フリーランス(自営業)が不動産投資を始める方法は?手順や注意点を解説

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フリーランスなどの自営業を営む人が活躍する中、本業とは別に収入を得たいと考え、不動産投資へ注目している方も多いのではないでしょうか。

しかし、会社員や公務員と比べて収入が不安定なこともあるため、金融機関の審査に通りにくかったり、本業への影響などが注意点になったりするなど、フリーランスならではの難しさが課題となることもあります。

そこでこの記事では、フリーランスや自営業の方が不動産投資を始めるときの方法や注意するべきポイントについて詳しくご紹介するので、参考にしてみてください。

目次

  1. フリーランス(自営業)が不動産投資を始める時の課題
    1-1.本業と不動産の資金バランス
    1-2.収入が一定ではない
    1-3.金融機関の審査に通りにくい
    1-4.本業への影響
    1-5.収益や税務への不安
  2. フリーランス(自営業)が不動産投資の始める時のポイント
    2-1.物件の選び方
    2-2.金融機関の選び方
    2-3.不動産会社の選び方
    2-4.事前に必要な準備
  3. まとめ

1.フリーランス(自営業)が不動産投資を始める時の課題

まずは、フリーランスや自営業の方が不動産投資を行う際の課題について確認してみましょう。

1-1.本業と不動産の資金バランス

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資方法ですが、初期費用が他の投資と比べて高くなりやすいのが特徴です。資金が不十分だと不動産投資のための融資で頭金を出すことが難しかったり、好条件の物件を購入できなかったりすることもあります。

本業や不動産経営のどちらかで資金面のトラブルが発生すれば、片方へのしわ寄せが起きる可能性があり、本業と不動産の資金バランスの調整が一つの課題となります。

1-2.収入が一定ではない

フリーランスの収入は、公務員や会社員と比べて一定ではありません。現在の経営が上向きでも、将来悪化する可能性もあります。

フリーランスは返済能力の点でトラブル時の不安が大きく、金融機関なども融資を渋ることがあります。不動産投資で融資の利用を積極的に考える場合、不利になることもあります。

1-3.金融機関の審査に通りにくい

不動産投資では不動産の購入に多額の資金が必要になるため、金融機関から融資を受けるケースが多くあります。融資審査の際、金融機関は物件の収益性だけでなく、借り手の返済能力をチェックしますが、収入の不安定なフリーランスはその属性上、低く評価される傾向にあります。

金利や返済期間について有利な条件を提示して貰えなかったり、頭金を多めに準備する必要があったりするなど、資金調達が課題になりやすいのも特徴です。

フリーランスだと必ずしも審査に通らないわけではありませんが、同程度の年収を持つサラリーマンや公務員の方と比較すると、融資審査で不利に働く可能性が高いと言えます。

1-4.本業への影響

不動産投資を行うことによる本業への影響も不安材料です。現物の不動産投資は、REIT(不動産投資信託)や不動産小口化商品とは異なり、購入後の管理や売却戦略を含む賃貸経営を行う必要があります。

特に、最初のうちは客付けや入居者対応のための時間を取られることも多く、数年経過すれば建物や設備の修繕を行う必要もあります。このような物件の管理業務に時間や手間をかければ本業へ割く時間が減り、本業での売上に影響する可能性もあります。

また、不動産経営に伴って損失が発生すれば、その穴埋めを自己資金で行う必要があります。その影響で本業の資金繰りが苦しくなることも、懸念材料となります。

1-5.収益や税務への不安

フリーランスの不安要素として、収益や税務への不安もあります。不動産投資によって得られる収入は、基本的に「不動産所得」となり、事業による「事業所得」とは区別されます。

そのため、事業収益に対する直接的な影響はありませんが、税務上は課税所得として合算されるため、収入によっては税率が高くなる可能性もあります。

逆に、不動産経営に要した経費等で税控除につながる場合もあります。税務がより複雑になるため、税理士に相談しながら進めることも検討してみましょう。

2.フリーランス(自営業)が不動産投資の始める時のポイント

属性や本業への影響を考えるとフリーランスは不動産投資を始めにくいこともあるため、会社員や公務員とは異なる戦略を立てる必要があります。詳しく見ていきましょう。

2-1.物件の選び方

物件選びは収益だけでなく、融資の可否にも影響してくるため重要なポイントです。金融機関は個人の属性だけではなく、物件の価値や想定される収益などを予想し、個人の属性と合わせて融資の可否を判断しています。

不動産投資で継続的に一定の家賃収入を得るためには、物件の収益性をしっかりと判断していく必要があります。家賃相場や物件の利回りだけでなく、市場となる近隣の様子や交通事情などを詳しく調べ、経営が成り立つ物件を選ぶことが大切です。

将来的な売却も考えた上での資産価値や継続的な賃貸需要が見込める物件であるかといった点もポイントです。

2-2.金融機関の選び方

不動産投資では金融機関選びが重要です。収入の不安定なフリーランスは不利になることもあるため、金融機関を選ぶ際には次のようなポイントを基準に検討してみましょう。

付き合いのある金融機関を選ぶ

フリーランスの場合、事業のメイン口座を持っている金融機関だと取引実績や事業の様子も金融機関側が把握しやすいため、審査が通りやすくなることがあります。

また、不動産会社と付き合いのある金融機関の場合、過去の不動産投資の取引実績や不動産の収益性などを考慮し、条件や審査を優遇してくれることもあります。

このほか、親族が保証人になってくれる場合、審査が通りやすくなることもあり、その保証人が金融機関と取引があればさらにプラスに働く可能性があります。

対象の金融機関の融資実績を作る

日頃から金融機関と良い付き合いをしておくことも重要です。金融機関から融資を受けることができたら、早めに返済することで融資実績を作り、追加融資が可能になることもあります。

ただし、金融機関によって金利や条件は大きく変わります。多少金利が高くても融資を受けることが最優先になると、毎月の利息返済が負担となり、返済計画が破たんする可能性も高まります。金利や融資年数などの条件も考慮するようにしましょう。

2-3.不動産会社の選び方

不動産投資についての相談に乗ってくれたり、候補物件を提案してくれたりする不動産会社は、不動産投資において重要なポイントです。

金融機関との取引実績が多い不動産会社を選ぶ

不動産会社選びでは、金融機関との取引実績が多いことを重視してみましょう。特に、フリーランスの場合、主には地方銀行や信用金庫またはノンバンクから融資を受けることになる可能性が高く、これらの金融機関等とのつながりがあるかも重要なポイントです。

また、提携先の金融機関が多いことも大切です。取引している金融機関が多い不動産会社では、例えばA行で融資を断られてもB行、C行と次々に提案してくれるためです。

担保評価の高い物件を提供している不動産会社を選ぶ

前述したように、金融機関は投資家の属性だけでなく物件の担保評価も重視しています。担保性の高い物件を選ぶことにより、属性評価の低さを補える可能性があります。

不動産投資会社の中には、金融機関の融資審査で好評価を得るために詳細な資料を用意していたり、過去の運用実績を積んでいることがあります。

このような金融機関の融資審査に強い物件を提供している不動産投資会社を探すことも、フリーランスが不動産投資を検討する際には重要なポイントと言えます。

物件管理も依頼できる不動産会社を選ぶ

本業が忙しく時間が取りにくい場合、管理業務も委託できる不動産会社を探しておくとスムーズです。最初から管理の見積りを不動産投資の計画に反映させることができ、不動産会社もそのぶん丁寧な提案や対応をしてくれます。

物件管理だけでなく、税務処理についても相談できたり、税理士を紹介してくれたりする会社だと不動産経営の手間も楽になります。

2-4.事前に必要な準備

その他、個人事業主が不動産投資を行う場合、次のような点を押さえておくとスムーズに準備を進めることができます。

資金はできるだけ準備しておく

不動産投資はフルローンで行える場合もありますが、物件の収益性や属性が優れている場合や、不動産投資の経験が豊富な人などに限られてきます。

フリーランスの場合、借入の限度枠が少なくなる懸念があるため、頭金は無理のない範囲で多めに準備しておくことが大切です。物件価格の3割以上の頭金を用意できると、融資がスムーズに進む場合もあります。

投資資金と手元に残す資金のバランスをよく考える

不動産投資では空室や家賃滞納、自然災害などのリスクがあり、どれだけ条件の良い物件でも毎月の収入が保証されているわけではありません。そのため、いざという時のために使える資金を手元に残し、無理のない範囲で購入できる物件を検討することも重要です。

過去3年~5年の年収を一定以上に保つ

金融機関で審査を受ける際、事業の売上や税務書類などの提出を求められることがあります。この時、個人の年収が低かったりバラつきがあると、収入が不安定とみなされる可能性があります。過去3年~5年程度の収入にできるだけバラつきが無いように注意しておきましょう。

また、このような書類の準備に時間がかかったり、抜け漏れが無いようにすることも重要です。資料で不備があると、審査にも悪い影響が出る可能性があります。必要な資料については期限内に準備し、不備などがないように努めましょう。

まとめ

不動産投資は収入アップや本業のリスクヘッジとなり得る投資方法の一つです。

フリーランスはその属性上、会社員や公務員よりもスムーズに進まないこともありますが、融資を受ける際の課題や物件選びについて戦略をたて、上手に対処することが重要です。

不動産投資会社や金融機関の協力も得ながら、ひとつひとつ対応していきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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