マンションのリノベーションで費用を抑えるコツは?6つのポイントを解説

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生活スタイルの移り変わりに合わせて検討されることが多いのが、マンションのリノベーションです。現在の家族構成や将来を見据えた住まいづくりができますが、限られた予算の中で満足のいくリノベーションを行うのにはコツも必要です。

そこで今回のコラムでは、マンションのリノベーションで費用を抑える6つのポイントについて解説します。

目次

  1. マンションリノベーションの費用相場
  2. マンションリノベーションの費用を抑えるコツ
    2-1.優先順位を決めてリノベーションする箇所を決める
    2-2.設備のグレードにこだわらない
    2-3.見えない箇所の資材のグレードを落とす
    2-4.最適なローンを選ぶ
    2-5.補助金・助成金制度を活用する
    2-6.定額のパッケージプランを利用する
  3. リノベーション業者選びの注意点
  4. まとめ

1 マンションリノベーションの費用相場

マンションのリノベーションとは、より住みやすい空間になるように、内装や設備などを全体的に変更することです。リフォームとの違いは下記になっています。

  • リフォーム:既存の建物や部屋の改善・修復
  • リノベーション:建物や部屋の全面的な改修

また、行う工事内容によって主に3つの種類があります。

種類 特徴 費用の目安
部分リノベーション 居室内の一部を造り直す 100万円〜300万円
フルリノベーション 居室内のすべてを造り直す 500万円〜1,000万円
スケルトンリノベーション 居室を解体してゼロから造り直す 1㎡あたり10万円〜30万円
(50㎡:500万円〜1,500万円)

また、リノベーションを行う箇所によっても費用が異なります。代表的なリノベーション箇所について、費用の目安を見てみましょう。

リノベーション箇所 費用の目安
トイレ 40万円〜70万円
キッチン 100万円〜300万円
バスルーム 70万円〜100万円
設備機器の交換 10万円〜100万円
壁紙・床材の張り替え 30万円〜200万円
間取りの変更 30万円〜800万円
省エネ性の向上 30万円〜500万円
バリアフリー化 10万円〜500万円
間仕切りの新設 10万円〜20万円
間仕切りの撤去 30万円〜100万円

リノベーションの費用は、上記のような工事を積み重ねていくことで算出していく他に、工事内容が決まっているパッケージプランが用意されているケースもあります。

【関連記事】リフォームとリノベーションの違いは?費用や工期などを比較

2 マンションリノベーションの費用を抑えるコツ

マンションのリノベーション費用は、工事内容に応じて拡大していくものです。しかし、コツを知っておくと費用を抑えることもできます。ここでは代表的な6つのコツを紹介します。

2-1 優先順位を決めてリノベーションする箇所を決める

リノベーションは居室内を新しく生まれ変わらせる目的で行いますが、何から何まで変更することはありません。例えば、キッチンやエアコン、トイレ、バスルーム、給湯器といった住宅設備機器の寿命がまだ先であれば、それらを活用することで費用を抑えることができます。

また、キッチンやトイレ、バスルームなどの水回りを移動する場合、給排水管や電気配線なども移動させる必要があるため、工事は大規模になってしまいます。間取りや動線に不便がなければ、無理に変更しないことで費用を抑えることができるのです。

ただし、住宅設備機器の老朽化が進んでいるようであれば、リノベーション時に交換した方がリノベーションした数年後に交換するよりも合計の費用は割安になる可能性があります。

2-2 設備のグレードにこだわらない

キッチンやエアコンなどの住宅設備機器を更新する場合、幅広い価格帯の商品が用意されていることがほとんどです。そのため、予算に合ったグレードの機種を導入することで、費用を抑えることができます。

例えば「空気清浄機能のついたエアコン」といったように、利用したい機能があれば担当者に探してもらうこともできます。リノベーションの実績が多い業者の場合は住宅設備に詳しく、高品質かつリーズナブル価格の商品を提案してくれると考えられます。

2-3 見えない箇所の資材のグレードを落とす

手軽に、なおかつ確実に費用を抑えられるのが、建築資材の価格帯を下げることです。壁紙やフローリングなどの建材にはさまざまな種類があるため、価格帯の低いものを選ぶことで費用を下げることができます。

例えば、壁が200㎡あるマンションの場合、壁紙を1㎡2,500円のものから1㎡1,500円のものに変更すると下記のように費用が下がります。

  • 変更前の壁紙の費用=200㎡×2,500円=500,000円
  • 変更後の壁紙の費用=200㎡×1,500円=250,000円

また、フローリングを無垢から複合建材のものに変える、珪藻土の塗り壁の予定を珪藻土のクロスに変更するといったことでも費用を下げることができます。

見える箇所のグレードは落としたくないという場合は、収納スペースの内側、冷蔵庫や洗濯機、給湯器置き場の周辺、トイレや洗面所など見えにくい箇所の資材の質を落とすのも一つの手です。

2-4 最適なローンを選ぶ

費用が高額になるとローンの利用が検討されますが、リノベーションの際に利用できるローンの知識も適切に持つようにしましょう。

リノベーションの際に利用できるローンは、主に下記の3つの種類があります。

ローンの種類 特徴
無担保リフォームローン リフォームやリノベーションの際に利用できる担保不要のローンです。主に1,000万円未満の小・中規模のリノベーションで利用できます。金利はやや高めですが、比較的審査に通りやすいという特徴があります。
有担保リフォームローン 主に1,000万円以上の大規模なリノベーションの際に利用できるローンです。ただし、担保を用意する必要があります。金利を低く抑えることができますが、その分審査は厳しい傾向があります。
住宅ローン マンションの購入時などに利用できる住宅ローンは、中古マンション購入と同時にリノベーションをする際などにも利用できます。借入限度額は1億円程度、返済期間は最長35年程度となっており、金利も低いため、月々の返済額を抑えることができます。

小規模なリノベーションであれば無担保リフォームローンが選択肢になりますが、費用が1,000万円以上となるような大規模なリノベーションであれば担保を用意することで、有担保リフォームローンが利用できる可能性があります。この場合、無担保リフォームローンよりも金利が低いため、総返済額を抑えることができます。

また、中古マンションを購入して同時にリノベーションをする場合は、住宅ローンの利用も検討しましょう。月々の返済額、総返済額を抑えることができます。

金融機関にローンの申請をする場合は、申込者の属性などで審査が行われます。借入金などを減らしておく、クレジットカードの利用を控えるといったことで、良い条件で融資を受けられるケースもあります。

2-5 補助金・助成金制度を活用する

マンションのリノベーションを行う際に、国や地方自治体が提供している補助金や助成金制度を活用することで費用を抑えることができます。代表的な補助金・助成金制度を紹介いたします。

補助金・助成金制度 主な対象工事 詳細
長期優良住宅化リフォーム推進事業 省エネなどの性能向上リフォーム工事、など 国立研究開発法人建築研究所
先進的窓リノベ事業 先進的な断熱性能を持つ窓への交換 経済産業省・環境省
給湯省エネ事業 省エネ性能の高い高効率給湯器の設置、など 経済産業省資源エネルギー庁
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 住まい全体の断熱改修、居間だけの断熱改修、など 公益財団法人北海道環境財団
こどもエコすまい支援事業(リフォーム) 子どもが暮らしやすいための改修工事、など こどもエコすまい支援事業事務局
高齢者住宅改修費用助成制度 手すりの取り付けなど介護を目的とした改修工事、など 各市町村

※2023年12月時点の情報です。

それぞれの制度には要件が設けられており、すべてのリノベーションが適用になるわけではありません。例えば、子どもがいる家庭であれば「こどもエコすまい支援事業」、高齢者がいる住宅であれば「高齢者住宅改修費用助成制度」などの適用が考えられます。

ただし注意点としては、補助金・助成金制度は年度ごとに実施しているケースが多く、すでに予算上限に達して終了している可能性があります。終了している場合も来年度以降に改めて実施されることがあるため、補助金・助成金制度の活用を検討されている方は最新の情報を確認するようにしましょう。

2-6 定額のパッケージプランを利用する

リノベーションの費用は、工事内容を積み重ねることで算出していく方式がほとんどですが、定額のパッケージプランを用意しているケースもあります。工事内容に応じてあらかじめ費用が設定されているため価格が明瞭であり、予算を把握したうえで依頼ができます。

業者によって異なりますが、「300万円パック」「500万円パック」「700万円パック」「1,000万円パック」といったように内容が決まっているプランと、「面積×㎡単価」といったように工事規模に応じて価格が変動するプランのどちらかになっています。

パッケージプランが割安なのは、建材や住宅設備機器などが事前にある程度決まっていることと、複数の工事を同時に行うことで運搬費用や養生、人件費といったコストを抑えることができるからです。

ただし、選べる住宅設備機器が少ないなどパッケージプランの自由度が低い場合は、割高に感じることもあります。そのため、パッケージプランを利用する際は内容を十分に確認するようにしましょう。

3 リノベーション業者選びの注意点

リノベーションを手掛ける業者には業態による種類があります。それぞれに特徴があるため、業者選びを間違えてしまうと、理想通りのリノベーションができないだけではなく、費用が割高になることもあります。

リノベーションを取り扱っている代表的な業者は以下です。

業態 特徴
不動産会社 物件の購入からリノベーションまで、ワンストップで依頼できるのが特徴です。
リフォーム会社 設備交換やクロスの張り替えなどが中心ですが、大規模なリノベーションにも対応しているケースがあります。
リノベーション専門会社 リノベーションを専門に取り扱っている業者です。定額制プランなどを用意しているケースもあります。
工務店 新築一戸建てが中心ですが、技術力を活かしたリノベーションを行っている場合もあります。
設計事務所 請け負うのは設計のみで、施工は別会社に依頼するというケースが主流です。

例えばリノベーション専門会社であっても、施工は下請け業者に委託するといったこともあります。また、一戸建てが中心だったり、マンションの実績が多いというように得意と不得意があるものです。そのため、リノベーション工事の実績を確認し、理想に近いリノベーションを行っている会社を選ぶようにしましょう。

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【関連記事】リショップナビの評判・口コミは?メリット・デメリットや利用の手順も

まとめ

老朽化だけではなく、家族構成や生活スタイルの変化に応じて、最適な住宅の姿も変化していくものです。そこで現在の暮らし、将来の暮らしに合わせて住まいの形を見直していくのがリノベーションです。

しかし、予算に限りがある中で、理想をすべて実現させるのは難しい場合もあります。優先順位を決めてリノベーションする箇所を決め、リノベーションを依頼する会社を比較検討するなどして、慎重に進めて行くと良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。