土地なしでもアパート経営できるってホント?リスクや注意点は?

アパート経営はこれまで、一部の土地持ちの方が相続税対策などのために行うことが多かったのですが、最近は一般の会社員の方が、将来の年金対策や安定した副収入を得る目的などで取り組む事例も増えてきました。

ただ、土地なしから始めるアパート経営には、「現在販売中の新築アパートを購入する」「中古アパートを購入する」「土地を購入してからアパートを建てる」など様々な取り組み方があるため、いざ始めようと思っても「どの手法を選べばよいか分からない」「それぞれのメリット・デメリットが知りたい」とお悩みの方も少なくないかと思います。

そこで今回は、サラリーマンの方が土地を持たない状態からアパート経営を始める方法と、それぞれの手法のメリットやデメリット(リスク)、さらに安全な投資戦略のポイントなどについてご紹介します。

目次

  1. 土地なしでアパート経営を始める方法とメリット
  2. 新築アパートを購入する場合
    1. 新築アパート購入のメリットとリスク
    2. 新築アパート購入の投資戦略
  3. 中古アパートを購入する場合
    1. 中古アパート購入のメリットとリスク
    2. 中古アパート購入の投資戦略
  4. 土地購入後に建築する場合
    1. 土地購入後に建築する場合のメリットとリスク
    2. 土地購入後に建築する場合の投資戦略
  5. まとめ

1 土地なしでアパート経営を始める方法とメリット

土地を持たない状態からアパート経営を始める場合、①土地と建物を一括して購入するか、②先に土地を購入してその後に建物を建築する、の2つの方法をとることができます。

土地なしから始めるアパート経営は、賃貸経営に適した立地エリアを自分で探して選ぶことができるという点がメリットになります。

従来のアパート経営では、地主が自分の土地にアパートを建てるケースが多くみられましたが、その場所が必ずしも賃貸経営に適しているとは限らず、アパートを建てても入居者が集まらないことがありました。

賃貸用物件を取得する際、「立地」「築年数」「間取り」「外観」「設備」「周辺環境」など多くの判断基準がありますが、中でも特に重要な判断基準が「立地」といわれています。現在は駅徒歩分数が大きく入居需要に大きく影響し、よりアクセスの良い物件が入居者から選ばれるという状況になっています。

「土地なし」でアパート経営を始める場合、「土地持ち」よりも立地を自由に選ぶことができるという点がアドバンテージとなります。

土地なしのアパート経営に取り組むための年収や資産は?

土地なしからアパート経営を始めるには多額の資金がかかるため、金融機関からまとまった額の借り入れが必要となりますが、金融機関の融資適格性を備えている方であればアパートローンを組むことが可能です。

たとえば、年収500万円以上の安定収入がある会社員・公務員、または年収がその額に達していなくても、500万円~1000万円程度の金融資産や担保に提供できる不動産を持っている方などが、サラリーマン大家としてアパート経営に取り組んでいます。

2 新築アパートを購入する場合

それでは、ここからは「土地と建物を一括して購入する」というアパート経営を「新築物件を購入する場合」と「中古物件を購入する場合」に分けて見ていきましょう。

2-1 新築アパート購入のメリットとリスク

最も大きなメリットは、物件が新しいため築年数が経って古さが目立ってくるまでは比較的安定した賃貸需要が見込めることです。また、土地と建物を同時に購入するため、建築途中にある物件を買うケースを除き、比較的短時間で賃貸経営を開始することができるのも利点です。

一方、リスクとしては、新築物件のため多額の資金が多くかかることが挙げられます。たとえば東京23区で売りに出されている新築物件の例は次のようになります。

場所 東京都江戸川区 JR総武線平井駅
間取り 1K×6 1R×3 合計9戸
土地面積 約104㎡
建物面積 約145㎡
物件価格 9600万円

立地や間取り、そして土地面積などにより物件価格は異なってきますが、上の例のように都内である程度の広さを持つ物件で探すと1億円近い資金が必要になる場合があります。

2-2 新築アパート購入の投資戦略

新築アパートは中古アパートと比べると利回りが低いため、低い融資金利で借入をすることで利益を確保することが重要です。

また、入居ターゲットの選定では、ファミリー向けよりも単身者向けの物件が有利となります。このほか、新築アパートの販売会社の実績や、数十年にわたって人口流入が見込まれるエリア(もしくは人口減少が少ないエリア)を中心に検討すると良いでしょう。

3 中古アパートを購入する場合

次に中古物件を購入する場合のメリットやリスク、そして投資戦略を見ていきます。

3-1 中古アパート購入のメリットとリスク

中古アパートは価格が安いことが最大のメリットといえます。23区で売りに出される築古の中古アパートの例は次のようになります。

場所 東京都江戸川区 都営新宿線一之江駅 徒歩20分
築年数 29年
間取り 1K×8 合計8戸
土地面積 約136㎡
建物面積 約139㎡
物件価格 4990万円

先に例としてあげた新築アパートと同じ東京都江戸川区内で、間取りが似ている物件です。

この例のように中古アパートの購入価格は新築よりも抑えることができ、満室で可動させることができれば利回りが良いという点がメリットとなります。

一方、リスクとしては、建物・設備が築年数経過により劣化してしまうため、入居率が低下する可能性が高いという点が挙げられます。また、築古物件の場合、担保価値の低下により銀行からの融資が難しいケースもあります。

3-2 中古物件購入の投資戦略

中古アパートの経営は購入価格が手頃な一方で、融資がつきにくいというデメリットがありますので、十分な自己資金を用意するということが必要になります。購入する物件の2割~3割程度は頭金として準備をしておきたいところです。

また、購入にあたっては「現地調査」「物件の内覧」を十分に行う必要があります。さらに管理会社に修繕履歴の提出を求め、建物・設備の劣化状況を確認し、「当面必要となる修繕箇所」や「将来の大規模修繕の時期」を見極めることが大切です。

4 土地購入後に建築する場合

次に、先に土地を購入し、土地購入後に建物を建てる場合のメリットとリスク、投資戦略を見ていきましょう。

4-1 土地購入後に建築する場合のメリットとリスク

最も大きなメリットは、建物設計が自由に行えることです。すなわち、建物規模、材質、間取り、全体のグレードなど、土地の形状や周辺物件に応じてベストな設計を追求することができます。さらに、立地も含めたアパート全体の仕様を入居者のニーズに合わせることで、大きな賃貸需要につなげることが期待できます。

一方リスクは、建物を最初から建築しなければならないという点で、賃貸経営を開始するまでに多くの時間と資金を要することになります。

4-2 土地購入後に建築する場合の投資戦略

一番最初の新築アパートの購入と同じで、物件価格が高くなる分、利回りは低くなりがちなので、融資金利や毎月の費用を抑えて利益を確保することが重要になります。

また、どの建築会社に発注をするかという点も重要です。安かろう、悪かろうでは建築後の収益も悪くなってしまいますので、適正価格で良い仕事をしてくれる会社を選ぶ必要があります。

大きなアパート会社から土地を購入する場合であれば、グループ会社の建築会社を提案してくれますが、自分で会社を選ばなければいけないケースでは、先輩投資家が懇意にしている会社や、入居者からの評判が良いアパートを建築している会社などを探す必要があります。

5 まとめ

「新築物件を購入する」、「中古物件を購入する」、「土地を購入後に建築する」という3つの方法のメリットとリスクおよび投資戦略のポイントについて説明しましたが、それをまとめると以下の表になります。

新築物件の購入 中古物件の購入 土地購入後、建築
メリット 賃貸需要が見込める立地を選べる
新築のため賃貸需要が高い 価格が安く、募集家賃を下げることも可能 建物の規模、間取り、グレードなどを自由に決められるため、より正確に賃貸需要に応えることができる
賃貸開始までの時間が短い
リスク 購入費用が高額 物件、設備の経年劣化 購入費用が高額
毎月の負担増 築古物件は敬遠される可能性も 賃貸を開始して家賃収入を得るまでに時間がかかる
募集家賃値下げの余地が少ない 担保価値によっては融資が厳しい 募集家賃値下げの余地が少なく、土地持ちで開始した他物件との競争が厳しい
投資戦略のポイント ある程度の自己資金を用意する 購入時の現地調査、修繕履歴の確認、将来の大規模修繕時期を見極める ある程度の自己資金を用意する

「土地なし」からアパート経営を始める場合のアドバンテージは「立地」となりますので、とにかく入居需要が長期的に見込めるアクセスの良い土地にこだわることが大切です。

また、中古アパートは物件価格が安く、満室時の利回りが良いというメリットがあるものの、融資がつきにくく自己資金が必要となる場合が多い、融資金利が新築よりも高くなる、空室リスクがあるといったデメリットがあります。

新築アパートの場合は、物件価格が高く利回りが低くなりがちなので、融資金利や毎月の費用を低く抑えて、毎月の利益を確保することが重要となります。

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、投資の目的や目標の利回り、用意できる自己資金などを勘案して、どの手法で始めるかを検討してみると良いでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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