マンションを売却したら税金はいくらかかる?一覧と計算方法まとめ

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マンションを売却した際は、仲介手数料などの支払い以外にも税金がかかります。売却の際にかかる税金には、必ず支払うものと、利益が出たら支払いが発生するものの2種類があります。また、税金には支払う時期が異なるものもあります。

この記事では、マンションを売却する際に発生する税金の種類と、税額の計算方法についてご紹介します。

目次

  1. 必ずかかる税金
    1-1.登録免許税
    1-2.印紙税
    1-3.仲介手数料の消費税
  2. 利益が出た場合にかかる税金
    2-1.譲渡所得税とは
    2-2.譲渡所得金額の計算式
    2-3.特別控除額とは
    2-4.不動産を所有していた期間で税率が違う
    2-5.軽減税率の特例とは
    2-6.買い替えの特例とは
  3. 納付期間の一覧表
  4. まとめ

1.必ずかかる税金

マンションを売却をした際には、必ずかかる税金と、利益が出た場合にだけ支払う税金があります。まず必ずかかる税金について見てみましょう。

1-1.登録免許税

マンションを売却する際、売主は抵当権を抹消しなければいけません。抵当権を抹消する際にかかる税金を登録免許税と言います。この際にかかる税額は1筆1,000円と定められています。なお、抵当権抹消登記は司法書士に依頼するのが一般的ですが、この場合登録免許税とは別に報酬の支払いも発生します。

1-2.印紙税

印紙税とは、売買契約書に貼る収入印紙を購入する形で納付する税金のことです。必要な収入印紙の金額は契約書に記載してある物件価格によって異なります。通常、売買契約書は2通作成されますので、買主と売主がそれぞれ該当する額の収入印紙を準備して貼ります。以下の表は価格帯別の印紙税額です。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円
500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

国税庁ホームページから引用

こちらの表から売却するマンションの価格(契約金額)の欄を見て、収入印紙の金額を確認できます。例えば1,800万円で売却した場合、本則税率は2万円ですが、2019年10月現在は税率が軽減されていますので、1万円の収入印紙がそれぞれ必要になります。

上記の登録免許税と印紙税は、マンションを売却する際には必ず支払わなければならない税金ですので、忘れないようにしましょう。

1-3.仲介手数料の消費税

個人が居住用の物件を売却する場合は、建物の価格に消費税がかかりませんが、仲介業者に支払う仲介手数料には消費税が発生します。仲介手数料の消費税も売却による利益の有無には関係なく発生するものになります。

2.利益が出た場合にかかる税金

上記は売却による利益の有無に関係なく支払う税金になりますが、それ以外に利益が出た時にだけ支払いが発生する税金があります。一般的に「譲渡所得税」と呼ばれる、不動産譲渡に対する所得税・住民税です。それぞれどのように算出するのかを見てみましょう。

2-1.譲渡所得税とは

譲渡所得税とは、売却して利益が出た場合に支払わなければいけない所得税・住民税のことです。譲渡所得税は譲渡所得額に税率をかけて算出します。この税率は所有していた期間によって異なりますので、計算をする際には注意が必要です。

2-2.譲渡所得金額の計算式

譲渡所得税の金額を計算する際は、譲渡所得金額に税率をかけますので、まず譲渡所得金額を算出しなければいけません。譲渡所得金額は以下の計算式で求めることができます。

譲渡所得金額=収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額

計算式の中の取得費とは、物件を購入する際に掛かった費用の合計額を出し、その額から今までに計上した減価償却費の総額を差し引いた金額になります。譲渡費用とは売却する際にかかる仲介手数料や収入印紙税などの費用のことを言います。特別控除がある場合は特別控除額を引いて求めます。

2-3.特別控除額とは

特別控除額とは、一定の要件を満たせば譲渡所得から控除される税額のことです。例えばマイホームを譲渡した場合は最高3,000万円まで控除することができます。特別控除を受けるにはその他にも要件がありますので、マンションを売却する際には必ず確認するようにしましょう。

2-4.不動産を所有していた期間で税率が違う

譲渡所得税は上記で求めた譲渡所得金額に税率をかけて算出します。譲渡所得税を求める際の税率は、不動産を所有していた期間が5年を超えているか5年以内かで異なります。所有期間が5年以内の場合を短期譲渡所得、5年を超えた場合を長期譲渡所得として計算します。ただし、この場合の所有期間は「売却をした年の1月1日」を基準に計算される点に注意が必要です。

以下にそれぞれの所得税と住民税の税率を記載しておきます。譲渡所得金額に以下の税率を掛けることで譲渡所得税・住民税を算出することができます。なお、2037年までに発生した利益については、復興特別所得税として、以下所得税率に対して2.1%の税額が加算されます(例:15%×2.1%=0.315%)。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

国税庁のホームページから引用

2-5.軽減税率の特例とは

居住用の不動産を所有していた期間が10年を超えた場合、税率が軽減される特例があります。基本的には自宅として利用している場合のみしか該当しませんが、居住後賃貸に出してから3年目の年末までに売却すれば対象になりますので、賃貸している場合も該当しないかどうかを確認することが大切です。軽減税率の特例と上記で触れた特別控除は合わせて適用することが可能です。

2-6.買い替えの特例とは

マイホームを売却して、新しいマイホームに買い替える時、一定の要件を満たせば、譲渡益に対する課税を将来に先延ばしすることができます。売却価格や購入する住居の広さなど、いくつか要件が設定されている上に、特例が使える期限などが決まっていますので、その都度確認するようにしましょう。買い替えの特例は特別控除や軽減税率の特例などとは併用できませんので注意が必要です。

3.納付期間の一覧表

以下に今回触れた税金の種類とその納税方法を記載しておきます。
      

税金の種類 納税方法
登録免許税 法務局で抵当権抹消手続きをする際に収入印紙を購入
印紙税 収入印紙を購入して売買契約書に貼る
仲介手数料の消費税 仲介手数料を支払う際に同時に支払う
譲渡所得税 売却した翌年の確定申告時に振り込む
住民税 納付書で一括もしくは分割で支払う
復興特別税 確定申告時に納付書にて一括または分割で支払う

まとめ

マンションを売却する際に発生する税金についてご紹介しました。不動産を売却する際の税金には、必ず発生するものと利益が出た時にだけ発生するものとありますので、間違えないように注意が必要です。また譲渡所得税を支払う際は復興特別税が発生したり、逆に特例などで減税されるものがあったりするため、税額の計算が複雑になる可能性があります。

また控除額によっては、納税額がほとんどなくなるケースもありますので、譲渡する際は慎重に精査することが大切です。特例や税負担を軽減する制度などを正しく使えるように、実際に納税する際は税理士などのプロに相談して取り組むようにしましょう。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。