中古マンション投資で失敗しない物件の選び方は?築年数・エリア・利回りを検証

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中古ワンルームマンション投資を検討するうえで、物件選びは非常に重要なポイントとなってきます。新築時よりも経年劣化による設備不良が起きていたり、空室率が悪化している可能性もあるためです。

そこで今回のコラムでは、築年数、エリア、利回りのデータを用いて検証し、投資用中古マンションの選び方を考えていきます。失敗しない不動産投資のためにも、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 中古マンション投資における物件選びのポイント
  2. 築年数から考える失敗しない中古マンション投資
  3. エリアから考える失敗しない中古マンション投資
  4. 利回りから考える失敗しない中古マンション投資
  5. 投資用中古マンションの探し方
  6. まとめ

1 中古マンション投資における物件選びのポイント

中古マンションを用いた不動産投資を行う場合、物件選びは慎重に行う必要があります。投資用の中古マンションを選ぶ際にはポイントがいくつかありますが、代表的なものが下記になります。

  • エリア
  • 間取り
  • 築年数
  • 利回り
  • 物件の状態
  • 入居率
  • 修繕履歴
  • 入居者の有無
  • 管理体制
  • 外観のデザイン
  • 周辺環境、など

通常、より条件の良い物件になるほど物件価格が上昇するため、表面利回りが低下していくことになります。つまり、すべての条件において理想通りの物件を見つけることは非常に難しいため、自身の経営スタイルや意向などに合わせて優先順位を設けて探していくことになります。

2 築年数から考える失敗しない中古マンション投資

下記の表は、首都圏で2020年1月〜12月までに成約した中古マンションの単価を、築年数別に表したものです。

築年数 ㎡単価 下落率
築0年〜5年 88.16万円
築6年〜10年 75.28万円 85.4%
築11年〜15年 62.86万円 83.5%
築16年〜20年 57.46万円 91.4%
築21年〜25年 46.93万円 81.7%
築26年〜30年 31.09万円 66.2%
築31年〜 33.33万円 107.2%

※出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)

㎡単価の下落率を見ると、築10年未満の物件であれば「築0〜5年」の約8割、「築11〜20年」の物件は約6割程度の価格で購入できることが分かります。また、築21年以上になると半額程度に値下がりしていることが分かります。

これらの数字から、中古マンションの築年別に不動産投資における特徴をまとめたのが下記の表です。

築年数 特徴
築5年〜10年程度 ・物件価格は新築時の8〜9割程度
・家賃が下落し始めているが大きな下落はしていない
・トレンドに沿った設備仕様などで入居者の確保はしやすい
築10年〜20年程度 ・物件価格は新築時の6〜7割程度
・家賃は10%程度下落している
・大規模修繕工事が行われる可能性がある
・設備機器の劣化・故障が気になる
築20年以上 ・物件価格は新築時の5割程度
・家賃は築10年からほとんど下落していない
・周辺の状況にもより、入居者の確保が難しいケースもある
・大規模修繕工事の規模が大きくなる可能性がある
・設備機器の更新が必要になり、室内のリフォームも検討される

これらの特徴は、個別の物件やオーナーの状況、考え方などによって、メリットにもデメリットにも感じるものです。

ただし、平均的に捉えると築10年〜20年前後の物件は新築よりも安く購入でき、大幅な家賃の下落も起こりにくい、という傾向があると言えるでしょう。その他、「長期間にわたって運用する」、「価値が下落しないうちに売却する」といったように、築年数に合わせて出口戦略の選択肢も複数考えられます。

3 エリアから考える失敗しない中古マンション投資

不動産総合ポータルサイト「SUUMO」が2017年に行った「一人暮らしのこだわり条件調査」によると、「駅から歩いて10分未満の家に住みたい」と答えた人が約85%に及んでいることが報告されています。

その回答を抜粋したものが下記の表です。

駅からの距離 割合
3分未満 10.8%
3分~5分未満 26.8%
5分~7分未満 24.0%
7分~10分未満 23.2%
10分~15分未満 10.8%
15分~20分未満 2.4%
20分以上 2.0%

※出典:SUUMO賃貸「一人暮らしのこだわり条件調査

ただし、別の質問によると、最寄り駅まで「徒歩10分未満」のところに実際に住んでいる人は約64%で、「徒歩15分未満」まで含めると約85.2%となります。つまり、理想としては徒歩10分以内の場所に住みたいが、徒歩15分のところに住んでいる人もいると考えられます。

このことから、中古マンションによる不動産投資を行う場合、徒歩10分未満であれば入居者の確保はしやすく、徒歩15分程度でも入居者を確保できる可能性があると推測できます。そのため投資用の中古マンションを購入する場合、最寄駅から10分未満のエリアで選ぶと失敗しにくいと考えられます。

ただし、最寄り駅からの距離だけではなく、学校や職場などの距離、あるいは生活利便施設の充実などを重視する人もいます。最寄り駅からの距離を含めた利便性を総合的に判断することで、入居者を確保しやすい物件を探すことができます。

4 利回りから考える失敗しない中古マンション投資

下記の表は、不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)「収益物件市場動向四半期レポート2022年1月〜3月」によって報告された、区分マンション投資の築年別の表面利回りです。

築年数 表面利回り
築10年未満 4.63%
築10年〜築19年 5.19%
築20年〜 8.37%

※出典:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)「収益物件市場動向四半期レポート2022年1月〜3月」より抜粋。

上記の利回りはあくまでも表面利回りの数値であり、実質利回りや入居率などは個別の物件で異なります。物件探しの際はより詳細に物件を精査することが必要になります。

特に、周辺相場よりも利回りが高すぎる物件には要注意です。設備不良が起きていたり、販売時点の家賃設定が高すぎる物件の可能性もあるため、利回りだけで判断しないように慎重に判断していきたいポイントと言えます。

5 投資用中古マンションの探し方

投資用の中古マンションを探すには、エリアや築年数、間取り、利回りなどの優先順位を定め、希望の物件の方向性を決めておくとスムーズに進めることができます。

代表的な物件の探し方には下記の方法があります。

  • 不動産情報ポータルサイトで検索する
  • 不動産会社に相談する
  • 不動産情報を取り扱う情報誌を読む
  • 新聞の折り込み広告を集める
  • 不動産投資セミナーに参加する
  • 不動産投資をしている先輩オーナーに相談する

SUUMOなどの不動産情報ポータルサイトで検索をして物件情報を確認したり、不動産投資会社が開催している不動産投資セミナーに参加する方法も良いでしょう。

この時、1社だけに相談するのではなく複数社の提案内容を比較することも重要なポイントです。また、不動産会社によっては自社の物件のメリットばかりを強調してしまうこともあるため、自身が希望している物件とは異なる物件タイプの不動産投資セミナーを受講してみることも、情報収集の手段として効果的です。

不動産投資セミナーを行っている不動産会社としては、例えば、東京・横浜エリアの新築・中古ワンルームマンションの販売を手がける「湘建」などがあります。

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まとめ

中古マンション投資は、適切な物件を選ぶことで失敗しにくくなるものです。そのため、物件選びはとても重要です。

中古マンションの築年数を見てみると、新築から数年程度しか経過していない物件の価格は高い反面、高い入居率に期待できるなどメリットとデメリットが隣り合わせになっています。自身の投資目的や投資スタイルをある程度決めてから、物件選びを始めることが大切です。

また、中古マンションを探す際は1つの物件や1社の不動産投資会社だけに注目するのではなく、できるだけ複数の案件を比較されてみると良いでしょう。複数の案件を比較していくことで不動産投資の知識も身に付き、失敗しない物件選びに繋がっていきます。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。