マレーシア不動産投資のメリット・デメリットは?他国とのリスク比較も

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人口増加や経済成長などの観点から、マレーシア不動産投資にはキャピタルゲインを狙えるメリットがあります。しかし、外国人向けの規制や物件所有権の登記には要注意です。

マレーシア不動産投資のメリット・デメリットに加え、リスクについて他の国の不動産投資と比較します。

目次

  1. マレーシア不動産投資のメリット
    1-1.人口と経済が伸びており物件の売却益を狙える
    1-2.長期滞在先として人気が高い
    1-3.先進国と比較するとまだ物件価格が低水準
  2. マレーシア不動産投資のデメリット
    2-1.外国人に対する不動産の最低購入価格規制がある
    2-2.登記済証の発行時期には要注意
  3. マレーシアと他の国とでリスクを比較
    3-1.マレーシア不動産の空室リスク
    3-2.マレーシア不動産の住宅価格指数推移は2010年から増加基調
    3-3.賃貸管理のリスクは低め
  4. まとめ

1.マレーシア不動産投資のメリット

マレーシア不動産投資のメリットは、人口増加や経済成長を背景とした成長性に加え、海外移住を視野に入れた投資としても有効な点が挙げられます。

1-1.人口と経済が伸びており物件の売却益を狙える

海外不動産投資では人口増加率と経済成長率が高い国を選ぶことが重要です。日本では2021年時点で人口減少が進んでおり、日本の経済成長率は落ち着いてきているのも事実です。

しかし、海外には人口増加と経済成長を続けている国も多く、マレーシアも両方が伸びている国の1つです。人口が増加している国では住宅需要が拡大していくため、物件の値上がり益を狙えます。国際連合の統計によると、マレーシアと日本の人口増加率は以下の表の通りです。

2015年〜2020年の平均人口増加率

  • 日本:-0.2%
  • マレーシア:1.3%

※参照:国際連合「World Population Dashboard

また、経済成長が続いている国ではインフレが起こりやすく物価が上昇する確率も高いものです。物価が上昇している国では、物件の値上がり益を狙えます。IMFの統計によると、マレーシアと日本の予測GDP成長率は以下の表の通りです。

マレーシア 日本
2021年予測 6.5% 3.3%
2025年予測 5.0% 0.6%

※参照:IMF「Real GDP growth

1-2.長期滞在先として人気が高い

一般社団法人ロングステイ財団の調査によると、マレーシアはロングステイ希望国・地域のランキングで10年以上1位となっています。(※参照:一般社団法人ロングステイ財団「プレスリリース」)

マレーシアが長期滞在先として人気な理由は以下の通りです。

  • 10年更新不要の長期滞在ビザを比較的容易に取得できる
  • 気候が温暖で快適
  • 物価が比較的安い
  • すでに日本人が集まっている日本人街もある

マレーシアはMM2Hという外国人向けの長期滞在ビザを発行しています(2021年時点では発行中止中)。他の国で長期滞在ビザを取得するためには、現地で就職していたり現地駐在をしていたりする必要があるなど、ハードルの高い条件をクリアする必要があります。

しかし、MM2Hの取得にあたっては、他の国と比較してそこまで条件が厳しくありません。2020年時点の制度においては、一定額以上の財産や収入があることを証明できれば取得可能です。マレーシア不動産投資は、将来的な海外移住を視野に入れた投資としても有効と言えます。

1-3.先進国と比較するとまだ物件価格が低水準

マレーシアは「東南アジアの優等生」とも言われており、新興国の中では国民所得などの面で先進国に近づきつつあります。また、マレーシア政府も近年中の先進国入りを目指すとして、様々な施策を推進しています。

しかし、マレーシアの不動産は他の先進国と比較すると、まだそれほど高くありません。マレーシア政府の統計によると、2020年におけるマレーシア全体の住宅価格中央値はRM295,000となっています。

RM1=27円で換算すると796万5,000円であり、1,000万円に到達していません。一方で、日本の不動産価格を見てみると、不動産投資と収益物件の情報サイト健美家の「収益物件 市場動向 マンスリーレポート2021年4月期」によると、2021年4月時点における区分マンション価格は1,598万円となっています。戸建てなどが含まれていないため単純な比較はできませんが、マレーシアの不動産価格は日本の区分マンションと比較すると半額程度となっています。

2.マレーシア不動産投資のデメリット

マレーシア不動産投資で要注意のデメリットとしては、外国人投資家に対する規制と登記済証に関するポイントが挙げられます。

2-1.外国人に対する不動産の最低購入価格規制がある

マレーシア不動産投資が持つ最大のデメリットは、外国人がRM100万以下の物件を購入できないことです。

マレーシアでは、一時期外国資本に対する規制を緩和した時期がありました。しかし、中国などからの投資マネーが大量に流入し、乱開発が進んだ結果、大量の不動産が売れ残っています。

在庫不動産の処分は政府も対策に乗り出すほどの社会問題となっており、外国資本の流入を減らす目的で海外資本に対する規制が設けられました。2021年時点ではまだ売れ残りの問題が解決していないため、当面規制が続くものと予測されます。

不動産投資では物件価格が高いと利回りが下がるため、利回り狙いの投資をするのであれば、マレーシアの最低購入価格規制には要注意です。

2-2.登記済証の発行時期には要注意

東南アジアなどの新興国では、購入した不動産の所有権証明となる登記済証が発行されるまでに、数ヶ月〜1年など非常に長い時間がかかることもあります。マレーシアも例外ではありません。

登記済証を取得できていないと、物件の売却などに支障をきたすことも考えられます。マレーシア不動産投資を検討するのであれば、登記済証の発行時期について事前に確認することが重要です。

3.マレーシアと他の国とでリスクを比較

他の国の不動産投資と比較して、マレーシア不動産投資は急な値下がりリスクや賃貸管理に関するリスクが低いと言えます。その一方で空室リスクには要注意です。

3-1.マレーシア不動産の空室リスク

マレーシア不動産投資で最も注意すべきリスクは、物件の供給過剰や最低購入価格規制を背景とした空室リスクです。

物件の購入価格が高いと、家賃も高く設定しないと利回りを確保できません。また、マレーシア全体の不動産価格中央値であるRM295,000と比較すると、RM100万という物件価格は高額です。

高額な物件の家賃を支払える入居者は、富裕層か外国人駐在員などに限られます。マレーシア不動産投資を進める場合には、想定される入居者が周辺にどの程度いるのか確認することが重要です。

例えば、最低購入価格の規制がないフィリピンやタイなど別の国と比較すると、マレーシアでは空室リスクに注意を要します。

3-2.マレーシア不動産の住宅価格指数推移は2010年から増加基調

一方で、マレーシア不動産の値動きをみると、住宅価格指数推移は2010年から増加基調となっています。マレーシア政府の統計によると、マレーシア不動産の住宅価格指数推移は以下グラフの通りです。

マレーシア不動産の住宅価格指数推移

※引用:マレーシア政府統計「Key Statistics

2010年以降の10年間では、マレーシア不動産は順調に値上がりを続けていることがわかります。また、2010年の不動産価格指数と2020年の不動産価格指数とを比較すると、マレーシア不動産の価格は約2倍まで上がっています。

対前年比の変動割合は年々下がっているため、今後大きく値上がりするかは不透明です。しかし、10年間にわたって増加傾向にある点は、マレーシア不動産の価格推移が堅調であることを示しています。

一方で、例えばフィリピンなどでは新型コロナウイルスの影響が出始めた2020年の前後でコンドミニアムの価格が大きく変動しました。フィリピン中央銀行の統計によると、フィリピン全体のコンドミニアム価格指数推移は以下グラフの通りです。

フィリピン全体のコンドミニアム価格指数 2014Q1=100

※参照:フィリピン中央銀行「Statistics – Prices

フィリピンでは、感染対策として2020年3月からロックダウン(都市封鎖)状態となったことから、同年のGDP成長率が大きく低下しています。このような経済不安を背景に、不動産価格への影響が出たものと考えられます。

同じ東南アジアの国である2ヵ国ですが、不動産の値動きの差からマレーシア不動産はフィリピン不動産と比較して、同様の経済不安が起きた時の急な価格変動が起こるリスクがやや低いと考えられます。

ただし、過去の傾向は未来の動向を必ずしも約束するものではありません。大きな値下がりが起きる可能性が0ではない点に留意して、投資判断をするうえでのひとつの評価ポイントとして捉えておくことが大切です。

3-3.賃貸管理のリスクは低め

マレーシアは日本人から移住先として支持を集めていることもあり、現地で営業している日系不動産会社は少なくありません。

また、マレーシアと日本との時差は1時間です。例えばアメリカなどは10時間以上の時差があるため、現地不動産エージェントとのコミュニケーションにタイムラグが生じます。

賃貸管理会社を比較的見つけやすくコミュニケーションも容易なことから、海外不動産投資を検討するにあたり、マレーシア不動産投資は賃貸管理のリスクが低い国の一つと言えます。

例えば、日本とマレーシア現地にそれぞれ法人を持つ不動産会社「ビヨンドボーダーズ」は、物件購入後の賃貸管理についても紹介やサポートを受けることができます。

マレーシア投資に関する無料のセミナーなどもありますので、「何から始めていいか分からない」「他の国との比較をした上で投資をしたい」「1000万円以下の物件を購入したい」という方は、まずは情報収集から始めてみると良いでしょう。

【関連記事】ビヨンドボーダーズの評判・口コミ・セミナー

まとめ

2021年時点でマレーシア不動産投資が持つメリットは、移住先として利用できる点と、主にキャピタルゲインを狙える点です。投資のリスクを考慮すると、他の国と比較すると賃貸管理の難易度が低く、マーケットも堅調である点は、マレーシア不動産投資の強みです。

その一方で、外国人に対する最低購入価格規制などから、利回り狙いの投資をしたい場合は、物件選びに注意を要します。マレーシア不動産へ投資を検討する際は、これらのメリット・デメリット、注意点を比較しながら慎重に検討してみると良いでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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