不動産の売却を成功させるためには、売却活動の依頼先となる不動産会社を見極めることが重要です。
しかし、不動産の売却を取り扱う不動産会社は非常に多く、どんな不動産会社に依頼すればよいのかわからないという人もいるのではないでしょうか。また、不動産という高額な商材を扱う会社に対して、だまされたりしないか不安を感じる人もいるでしょう。
そこで本記事では、不動産を売却する際に不動産会社を見極める方法について、注意点も交えて解説します。不動産売却を依頼する不動産会社選びに迷っていた方はご参考ください。
目次
- 不動産売却を依頼する不動産会社を選ぶポイント
1-1.複数の不動産会社を比較する
1-2.不動産会社の規模だけに注目しない
1-3.不動産価格の周辺相場を調べておく - 評判の良い不動産会社の特徴
2-1.あらかじめ媒介契約の種類について説明してくれる
2-2.数字を伴う根拠に基づいて査定してくれる
2-3.囲い込みをしない - まとめ
1.不動産売却を依頼する不動産会社を選ぶポイント
適切な不動産会社を選ぶためのポイントは、売主側でも不動産価格の相場を把握したうえで、複数の不動産会社を比較することです。
1-1.複数の不動産会社を比較する
不動産の売却を委託する不動産会社を選ぶときに最も重要なポイントは、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額や対応の質などを比較することです。
不動産を売却するのであれば、少しでも高く売りたいと思う人は多いのではないでしょうか。しかし、最初から1社にしか査定依頼しなかった場合は、査定額が適切なのか判断がつきません。
また、対応の質についても、複数の不動産会社を比較することで良し悪しを判断できるようになります。「なんとなく営業マンがいい人そうだから」などの印象に頼って不動産会社を選ぶと、結果的に質の低い不動産会社にあたってしまうこともあります。
複数の不動産会社に査定を依頼する場合は、不動産一括査定サイトを利用すると効率的に査定依頼することが可能です。不動産一括査定サイトを利用すれば、1社ずつ連絡をしなくても、サービスサイトに物件情報を登録するだけで同時に査定依頼が完結します。
下記は主な不動産一括査定サイトの一覧です。下記のサイトは悪質な不動産会社の排除を積極的に行い、全国エリアに対応している特徴があります。
主な不動産一括査定サイト
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---|---|---|
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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧
不動産会社を比較するときには、候補の不動産会社を3社以上ピックアップしてみましょう。ただし、依頼先が多すぎると、手間が増えて対応しきれなくなってしまうこともあるため、注意しましょう。
【関連記事】不動産一括査定サイトで不動産を高く売却する手順は?おすすめのサイトも
1-2.不動産会社の規模だけに注目しない
不動産会社を比較する場合には、不動産会社の規模だけに注目しないようにしましょう。「大手の不動産会社ならば信頼できる」という気持ちになる人も多いと思いますが、大手の不動産会社であれば確実に不動産売却が成功するとは限らないためです。
不動産売却の成否は複数の要素に左右されます。例えば、売却する不動産が立地しているエリアのマーケットはどのような特徴を持っているのか、不動産会社が把握できているかどうかも重要なポイントです。
そのほか、不動産会社にはそれぞれ得意分野と不得意分野とがあります。例えば、マンションを売却するのであれば、マンションの売却に関する実績を多数持っている不動産会社に売却依頼することが必要です。
また、地方都市の場合は特に、地場の不動産会社の方が大きな顧客のネットワークを持っていることも多くあります。適切な不動産会社を見極めるためには、どういった実績や見込み顧客を持っているのか、あらかじめ確認することが重要です。
1-3.不動産価格の周辺相場を調べておく
不動産会社を選ぶときには、複数の不動産会社に査定を依頼してから査定額や対応の質を見極めることになります。この時、査定額を比較するうえでも、周辺相場がいくらなのか把握しておくことが重要です。
周辺相場がわからない状態で査定額を比較すると、とりあえず査定額が高いところに依頼しようという結論になる場合もあります。
しかし、不動産を売却する上で重要なポイントは、はじめの売出価格の設定です。売出価格が周辺相場よりも高いと、問い合せ数は減る傾向があります。
査定額が高くても問い合わせが入らなければ売却が長期化してしまい、最終的に値下げせざる負えない状況になることがあるため注意が必要です。
2.評判の良い不動産会社の特徴
不動産仲介において、適正な価格で早期売却を行える不動産会社は、査定などの対応について具体的な根拠があり、売主に対して誠実に対応している特徴があります。次から、不動産会社の対応について、何を基準に見極めればよいのか具体的に解説します。
2-1.あらかじめ媒介契約の種類について説明してくれる
不動産を売却する場合は、売主と不動産会社とは「媒介契約」という契約を締結することになります。媒介契約には3つの種類があるため、それぞれの特徴を把握することが重要です。なお、媒介契約によって仲介手数料が異なることはありません。
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
複数の不動産会社への依頼 | ○ | × | × |
自分で見つけた買主との単独契約 | ○ | ○ | × |
指定流通機構への登録義務 | 無 | 有 | 有 |
販売活動の報告義務 | 無 | 有 | 有 |
契約期間 | 規制は無し | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、売主と不動産会社の双方にとって最も制限の厳しい媒介契約です。専属専任媒介契約を締結すると、売主は他の不動産会社と媒介契約を締結できません。
その一方で、不動産会社は売却活動の進捗状況について、1週間に1回以上売主へ報告する義務を負います。積極的な売却活動が見込める不動産会社が見つかった場合には、専属専任媒介契約を締結してみるのもよいでしょう。
専任媒介契約
専任媒介契約は、専属専任媒介契約よりも少し制限が緩い契約です。専属専任媒介契約と同じく、売主は他の不動産会社と媒介契約を締結できません。また、不動産会社は売却活動の進捗状況について、2週間に1回以上売主へ報告する義務を負います。
一般媒介契約
一般媒介契約は3種類の中で最も制限の緩い契約です。売主は他の不動産会社とも媒介契約を締結できます。しかし、不動産会社は売却活動の進捗状況について売主へ報告する義務を負いません。
一般媒介契約は売主にとって自由度の高い契約ですが、不動産会社にとっては、必ず仲介手数料を得られるとは限らない点でデメリットがあります。一般媒介契約では、不動産会社が熱心に売却活動を行わない可能性もある点に要注意です。
2-2.数字を伴う根拠に基づいて査定してくれる
不動産を査定する方法は不動産会社によって様々です。不動産会社の対応を比較する上では、査定額だけではなく査定額の根拠についても比較することが重要になります。
例えば不動産価格の周辺相場や不動産会社が持つ売却実績に基づいているなど、具体的な数字を根拠とする査定額であれば、その信憑性はある程度高いと言えます。
不動産会社から査定額の通知を受け取ったら、各社に査定の根拠を問い合わせることが重要です。問い合わせに対する対応の質も、不動産会社を比較する材料にすることができます。
2-3.囲い込みをしない
できる限り早めに不動産売却を完了させるためには、囲い込みをしない不動産会社を選ぶことが重要です。囲い込みとは、買手の問い合わせに対して、不動産会社が意図的に対応しないことを指します。
大半の不動産会社は、不動産の売却依頼を受けたら、レインズという有資格者専用のウェブサイトへ物件情報を掲載します。買手の依頼を受けて物件を探す不動産会社は、買手に物件を提案する際にレインズを見て物件を探し、売手側の不動産会社に問い合せます。
しかし、売手側の不動産会社が自社の見込み顧客へ物件を紹介することで、仲介手数料の独占を狙っている場合は、外部の不動産会社から問合せを受けても対応しないことがあります。
このように、売手側の不動産会社が囲い込みをすると物件の売却完了までに余計な時間がかかることもあり得るのです。
不動産の仲介売却には、売出してから3ヶ月~6ヶ月程度の時間がかかります。仮に1年など長期間にわたって問い合わせが入らない場合は、囲い込みの有無を確認し、不動産会社の変更も検討してみましょう。
まとめ
不動産の売却にあたって不動産会社を選ぶときは、会社規模や感覚ではなく、できる限り具体的な根拠に基づいて判断することが重要なポイントになります。3社など複数の不動産会社を比較し、売却依頼する不動産会社を選んでみましょう。
なお、評判の良い不動産会社は売主に対してできる限り情報を開示し、納得感のある売却に繋がるよう、説明を行ってくれます。不動産会社を比較するときには、説明や対応がどれほど論理的な根拠に基づいているか検証することが重要です。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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