投資用マンションは高額な商品のため、売却に苦戦するケースもあります。特に、投資用物件は実需用物件よりも買い手が少なく、売却に苦戦するケースは多いと言えるでしょう。
そこでこの記事では、なかなか投資用マンションが売れない人に向けて、売れない投資用マンションを売るための4 つの改善ポイントを解説します。投資用マンションが売れなくて悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
筆者は、今まで不動産の仲介を何件も成約させてきました。また、自分自身が保有するマンションを投資用として不動産会社に売却した経験もあるため、実体験を基にした内容となっています。
目次
- 売却価格を下げる前に、その他のアピールポイントを考える
1-1.不動産価格の周辺相場や利回りを確認する
1-2.売却価格以外のアピールポイントの例 - 外観が劣化している物件は修繕履歴をきちんと説明する
2-1.オーナーチェンジ(居住中)の物件では室内の確認ができない
2-2.修繕履歴を説明する際のポイント - 投資用マンションの内覧前に室内の手入れをする
3-1.水まわりは重点的に清掃する
3-2.定期的に室内の換気を行う
3-3.封水は貯めておく - 不動産会社の広告戦略をチェックする
4-1.広告のボリューム
4-2.不動産会社による販売広告のボリューム - まとめ
1.売却価格を下げる前に、その他のアピールポイントを考える
1つ目の改善ポイントは、価格以外のアピールポイントを考えることです。売れない投資用マンションは「利回りが低い=価格が高い」という特徴があります。つまり、価格以外のアピールポイントを考えなければ、売出価格の値下げを検討しなくてはならなります。
この章では、価格以外のアピールポイントを考えるときに知っておくべき以下を解説します。
- 相場価格や利回りを確認する
- 価格以外のアピールポイントとは?
それぞれ詳しく見て行きましょう。
1-1.不動産価格の周辺相場や利回りを確認する
まずは、売却する物件の周辺相場価格や利回りを確認しましょう。売れない原因が「利回りが低い=価格が高い」かどうかは、相場価格や利回りを調べて比較して確認することが大切です。
周辺の相場価格や利回りと大きな差がない場合、売れない理由は「価格」ではなく、ほかの原因である可能性があります。相場価格や利回りを調べるときは、不動産会社にヒアリングしつつ以下のサイトをチェックしましょう。
- REINS Market Information
- 土地総合情報システム
- 投資用物件のポータルサイト
REINS Market Informationや土地総合情報システムは、過去の成約事例を調べることができます。また、楽街や建美家などの投資用物件のポータルサイトでは、現在売り出している物件の売り出し価格を調べることができます。
上記のサイトで相場価格と利回りをチェックしてみましょう。
1-2.売却価格以外のアピールポイントの例
価格以外のアピールポイントとは、具体的には以下のようなポイントになります。
- 居住年数は長い傾向がある
- 立地的に資産価値は落ちにくい
- 将来性が高い
たとえば、過去の居住者の傾向として「居住年数が長い」という特徴があれば、利回りは多少低くても空室リスクの低さをアピールできます。
また、物件が駅近だったり周辺で開発予定があったりと、資産価値が落ちにくく将来性があるなら、その点もアピールポイントになります。
上記のようなアピールポイントを探し、不動産会社の営業担当者にしっかりアピールしてもらうようにしましょう。価格以外の面に魅力を感じてもらい、投資用マンションが売れる可能性を上げることが可能です。
2.外観が劣化している物件は修繕履歴をきちんと説明する
2つ目の改善ポイントは、築古物件は修繕履歴をきちんと説明するという点です。
売れない投資用マンションは外観の劣化が激しいケースがあります。購入検討者へ室内の修繕履歴をきちんと説明することで、外観の劣化が激しいというデメリットが解消される可能性があります。
以下より、そもそも外観が劣化している物件が売りにくい理由と、修繕履歴を説明する際のポイントを解説します。
2-1.オーナーチェンジ(居住中)の物件では室内の確認ができない
投資用マンションが「居住中」の状態で売るオーナーチェンジ物件である場合、購入検討者は室内の確認が出来ないため、室内は修繕されており比較的きれいな状態でも、購入検討者はその点を確認できません。
だからこそ、修繕履歴によって室内は修繕済であることを購入検討者に伝えることが重要になります。
2-2.修繕履歴を説明する際のポイント
修繕履歴を説明する際のポイントは以下の点です。
- 修繕内容を営業担当者に全て報告する
- 広告にきちんと掲載する
- 大規模修繕の予定も記載
まずは、過去に修繕した内容を営業担当者に全て伝えましょう。具体的な修繕内容が記載されている資料があれば、その資料を営業担当者に渡しておきます。
また、「○○年に修繕履歴あり」など広告にきちんとアピールすることも重要です。修繕履歴を営業担当者に伝え、出来るだけ売主自身も広告をチェックしておきましょう。
3.投資用マンションの内覧前に室内の手入れをする
3つ目の改善ポイントは、内覧前に室内の手入れをすることです。なぜなら、売れない投資用マンションは「室内の印象が悪い」という特徴があるからです。
ただし、上述したように投資用マンションは居住中の状態で売却することも多いため、この改善ポイントは「空室状態で売るとき」の対策になります。
この章では、具体的に室内を手入れするポイントである以下について詳しく解説します。
- 水まわりは重点的に清掃する
- 定期的に換気も行う
- 封水は貯めておく
3-1.水まわりは重点的に清掃する
室内を手入れする1つ目のポイントは、水まわりは重点的に清掃しておきましょう。水まわりはカビが生えやすく、汚れも目立つ箇所だからです。
投資用マンションの場合は、購入検討者がそのマンションに住むわけではありません。しかし、第三者に賃貸することを想定した場合には、水まわりをはじめ室内が汚れていると「入居者が付きにくいのでは?」と、購入検討者に思われてしまう可能性があります。
そのため、汚れが目立つ水まわりは特に重点的に清掃しましょう。内見する度に清掃しておくことが理想です。
3-2.定期的に室内の換気を行う
室内を手入れする2つ目のポイントは、定期的に換気も行うことです。換気を行わないと湿気が溜まりやすく、室内に臭いがこもりやすくなります。そのため、清掃するたびに窓を開けて換気しておきましょう。
仮に雨が降っている場合は換気できないため、エアコンや換気扇を回して室内の空気を循環させておくと良いでしょう。
3-3.封水は貯めておく
室内を手入れする3つ目のポイントは、封水を貯めておくことです。封水とは、トイレや洗濯パンなどに貯まっている水のことで、配管からの臭いを封じ込める役割があります。
トイレの封水は量が多いので簡単に蒸発しませんが、洗濯パンの封水は2週間前後で蒸発します。封水が蒸発すると配管の臭いが部屋に充満する可能性があるため、掃除のときに封水は貯めておくようにしましょう。
トイレは一度水を流せば新しい封水が貯まります。洗濯パンやキッチンシンクは、ペットボトルにいれた水を流すことで封水を貯めることができます。
4.不動産会社の広告戦略をチェックする
4つ目の改善ポイントは、不動産会社の広告戦略をチェックすることです。売れない投資用マンションは広告によって上手く物件をアピールできていない可能性があるためです。
不動産会社の広告戦略をチェックする方法は以下を確認することです。
- 広告のボリューム
- 独自のチャンネルを持っているか
それぞれ詳しく解説します。
4-1.不動産会社による販売広告のボリューム
確認すべき1つ目は広告ボリュームです。不動産会社によって広告ボリュームは異なりますが、集客力のある不動産会社は以下の広告を利用しています。
- レインズへの登録
- チラシ配布
- ポータルサイトへの掲載
- DMなどでの直接アプローチ
- 現地見学会などイベント開催
そのため、まずは現在実施している広告を不動産会社へヒアリングして、上記の広告が実施されているか比較してみましょう。上記のうち「実施していない広告」を実施できるかどうか、不動産会社へ依頼してみましょう。
それでも広告を実施できなければ、上記の広告を実施してくれる不動産会社への変更を検討することも大切です。
ただし、不動産会社では広告費以外にも人件費、物件調査費、書類作成費などの経費が掛かっています。物件の仲介料によってこれらの経費を捻出するため、物件の価格によっては積極的な広告展開が難しい場合もあります。
いきなり不動産会社の変更を進めてしまうのではなく、広告ボリュームを増やせるかどうか、まずは相談をしてみるのが良いでしょう。
4-2.独自のチャンネルを持っているか
確認すべき2つ目は、独自のチャンネルを持っているかどうかです。たとえば、大手不動産会社であれば、売り物件をラインナップしている自社サイトを持っています。つまり、前項の広告以外に、自社サイトからの集客も見込めるということです。
また、中小企業でも過去の顧客リストを持っていたり、積極的にセミナーを開いて新規顧客の獲得をしている不動産会社があります。
現状マンションが売れていないのであれば、このような独自のチャンネルを持っている不動産会社への変更を検討してみましょう。
【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧
まとめ
このように、売れないマンションには特徴があり、その特徴に応じて対策はことなります。
ここでは、主な原因となりやすい「価格以外のアピールポイントを考える」「修繕履歴を説明する」「内覧前に室内の手入れをする」「広告戦略をチェックする」という4つの改善ポイントを取り上げました。
まずは、自分のマンションの特徴を整理しましょう。その後、上記4つの改善ポイントのどれを実施すべきか決めるかを検討し、対策を講じていきましょう。
中村 昌弘
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