不動産売却、土地の路線価の調べ方は?計算の手順と売却価格との関連性

不動産の売却などを考えている人の中には「路線価」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。また、毎年路線価が発表されると、日本で一番地価が高いエリアなどとしてニュースでも取り上げられます。こうしたニュースを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、不動産に詳しい人でなければ、一般的な不動産価格と路線価との関係性はわかりにくいものです。通常、「路線価」とは毎年国土交通省が毎年発表している相続税路線価のことを指しています。

なお、路線価はインターネットから確認できるうえ、おおよそでも計算できれば不動産を売買するときに役立つでしょう。この記事では、路線価の計算方法や不動産売却価格との関連性などについて解説します。

目次

  1. 不動産の路線価には2つの種類がある
    1-1.相続税路線価
    1-2.固定資産税路線価
    1-3.不動産の路線価を見るときの注意点
  2. 不動産を売却する前に、自分で路線価を確認する方法
    2-1.路線価の計算方法
    2-2.より正確に路線価額を計算する場合は「補正率」を掛ける
    2-3.路線価図に単価が載っていない場合
  3. 路線価と不動産売却価格との関連性
    3-1.不動産の売却査定で参考にされる
    3-2.不動産会社の査定の根拠を確認できる
  4. まとめ

1.不動産の路線価には2つの種類がある

路線価とは道路につけられた価格のことで、路線価に土地の面積を掛け算すると土地の路線価額(評価額)を算出できます。

路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つの種類があります。これらのうち、不動産業者間で路線価という場合は、主に「相続税路線価」という意味で利用されているケースが多くあります。

路線価の種類によって、価格や調べ方なども違うため、それぞれについて把握しておきましょう。

1-1.相続税路線価

相続税路線価とは、相続税の算出にあたり利用される路線価のことです。不動産査定でも参考にされるため、主にはこちらを指して路線価といわれています。なお、相続税路線価は税金に関する土地価格であるため、国税庁が年に1回、年始時点での価格を7月1日に発表します。

毎年発表されているという点では、不動産市場の変化を年単位でタイムリーに捉えているといえるでしょう。

なお、路線価は日本全国から査定する地点を抽出して査定していますが、抽出地点は多く、様々な土地で確認することができます。なお、相続税路線価は公示地価の8割程度である傾向があります。

相続税路線価は国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から確認できます。

1-2.固定資産税路線価

固定資産税路線価とは、固定資産税の算出にあたり利用される路線価のことで、公示地価の7割程度であることが多くなります。

3年に1回、各自治体が発表しており、一般社団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」というサイトで確認できます。

1-3.不動産の路線価を見るときの注意点

路線価は公示地価の7割〜8割となることが多いものの、必ずしも合致するわけではありません。また、路線価を割合で割り戻せば公示地価を計算できますが、公示地価はあくまでも国が示している「取引価格の大まかな目安」であり、実際の市場価格とは合致しないこともあります。

また、土地の形状や接面道路の状況によって実際の評価額は変動します。例えば、形が三角形であるなど活用しにくい形状の土地や間口が狭い土地などは、実際に取引される目安価格よりも路線価の方が高くなる傾向にあります。

そのほか、路線価が発表される頻度と時期についても注意が必要です。前述のとおり、相続税路線価は、その年の1月1日時点の地価が毎年7月に発表されます。発表された時点で半年のタイムラグがあるため、結果的に市場価格からは乖離していることもあるでしょう。

不動産取引の参考にするならば、不動産ポータルサイトなどで周辺相場も調べて把握しておきましょう。路線価と直近の周辺相場を把握しておけば、不動産査定を受けるときの参考にできます。

2.不動産を売却する前に、自分で路線価を確認する方法

路線価はwebで確認可能な路線価図を参照することによって計算可能です。ここからは、路線価の計算方法について解説します。

2-1.路線価の計算方法

路線価図には道路ごとに千円単位で土地の㎡単価が記載されています。このため、路線価の単価に土地の面積をかければ、その土地の路線価を確認することが出来ます。

例えば、土地面積100㎡、相続税路線価額が50Fであった場合の計算は下記のようになります。

100(土地面積)×50,000(相続税路線価)=5,000,000

この場合、土地の相続税路線価額による評価額は5,000,000円ということになります。

2-2.より正確に路線価額を計算する場合は「補正率」を掛ける

単価に面積を掛け算し、そのあとさらに補正率を掛け算すると、正確な路線価を確認できます。なお、掛け算する補正率は、その土地が何本の道路に接しているかによって違います。

1本の道路に面している土地

土地が1路線のみに接している場合は、以下の計算式となります。

単価×面積×奥行補正率=路線価

奥行補正率は、道路から見たその土地の奥行と地区区分によって異なります。地区区分は用途地域とは別の分類で、普通住宅地区や高度商業地区などに分けられます。また、奥行はメートル単位で分かれており、奥行が長いほど奥行価格補正率も大きくなります。

奥行価格補正率は、国税庁「奥行価格補正率表」から確認できます。

また、調べたい土地の地区区分については、路線価図・評価倍率表内の路線価を囲む図形によって判断します。どの図形がどの地区区分に対応しているのかは、路線価図に併記されているので、こちらも確認してみましょう。

2本の道路に面している土地

土地が路線価の違う2本の道路に面している場合は、両方の路線価に面積と奥行補正率を掛け算します。掛け算した結果が高い方を正面路線価、低い方を側方路線価と呼びます。

側方路線価には、さらに側方路線影響加算率という数字を掛け算し、計算結果と正面路線価をさらに足し算します。足し算した結果がその土地の路線価です。

側方路線価×側方路線影響加算率+正面路線価=路線価

2-3.路線価図に単価が載っていない場合

路線価図に路線価が掲載されておらず、読み取れない場合は、各都道府県のwebサイトに掲載されている「評価倍率表」を確認しましょう。固定資産税評価額に評価倍率を掛け算することで路線価を算出できます。

3.路線価と不動産売却価格との関連性

続いて、路線価は実際に取引される不動産の売却価格とどのような関連があるのかについて解説します。

3-1.不動産の売却査定で参考にされる

不動産業者が土地付きの不動産を査定する時、路線価を確認した上で査定を行います。これは、金融機関の担保評価の基準に大きく関わるためです。

不動産を購入する際、買主は金融機関の融資を受けて購入するケースが多いため、金融機関の担保評価が低い不動産は価格が伸びにくい傾向にあります。また、建物部と異なり土地は経年劣化を起こさないため、土地値の評価額を重視する金融機関が多い傾向にあります。

ただし、不動産業者は路線価と同時に近隣の取引事例なども確認しており、どちらに重きを置いているかは不動産業者によって異なります。必ずしも路線価から算出した金額と査定額が同じ結果にならない点に注意が必要です。

3-2.不動産会社の査定の根拠を確認できる

不動産会社の中には、売主との情報差を利用して相場よりも安い価格を提案したり、逆に高い金額を提示して依頼を受けようとする不動産会社が存在します。

このような不動産会社に売却依頼してしまうことを避けるため、事前に土地の路線価を調べておき、おおよその相場価格を把握しておくことが大切です。

実際の取引価格は必ずしも路線価額と同等の金額になるわけではありませんが、不動産会社からの査定結果に疑問が生じた際、路線価を目安に査定の根拠について問い合わせることが出来るようになります。

また、売却査定を不動産会社に依頼する際は1社だけでなく、不動産一括査定サイトなどを利用して複数社の査定結果や対応内容を比較することも大切です。

1回の査定依頼で最大10社の査定を受けられる「リガイド(RE-Guide)」、提携する不動産会社を厳選している「HOME4U」、登録不動産会社数が1800社以上の「LIFULL HOME’S」など、不動産一括査定サイトの利用を検討してみましょう。

【関連記事】不動産一括査定サイトはどこがおすすめ?大手5社の特徴を比較

まとめ

路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」2種類があり、不動産会社による査定に利用されています。相続税路線価は、国税庁のウェブサイトから確認できる道路ごとの路線価に、土地の面積を掛け算することで計算可能です。

不動産の査定を依頼する場合、土地のおおよその価格を把握するために確認してみるとよいでしょう。路線価と不動産会社のポータルサイトなどで確認できる周辺相場を把握しておけば、不動産会社の査定額と比較できます。比較結果は、査定額の妥当性を判断する材料にできるでしょう。

なお、不動産会社の査定を受けたときは、必ず査定結果の根拠を出してもらうようにしましょう。特に、路線価や周辺相場よりも不自然に高い金額で査定されたときは根拠の確認が重要です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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