個人のESG投資理由は「環境や社会にとって良いことをしたい」がトップ、QUICK ESG研が初の「サステナビリティ意識調査2021」公表

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日本経済新聞系列の情報関連企業である株式会社QUICKは12月8日、同社リサーチ本部ESG研究所が個人を対象に初めて実施した「サステナビリティ意識調査2021」の結果を発表した。環境(E)・社会(S)・企業統治(G)に関する情報から事業の持続性や収益性を判断するESG投資が拡大する中、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を踏まえ、ESG投資やエシカル(倫理的)消費に対する意識を世代別に調査した。

調査は、オンラインアンケート「日経リサーチ」に登録しているモニターの中から20代から70代まで10歳刻みで年代別に男女それぞれ250人以上になるように募集し、3056人から回答を得た。調査期間は2021年7月16~20日。SDGs(持続可能な開発目標)や地球温暖化、ESG投資に関する認知度に加え、サステナビリティ課題を環境、社会、企業統治の10項目に分けて、課題解決に努力している企業の商品・サービスを購入したいか、そういう企業に投資したいかどうかを尋ねた。その結果、「SDGsを初めて聞いた・知らない」と回答した人の割合は全体で18.6%。世代別では20代が23.1%と最も割合が高く、20代のSDGs・サステナビリティ課題への関心は相対的に低いという結果になった。

地球温暖化の影響がすでに起きていると回答した人は全体の52.9%で、世代が上がるほど回答した人の割合が高くなった。一方、20代の37.5%は地球温暖化の影響はまだ起きてないと認識し、今すでに起きているとの回答(35.6%)を上回った。

サステナビリティ課題別にみると、投資リターンよりもESGを優先する「ESG投資選好群」では、「人権」が1位。男女別・世代別では、男女ともに、20代では「生物多様性」だが、30代~50代では「人権」が1位となるなど、社会課題に関心が集まった。リターン次第でESG要素に配慮する「ESG投資検討群」では、「水」が1位、次いで「森林」、「生物多様性」と主に環境関連課題が上位となった。男女別、世代別では、30代以上の男性の上位1~3位、20代~60代女性の1位は、全て環境課題となった。

ESG投資をすでにしている人は3.1%。聞いたことがある、と答えた人(14.6%)も含めても、ESG投資の認知度は17.7%。今後ESG投資をしてみたいと答えた人は全体の39.1%だった。ESG投資に関心のある理由は、「環境や社会にとって良いことをしたいから」と「自分のお金が悪いことに使われたくないから」の合計が56.2%で、リターンにつながることを理由に挙げたのは15.6%にとどまった。

ESG投資に関心がない人の理由は、「リターンとの関連性がわからない」が37.6%、「金融商品のESG情報が少なくて判断できないから」が25.2%と、「投資を判断する情報が十分でない」といった回答が目立った。

企業のサステナビリティ課題への取り組みにプレミアムを支払う「エシカル消費先進群」の割合は20.4%。世代別にみると、70代が23.2%と最も高く、次いで20代(22.3%)となり、50代が最も低い。

同じ値段なら「努力している」企業を選ぶ、購入時にサステナビリティを一定程度考慮すると答えた「エシカル消費検討群」は全体平均で47.8%、70代が61.1%と最も高く、世代が下がるほど低くなる。一方、エシカル消費の関心が弱い(「取り組みに関係なく安い方を買う」、「そういったことは考えない」)人が最も多いのも20代(41.5%)だった。

結果について、同社は「20代ではESG投資への関心や理解が他の世代よりも広がっている一方、他の世代に比べSDGsを知らない人が多く、気候変動の影響を認識している人も少なかった。20代の中でもサステナビリティ課題に関心のある人とそうでない人が二極化している」と考察。二極化の実態とその背景についてさらなる調査が必要としている。

また、サステナビリティ課題やESG投資が将来の自分の生活に関係しているという認識が低いことも「憂慮すべき」で、「サステナビリティ課題に関するリテラシーを向上させ、社会全体で有機的に課題に取り組むことができなければ次世代に健全な環境と社会を残すことは難しい。日本におけるESG投資の運用資産は2018年から2020年の間に32%増えたにもかかわらず、特に若い世代でのサステナビリティの認識が進んでいない状況は『ESGウォッシュ』の温床になりかねない」と懸念する。

そのうえで、「真にサステナビリティに配慮した取り組みを行っている企業に正しく資金が流れるよう、また、より消費者や個人投資家が選好をもとにした行動をとれるようにするため、さらなる調査研究と情報開示が必要」と訴えている。

QUICK ESG研究所は、年金基金および運用機関にESG要因を考慮した投資が行われる仕組み、投資先企業と投資家をつなぐプラットフォームづくりを目指し、2014年4月に設立された。

【参照リリース】QUICKリサーチ本部ESG研究所「【サステナビリティ意識調査2021】20代のSDGsや地球温暖化への関心は相対的に低い」

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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