株やFXを始めたいけど難しい…何から始めるべき?初心者向けの投資5つ

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投資というと株やFXでチャートに張り付いて値動きを追うようなイメージがあり、難しいと感じる初心者も多いでしょう。短期でまとまった利益を得る場合の売買のタイミングなどは初心者には難しいといえますが、より取り組みやすい投資もあります。

今回は初心者でも始めやすい投資を紹介し、堅実に資産形成するポイントも解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2023年6月10日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 初心者向けの投資5選
    1-1.積立投資
    1-2.配当株投資(インカムゲイン投資)
    1-3.ロボアドバイザー
    1-4.個人向け国債
  2. 初心者が利用したい投資の制度
    2-1.NISA(少額投資非課税制度)
    2-2.iDeCo(個人型確定拠出年金)
  3. 初心者が投資で資産形成するためのポイント
    3-1.少額から始める
    3-2.余裕資金で投資する
    3-3.短期で大きな利益を狙わない
    3-4.分散投資を心がける
  4. まとめ

1.初心者向けの投資5選

初心者向けの投資はリスクが低めで、少額から始められ、手間もあまりかからない方法が適しています。そのような観点から5つの投資方法を紹介します。

1-1.積立投資

積立投資とは「毎月1万円ずつ」のように、一定の期間ごとに一定の金額で同じ銘柄を購入していく投資の方法です。まとまった資金がなくても始められ、設定をしてしまえばタイミングを考えることなく自動的に買付が行われます。

たとえば、ある金融商品を毎月2万円ずつ年率2.0%で20年積立てたとします。20年後の運用益は109万6,000円、元利合計589万5,937円です。投資なので将来の成果は不確定ですが、長期の運用では堅実な成果を期待できます。

積立ができる金融商品には、以下のようなものがあります。

投資信託積立

投資信託の積立は決められた日に指定した金額で、投資信託を自動的に購入するサービスです。投資信託は投資家から集めたお金を株や債券で運用し、成果を還元する仕組みの運用商品です。投資信託の積立は100円から始められる証券会社もあり、初心者でも取り組みやすい投資方法といえます。

また、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの積立投資ができる制度でも、投資信託の積立が可能です。これらの制度を利用すると運用益に課税されないなど、税制面のメリットを享受できます。

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純金積立

純金積立とは、毎月一定額の金を買付ける投資手法です。純金積立を取り扱うのは、楽天証券など一部の証券会社や金地金商です。投資信託の積立には手数料はかかりませんが、純金積立には取り扱う会社ごとに決められた手数料がかかり、年会費などが必要な場合もあります。

金を持っていても利息は付かず、運用益は価格変動による差益です。ただし、2000年以降の金価格は上昇傾向が続いています。

金はインフレに強いため大きな利益を狙うのでなく、価値の目減りから資産を守る効果が期待できます。分散投資先として少額の積立を検討してみるのもよいでしょう。

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1-2.配当株投資(インカムゲイン投資)

株式やFXで短期の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う投資は、初心者にはハードルが高いでしょう。一方で、長期で保有して配当や優待などのインカムゲインをもらう投資であれば、買いや売りのタイミングで悩むことも少なくてすむため、初心者でも始めやすい投資といえます。

配当利回り(%)とは「1株あたりの配当金÷株価×100」で求められます。国内の場合は一般的に3%超であれば高配当の水準となってきます。ただし、高配当の株式の中には業績や株価などが低迷して高配当となってしまっているケースもあります。そういったケースでは、減配や無配となる可能性もありますので、十分に注意をしましょう。

日本株では1株から買える「ミニ株」など単元未満株取引のサービスもあり、ほとんどのサービスで保有株数に応じて配当を受け取れます。また、米国株はもともと1株から買えるので、少額から始めることも可能です。

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1-3.ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、AIを活用して投資アドバイスや運用代行を行う金融サービスです。投資についての簡単な質問に答えるだけで、その人に合ったポートフォリオの提案を受けられます。

ロボアドバイザーには「アドバイス型」と「投資一任型」があります。アドバイス型は資産配分などの投資助言を行うタイプで、ほとんどは無料で提供されています。

一方、投資一任型は顧客がロボアドバイザーの提案を承認すると、実際の運用も代行するタイプです。最低投資額が1万円程度から利用でき、積立に対応するサービスもあります。

投資一任型は基本的に手数料がかかりますが、投資のすべてを任せられるため初心者向きといえます。ただし、運用のリスクは顧客が負うことを忘れないようにしましょう。

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1-4.個人向け国債

個人向け国債は国が発行する個人向けの債券で、最低金利の保証があります。3年満期、5年満期、10年満期があり、10年満期は変動金利です。2023年6月募集の変動金利10年満期の税引き前利率は0.29%で、一般的な定期預金金利などより有利といえます。

さらに、変動金利の場合、買ってから金利が上がれば利子収入も増えます。逆に金利が下がっても、最低金利0.05%は保証されているので、損をすることもありません。

個人向け国債は1万円から買うことができ、多くの金融機関で取り扱っています。大きな利益は期待できませんが、元本割れがなく初心者も安心して購入できるでしょう。

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2.初心者が利用したい投資の制度

初心者向けの投資で紹介した投資信託の積立は、金融機関の通常の課税口座で始められます。しかし、NISAやiDeCoなどの制度を利用すると、税の優遇を受けられます。

2-1.NISA(少額投資非課税制度)

NISAとは少額投資非課税制度のことで、NISA口座から発生した投資の利益に課税されません。NISAは2024年から新しい制度に変わります。現行のつみたてNISA、一般NISA、新NISAのつみたて投資枠(旧つみたてNISA)、成長投資枠(旧一般NISA)はすべて投資信託の積立投資が可能です。

現行NISA

つみたてNISA 一般NISA
投資可能期間 2023年末まで 2023年末まで
非課税期間 最長20年 最長5年
年間投資上限額 40万円 120万円
非課税保有限度額 800万円 600万円
投資方法 積立 通常・積立
投資対象 金融庁が選定した一定の投資信託・ETF 株式・投資信託・ETF・REITなど
制度の併用 不可 不可
売却した投資枠の再利用 不可 不可

出典:金融庁「新しいNISA

新NISA

つみたて投資枠 成長投資枠
投資可能期間 2024年から恒久化 2024年から恒久化
非課税期間 無期限
年間投資上限額 120万円 240万円
非課税保有限度額 買付額ベースで1,800万円(うち成長投資枠1,200万円まで) 買付額ベースで1,800万円(うち成長投資枠1,200万円まで)
投資方法 積立 通常・積立
投資対象 金融庁が選定した一定の投資信託・ETF 株式・投資信託・ETF・REITなど(一部除外される商品あり)
制度の併用
売却した投資枠の再利用

出典:金融庁「新しいNISA

つみたてNISAおよび新NISAのつみたて投資枠の対象となる投資信託は、長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されます。一般NISAの投資信託は金融期間が取り扱うほとんどの銘柄が対象です。新NISAの成長投資枠では、毎月分配型やデリバティブ取引を用いた銘柄を除外する予定です。

2-2.iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(個人型確定拠出年金)は公的年金の上乗せを目的とした制度で、加入者が自分で運用して60歳以降に年金資産を受け取ります。投資対象は、定期預金などの元本確保型と投資信託です。iDeCoには以下のような3つの税制優遇があります。

  1. 掛金が全額所得控除の対象になる
  2. 運用中の利益に課税されない
  3. 受け取り時も所得控除の対象になる

上記のうち、1の掛金が全額所得控除の対象になる点は、iDeCoの最大のメリットです。

たとえば、年収500万円の会社員が毎月2万円ずつiDeCoで積立をした場合、1年間に所得税・住民税が合計4万8,000円軽減されます(国民年金基金連合会「iDeCoかんたん税制優遇シミュレーション」より)。

運用の成果は確実ではありませんが、税の軽減は必ず得ることができます。ただし、NISAは運用資産の引き出しが自由にできますが、iDeCoは60歳まで年金資産の引き出しができない点に注意が必要です。

3.初心者が投資で資産形成するためのポイント

最後に初心者が投資で大きな失敗をせず、堅実に資産形成するためのポイントを解説します。

3-1.少額から始める

初心者が投資をする場合、少額から始めるようにしましょう。投資は実践を積んでこそスキルが身に付くので、実際に資金を投じて始めてみることは大切です。しかし、始めてすぐに購入した商品が値下がりして損をする可能性もあります。

まとまった資金を投資して値下がりすると、金銭的なダメージだけでなく、精神的にも投資へ取り組むハードルが高くなってしまう方もいるでしょう。

投資信託の積立を100円からできる証券会社もあるなど、少額投資の環境は整っています。最初は損をしても気にならない程度の少額から始め、金融商品の値動きに慣れたら投資額を増やすとよいでしょう。

3-2.余裕資金で投資する

投資の資金に生活費などの使う予定のあるお金を充てず、余裕資金を使うようにしましょう。他の目的のために必要なお金を使って損をすると、私生活に大きな影響が出てしまうためです。

投資に少しでも多くの資金を振り向けたい場合、まずは家計を見直して必要資金と余裕資金に分けましょう。余裕資金以外は投資に回さず、収入が増えたら投資額を増やすようにします。

3-3.短期で大きな利益を狙わない

初心者は株のデイトレードのように、短期間で大きな利益を狙うのに向いていません。値動きの激しい投資対象は大きな利益が期待できる反面、値下がりした場合の損も大きくなります。また、安値で買って高く売るような取引のタイミングの判断も簡単ではありません。

失敗して大きく損をしてしまうと、精神的にも資金的にも投資を続けていくのが難しくなるでしょう。最初は積立などの投資法で、コツコツ時間をかけて資産形成をしていくのが得策です。大きな利益を狙いたい場合、投資についての基本が身に付いてからでも遅くはありません。

3-4.分散投資を心がける

投資のリスクを減らす方法の1つに、分散投資があります。株式や債券などの複数の資産に分けて投資したり、日本や海外など投資先の国や地域を分散したりする方法です。

世界情勢が不安定な場合、1つの投資対象に集中して投資することは危険です。何かの事情で投資対象の資産が暴落した場合、全財産が大きく目減りしていまいます。

個人の資金でさまざまな資産に投資するのが難しい場合でも、投資信託のように1銘柄だけで分散投資できる運用商品もあります。大きな利益が期待できる投資対象があっても、他の資産への分散投資も心がけましょう。

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まとめ

初心者が投資を始める場合、リスクが高すぎず少額から始められる方法を選ぶとよいでしょう。投資信託の積立ではNISAやiDeCoなどの制度を活用すると、税の優遇が受けられます。

短期の値動きを気にせず、コツコツ続けていくことが将来の資産形成につながります。長期的な視点を持ち、実践を繰り返しながら徐々に投資の知識を身につけていきましょう。

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松田 聡子

明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。 保有資格:日本FP協会認定CFP・DCアドバイザー・証券外務員2種 運営サイト : 経営体質改善のヒント