モンゴルで不動産投資、利回りやリスクは?他の国と比較した特徴も

モンゴルは人口増加率の高さから海外不動産投資の投資先として大きな可能性を持っています。

しかし、アメリカなどの先進国と比較すると、日本国内から得られる情報が少なく、空室リスクや物件の劣化リスクなど注意しておきたいポイントも少なくありません。

そこでこの記事では、モンゴル不動産投資の利回りやリスクについてデータを用いて解説します。モンゴル不動産投資を検討している方はご参考下さい。

目次

  1. モンゴル不動産投資の利回り
    1-1.モンゴル不動産の価格と家賃
    1-2.ウランバートルと東京とで利回りを比較
  2. モンゴル不動産の空室リスク
    2-1.モンゴルはGDPと平均収入が高くない
    2-2.モンゴルでは失業率が高い
    2-3.モンゴルには日本人駐在員が少ない
  3. 物件の劣化リスクと災害リスク
  4. 経済的なリスク
  5. まとめ

1.モンゴル不動産投資の利回り

まず、モンゴル不動産投資と東京の不動産投資とで利回りを比較して見て行きましょう。

1-1.モンゴル不動産の価格と家賃

モンゴル不動産投資は日本の不動産投資と比較して利回りが高いのか、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。モンゴルの首都ウランバートルと東京とで利回りを比較してみます。

Global Property Guideによると、ウランバートルの平均アパート価格はMNT220万/㎡です。MNT220万はMNT1=0.05円で換算すると約11万円となります。

ただし、外国人や現地富裕層向けの物件では平均価格がMNT853万/㎡まで上がります。MNT853万は同レートで換算すると42万6,500円です。モンゴル不動産は、入居者の客層によって価格が約4倍まで変わることが分かります。

平均家賃については、地元住民向け1Bedルームの物件で月額MNT300,000〜500,000です。

仮に30㎡の物件で満額の家賃が取れるとすると、ウランバートルの表面利回りは9.09%となります。なお、家賃をMNT300,000/月で計算すると、ウランバートルの表面利回りは5.45%です。

1-2.ウランバートルと東京とで利回りを比較

東京では不動産投資の表面利回りは4%前後が目安です。その一方で、ウランバートルの物件では5.45%〜9.09%が表面利回りの目安となります。

ウランバートルの物件に投資した結果、最低水準の家賃でしか入居者が入らなかったとしても、東京との比較ではウランバートルのほうが利回りは高くなる可能性が高いと考えられます。

2.モンゴル不動産の空室リスク

モンゴル不動産投資で失敗しないためには、利回りのシミュレーションをよく検証することが重要です。未検証のままで投資に踏み切ると空室リスクを抑制できなくなるため、シミュレーションは慎重に行いましょう。

モンゴル不動産投資で空室リスクが懸念される背景には、モンゴル国民の所得や失業率の高さなどがあります。

2-1.モンゴルはGDPと平均収入が高くない

モンゴルは、マレーシアやタイなどと比較すると1人あたりGDPが低くなっています。フィリピンよりは高い一方で、マレーシアやタイよりは低くなっています。

※The World Factbook「EAST ASIA/SOUTHEAST ASIA :: MONGOLIA」を参照

また、データが少し古いものの、モンゴルにおける2017年第4四半期の平均月収は95万MNTでした。95万MNTは1MNT=0.05円で換算すると約44,000円です。モンゴル国民が家計の中から住居費に割ける金額は限られていると言えます。(National Statistics Office of Mongolia「Monthly average monetary income and expenditure per household, by 4th quarter of 2017を参照)」

モンゴル不動産投資では、物件のグレードと期待できる入居者とを確認しながら物件を選ぶことが重要です。高級な物件に投資しても、物件のグレードに見合った入居者が見つからなければ、空室による費用の持ち出しが発生してしまいます。

なお、マレーシアの2017年時点における平均月収はRM2,804でした。1RM=27円で換算すると約76,000円となります。(Department of Statistics Malaysia「Employment and Salaries & Wages Statistics 2018

マレーシアでは、過去に多くの外国人投資家が実需と乖離した価格のコンドミニアムに投資した結果、住宅の供給過剰も相まって空室が溢れる事態となった経緯があります。

マレーシアの不動産市場は、中国系デベロッパーが多数進出するなど、モンゴル不動産市場とは異なった背景を持っています。しかし、投資物件の価格と実需の価格とが乖離している点に共通点があり、注意しておきたいポイントと言えます。

2-2.モンゴルでは失業率が高い

若年層の失業率が高いことは、不動産投資の空室リスクにつながります。若年層の労働人口は、入居者を探すときのメインターゲットになるからです。モンゴルでは若者の失業率が特に高くなっています。2018年の推定値で15歳〜24歳の若者の失業率が16.8%です。(The World Factbook「EAST ASIA/SOUTHEAST ASIA :: MONGOLIA」を参照)

なお、時期が違うため純粋な比較とはなりませんが、日本では15歳〜24歳の年代における失業率が2020年9月時点で4.3%です。(総務省「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果」を参照)

モンゴル不動産投資では、若年層の失業率が高く空室リスクがあることを念頭に入れると、物件のグレードと家賃のバランスに気を配りながら物件を選ぶことが重要になります。

2-3.モンゴルには日本人駐在員が少ない

海外不動産投資では日本人駐在員の入居を狙って投資することもあります。しかし、モンゴルには在留する日本人が少なく、他国と比較してモンゴル不動産投資で日本人の入居はあまり期待できません。

2019年の国別在留邦人数

人数
モンゴル 497人
マレーシア 26,555人
タイ 75,647人
フィリピン 16,894人

※外務省「海外在留邦人数調査統計」「モンゴル国(Mongolia)基礎データ」を参照

海外から駐在で来ている駐在員は、滞在する家の家賃を会社が支払うことも多く、家賃が高くても家を借りることができます。このため、海外で高級物件に投資する場合は、現地の富裕層もしくは海外からの駐在員を狙って客付けすることも投資戦略の1つです。

日本人駐在員の入居者が入れば、手続きのコミュニケーションも楽になるメリットもあり、日本人駐在員の入居を期待できるとして販売される海外の投資物件は多数存在します。しかし、モンゴル不動産投資の場合は、この戦略にはあまり期待できません。

モンゴル不動産投資で空室リスクを下げるためには、実需の住宅価格や家賃動向を確認しながら投資物件を選ぶことが重要です。

3.物件の劣化リスクと災害リスク

モンゴルの気候は気温の低さと乾燥した空気が特徴です。これらの環境によって、モンゴル不動産には早期に建物が劣化するリスクがあります。ウランバートルと東京との気温および降水量を比較すると以下グラフのようになります。

※気象庁「世界の天候データツール(ClimatView 月統計値)」を参照し筆者作成

特に冬の気温が低いことからモンゴルの不動産には暖房設備が必須です。そして、モンゴルでは暖房に使う燃料として石炭が多く流通しています。冬が長いことも相まってモンゴルでは大気汚染が深刻です。

モンゴル不動産投資では建物が汚れやすいことを考慮する必要があります。そのほか、砂嵐や水害など自然災害のリスクにも要注意です。

4.経済的なリスク

モンゴルでは輸出も輸入も中国を相手とした取引が最も多く、モンゴル経済は特に中国の景気変動に影響を受けます。モンゴルから中国への輸出額は、2019年にモンゴルの輸出額全体のうち約90%を占めました。

また、中国を相手とした取引額は、モンゴルの全輸入額のうち33.6%を占めています。2番目の輸入相手国はロシアで輸入額の比率は28.2%です。輸入に関しては中国とロシアとを相手にした取引額が全体の約62%を占めます。(National Statistics Office of Mongolia「Social and Economic situation of Mongolia (As of the preliminary result of 2019)」を参照)

中国経済に追随するような形で、モンゴルでは2014年から2019年まで貿易黒字が続いてきました。しかし、中国の経済発展がかつてよりも緩やかになってきたため、今後は注意が必要です。

そのほか、国別の直接投資企業数を見ても、モンゴルに直接投資している企業は、中国からが約半数を占めて最多となっています。

中国の景気が悪化すれば、モンゴルの中国資本も撤退する可能性があります。モンゴル不動産に投資する場合は、モンゴルの経済動向とともに中国の経済動向にも要注意です。

まとめ

モンゴル不動産投資では、入居者が入れば東京よりも高い利回りを期待できます。しかし、入居者が入らなければ不動産投資で利益は得られません。

モンゴルの平均所得や失業率などを鑑みると、現地モンゴル人の入居者に見合った家賃は、2020年現在ではあまり高くないのが現状です。

モンゴル不動産投資では、現地の状況や情勢に詳しい不動産会社と提携するなど、ターゲットとなる入居者と物件のグレードをよく確認しながら物件を選ぶことが重要になります。

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