少額資金で様々なファンドへ投資ができる投資型クラウドファンディングは、これから投資を始めて行きたい投資初心者の方からも注目されやすい投資サービスです。しかし、まだ比較的に新しいサービスであることや、多くの事業者がそれぞれの特徴を持ったサービスを提供しているため、どのような基準で選べばよいか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、これから投資を始めたいという投資初心者の方が検討しやすい投資型クラウドファンディングサービスを紹介します。サービス選びの3つのポイントについても解説していくので、ご参考ください。
目次
- 投資初心者が始めやすい投資型クラウドファンディング3つのポイント
1-1.少額から投資できるサービス
1-2.上場会社が運営している
1-3.保証や担保が設定されている - 少額から投資できる投資型クラウドファンディングサイト
2-1.COZUCHI(コヅチ)
2-2.大家どっとこむ
2-3.ちょこっと不動産 - 上場会社が運営している投資型クラウドファンディングサイト
3-1.CREAL(クリアル)
3-2.オーナーズブック(OwnersBook)
3-3.信長ファンディング
3-4.Rimple(リンプル)
3-5.ジョイントアルファ
3-6.TSON FUNDING(ティーソンファンディング) - 保証や担保が設定されている融資型クラウドファンディング
4-1.LENDEX
4-2.クラウドバンク
4-3.バンカーズ - エンジェル税制の対象となる投資型クラウドファンディング
5-1.FUNDINNO - まとめ
1.投資初心者が始めやすい投資型クラウドファンディング3つのポイント
投資初心者の方が投資型クラウドファンディングを始める際は、まずは低リスクのファンドへの投資を検討してみましょう。リスクを抑えて投資型クラウドファンディングを始める際のポイントとして以下の3点を解説します。
1-1.少額から投資できるサービス
まず、少額から投資できるサービスです。最低投資金額が大きいサービスの場合、一度に数十万円以上の金額を投資しなくてはいけないこともあります。その場合、資金の大半を一つのファンドに投入してしまうこともあるでしょう。
投資先で問題が起きると、投資資金の大半を失ったり、さらには生活資金への影響が出る可能性があります。
そこで、1万円など少額から投資できるサービスであれば様々な投資先に分散投資できるので、その中の一つの投資対象で問題が起きて際の損失も限定的にできます。投資初心者の方は、様々な投資対象に分散してリスクを軽減し、リスクとリターンの標準化を図ると良いでしょう。
1-2.上場会社が運営している
クラウドファンディング投資の運用会社が上場企業である、というのも初心者が検討しやすいポイントです。
上場企業は内部・外部の両面から監査を受けており、オペレーションリスクや倒産リスクを軽減できます。また、反社会的勢力との交際や投資家に対して不正行為を行う可能性も相対的に低いと言えるでしょう。
ただし、クラウドファンディング投資は比較的に新しい投資方法であるため、法整備が整っておらず度々法改正が為されたり、上場企業の事業者に向けて金融庁が行政指導を行ったりする事例が起きています。上場企業であるということが、必ずしも事業者リスクを担保するということではない点に留意しておきましょう。
【関連記事】ソーシャルレンディング業界が過去に受けた金融庁指導まとめ
1-3.保証や担保が設定されている
クラウドファンディング投資では元本保証がされておらず、損失が起きるリスクがあります。このような投資家のリスクを軽減するために、投資の際に保証や担保を設定して投資家のリスクを軽減しているサービスがあります。
例えば、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は貸金を行い、その際の金利収入を投資家に分配する投資です。貸金が返済されなかった時のために、融資時に担保を設定しているケースでは、担保を売却すれば投資家に資金を返済することが可能です。
また不動産投資型クラウドファンディングでは、運用終了後に物件を売却して利益を確定させるファンドがあります。この場合は運用する不動産自体が一定の担保性を持っていると見なすことができるでしょう。その他、損失が出た際に事業者の出資分から先に充当される「優先劣後出資」のファンドも多く提供されています。
ただし、設定されている担保の資産性がファンド運用額に対して適切であるかどうかは個別に判断することが大切です。公開されているファンド募集情報を一読し、担保設定がある場合はその内容についても詳しく確認しておくと良いでしょう。
2.少額から投資できる投資型クラウドファンディングサイト
2-1.COZUCHI(コヅチ)
2020年から運営を開始した不動産投資型クラウドファンディング「COZUCHI」は、LAETOLI株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングです。
COZUCHIでは1口1万円からの出資が可能で、想定利回りは2.0%~20.0%と幅広く、運用期間が最短3ヶ月~1年程度と比較的短期であることに加え、独自のルートで物件を相場価格よりも安く仕入れることができているケースも多く、リスクを抑えた運用やリターンを狙った運用のどちらにも対応できるサービスです。
あらかじめ売却先が決定されているEXIT案件などを取り扱っており、出口戦略を定めることでも、リスクを抑えた運用を行っています。また短期売却を想定したファンドの運用により、年利換算で200%を超えるファンドが運用されたこともあります。
COZUCHI(コヅチ)に関するニュース
- 2024/4/8不動産投資型CFのCOZUCHIで「高円寺プロジェクト」4/7募集開始。募集金額4.9億円、想定利回り6%
- 2024/3/27不動産投資型CFのCOZUCHIで「中央区銀座 商業ビル」4/1募集開始。募集金額59億円、想定利回り9%
- 2024/1/31不動産CFのCOZUCHIで「北青山開発プロジェクトフェーズ2」2/1募集開始。想定運用期間14ケ月、利回り年利9%
- 2024/1/23不動産CFのCOZUCHIで「千駄ヶ谷開発プロジェクト フェーズ2」1/24募集開始。想定利回り年利4%
- 2024/1/9不動産投資CFのCOZUCHI、「港区南麻布プロジェクト」で3ファンドの募集を開始
2-2.大家どっとこむ
大家どっとこむは株式会社グローベルスが運営する不動産クラウドファンディングのプラットフォームです。グローベルスは、東証2部上場企業の株式会社プロスペクトの子会社で、創業から20年以上不動産投資に関わってきた不動産の専門企業です。
1万円から投資が可能で、運用対象は都内のマンションやIoT技術を導入した高品質のアパートであり、運用対象の品質を上げてリスクを抑えています。なお、個人だけでなく法人の投資家登録も可能になっているため、企業が余剰金を投資して事業のポートフォリオを作るといった目的でも利用されています。
2-3.ちょこっと不動産
ちょこっと不動産は、関東で運用される物件を運用する、株式会社良栄が運営しています。良栄は、用地取得から市場分析、企画、設計、施工、アフターサービスに至るまで自社一貫体制を築いており、不動産開発や不動産賃貸の分野で多くの実績がある会社です。
ちょこっと不動産では、1口1万円から不動産投資を開始でき、対象不動産はレジデンス(戸建て、アパート、マンション)、オフィスビル、テナントビル、店舗など多様な商品が予定されており、運用期間も短期~中長期とラインナップに幅を持たせることが予定されています。様々な物件に1万円から投資できるため、リスクを抑えて分散投資しやすいサービスとなっています。
3.上場会社が運営している投資型クラウドファンディングサイト
3-1.CREAL(クリアル)
CREAL(クリアル)は東証グロース上場企業のクリアル株式会社が運営する不動産投資型クラウドファンディングで、投資のしやすさが大きな特徴でありメリットです。ホテルなどの宿泊施設や保育施設などに加えて、区分マンション案件や一棟マンション案件も扱っているので投資先の分散が可能です。
CREALではすべてのファンドで最大20%程度の劣後出資を行っています。ファンド運用で損失が発生した場合、CREALが行った劣後出資分から補填されるため、一定割合までの損失では投資家の出資金に影響しない仕組みとなっています。上場企業であるためIR情報から財務状況の確認も容易なため、事業者リスクの低さもポイントと言えるでしょう。
CREAL(クリアル)に関するニュース
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3-2.オーナーズブック(OwnersBook)
オーナーズブック(OwnersBook)は、ロードスターインベストメンツ株式会社が運営しているソーシャルレンディング・不動産投資クラウドファンディングのプラットフォームです。オーナーズブックでは、クラウドファンディングの手法を活用し、「1口1万円からの小額資金による不動産投資」というサービスを提供しています。都心の不動産物件などを中心に扱っており収益を見込みやすいファンドを多く扱っています。
オーナーズブックの参加方法には主に「貸付型」と「エクイティ型」の2タイプがあります。貸付型は、クラウドファンディングで集められた資金を使い、融資を受けたい企業へ不動産の担保をとって融資するタイプです。
一方、エクイティ型では、オーナーズブックがクラウドファンディングで集めた資金を使って、特別目的会社(特定資産を担保にした証券発行など特定の目的のために設立される会社)を通じて不動産信託受益権を購入します。投資家は、物件の運用中の賃料収入や不動産信託受益権の売却による売却益を配当として受け取ることになります。
3-3.信長ファンディング
信長ファンディング古屋に本社を置く株式会社ウッドフレンズが提供する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。運営元の株式会社ウッドフレンズは、東京証券取引所(東証)スタンダード市場と名古屋証券取引所(名証)に上場しており、不動産開発や販売だけでなく生活環境に関連する事業なども行っている企業です。
信長ファンディングは、国産木材を積極的に活用した賃貸アパートや中古不動産再生物件を商品化することで、株式会社ウッドフレンズがこれまで培ってきた不動産事業や建設事業、建材事業などのノウハウを活かした不動産型クラウドファンディングサービスとなっています。最低投資金額は10万円と他サービスと比べてやや高めですが、地域経済の活性化や国産材の積極活用などを特徴として掲げており、不動産でESG投資ができるクラウドファンディングでもあります。
3-4.Rimple(リンプル)
Rimple(リンプル)は、東証プライム上場グループ企業であるプロパティエージェントが運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトです。都心の区分マンションを中心に扱っており、抽選倍率が900倍を突破するなど投資家から高い人気を獲得しています。また、セゾンカードの永久不滅ポイントやハピタスポイント、モッピーポイントなどを使って投資できるという、独自のシステムを取り入れているところも特徴です。
Rimple(リンプル)に関するニュース
- 2024/3/21不動産投資型CFのRimple、第78回ファンド「Rimple’s Selection #78」3/22募集開始
- 2024/1/25不動産CFのRimple、新ファンド「Rimple's selection #74」1/26募集開始。予定分配率は年利2.7%
- 2023/11/9プロパティエージェントの不動産CF「Rimple‘s Selection#70」11/13募集開始。東京・横浜のマンション4戸を複合
- 2023/10/26不動産投資型CFのRimple、「Rimple's selection #69」10/27募集開始。文京区、北区、板橋区のマンション3戸の複合ファンド
- 2023/9/21プロパティエージェント、不動産投資CF「Rimple」67号ファンドを9/22募集開始。秋葉原と広尾の区分マンションの複合案件
3-5.ジョイントアルファ
ジョイントアルファは創業1964年の不動産会社、東証プライム上場企業の穴吹興産が運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトです。本社が香川県にあるため、地方物件を中心としたマンション案件を運営しており、地方に分散投資をしたい方にも利用しやすいサービスです。
ジョイントアルファの年利回りは3.6~5%と不動産投資型クラウドファンディングの中では平均的な水準となっています。また、1口は10万円からとなっており、こちらは他サービス(1万円から始められる等)と比べるとややハードルは高くなっていますが、劣後出資の割合が30%となっており、他社サービス(10%~20%)と比べても高い水準となっています。
3-6.TSON FUNDING(ティーソンファンディング)
TSON FUNDING(ティーソンファンディング)は、TOKYO PRO Market上場企業のTSONが運営する不動産投資型クラウドファンディングです。愛知県を中心とした地方の戸建てやアパートを扱っています。TSON FUNDINGではキャピタルゲイン型とインカムゲイン重視型の2種類のファンドがあり、投資家のポートフォリオに合わせた投資方法を選択できます。
土地の仕入れから商品開発、販売までを自社で一貫して行っており、取引のある不動産会社や住宅会社から投資対象物件を紹介してもらえるネットワークを構築しているため、月1~3件という募集頻度の高さもメリットとなります。
4.保証や担保が設定されている融資型クラウドファンディング
4-1.LENDEX
LENDEXは2017年から運営を行っているソーシャルレンディング会社です。不動産会社の融資案件を中心に扱い、融資の際には不動産担保を設定しているファンドを多く扱っています。
不動産担保は自社と第三者機関の二重査定を受けており、その上で二重査定の低い金額を査定額に採用し、査定額の80%までしか融資しないという資産保全対策を行っています。利回りも7%以上と、ソーシャルレンディングサイトの中でも高めの数字です。
4-2.クラウドバンク
クラウドバンクは、業界初のクラウドファンディング専業証券会社が運営するサービスです。2023年1月時点でファンドへの応募金額2100億円超、平均利回りは5.80%(※2022年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンド実績値)となっています。
クラウドバンクでは海外の不動産ファンドを数多く扱っています。カリフォルニアで運用される不動産ファンドは運用対象の不動産が担保となっているため、貸し倒れが起きた時にはその担保を売却して投資家に返済が行われます。
また、クラウドバンクは募集ファンド数が多く、投資の選択肢が多いことも特徴です。他のソーシャルレンディング会社では投資可能な案件がなく、投資自体ができないことも少なくありませんが、クラウドバンクでは募集案件数や種類が多いため、比較的余裕を持って投資を行うことができます。
4-3.バンカーズ
バンカーズは、2020年12月より始まった株式会社バンカーズが運営するソーシャルレンディングサービスです。株式会社バンカーズの前身である泰平物産株式会社は、46年の営業実績がある貸金業の老舗企業です。2023年1月時点で累計募集額170億円超の実績があります。
バンカーズの利回りは、年利2%~5%程度とやや低い水準である反面、診療報酬債権ファクタリング事業ファンドという、診療報酬債権とは医療機関の国保・社保の報酬を債権とする事業者への融資ファンドを扱っています。健康保険機関という信用のおける機関が発行する債券を担保としているので、貸し倒れが起きても短期間で評価通りの金額まで換金できる可能性が高い債権であり、担保として高い資産保全性を持っています。
バンカーズに関するニュース
5.エンジェル税制の対象となる投資型クラウドファンディング
エンジェル税制は、一定の要件を満たすベンチャー企業に投資を行った場合に、税制上の優遇措置を受けることができる制度です。これまで非上場企業の株式を取得する方法は限定的でしたが、現在ではクラウドファンディングの仕組みを活用して投資できるファンドも多く提供されています。エンジェル税制を利用できるサービスを見て行きましょう。
5-1.FUNDINNO
FUNDINNO(ファンディーノ)は、日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスです。株式会社FUNDINNOが2017年4月から運営を開始したサービスで、個人投資家でもベンチャー企業に手軽に投資することが可能です。
ファンディーノのような株式投資型クラウドファンディングは未上場企業の株を購入できるサービスで、将来的に上場した時に購入した株が値上がりすれば、大きな売却益を狙うことができます。ややハイリスクな投資方法ではありますが、新しいサービスの創出のチャンスにもつながり、また株を購入するベンチャー企業によっては、投資した金額に対してエンジェル税制を適用可能であり、所得から控除できるなどのメリットがあります。
ファンディーノに関するニュース
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まとめ
ここでは投資初心者の方向けの、投資型クラウドファンディングサービスをご紹介しました。運営元の信用性が高いサービスや、少額から投資できるサービスなどそれぞれのポイントを踏まえ、投資先を選んでいきましょう。
また、リスク回避ポイントを複数兼ね備えたサービスもあるので、それぞれのサービスのメリット・デメリットを確認しながら複数のサービスを併用し、分散投資を心がけておくことも大切です。
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