上場マンション投資会社のマンションブランドの違いは?コンセプトや物件性能、立地などを比較

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個人がマンション投資を手がける場合、物件の売買や管理を投資会社に相談・契約するケースが多いといえます。近年は東証に上場する投資会社も複数あり、会社ごとにコンセプトや物件性能、立地などに特徴があります。

今回の記事では、上場マンション投資会社ごとのブランドや特徴の違いをまとめました。利用する投資会社を選ぶうえで、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 上場しているマンション投資会社の特徴
    1-1.法令やコンプライアンス順守の意識が高いと期待できる
    1-2.中小企業と比較して倒産リスクが低い
    1-3.物件や資金調達力が高いと期待できる
  2. 上場マンション投資会社3社
    2-1.プロパティエージェント
    2-2.FJネクスト
    2-3.グローバル・リンク・マネジメント
  3. まとめ

1 上場しているマンション投資会社の特徴

上場したマンション投資会社の特徴は大きく次の3点です。

  • 法令やコンプライアンス順守の意識が高いと期待できる
  • 中小企業と比較して倒産リスクが低い
  • 物件や資金調達力が高いと期待できる

不動産投資は長期で取り組むことが多いため、必然的に投資会社とも長い付き合いになります。特にマンション投資は利回りが低く、長期的に運用することで徐々に純資産を積み上げる投資戦略となりやすいため、倒産・業績悪化・不祥事などの懸念が小さく、長期で存続すると期待できる会社を利用するのが有効な選択肢といえます。

上場企業はこれらの条件を満たしやすく、マンション投資を始める際には検討しやすい選択肢と言えます。上場マンション投資会社の特徴について詳しく見て行きましょう。

1-1 法令やコンプライアンス順守の意識が高いと期待できる

上場会社の方が、法令やコンプライアンスを重視した経営を行うと期待できます。上場企業は株主や市場関係者の監視の目が効きやすく、法令違反や倫理的に問題のある行動を起こしにくいといえます。

上場する際には東証の審査に合格している点も信頼性を高めています。たとえば、違法建築の物件を売買・管理したり、ずさんな管理で投資家や住民に迷惑をかけるなどの不祥事のリスクが低いといえます。

1-2 中小企業と比較して倒産リスクが低い

上場企業は定期的に会計監査・内部統制を受けており、財務や事業実態が公開されているため、中小企業と比較して倒産リスクが低いと考えられます。東証に上場するためには、売上や業績の基準をクリアしなければなりません。上場を維持しているということは、一定程度の事業基盤を確立していることの証なのです。

また、事業経営や財務状況についても市場関係者の監視の目が働くため、倒産リスクが高まるような無理な経営が抑制されやすいといえます。その分、健全性についても維持されやすいと期待できるのです。

ただし、上場しているからといって必ずしも倒産のリスクが無い、提供しているマンションやサービスの質に問題が無いとは言い切れません。また、組織構成の変更や市況の変化、法改正などにより財務やコンプライアンスに問題を抱えたり、上場廃止になるというケースもあります。

上場企業であることは一定の信頼性を評価できますが、事業内容やサービスについて将来性を保証するようなものではありません。上場企業であることはプラスに評価できる一つの要素としてとらえ、多角的な視点から投資判断を行うことが大切です。

1-3 物件や資金調達力が高いと期待できる

上場企業は物件や資金調達力が高く、相対的に魅力的な物件を適正価格で供給してくれる可能性が高いと考えられます。

東証への上場は取引先や融資先としてみたときの「信頼の証」のひとつとなります。そのため、不動産会社にとっての「取引」である物件の売買をスムーズに進められると期待できます。

また、不動産の売買では金融機関からの融資を効率よく活用することが重要です。上場会社は銀行からの信用力が向上し、多額の融資を相対的に有利な条件で受けられる可能性があります。資金調達に強みのある不動産会社は、さらに積極的に物件の取得・販売を手がけられるでしょう。

2 上場マンション投資会社3社

ここからは、主に投資用マンションの販売や管理を手がける投資会社を3社紹介します。今後、マンションでの不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

コンセプト 物件性能 立地
プロパティエージェント クレイシア
土地の仕入れ・設計/開発から販売・管理まですべてワンストップ
「駅からの体感距離」「乗降客数」「需給バランス」「長期修繕計画の変動性」など50項目もの指標をクリアした立地にこだわる 東京23区・横浜エリア
FJネクスト ガーラマンションシリーズ
10年後・20年後と長期にわたって資産価値が下がらないマンション経営
ワンルームについては98.8%が徒歩10分圏内の好立地で、さらに企画から開発・販売・管理までワンストップ 東京23区、横浜市、川崎市
グローバル・リンク・マネジメント アルテシモシリーズ
サステナビリティを重視して開発
2022年ZEHデベロッパーとして登録されて以降開発されたアルテシモシリーズは、すべてBELS★★★★★(5つ星)やZEH-M Oriented品質が標準仕様 東京都23区

2-1 プロパティエージェント

プロパティエージェントの不動産投資セミナー
  • 東証プライム上場グループのマンション投資会社、20期連続で増収増益
  • 賃貸マンションの入居率は99.59%(2024年1月末時点)
  • 確定申告のサポートなどマンション購入後のサービスも充実
項目 特徴
上場市場 東証プライム
(持ち株会社の「ミガロホールディングス」で上場)
資本金 6億1,873万円
管理戸数 4,632戸(2024年1月末時点)
入居率 99.59%(2024年1月末時点)

プロパティエージェントは、持ち株会社が東証プライムに上場している不動産会社です。居住者向けの分譲マンションの販売と、投資家向けの区分マンション投資用物件の販売を共に手掛けています。

マンションブランドは、投資用が「クレイシア」分譲用が「ヴァースクレイシア」としてすみ分けされています。

同社は、土地の仕入れ・設計/開発から販売・管理まですべてワンストップで手がけています。各部門が連携して投資家をトータルサポート可能です。賃料変化や空室による収入減を避けたい投資家向けに、サブリース契約も取り扱っており、サブリース契約の賃料下落率についてもサイト上で公開されています。

東京23区・横浜エリアといった都市部を中心にマンション開発や販売・管理を行っています。「駅からの体感距離」「乗降客数」「需給バランス」「長期修繕計画の変動性」など50項目もの指標をクリアした場所のみを仕入れるなど、好立地にこだわって物件を販売しているのが特徴です。

また、クレイシアでは「統一したデザインを敢えて持たない」のが特徴の一つとなっています。物件の取得や開発時には、データ分析やアンケートなどを通じてその地域の想定される入居者像を明確にしたうえで、最適なマンションをデザインするコンセプトです。

あえてデザインを統一しないことにより、ニーズに応えたマンションを創るのが、クレイシアのコンセプトとなっています。立地の厳選やニーズに合ったマンション開発の結果、プロパティエージェントの入居率は99.59%(2024年1月末時点)と高水準です。

【関連記事】プロパティエージェントの不動産投資セミナーの内容は?体験レポート・講師インタビュー

2-2 FJネクスト

FJネクストの不動産投資セミナー
  • 都内の好立地・高品質ブランドマンションにより入居率99%
  • 創業40年・東証プライム上場企業という信用力と実績でフルローン・金利優遇も
  • 業界トップ水準の管理戸数17,400戸超、家賃保証あり
項目 特徴
上場市場 東証プライム
資本金 27億7,440万円
管理戸数 18,522戸
入居率 99%(2023年2月末時点)

FJネクストは「ガーラマンションシリーズ」というブランドを手がける企業です。分譲マンションの開発・販売、賃貸物件の売買・管理など多様な不動産事業を手がけています。創業から43年が経過していて、マンションの投資会社としては古くからある企業の一つです。

投資用マンションについては、首都圏の東京・神奈川の物件を中心に販売しています。新築・中古の双方を取り扱っています。また、個人投資家の区分マンション投資で検討しやすいワンルームのほかファミリー向けマンションも扱っているなど、物件の選択肢が豊富なのが特徴です。

ワンルームについては98.8%が徒歩10分圏内の好立地で、さらに企画から開発・販売・管理までワンストップで手がけられるため、立地に合わせてデザインされたマンションを供給しています。清掃・管理員を自社で育成・教育しているため、質の高い管理やメンテナンスが期待できます。

また、初心者の投資家向けに確定申告のサポートなどを行ってくれるのも特徴です。10年後・20年後と長期にわたって資産価値が下がらないマンション経営をサポートしてくれます。

2-3 グローバル・リンク・マネジメント

グローバル・リンク・マネジメントの評判
  • 高品質な物件で入居率98%超
  • 都心周辺の駅徒歩10分圏内の立地に特化して開発
  • 「ZEH-M Oriented」や「BELS」4つ星以上など、サステナブルな不動産開発にも注力
項目 特徴
上場市場 東証プライム
資本金 5億67百万円
管理戸数 2,107戸
入居率 98.5%
※2022年のサブリース物件における
年間平均入居率

グローバル・リンク・マネジメントは東証プライム上場企業で、開発~販売までワンストップで手がけています。

また、物件管理についても合人社計画研究所と共同で設立した株式会社G&G Communityが手がけているため、実質的には購入後の物件管理まで任せることが可能です。単身者居住用の自社ブランド「アルテシモシリーズ」を手がけています。

投資用物件としては、区分マンション・一棟マンション双方の形式で販売や管理を行っています。機関投資家を含む法人・個人の双方を顧客としているため、さまざまな形式で投資マンションの販売・管理を行っているのが特徴です。

アルテシモは、数ある不動産の中でもサステナビリティを重視して開発されています。グローバル・リンク・マネジメントは、2022年に「ZEHデベロッパー」として登録されています。それ以降開発されたアルテシモシリーズは、すべてBELS★★★★★(5つ星)やZEH-M Oriented品質が標準仕様です。

また、同社は好立地な物件に絞って開発や販売を行っています。東京都を中心に「駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)」「ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)」「高い地価(チカ)」の「3チカ」を重視しています。

好立地・高地価物件に絞ることで、長期にわたり資産価値の維持を目指せる物件を投資家に供給しているのです。

3 まとめ

不動産投資を始めるときは、物件だけでなく不動産投資会社選びにも気を配ってみましょう。大手で区分マンション投資を手掛ける企業の場合、物件管理もワンストップで手がけるケースが多く見られます。

管理まで投資会社に任せるとなると、数十年単位の長い関係性となることから、より一層信頼できる企業を利用することが大切です。上場した投資会社であれば、事業基盤が確立していて、法令・コンプライアンス遵守の意識も高いと期待できます。

ただし、上場しているからといって必ずしも倒産のリスクが無い、提供しているマンションやサービスの質に問題が無いとは言い切れません。マンション投資を検討する際は、上場の有無については評価する際の一つの要素としてとらえ、自身の投資目的に合った各社の物件性能や運用開始後のサポート面についても比較されていくと良いでしょう。

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伊藤 圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。