海外不動産投資でキャピタルゲインなどの利益を狙うのであれば、経済が発展途上にある新興国で物件を探すのも1つの投資手法です。
日本における海外不動産投資で新興国と言えば、東南アジア諸国がよく取り上げられますが、中央アジアも各国の人口推移やGDPの成長率を見ると不動産投資のエリアとして可能性を持ったエリアとなっています。
この記事では中央アジアの国についてその特徴を解説するとともに、不動産投資を進めるにおいて注意すべきリスクについても分析します。
目次
- 中央アジアの国と歴史的な背景
1-1.中央アジアの国について
1-2.中央アジアの背景 - 中央アジアで不動産投資を検討しやすい「カザフスタン」と「ウズベキスタン」
2-1.カザフスタン
2-2.ウズベキスタン - まとめ
1.中央アジアの国と歴史的な背景
中央アジアとはそもそもどのエリアのことを指しているのか、全体的な特徴はどんなものなのかといったポイントについて解説します。
1-1.中央アジアの国について
日本の外務省によると、中央アジアとはユーラシア大陸の中央エリアを指しており、具体的には以下5ヶ国のことです。
- ウズベキスタン
- カザフスタン
- キルギス
- タジキスタン
- トルクメニスタン
トルクメニスタン及びタジキスタンの南側にあるアフガニスタンとパキスタンから西側は中東諸国に該当します。また、インドから東側は東アジアまたは東南アジアです。アジアとヨーロッパとの間に該当する点が中央アジアの位置的な特徴であると言えます。
1-2.中央アジアの背景
中央アジアを構成する5ヶ国はいずれも旧ソビエト連邦に所属していた国であり、旧ソビエト連邦の解体によって独立しました。このため、いずれの国でもロシア語が通用します。一方で、各国が固有の言語を持っており、大半の国民に通用するのは母国語です。
英語が通じないというわけではありませんが、誰もが話せるということはないため、英語が通用するかどうかという点については東南アジアと同程度となるでしょう。
中央アジアの経済を支えているのはエネルギー産業です。石油・天然ガス・ウランといったエネルギー資源や金や銀といった鉱物資源のほか、レアメタルも豊富に採掘されるため、日本を含む先進国の企業が現地でエネルギー関連のプロジェクトを進めています。
2.中央アジアで不動産投資を検討しやすい「カザフスタン」と「ウズベキスタン」
中央アジア全体の大まかな特徴について解説しましたが、ここからは不動産投資の観点からカザフスタンとウズベキスタンに焦点を当て、各国の特徴を取り上げていきます。
2-1.カザフスタン
カザフスタンは世界最大の内陸国であり、中央アジア5ヶ国の中で最も経済的に発展している国です。カザフスタンの主な情報は以下のようになっています。
国土面積 | 272万4,900㎢(日本の約7倍) |
---|---|
人口 | 1,900万人 |
人口増加率 | 1%(2020年~2025年の予測平均値) |
首都 | アスタナ |
言語 | カザフ語(ロシア語は公用語) |
GDP | 1,712億ドル |
1人あたりGDP | 9,071ドル |
通貨 | テンゲ |
※主な指標は2020年時点のものです。
※参照:外務省「カザフスタン共和国」、UNFPA「World Population Dashboard-Kazakhstan(人口増加率)」
カザフスタンの人口は、2022年11月時点における東京都の人口よりも約500万人多くなっています。国土面積が日本の約7倍ある一方で人口は日本より大幅に少ないため、人口密度は日本よりもかなり低いと言えるでしょう。
一方で、旧ソビエト連邦から独立した後は豊富なエネルギー資源を背景として大きな経済発展を遂げており、2020年時点でカザフスタンの1人当たりGDPはタイよりも約1,800ドル高くなっています。カザフスタンの1人当たりGDPは、東南アジア諸国と比較してもそれほど大きな差がありません。
なお、今回の記事執筆にあたり調査を行った結果、公的な統計でカザフスタン不動産の価格に言及しているものが見つからず、2023年時点で正確な不動産価格や価格推移については不明な部分が多くあります。
一方で、1人当たりGDPの高さは家賃設定にも影響します。また、少なくとも日本人投資家でカザフスタン不動産に投資している人はまだかなり少ないと予測されるため、1人当たりGDPから期待される利回りと競争相手の少なさを考慮すれば、カザフスタン不動産投資は今後の投資対象として注目される可能性はあると言えるでしょう。
他方、人口密度を考慮すると、カザフスタン全体でそこまで大きな住宅需要があるかは不透明と考えられます。カザフスタンの不動産に投資するのであれば、国内最大の都市であるアルマティなど、人口が集中するエリアに絞ることになるでしょう。なお、2023年時点におけるカザフスタンの首都はアスタナですが、1997年まではアルマティが首都となっていました。
カザフスタン不動産へ投資できるクラウドファンディング「TECROWD」
TECROWD(テクラウド)はTECRA株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。運営会社は日本や海外で建設業や不動産業を営んでおり、不動産の設計・建築、売買・賃貸の仲介、管理など、幅広い事業を手掛けています。
TECROWDは「新興国の発展に投資ができる不動産クラウドファンディング」をコンセプトに、これまで日本の他、モンゴルのレジデンスやオフィス、カザフスタンの住宅物件などが投資対象のファンドを提供しています。
カザフスタンファンドでは想定利回りが9.00%~11.00%の高水準となっており、高級住宅地のタウンハウスプロジェクトや土地面積20,000平米以上の大規模住宅プロジェクト、カザフスタン最大の都市・アルマティ市内の商業施設・住居の複合施設など、いずれのファンドもカザフスタン内の比較的規模の大きな建設プロジェクトに関連しているのが特徴です。
TECROWDカザフスタンファンドの利回り・募集期間・募集金額
ファンド名 | 想定利回り | 募集期間 | 募集金額 |
---|---|---|---|
TECROWD36号ファンド Miras Townhouse | 9.50% | 9ヶ月 | 416,000,000 円 |
TECROWD35号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 7ヶ月 | 246,000,000 円 |
TECROWD33号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 7ヶ月 | 275,000,000 円 |
TECROWD31号ファンド KHAN VILLA | 11.00% | 6ヶ月 | 279,000,000 円 |
TECROWD30号ファンド Three City Towers | 9.00% | 10ヶ月 | 443,000,000 円 |
TECROWD29号ファンド Three City Towers | 9.00% | 12ヶ月 | 407,000,000 円 |
TECROWD27号ファンド White House in Chaikina | 10.50% | 8ヶ月 | 320,000,000 円 |
2-2.ウズベキスタン
ウズベキスタンは古くから中央アジアを横断するシルクロードの要衝であり、サマルカンドという都市は特に観光地としても有名です。ウズベキスタンの主な情報は以下の通りです。
国土面積 | 44万7,400㎢(日本の約1.2倍) |
---|---|
人口 | 3,440万人(2022年) |
人口増加率 | 1.2%(2020年~2025年の予測平均値) |
首都 | タシケント |
言語 | ウズベク語(ロシア語も使われている) |
GDP | 692億ドル(2021年) |
1人あたりGDP | 2,002ドル(2021年) |
通貨 | スム |
※参照:外務省「ウズベキスタン共和国」、UNFPA「World Population Dashboard-Uzbekistan(人口増加率)」
カザフスタンと比較すると、ウズベキスタンは国土が狭い一方で人口がカザフスタンより約1,500万人多くなっています。人口密度がカザフスタンよりも高いため、ウズベキスタンでは集合住宅などのニーズがカザフスタンよりも強いと予測されます。
ウズベキスタンの主な産業は綿花栽培と天然ガス・ウランなどのエネルギー産業・金などの鉱業です。綿花栽培が盛んという点はカザフスタンと異なるポイントですが、一次産業が国内産業の大半を占めており、産業の多様化が今後の課題とされている点はカザフスタンと同様です。
また、東南アジア諸国と比較すると、1人当たりGDPはカンボジアより高いものの、他の国々よりは低い水準となっています。カザフスタンと比較してもだいぶ低い水準なので、ウズベキスタンでは国民1人あたりの所得などが比較的低めと予測されます。
その一方で、1.2%という人口増加率は、東南アジアで発展目覚ましい新興国として注目さるカンボジアやフィリピンなどと比較しても引けを取りません。ウズベキスタンでは今後の住宅需要拡大に大きな期待がかかります。
総じて、ウズベキスタンの不動産投資では、現地人が物件に入居する場合のキャッシュフローは期待薄である一方、キャピタルゲインにかかる期待は大きくなると考えられます。
【関連記事】どこを選ぶ?初心者に人気の海外不動産投資セミナー
まとめ
中央アジアは旧ソビエト連邦からの独立後、豊富なエネルギー資源と背景として発展してきました。不動産投資の観点から各国を見ると、東南アジアと比較しても引けを取らない人口増加率からキャピタルゲインの期待は大きいと考えられます。
その一方で、日本から収集できる情報量の少なさや、ロシアとウクライナが緊張状態にある2023年時点のカントリーリスクなどには要注意です。東南アジアと比較すれば競争は激しくないと予測されるため、どこまで現地の情報を収集できるかが投資成功のポイントになると言えるでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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