不動産投資に適したエリアは?人口推移のデータから都道府県別に検証

不動産投資を進める上でエリアを絞り込むためには、「なんとなく都心はリスクが低そうだから」などのイメージで選ぶのではなく、人口などの統計に基づいて判断することが必要です。この記事では、都道府県別の人口推移や所得などを検証します。

目次

  1. 不動産投資が検討しやすい人口が増えている都道府県
    1-1.人口増加率のランキング
    1-2.人口密度のランキング
  2. 都道府県別に世帯収入・住居費を比較
    2-1.2019年の都道府県別平均世帯収入
    2-2.都道府県別の住居費
  3. 人口が増えているエリアで不動産投資を行うメリット・デメリット
    3-1.人口が増えているエリアで不動産投資を行うメリット
    3-2.人口が増えているエリアで不動産投資を行うデメリット・リスク
  4. まとめ

1.不動産投資が検討しやすい人口が増えている都道府県

都道府県別に人口増加率と人口密度について比較したデータをみて行きましょう。

1-1.人口増加率のランキング

2015年に実施された国勢調査の結果から、人口増加率が高い都道府県を紹介します。2010年~2015年にかけて人口増加率がプラスで推移したのは以下の都道府県です。

都道府県 2015年~2020年の人口増加率
沖縄県 2.9%
東京都 2.7%
愛知県 1.0%
埼玉県 1.0%
神奈川県 0.9%
福岡県 0.6%
滋賀県 0.2%
千葉県 0.1%

※参照:総務省統計局「平成27年国勢調査

大阪府は東京都と神奈川県に次いで日本で3番目に人口が多い都道府県ですが、2010年から2015年にかけて人口増加率が-0.3%で推移しています。都心6区と呼ばれる大阪市の中心エリアでは人口が少しずつ増えているものの、大阪府全体では人口が減少している状況です。

そのほか、沖縄県と福岡県とでは人口増加の勢いが強まっている点が特徴的です。2010年~2015年の人口増加率と2005年~2010年の人口増加率を比較すると、以下の表のようになっています。

沖縄県 2.3% 2.9%
福岡県 0.4% 1%

※参照:同上

人口推移のデータを比較してみると、沖縄県と福岡県では、今後も住宅需要拡大の勢いが強いと予想されます。

1-2.人口密度のランキング

続いて、2015年における人口密度のランキングをご紹介します。人口密度が高いエリアでは、集合住宅の需要が大きいため都心部におけるマンションやアパートなどの投資が検討できます。

都道府県 人口密度(人/㎢)
東京都 6168.7
大阪府 4,639.8
神奈川県 3,777.7
埼玉県 1,913.4
愛知県 1,446.7
千葉県 1,206.5
福岡県 1,023.1

※参照:同上

三大都市圏及び福岡県では人口密度が高いことがわかります。マンションを始めとした集合住宅を借りて住む人たちは特に、通勤利便性や生活利便性を重視するため都心に集まる傾向が強いと言えるでしょう。

2.都道府県別に世帯収入・住居費を比較

人口に関する指標とともに、都道府県別の平均世帯収入などについて比較します。また、収入のうちどの程度を居住費に割いているのかを表す居住費割合を見ることで、不動産投資の効果を都道府県別に検証します。

2-1.2019年の都道府県別平均世帯収入

総務省統計局が発表しているデータから見る2019年の都道府県別世帯収入(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)は以下の通りです。

都道府県 平均世帯収入(1,000円単位)
埼玉県 781.1
東京都 694.2
石川県 667.2
千葉県 662.8
香川県 656.3
新潟県 652.6
三重県 643.7
福島県 630.9
岐阜県 624.6
佐賀県 616.7

※参照:総務省統計局「社会生活統計

世帯収入に着目してみると、人口統計による順位とは大きく異なる結果が見えてきます。平均世帯収入が全国で最も高いのは埼玉県であり、東京都は2番目です。また、大阪府・愛知県・福岡県などの大都市圏を抱える都道府県が10位以内に入っていません。

そのほか、首都圏の都道府県という点で見ると、埼玉県・東京都・千葉県と比較すると、神奈川県は世帯収入が低い結果になっています。神奈川県の世帯収入は611万1,000円であり、全国で13番目です。

2-2.都道府県別の住居費

総務省統計局が発表しているデータからは、都道府県別の住居費割合(2人以上の世帯)も読み取れます。世帯所得と住居費割合(2人以上の世帯)から算出した、都道府県別の住居費は以下の通りです。

都道府県 住居費(1,000円単位)
東京都 54.8
奈良県 50.7
広島県 48.4
長野県 47.1
石川県 46.7
愛知県 45.4
沖縄県 45.0
長崎県 44.7
高知県 44.3
熊本県 42.9

※参照:同上(2019年の統計)

都道府県別に住居費を比較すると、東京都が最も高い結果となりました。そのほか、石川県は世帯所得と住居費とが両方とも比較的高い結果が出ているので、石川県の高所得者は住居にお金をかける傾向が強いと言えます。

その一方で人口増加率はマイナスで推移しているため、石川県での投資を検討するのであれば、エリア選びには慎重になることが必要です。

また、沖縄県では人口増加率と住居費とが両方とも高い結果となっています。なお、新潟県・福島県・岐阜県などは、世帯所得は高いものの住居費が37位以下となっています。これらのエリアでは、特に住民が住居にお金をかけない傾向が強いと考えられます。

3.人口が増えているエリアで不動産投資を行うメリット・デメリット

不動産投資においてエリアを絞り込む際には、人口が増えているエリアを選んだ時のメリットとデメリットについて整理しておきましょう。それぞれ詳しく解説します。

3-1.人口が増えているエリアで不動産投資を行うメリット

人口が増えているエリアでは、不動産投資における値上がり益や家賃収入の上昇を期待できます。人口が増えると住宅需要が拡大するためです。

そのほか、そのエリアで働く人が増えることによって経済が活性化します。経済の活性化は賃金や物価の上昇を促すため、住宅を含む不動産についても価格の上昇を期待できます。

反対に、人口が減っているエリアでは住宅需要が縮小する上に、労働人口が減って地域経済の停滞が懸念されます。住宅需要の縮小と地域経済の停滞は、空室によるリスクや不動産価格の値下がりを引き起こすため要注意です。

3-2.人口が増えているエリアで不動産投資を行うデメリット・リスク

前述したように、人口増加傾向にあるエリアでの不動産投資では、将来の賃貸需要を見込めるために低リスクの運用を行うことが検討できます。数年~数十年の運用を行う不動産投資において、将来的に賃貸需要がどのように推移するかという視点はとても重要なポイントです。

しかしその反面、人口増加が強く見込まれるエリアでは、家賃収入に対して物件価格が高くなり、期待利回りが低下してしまう点がデメリットと言えます。

都心部では月々の家賃収入よりも不動産投資ローンの返済金やランニンコストの方が高いような、キャッシュフローがマイナスの物件も少なくありません。不動産投資を行う際は、このリスクとリターンのバランスを考え、自身の投資目的に合ったエリアを選択することも重要なポイントです。

まとめ

都道府県別に比較すると、人口増加率と経済力とのバランスが最も取れているのは東京都でした。不動産投資に関するリスクを軽減する上では、東京都が選択肢に挙がりやすいと打言えるでしょう。

また、大阪府全体では人口が減少局面に入っているなど、統計から見えてくる傾向には様々なものがあります。投資エリアを選ぶ上では、一次情報となる統計を確認することも重要です。

ただし、統計は過去の傾向を表したものであり、必ずしも将来の動向を保証するものではありません。また、不動産投資では市場傾向だけでなく、実際の物件の状態や入居者ターゲットによって、投資判断の是非も異なってきます。これらのデータも参考材料の一つとしてとらえつつ、多角的な視点から投資物件を比較し、自身の目的にあった物件を選べるように検証していきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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