離婚にあたって不動産は売却するべき?財産分与のポイント4つ

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離婚をする際、財産をどのように分けるかは悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に不動産の場合は離婚をする前に売却すべきかどうか判断が難しいところです。離婚に当たって不動産はどのように扱えば良いのでしょうか。

この記事では、離婚に当たって不動産を売却するタイミングと、財産分与の考え方についてご紹介します。

目次

  1. 財産分与ができる場合とできない場合
    1-1.共有財産
    1-2.特有財産
  2. 財産分与の対象とならない不動産
    2-1.親から相続した不動産
    2-2.婚姻前に現金で購入した不動産
  3. 不動産を財産分与する場合
    3-1.オーバーローンかアンダーローンかで分け方が変わる
    3-2.不動産を売却して離婚をする場合
    3-3.夫がローンを支払いながら住み続ける場合
    3-4.夫がローンを支払いながら妻が住み続ける場合
    3-5.不動産の名義だけ妻に変えてローンを夫が支払う場合
  4. 保証人になっている場合の対処の方法
    4-1.ローンを借り換える
    4-2.代わりの保証人を据える
  5. まとめ

1.財産分与ができる場合とできない場合

離婚して財産分与をする際は、財産分与が出来るものと出来ないものに分けて考えなければいけません。どのようなことが基準になるのかを見てみましょう。

1-1.共有財産

婚姻中に2人で築いてきた財産を共有財産と言い、離婚の際は2人で分けることができます。例えば不動産や車、有価証券、預貯金などが共有財産の対象になります。

また、不動産の名義が夫の名義であったとしても婚姻中に購入した場合は共有不動産となり、離婚の際は財産分与の対象となります。

1-2.特有財産

婚姻中に2人で築いたものではなく、どちらかが結婚する前から所有していたものや、婚姻中でも夫婦の協力で築いたものではない財産のことを特有財産と言います。

特有財産は財産分与の対象にはなりません。例えば、独身時代から所有していた不動産や定期預金などは特有不動産となり、財産分与の対象にはなりません。

2.財産分与の対象とならない不動産

特有財産の場合、以下の不動産は財産分与の対象になりませんので注意が必要です。

  • 親から相続した不動産
  • 婚姻前に現金で購入した不動産

それぞれ詳しく見て行きましょう。

2-1.親から相続した不動産

親から相続した場合、夫婦で協力して築いたものとは言えません。そのため離婚の際は財産分与の対象になりません。

2-2.婚姻前に現金で購入した不動産

婚姻前に夫婦のどちらかが現金で購入しており、すでにローンを完済していたりする不動産の場合は、婚姻後に夫婦で協力して築いたものではありませんので、財産分与の対象にはなりません。

しかし、婚姻前に購入した不動産でも、婚姻後もローンを支払っている場合はローンを支払った分が夫婦で築いた財産となり、その部分が財産分与の対象になります。

3.不動産を財産分与する場合

では具体的に不動産を財産分与する方法を見てみましょう。

不動産の財産分与には不動産を売却して離婚する方法と、売却せずにどちらかが引き継ぐ方法があります。詳細を見てみましょう。

3-1.オーバーローンかアンダーローンかで分け方が変わる

不動産を財産分与する場合は、不動産の現在の価値とローンの残債の関係で選択肢が変わってきます。

ローンの残債が不動産価格を下回っている状態をアンダーローンと言います。アンダーローンの場合、残債と不動産売却による利益の差額分お金が残りますので、それを分けることができます。

一方、ローンの残債が不動産価格より多く残っている状態を、オーバーローンと言います。オーバーローンの場合、不動産売却によってローンの残債を完済することできないため、売却せずにどちらかが住み続け、ローンの返済義務を負うケースが多くなります。

3-2.不動産を売却して離婚をする場合

アンダーローンの状態で不動産を売却して離婚をする場合は、売却して残ったお金を分けることができます。離婚をする時期が決まっている場合は、余裕をもって取り組むことが大切です。

また、不動産の売却価格がローンの残債分に満たないオーバーローン物件を売却する場合、出来るだけ不動産を高く売却し、残債分を減らすことが大切です。

不動産を高く売却するには、複数社に査定が依頼できる不動産一括査定サービスの利用を検討してみましょう。複数の不動産会社を比較することが出来るため、オーバーローンの物件をアンダーローンにできる可能性があります。

不動産の査定方法は不動産会社によって異なります。一度の査定結果だけでオーバーローンだと判断せず、複数の不動産会社による査定を受けてみましょう。

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3-3.夫がローンを支払いながら住み続ける場合

夫が不動産の全てを継承することになります。オーバーローンの場合、不動産はマイナスの財産になりますので、分与の対象にはなりません。しかし、マイナス財産であったとしても妻が納得できない場合は、協議をして負担相当分の金銭を夫が妻に支払うケースもあります。

3-4.夫がローンを支払いながら妻が住み続ける場合

夫がローンの残債を支払いながら妻が住み続ける場合は、夫が妻から家賃をもらうのかもらわないのかを協議する必要があります。

オーバーローンの場合は不動産がマイナスの財産になるため、家賃をもらって分与とみなすのか、ローン完済後は借金のない不動産が夫に残るため、それで分与したものとみなすのかを協議し、お互いが納得したうえで取り組むことが大切です。

3-5.不動産の名義だけ妻に変えてローンを夫が支払う場合

不動産の名義を妻に変えて夫がローンを支払う方法です。ローン完済後の不動産の所有権は妻になりますので、それを持って財産分与とみなす方法です。

しかし、不動産の名義人がこの不動産に住むことが条件で融資されている場合もあり、その場合はこの方法はとれません。

このように、融資を受けた際の条件によって財産分与の方法が限られてくることがあります。売却による財産分与がしづらいオーバーローン物件の場合は、融資を受けた金融機関に相談し、どのような手段がとれるのか確認するのが重要です。

4.保証人になっている場合の対処の方法

金融機関の融資条件によりどちらかが保証人になっている場合、夫がローンの支払いをしなくなれば家に住めなくなったり、妻が残債を支払ったりしなければならなくなります。

そのようなリスクを回避するために、夫や妻が保証人から外れる方法はあるのでしょうか。保証人から外れる方法について見てみましょう。

4-1.ローンを借り換える

別の金融機関、ローン商品に借り換えをして、妻を保証人から外し夫単独でローンを組みなおす方法です。しかし、残りのローン返済額や、返済義務を負う方の年収によっては借り換えが出来ない可能性があります。

住宅ローンの取り扱いがある金融機関に相談し、借り換え可能かどうか確認をしてみましょう。

4-2.代わりの保証人を据える

保証人を別の人に変えることで、現在の保証人を外すことができます。保証人の変更は、元々の保証人の同程度の年収や返済能力を求められることがありますので注意しましょう。

まとめ

離婚に当たって不動産は売却すべきかについてご紹介しました。

離婚の際の不動産の売却の仕方は、アンダーローンかオーバーローンかで選択肢が変わってきます。

アンダーローンの場合は売却してもお金が残るため、離婚前に売却して現金を分けることができます。しかし、オーバーローンだった場合、売却が難しく、どちらかが住むにしても考慮しなければならない問題が残ります。

個別の事情により財産分与の仕方は変わってきます。実際に財産分与する際は弁護士などの専門家に相談し、協議するようにしましょう。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。