アパート経営で入居者から人気の間取りや設備は?入居率98%以上のアパート会社の建築事例も

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アパート経営において立地は重要なポイントですが、加えて入居者のニーズにマッチした部屋でないと入居率を引き下げる要因になります。特に、間取りと設備は快適な暮らしのために重視されやすいポイントとなっています。

しかし、アパートの間取りや室内設備のグレードを上げるには新たな投資が必要です。入居者のニーズに合わせて、優先順位の高いものから検討することが大切です。

そこで今回のコラムでは、人気の間取りや設備について解説し、入居率が98%以上の実績を持つアパート会社の事例も紹介していきます。

目次

  1. アパート経営の入居者ターゲット別の人気の間取り
    1-1.単身者(学生)に人気のある間取り
    1-2.単身者(社会人)に人気のある間取り
    1-3.ファミリー世帯(若い夫婦)に人気のある間取り
    1-4.ファミリー世帯(子供のいる夫婦)に人気のある間取り
  2. アパート経営で入居者から人気の設備
    2-1.インターネット無料・Wi-Fi無料
    2-2.セキュリティ対策
    2-3.宅配ボックス
    2-4.対面式キッチン
    2-5.競合物件との差別化に最適な設備
  3. アパート経営で人気の間取りや設備を導入する不動産会社の事例
    3-1.シノケンプロデュース
    3-2.アイケンジャパン
  4. まとめ

1 アパート経営の入居者ターゲット別の人気の間取り

住む人によって過ごしやすい間取りや部屋の広さがあります。アパート経営では、先に入居者のターゲットを絞り込んだうえで、適切な間取りを検討していくことが重要です。ここでは、「単身者向け(学生・社会人)」「ファミリー向け(若い夫婦・子供のいる夫婦)」に分けて人気の間取りを紹介します。

1-1 単身者(学生)に人気のある間取り

大学などに近い場所でアパート経営を始める場合、入居者ターゲットの一番手として考えられるのが学生です。このときの間取りの選択肢は、通常ワンルーム、1K、1DK、1LDKの4つになります。

住まいに対する考え方は人それぞれですが、日中は学校で夜は部活動やバイトなどのため、部屋にいられる時間は限られています。そのため、専有面積はそれほど広くなくても良いというのが学生向けアパートの特徴の一つです。

ただしワンルームや1Kであっても、ロフトを設けたり、収納スペースの広さを確保しているアパートは競合物件と差別化され、人気を集めやすいと考えられます。

1-2 単身者(社会人)に人気のある間取り

学生に比べて住居費にお金をかけられる社会人向けのアパートの場合、1DK、1LDK、2DKなどが選択肢になります。12畳などの広めのワンルームや1Kで家賃を抑えることも考えられますが、リモートワークの浸透などで部屋がいくつかに分かれている方が人気を集めやすくなっています。

ロフトを設ける場合でも、フロアステップを採用したりなど、快適性とデザイン性が両立された部屋は競争力があります。

1-3 ファミリー世帯(若い夫婦)に人気のある間取り

結婚したばかりの夫婦は、マイルーム資金を貯めるために賃貸住宅を選ぶケースが多く、アパート経営の主要ターゲットの一つです。結婚したばかりで共働き世帯が多いということを考えると、機能的でプライベートにも配慮できる1LDKと2LDKが人気を集めています。

子供が産まれ、小学校に上がるくらいまで住んでもらいたい意向がある場合は、収納スペースを大きめに設けたり、LDKを広めにするなどの工夫をすると良いでしょう。単身向けとは違い安全性を考えると、ロフトやステップフロアなどを設けない方が長期間の入居につながると考えられます。

1-4 ファミリー世帯(子供のいる夫婦)に人気のある間取り

小中学校などが近い土地にアパートを建てるのであれば、子どものいるファミリー向けが考えられます。その際、間取りは2LDKか3LDKのどちらかで検討されることが多いと言えるでしょう。

家族が集まりやすいためLDKは広い方が人気を集めやすく、団らんの時間を確保できるようにキッチンは独立型よりも対面式の方が人気があります。

2 アパート経営で入居者から人気の設備

間取りに加えて、入居者のニーズが強く反映されるのが住宅設備です。設備が充実していると快適性が上がるため、入居者の確保につなげることができます。特に重要度の高い人気の4設備と、競合物件と差別化できる設備について紹介します。

2-1 インターネット無料・Wi-Fi無料

自宅で過ごす際にもスマホやタブレットでの情報収集・閲覧が欠かせなくなっていることから、インターネット無料やWi-Fi無料のアパートは人気があります。人気のエリアでは導入している賃貸住宅も多く、導入されていないと大きく入居率を下げてしまう要因ともなるため注意が必要です。

既存のアパートの場合は周辺の競合物件の状況を確認し、費用対効果や家賃との兼ね合いなども踏まえて検討されると良いでしょう。

2-2 セキュリティ対策

安心して暮らせるように、住居に高い防犯性を求める入居者の方も少なくありません。エントランスのオートロック、防犯カメラ、モニター付きインターフォン、ディンプルキーなど、導入を検討されてみると良いでしょう。

犯罪を防ぐといった点ではオートロック、抑止力では防犯カメラが優れており、両方設置している物件の場合はより安全として競合物件との差別化になると考えられます。特に、女性向けのアパートである場合には必須の項目として探している方も多くいます。

女児大学や病院、看護学校などの近くのアパートは女性の入居者が多くなることも想定されます。高い防犯性を持つアパートであれば、募集時にも良い印象を与え、選ばれやすくなることが期待できるでしょう。

2-3 宅配ボックス

ネットショッピングの利用増を受けて、人気が高まっているのが宅配ボックスです。後付けできるタイプもあり、既存のアパートに導入することも可能です。

家にいなくても荷物を受け取れるため、日中は仕事や学校などで外出している単身世帯、共働き世帯の両方から人気があります。宅配業者を装った犯罪などを回避することもでき、防犯性という側面からも必須と考えている入居希望者の方もいます。

2-4 対面式キッチン

家族との対話ができるということで人気の対面式キッチンですが、単身者向けでも採用するアパートが増えてきています。壁に向かって料理をするよりも、広々とした空間を見ながらの方が快適に料理をすることができるという声が聞かれます。またダイニングとリビングからもキッチンが見えるということで、整理整頓につながるとも考えられます。

近年ではより快適な暮らしができるように、タッチセンサー水栓、浄水器、食器洗浄乾燥機など機能性の高いキッチンが設置されている例も見られます。ファミリー向けではキッチンの使いやすさで部屋が決まることもあり、子供がいる世帯からはIHの方が安全性が高く人気です。

2-5 競合物件との差別化に最適な設備

入居者から人気の設備はすでに導入されているケースがあり、他物件と差別化したいという意向をお持ちのオーナーの方はニーズを先取りして設備の導入を考える必要があります。例えば、防災対策に配慮した設備です。

室内の収納スペースに、防災アイテムセットなどを用意するほか、停電時に使える蓄電池などの非常用電源を用意するといったことも考えられます。近年は大規模な自然災害が多く、このような設備を設けているアパートは防災意識の高い入居者から選ばれる可能性が高くなります。

また、入居者により快適な暮らしをしてもらえるよう、アパートをIoT化するプランを用意しているアパート会社もあります。IoTとはInternet of Thingsの略語で、家電製品などがインターネットを経由してつながる仕組みのことです。

IoT物件の代表的な設備は以下になっています。

  • 家電の操作ができるAIスピーカー
  • スマホで鍵の開け閉めができるスマートロック
  • 照明やエアコンなどが遠隔操作できるルームコントローラー
  • スマホで操作ができるネットワークカメラ
  • スマホで映像が確認できる防犯カメラ
  • リモコンで操作できる電動カーテン
  • スマホと連動するインターフォン
  • 顔認証や指紋認証によるオートロック開錠、など

拡張性があるため、時代に合わせてアパートをさらに進化させることも可能です。利便性や快適性が向上するだけではなく、高いセキュリティ面もアピールすることができるため、入居者を確保しやすいと考えられます。

IoT物件は普及し始めたばかりで、対応している管理会社が多くないなどの注意点があります。家賃を高めに設定できますが、導入費用に加えて、メンテナンス費用も従来型のアパートに比べて高額になることも注意点です。

3 アパート経営で人気の間取りや設備を導入する不動産会社の事例

企画・開発したアパートを提供するアパート会社では、他社との差別化ができるように特徴的な間取りを用いたり、先進的な設備の導入を提案し、高い入居率につなげています。ここでは、特徴的な間取りや設備を導入し、98%以上の入居率を確保している2社のアパート会社を紹介します。

3-1 シノケンプロデュース

シノケンの不動産投資セミナーシノケンプロデュースは、一般投資家向け賃貸住宅経営のパイオニアとして知られているアパート会社です。土地の選定から企画、設計、施工、引き渡し後の賃貸管理まで一貫したサービスを提供しており、これまで供給したアパートは自社施工で6,000棟を超えています。「賃貸住宅に強い建築会社ランキング」(全国賃貸住宅新聞)では、自社開発物件部門でのNo.1を2015年度から2022年度の8年連続で獲得しています。

グループ会社のシノケンファシリティーズの管理戸数は47,000戸以上(2023年12月末時点)、入居率98.56% (2023年年間平均入居率)と高い水準を維持しています。これは5,000店舗以上(2021年4月時点)の仲介業者と提携し、良好な関係を築いていることも要因の一つです。

シノケングループは融資に強く、日本で初めて新築アパート経営において独占提携ローンを提供したことでも知られています。オーナーの属性によっては、金利1%台、RC物件と同程度の35年の返済期間の融資プランも用意されています。中には100%融資が可能な金融機関もあります。

高稼働を維持できるアパートを供給

シノケンプロデュースのデザイナーズアパート

シノケンプロデュースでは、「高稼働を維持できること」を目指してアパートを企画・開発しています。

そのポイントの一つが、通勤や通学がしやすいような立地です。大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内、賃貸需要の豊富な最寄り駅から徒歩10分以内を基準にしています。また、スタイリッシュかつ機能的なデザインもポイントです。専属デザイナーが土地の形状や条件、建築のトレンドを生かしつつデザインを施していきます。

デザイン力の高さとして、2016年にはグッドデザイン賞をダブル受賞している実績もあります。狭い敷地面積でも快適な居室を提供できるようロフトが付いたアパートブランドを各種用意してあり、中でも「ライズ」はダブルロフト付きのスキップフロアで、快適な空間を演出しています。

IoTアパートの「シノケンインテリジェントアパート」を供給

シノケンプロデュースのアパートは、独立洗面化粧台、サーモスタット付水栓、システムキッチン、カラーモニター付きインターフォンなど快適性を向上させる住宅設備が標準装備しています。また、オートロックや防犯カメラなどの防犯設備も多彩に用意しています。

「長く住みたい部屋」を実現するために資産価値の高いアパートも提案しており、賃貸住宅のIoT化には2003年から取り組み、「シノケンインテリジェントアパート」の供給を開始しています。温度・湿度・照度の把握に加えて、スマートロックを利用した防犯性能が高い居室になっています。

シノケンインテリジェントアパートに採用されている、テクノロジーを活用した具体的な防犯対策は以下です。

  • スマホやICカードがカギになるスマートロック
  • 異常を感知して知らせるウインドウセキュリティ
  • スマホと連動する室内カメラやインターフォン

またエアコン、TV、照明、空気清浄機、お掃除ロボ、電動カーテンといった赤外線リモコンで動作する家電がスマートフォンで一元管理できるなど、拡張性の高いシステムも特徴です。

3-2 アイケンジャパン

株式会社アイケンジャパンアイケンジャパンは、新築アパートの企画・設計・販売・管理をワンストップで提供しているアパート会社です。「堅実なアパート経営」をコンセプトとして掲げ、「GRANDTIC(グランティック)」「REGALEST(レガリスト)」などのアパートブランドを全国に展開しています。2021年12月には、アパート供給棟数が1,000棟を突破しています。

2023年3月末時点で8,313戸の賃貸管理を行っており、2022年1月から12月までの平均入居率は99.4%となっています。アパート経営は入居率が下がると、フリーレントや家賃の値下げといったオーナーの負担が大きく、効果が一時的な対策を行う管理会社もありますが、そうした対策は一切せずに高い水準を維持しています。

また同社では、新築時に提案した年間の想定家賃収入に対して、実際の家賃収入の割合を示す数値を収益稼働率として表しています。2023年6月末時点で、同社が企画・開発した物件の収益稼働率は98.6%となっています。

アパートと思えないような設備が標準装備

アイケンジャパンのアパート

アイケンジャパンのアパート

アイケンジャパンでは、土地選定を「アパート経営の要」とし、「老朽化しても入居者から選ばれるかどうか」を基準に、「入居者が入り続けるエリア」のみを厳選しています。最寄り駅から徒歩15分以内など独自の基準を設けており、クリアした土地以外は販売しない方針をとっています。

また女性の社会人を意識したプランを提案しており、住み心地と満足感を提供するため、追い焚き機能付き浴室乾燥機やビルトインキッチン、温水洗浄便座、浴室テレビといったアパートとは思えないような設備を標準としているのも特徴です。

他にはない住空間の提供で競合物件と差別化を図る

アイケンジャパンでは、シンプルかつ高級感のあるデザインを得意としており、アーバンライフを楽しむ入居者に喜ばれやすい高いデザイン性を持っています。

複数のプランを用意しており、中でも競争力の高い特徴的な住空間を提供しているのが「GRANDTIC L-STYLE」です。ロフト付きの1LDKで、広々としたLDKと独立したベッドルームに加えて使い勝手のいいロフトが設けられています。生活空間を用途別に使えるため、単身者にも若い夫婦にも向いています。

また、生活動線を考えた3階層の「RIZEST(ライゼスト)」も、他物件との差別化がしやすい間取りをしています。キッチン、サニタリー、ダイニングスペース、ロフトを階段によって区切っており、他にはない住空間を提供することができます。

通常の1LDKが標準の「REGALEST」も、広々として家具が置きやすいLDKと独立したベッドルームを配置するなど入居者の目線に立った間取りを提案しています。

まとめ

入居率の高いアパートを目指すなら、立地に加えて、間取りや設備にもニーズを反映させる必要があります。そこで今回のコラムでは、入居者ターゲット別に人気の間取りを解説し、競争力の高い設備も紹介しました。

また、入居率の高いアパート会社で導入している間取りや設備の事例も紹介しました。敷地面積を有効活用できるようロフトを効果的に配置したり、アパートとは思えないようなグレードの高い設備の導入などで高い入居率につなげています。

このように競争力の高いアパートを手掛けているアパート会社についてより詳しく知りたい方は、資料の請求やセミナーへの参加を検討されると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。