣後の割合を超えて損失がでる可能性は0ではありません。優先劣後方式による対策を取られているファンドを選択する際は、運営会社の経営状況についても確認することが大切です。
2.Rimpleの実績・利回りを過去の募集ファンドから検証
Rimpleではこれまでに22件のファンドが提供されています。各ファンドの実績や利回りについて実際に検証してみます。
※下記、2021年9月時点のファンド状況を対象にリサーチを行っています。
2-1.投資対象不動産はすべて東京都内のマンション
Rimpleで提供されている22件のファンドすべてで、投資対象物件は東京都内にある居住用マンションとなっています。
うち、第1号ファンドから第10号ファンドまでが運用完了、第11号ファンドから第20号ファンドまでが運用中、第21号ファンドが募集終了、第22号ファンドが募集中となっています。
2-2.予定分配率は年々低下している
Rimpleで最初に提供されたファンド「Rimple’s Selection #1(クレイシア新宿)」では、予定分配率(年利)が10.0%とかなり高く設定されており、出資総額3,600万円に対して4億1,339万円分の応募がありました。
しかし、新しいファンドが募集されるにつれて予定分配率は低下傾向にあり、第11号ファンド以降は4.0%を切っています。なお、「Rimple’s selection #22」(第22号ファンド)では予定分配率は3.2%に設定されています。
2-3.運用期間は6ヶ月の案件が多い
全22件のファンドのうち、21件のファンドで運用期間が6ヶ月に設定されています。残りの1件も12ヶ月に設定されており、全体的に短期間で運用されています。
運用中の資金が拘束されてしまう不動産投資型クラウドファンディングおいて、運用期間が短いということはメリットであると同時に、資金効率が下がってしまう要因となります。運用期間の傾向についても、投資判断の際の参考としてみましょう。
2-4.応募倍率が高い
Rimpleでは募集口数に対して応募口数が多い場合、抽選にて出資者を選出していますが、総じて募集倍率が高い傾向にあります。
全22件のファンドのうち、応募倍率が1000%(10倍)を超えたのが3件、半数以上で500%(5倍)を超えており、最も低いものでも約146%となっています。また、現在募集中の第22号ファンドでも、すでに469%の倍率になっています。
応募が集中しているということは、それだけ資金が集まっているということですが、一方で投資したくてもできない可能性があるという点については理解しておきたいところです。
3.Rimpleの注意点・リスク
Rimpleを利用した不動産投資を行う場合、下記の注意点・リスクがあります。
- 元本割れリスクがある
- 投資後は満期まで途中解約できない
- 応募が集中し、投資ができない可能性がある
3-1.元本割れリスクがある
Rimpleでは、優先劣後方式によって出資元本が毀損するリスクを軽減しています。ただし、元本毀損を100%回避できるというものではありません。
経済環境や社会情勢の急激な変化によって、不動産市場が低迷した場合、利益ではなく損失が発生する可能性も充分にあります。また、運営会社が破綻してしまった場合にも、出資元本が返還されない可能性があります。
元本割れのリスクは常に伴うものとして、適切な投資判断を下すことが重要です。
3-2.投資後は満期まで途中解約できない
Rimpleでは、運用期間が終了するまで途中解約することができません。なお、多くの不動産投資型クラウドファンディングサービスにおいても、ファンドに応募して出資した後は契約期間が満了するまで解約できないケースが大半となります。
Rimpleでも、ほぼすべてのファンドで6ヶ月の運用期間が設定されていますが、少なくともその間は途中解約(=現金化)ができず、急な事情でお金が必要になった場合に対応することができません。生活に影響を及ぼさない余裕資金での運用を心がけましょう。
【関連記事】途中解約(キャンセル)ができる不動産投資型クラウドファンディング2社
3-3.応募が集中し、投資ができない可能性がある
先述したように、Rimpleで提供されるファンドに対しては、応募が集中する傾向にあります。これまでのファンドに対する応募倍率は下記の通りです。
ファンド名 | 出資総額 | 募集総額 | 応募倍率 |
---|---|---|---|
Rimple’s Selection #1(クレイシア新宿) | 36,000,000円 | 413,390,000円 | 1640.44% |
Rimple’s Selection #2(クレイシア秋葉原) | 43,000,000円 | 166,150,000円 | 551.99% |
Rimple’s Selection #3(クレイシア秋葉原) | 136,500,000円 | 254,570,000円 | 266.43% |
Rimple’s Selection #4(クレイシア練馬高野台+世田谷赤堤+池上) | 48,300,000円 | 271,230,000円 | 802.22% |
Rimple’s Selection #5 | 88,000,000円 | 263,460,000円 | 427.69% |
Rimple’s Selection #6 | 62,050,000円 | 302,590,000円 | 696.73% |
Rimple’s Selection #7 | 115,500,000円 | 299,400,000円 | 370.32% |
Rimple’s selection #8 | 210,000,000円 | 215,790,000円 | 146.80% |
Rimple’s selection #9 | 68,100,000円 | 265,330,000円 | 556.60% |
Rimple’s selection #10 | 65,600,000円 | 273,830,000円 | 596.32% |
Rimple’s selection #11 | 53,000,000円 | 391,890,000円 | 1056.31% |
Rimple’s selection #12 | 45,400,000円 | 250,010,000円 | 786.69% |
Rimple’s selection #13 | 71,800,000円 | 207,530,000円 | 412.91% |
Rimple’s selection #14 | 134,200,000円 | 414,150,000円 | 440.87% |
Rimple’s selection #15 | 148,000,000円 | 385,450,000円 | 372.06% |
Rimple’s selection #16 | 87,600,000円 | 342,100,000円 | 557.89% |
※2021年9月13日時点の実績を参照
このように、いずれのファンド募集でも応募倍率がかなり高くなっていることがわかります。募集が行われてから応募を行っても、先に募集完了となってしまう可能性が高いため、事前に投資家登録をしておくなどして、スムーズに投資判断ができるように準備しておくことも大切です。
まとめ
今回はRimpleの実績や利回りについて、過去の募集ファンドから検証してみました。
Rimpleのファンドは、東京都23区内の居住用マンションに投資でき、運用期間も比較的短いなどの特徴があります。一方で、予定分配率が徐々に低下している点や、応募が集中しすぎている点など、注意すべき傾向があることにも注意しておきましょう。
また、いずれのファンドでも応募倍率が非常に高くなっています。Rimpleでの不動産投資を考えている場合は、事前に投資家登録を済ませておくなど、投資を始める準備をしておくことも検討しておきましょう。
山本 将弘
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