マンション投資をする際に知っておきたい資産価値を見極める8つのポイント

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マンションは資産価値があるかないかで、売却の際の価格が違ってきます。マンション投資では売却まであらかじめ考えておく必要があるため、資産価値はとても重要です。立地が資産価値に影響してきますが、その他にもマンションのグレードや造りによって資産価値は変わります。

この記事ではマンション投資をする際に、物件の資産価値を見極めるポイントについてご紹介します。

目次

  1. 資産価値が高いマンションを所有するメリット
  2. マンションの資産価値を決める条件
    2-1.立地は資産価値を決める重要な要素
    2-2.物件のグレードや造り
    2-3.家賃設定も資産価値を決める要素になる
    2-4.新築の価格帯が高い理由
  3. マンションの資産価値を見極めるポイント
    3-1.駅からの距離は徒歩10分以内
    3-2.職住近接の施策が与える影響
    3-3.人気のエリアならなお良い
    3-4.通勤通学に便利な立地かどうか
    3-5.清掃や修理の状態を見る[PR]
    3-6.シリーズ化されているマンション
    3-7.家賃が相場と合っているか
    3-8.利回りが良いと資産価値は低くなる?
  4. マンションの資産価値を落とさないための注意点
    4-1.管理状態を良く保つ
    4-2.家賃を安易に下げない
    4-3.入居者を把握する
    4-4.築年数が古くなったらリノベーションも検討する
  5. まとめ

1.資産価値が高いマンションを所有するメリット

マンションの資産価値が高い場合には、売却の際に高い価格で売却できる可能性が高くなります。早期の段階から出口戦略を考え、できるだけ高い価格で売却したいと考えている場合は、資産価値の高い物件を購入すればメリットが大きいでしょう。

また、ローンを完済した場合、毎月のローンの返済が無くなりますので、管理費等を支払って残った家賃収入が手元に残るお金になります。資産価値が高い物件は家賃収入が高い場合や長期的な入居率が高い場合も多く、年金代わりの収入をより多く得たい場合は大きなメリットと言えます。

2.マンションの資産価値を決める条件

マンションの資産価値を決める条件とはどのようなものなのかを見てみましょう。

2-1.立地は資産価値を決める重要な要素

不動産の資産価値は立地で決まる、とも言われたりします。それほど立地はマンションの資産価値に深く関係しています。立地は都市の中心部なのか、あるいは中心部から離れた郊外なのかといったことや、駅から徒歩で何分くらいかかるかといったことが一つの判断基準になります。

立地が良いと入居率が高くなる

立地が資産価値に影響する理由の一つとして、立地が良い方が入居率は高くなるということが考えられます。入居率が高い方が空室は少なく、不動産の収益の一つである家賃収入が安定して入ってくることが想定できます。

一般的に都市の中心部の方が利便性は良いため、立地が良いと判断されます。しかし、都市の中心部ではなくても入居率が高いエリアもあり、その場合も資産価値が高い可能性があります。

先に触れたように、資産価値とは現金化する時にいくらになるかという意味合いですので、立地が中心部から外れていても、入居率が高く家賃収入が安定して入るエリアであれば資産価値が高くなることがあります。

2-2.物件のグレードや造り

物件のグレードや造りも資産価値に影響します。分かりやすいものではトイレとバスが一緒になっている部屋より、トイレとバスが別々の物件が好まれるように、グレードや造りでも入居率が変わります。

より新しい設備だったり、床や壁が一般的な造りの物より厚く、隣室や上階の音が漏れてこなかったり、エントランスの天井が高く高級感があったりする場合も価値が落ちにくいことが考えられます。

2-3.家賃設定も資産価値を決める要素になる

家賃の額も資産価値に影響します。不動産の価格を試算する計算方法には収益還元法、原価法、取引事例比較法の3種類があります。投資用不動産の場合は主に収益還元法という試算法で価格を算出します。

収益還元法は物件から得られる利益が大きいほど算出される物件価格が高くなるという特徴があります。そのため家賃が高いと資産価値が高いと判断される可能性が高くなります。

上記3種類の試算方法の違いを表にまとめておきました。

項目 試算方法 使用するケース
収益還元法 年間の純利益÷還元利回り 投資用不動産の価格算出時
原価法 再調達原価から算出 金融機関の担保評価時
取引事例比較法 類似物件の取引事例から算出 居住用住宅の価格算出時

ただ、不動産は個別の事情により売買される際の価格が変わりますので、必ずしも家賃が低いほど資産価値が低いとは限りませんが、そのような試算法があるということを知っておきましょう。

2-4.新築の価格帯が高い理由

築年数が経過している中古物件より、新築の方が資産価値は高いイメージがあります。たしかに新築時の価格は割高でかつ建物価値も高いので、資産価値はあると判断しても良いでしょう。しかし、新築物件は数年もすると急激に価格が下がり、その後も徐々に物件価格が低くなっていきます。

新築の価格が高いのは、建設会社や販売している不動産会社の利益が含まれているからで、資産価値とは別の理由でも売値が高くなっているのです。新築物件の資産価値は中古より高い一方、中古より建物価値の下落が激しい傾向にあること、資産価値によらない販売価格の上乗せ要因があることは知っておきましょう。

3.マンションの資産価値を見極めるポイント

ワンルームマンションを購入する際の資産価値の見極め方について見てみましょう。

3-1.駅からの距離は徒歩10分以内

駅から徒歩15分以上になるとマンションをあまり見かけなくなり、戸建住宅の割合が多くなります。これは都市計画法によって地域ごとに建設できる物件の高さや使われる建材が制限されているなどの理由があります。

駅から徒歩10分以内のマンションであれば、通勤や通学にも差支えがなく一定の居住ニーズがあることが考えられます。10分を超えるとニーズが低くなる可能性がありますので、駅からの徒歩時間は10分以内で検討するのが良いでしょう。

3-2.職住近接の施策が与える影響

都市部に企業が集中しており、その近くに住みたいというニーズが顕在化している現状から、都市中心部の方が賃貸ニーズは高いことが考えられます。

この傾向は、近年国が推進している職住近接という政策も影響していることが考えられます。職住近接とは職場と住居を近接させることですが、国の施策は物理的に近接させることだけではありません。企業の近くにマンションやスーパーなどを併設し、周辺には噴水や池などの水場を作り、緑の木々などを植え、子供から高齢者までが安全に生活できる環境を目指しています。

そのため、都市の中心部は生活するのに快適な環境が整うことになり、賃貸ニーズは今後も高く推移する可能性が高くなります。

3-3.人気のエリアならなお良い

毎年「住みたい街ランキング」が大手企業から発表されますが、そういったランキングにランクインするエリアなら高い賃貸ニーズが期待できます。

その時のトレンドでランクインする街もありますが、何年も継続して選ばれているエリアなどは今後も人気が継続することが考えられます。そのようなエリアの物件であれば賃貸ニーズがあり、高い資産性が期待できるでしょう。

3-4.通勤通学に便利な立地かどうか

通勤通学に便利かどうかも賃貸ニーズと関係します。こちらのグラフはアットホーム株式会社が都内に住む20代から30代の一人暮らしの会社員に調査した「理想の通勤時間」のデータです。


*アットホーム株式会社「電車通勤実態」調査をもとに筆者が再作成

こちらの調査結果から、理想の通勤時間で最も多いのは21分~30分の範囲だということが確認できます。平均値は29分ということが報告されています。

このことから、単身向けを中心としたマンションの立地は都市の中心部が有利なことが考えられます。しかし、中心部から外れたとしても特急や急行が停車する駅からであれば、会社まで30分以内で通勤できることも考えられます。もし郊外で物件を検討する際は、そのような駅がある場所で検討するようにすれば、資産価値が高い物件に出会える可能性が高くなります。

3-5.清掃や修理の状態を見る

エントランスやポスト周りなど、建物の清掃状態も資産価値に影響します。汚れや損傷などは最初のうちは小さくても、時間の経過とともに大きくなり修復が難しくなる場合もあります。特に雨漏りなどは放置しておくとどんどん悪化し、建物を傷ませて資産価値を大きく下げる原因になってしまいます。

清掃状態が悪かったり、小さな損傷が修理されていなかったりした場合、管理会社の管理が行き届いていないことが考えられます。そういったマンションは長期的に見た場合、資産価値が落ちることも考えられますので、慎重に検討することが大切です。

3-6.シリーズ化されているマンション

大手不動産会社などがシリーズ化しているマンションには一定のブランド力があり、賃貸ニーズが高いことが想定できます。そのようなマンションではブランド力を落とさないように、特に管理には力を入れていることが考えられ、資産価値が高い状態に保たれている可能性があります。

3-7.家賃が相場と合っているか

収益還元法で試算した場合、利益が高いほど物件の価格が高くなり得ることには触れました。利益を資産価値の判断の一つにする場合、その源泉となる家賃が相場と合っているかを確認しましょう。

家賃設定が相場より高く設定してある場合、近いうちに家賃を下げる必要があることが考えられ、物件価格も低くなる可能性があります。入居が長い部屋の場合、相場が下がっても家賃は据え置きのままというケースがありますので、その入居者が退去する場合には注意が必要です。

3-8.利回りが良いと資産価値は低くなる?

(表面)利回りは「年間の家賃収入÷物件価格」という計算方法で求められます。利回りが高い物件は、物件価格に比べて家賃収入の割合が高いことになりますので、割安なぶん資産価値は低いと言えます。一般的に利回りが高い物件は修繕や空室などのリスクも高いため、売却価格が低くなるのです。

一方、利回りが低い物件はリスクが低く資産価値の高い物件だと考えられますが、キャッシュフローがあまりストックされませんので、何かあった時にオーナーはその月の家賃収入で賄いきれない費用を貯金から支払うことも多くなります。

都市の中心部の物件は価格が高いために、あまりキャッシュフローを得ずに運用している人もいます。そういった物件でキャッシュフローをストックするには、ローンの頭金を多めに入れるなどの工夫が必要です。資産価値の高さだけを気にするのではなく、どういったスタイルで運用するのかを慎重に検討して物件を選ぶようにしましょう。

4.マンションの資産価値を落とさないための注意点

資産価値が高い物件を購入しても、管理状態などが悪いために資産価値を落とすようではもったいありません。ここでは、資産価値を落とさないための注意点について見てみましょう。

4-1.管理状態を良く保つ

建物の管理は積み重ねが重要です。管理状態が悪いと、悪い状態が積み重なり、長期的に見た場合に資産価値が落ちる可能性があります。少しの汚れや損傷でも見逃さずこまめに清掃や修繕をするようにしましょう。

4-2.家賃を安易に下げない

空室が発生した際、入居者を早く付けるために家賃を下げて募集することもあります。しかし、収益還元法で触れた通り、家賃は物件価格に影響を与える可能性がありますので、安易に家賃を下げないことが大切です。

空室になった場合は原因を慎重に調査して、家賃を下げる必要があるかどうかをよく考えてから客付けに取り組むことが大切です。

4-3.入居者を把握する

入居者の属性によっては、室内をひどく汚したり、家賃滞納リスクが高くなったりすることもあります。入居者が入れ替わる際は、内覧に立ち会ったり、審査資料を確認したりして入居者をなるべく把握するようにしましょう。

4-4.築年数が古くなったらリノベーションも検討する

近年のリノベーション技術はとても高くなっています。リノベーションすることでマンションの資産価値が上がり、高い価格で売却できたり、家賃を維持できたりする可能性が高くなります。質の高いリノベーションは資産価値を下げない一つの方法になります。

ただしリノベーションは内容により高額になることがありますので、慎重に収支のシミュレーションをして取り組むようにしましょう。

まとめ

マンション投資をする際に、物件の資産価値を見極める方法についてご紹介しました。資産価値が高ければ、高く売却できたり、家賃収入が高い場合も多いためローン完済後の手残りが多かったりすることが考えられ、長期的な視点で見ると大きなメリットがあります。そのようなメリットを享受するには、所有後に資産価値を下げないようにすることが大切です。

資産価値が高い物件を見つけるには、立地や建物の造り、管理状態の良さなどを確認すると良いでしょう。販売価格も高い物件が多くなりますが、こまめな修繕やリノベーションを行うなどで資産価値を維持していけば、家賃収入を得ながら売却時にも高い売値を維持できる期待があります。この記事を参考に、資産価値の高いマンションを探してみてはいかがでしょうか。

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西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。