不動産投資の初心者はどんな物件がおすすめ?物件タイプやエリアごとに比較

新たな資産運用の一手として不動産投資を検討する際に、悩ましいのが物件選び。物件選びは不動産投資の成否の鍵を握る重要な要素である一方、不動産投資をおこなう際には、どのような物件を購入すればよいか悩む人も少なくありません。

そこでこの記事では、個人の不動産投資に適した物件のタイプやエリアを整理したうえで、初心者向けの物件タイプおよびエリアを紹介します。今後の不動産投資の物件選びの参考にしてください。

目次

  1. 不動産投資の物件タイプとは?
    1-1.新築区分マンション
    1-2.中古区分マンション
    1-3.新築一棟アパート
    1-4.中古一棟アパート
  2. 不動産投資を検討しやすいエリアの特徴
    2-1.駅から徒歩10分以内
    2-2.東京23区内
    2-3.三大都市圏の政令指定都市
  3. 不動産投資の初心者向け、物件タイプ×エリアの事例3選
    3-1.中古区分マンション×東京23区内
    3-2.一棟新築アパート×大阪・名古屋
    3-3.一棟中古アパート×東京23区内
  4. まとめ

1 不動産投資の物件タイプとは?

初心者が検討すべき不動産投資の物件タイプは、大きく分けて次のように分けられます。

新築区分マンション 中古区分マンション 新築一棟アパート 中古一棟アパート
利回り
空室リスク
賃料下落リスク
修繕リスク

この他にもマンション一棟買い、事業用ビルへの投資、戸建投資などの選択肢はありますが、大きな自己資金が必要になる、リスクが高いなどの理由から初心者向きではないため、今回の記事では割愛します。

それぞれの物件タイプについて、もう少し詳しく紹介します。

1-1 新築区分マンション

新築マンションの一区画の所有権を購入する方法です。主に都心部で、アクセスの良い地域にて販売されるため、賃貸需要を見込みやすく、空室リスクは低い傾向にあります。

また、区画ごとに購入するため、地価の高い都市部でありながら1〜2千万円程度で購入が可能です。ローンを活用すればほとんど自己資金なしで始められる場合もあり、サラリーマンが初めておこなう不動産投資の手段としても人気があります。

一方で、新築価格には建設費用や販売業者のマーケティング費用などが内在しており、期待できる賃料に対して物件価格が高く、利回りは低い傾向にあります。自己資金がほぼゼロのフルローンで購入できても、月々のキャッシュフローがほとんどなかったり、恒常的に赤字になるスキームの物件がメインとなります。

また、新築当初はやや割高な家賃が設定されるケースが多いため、新築から10年〜15年程度は家賃が早いペースで下落する傾向にあります。すなわち最初の15年程度は得られる賃料収入が徐々に減っていくリスクがあると考えておいた方がよいでしょう。

1-2 中古区分マンション

一区画で所有する手法は中古マンションにも適用でき、やはり盛んに販売が行われています。中古の場合は新築よりさらに価格が落ちるため、23区でも1千万円台で購入可能な不動産もみられます。

新築時よりも購入価格が安いため、新築より高い利回りを見込みやすい点が特徴です。価格の安さから借入額が大きくなりにくい分、築年数が25年超などでなければローンの審査も通過しやすいでしょう。築15年程度が経過していれば、家賃の低下も緩やかになっていくため、初心者でも今後の賃料収入が見通しやすいという特徴もあります。

一方、築年数が経過していれば建物の劣化が進んでいるため、近いうちに修繕や設備の変更などが必要になるケースもあります。不動産投資の初心者では修繕の経験がなく、予算や資金手当などに戸惑うリスクもあるため、注意が必要です。

1-3 新築一棟アパート

一棟マンションは数億円クラスの価格となるなど高額なため、一棟購入するのは多くのサラリーマンにとってハードルが高いと言えます。一方で、6〜10室程度のアパートであれば、年収や資産状況によっては一棟買いが可能です。

アパートはマンションよりは郊外に立地する分、表面利回りは新築マンションよりは高めになります。都心部でない分、区画単位では空室リスクが心配されますが、複数区画を持つことによってリスクが分散されるため、駅徒歩10分以内などアクセスが良好な立地であれば、低リスクの運用を期待することもできます。

一方、新築アパートでは賃料が割高に設定される傾向にあるのは新築区分マンションと同様です。当面はハイペースでの家賃下落リスクに留意しておく必要があります。

1-4 中古一棟アパート

アパートも中古での購入が可能です。物件価格が新築より安い分、初期費用の観点からはチャレンジしやすい投資先と言えます。利回りについても新築より高めな傾向にあり、魅力的な収益を得られるチャンスは大きいと言えるでしょう。

一方で、リスクも高いのが中古一棟アパート投資の特徴です。アパートは木造のケースが多く、マンションよりも劣化が早い傾向にあります。一棟丸ごと所有している分、大規模な修繕への対応を迫られるリスクも高くなります。

また、都心部は住居需要が多い分、築古物件でも入居者を得るのにさほど苦労しませんが、郊外にはそこまでの需要がない分、築年数が入居者獲得の妨げとなるリスクは相対的に高くなります。適切な家賃設定や、修繕・リフォームなどの適切な対応が求められるため、初心者にはややハードルの高い部分もあるでしょう。

2 不動産投資を検討しやすいエリアの特徴

不動産投資の物件を検討する際には、エリア選びも重要です。いくら魅力的な物件であっても、人が少ない不便な場所にあっては、入居者を募るのは容易ではありません。これから不動産知識を獲得していく初心者の方であれば、まずは賃貸需要が多いエリアの物件を所有するのが特に大切です。

2-1 駅から徒歩10分以内

不動産投資をこれから始める初心者の方であれば、まずは最寄駅から徒歩10分以内の物件を選ぶことを検討されてみると良いでしょう。駅を基準とした利便性の良し悪しは徒歩10分程度のところで線が引かれる傾向にあるため、10分を超えると急速に入居者獲得の難易度が高くなります。

また、同じ徒歩10分以内でもより都心部に近い、もしくは利用者の多いターミナル駅が最寄駅となっている方が望ましいといえます。

2-2 東京23区内

続いて地域についてですが、まず、若年層を中心に当面は人口増加が見込まれる首都圏が有力候補に上がります。

ただし、首都圏といっても都心から離れると賃貸需要が多くない地域も少なくありません。細かい目利きが難しい初心者の場合は、まず23区内で物件を探すのがよいでしょう。どうしても価格面で適した物件がない場合は、23区周辺の市で、かつ鉄道での都心部へのアクセスが良好な地域も検討範囲と言えます。

2-3 三大都市圏の政令指定都市

都心部は利回りが低く、価格が高めの物件が多いため、東京に至近の横浜、及び大阪、名古屋についても、都心部へのアクセスが良好な地域については、不動産投資を検討しやすいエリアとなります。

これらの地域の場合は、それぞれの中心駅、すなわち大阪なら大阪(梅田)及び新大阪駅、名古屋はそのまま名古屋駅へのアクセスの良さと駅までの近さが賃貸需要の見込みやすさに繋がります。これらの要素を基準に優良物件を探し出しましょう。

なお、同じ政令指定都市でも福岡・仙台・札幌などの地方の政令指定都市については、東京・名古屋・大阪と比較して将来の人口減少リスクがやや高く、比較してエリア選定の難易度が高くなります。

3 不動産投資の初心者向け、物件タイプ×エリアの事例3選

不動産投資の物件選びでは物件タイプとエリアという複数の検討軸があるため、結局どの物件を選べばよいかわからないという人もいるでしょう。そこでここからは、初心者が検討しやすい物件タイプ×エリアの事例を3つ紹介します。

3-1 中古区分マンション×東京23区内

リスクの低さと利回りを両立しやすいのが、23区内の中古区分マンションの特徴です。比較的に低予算から始められるので、いきなり大きな金額を投じるリスクを懸念する方、多額の自己資金を捻出するのが難しいという初心者の方に適しています。

都心の場合、新築では物件価格が高く利回りの低さが難点となりますが、中古ならそのデメリットをある程度緩和できます。また賃貸需要が極めて多い地域のため、少々設備が劣化していても、大掛かりなリフォームなどをすることなく入居者を獲得できるチャンスがあります。

23区内でも、東京駅、渋谷駅、新宿駅など魅力的な駅と最寄駅が近い、複数の地下鉄駅の至近であるなど、アクセス面でプラスとなる要素があれば、なお良いと言えます。

3-2 一棟新築アパート×大阪・名古屋

中古の修繕リスクが不安で、新築を狙いたいという人には、大阪・名古屋の新築アパートも選択肢になります。

都心部と比較して物件価格が少々下がるため、東京都心のアパートよりも取得難易度は下がります。ただし、それでも数百万円程度の自己資金が必要となる可能性が高いことは念頭に置いておきましょう。

都心部より利回りが高くなりやすい分、新築特有の物件価格や賃料の割高さがカバーできるチャンスが大きくなります。それぞれのターミナル駅までのアクセスが良い駅至近の物件を選べば、入居者獲得の難易度もさほど高くありません。

3-3 一棟中古アパート×東京23区内

23区内での一棟買いを狙うなら、中古アパートも検討できるでしょう。新築は価格が高いため難易度が高くなりがちですが、中古であれば手が届く可能性が高まります。都心であれば、アクセスの良い立地を選べば賃貸需要も堅調なため、中古物件でもスムーズに入居者を維持しやすいでしょう。

都心部では低リスクな反面低くなりがちな利回りも、中古アパートなら価格が安い分、相対的に高い利回り水準を追求できます。

ただし、中古といえども需要の見込める物件を一棟購入となると、やはり数百万円程度の自己資金は必要となることを念頭に置いておきましょう。また、大きな修繕などへの対応に迫られる可能性が新築時よりも高まっているなど、先に挙げた2つの事例よりチャレンジングな不動産投資となることも忘れてはいけません。

4 まとめ

不動産投資には不動産特有の専門知識が必要となるため、初心者にはハードルが高い印象を持たれがちな投資方法です。しかし、入居者需要を見込みやすく、運用が容易な物件をうまく選べば、初心者でも一定の家賃収入を期待することが可能です。

今回紹介した不動産投資の初心者の方でも検討しやすい物件タイプやエリアの事例を参考に、自分に合った不動産投資の物件を探してみてください。

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伊藤圭佑

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。