個人向けの不動産投資はマンション1棟、アパート投資やワンルーム投資など様々な種類があります。不動産投資は低金利が続くなか、将来の備えや年金の代わりとしても注目を集めている投資方法ですが、「そもそも本当に儲かるの?」との声も少なくありません。
そこで今回は不動産投資の初心者でも比較的簡単に始められるワンルームマンション投資を取り上げたいと思います。ワンルーム投資は初期投資額が小さく、ローン審査も下りやすいため、年収が低いサラリーマンの方でも参入しやすい分野といわれています。
ワンルームマンション投資は「どうすれば儲かるのか」「どのようなメリット・デメリットがあるのか」などの疑問に対してわかりやすく説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- ワンルームマンション投資の4つの特徴
- 購入しやすく節税効果も期待できる
- 物件管理が比較的容易
- 空室になれば収入はゼロ
- 大きな収益は得られにくい
- ワンルームマンションに投資する上で気を付けたい3つのポイント
- 需要の高い立地を選定する
- 入居者選びに注意する
- 不動産会社選びに注意する
1 ワンルームマンション投資の4つの特徴
ワンルーム投資は資金調達から物件の管理、そして売却までを考えるとアパートや一棟マンションと比べて参入するハードルが低いのが特徴です。一方で、利回りは低くなりがちで、大きな収益を上げることは難しいため、儲けを出すためには下記に述べるメリット・デメリットに注意しながら収支バランスを考えていく必要があります。
1-1 購入しやすい・節税効果も期待できる
不動産投資の最初のステップは、「投資用物件の取得」です。投資用物件の価格は数百万円から数億円までと幅広く、高額物件には新築一棟マンションや一棟アパート、タワーマンションなどが該当します。ワンルームマンションは、中古であれば数百万円からでも購入可能なため最も始めやすい部類となります。
もちろんワンルームマンションの物件価格は場所や条件により異なります。たとえば、都内では築古で数百万円から、新築・築浅は1500万円~2000万円前後からとなっています。
また、マンション一般に言えることですが、鉄筋コンクリート造の建築物の場合は償却期間が47年となっており、不動産投資ローンも長期で融資を受けることができます。長期ローンは利子が膨らみますが、毎月の返済額を抑えることが可能というメリットがあります。
このように、初期投資金額を抑えることができ、長期にわたって高い入居率で長期的な家賃収入を得やすいのが、ワンルームマンション投資の大きな魅力です。
1-2 物件管理が比較的容易
ワンルームマンション投資は「物件管理が比較的容易である」ことも魅力のひとつです。アパート投資や一棟マンション投資の場合、エレベーターや階段など共用スペースの管理・保守作業が必要ですが、区分所有では占有スペース(部屋)のみ管理すれば良いので、負担は軽くなります。
なお、不動産管理は空室リスク対策としても重要です。
家賃収入は入居者に快適な住環境を提供する対価であり、より良い住環境の提供には適切な不動産管理が必要です。管理業務で手を抜くと物件のメンテナンス状況などが悪くなることに加えて、悪い口コミなどもついてしまうため、空室リスクが高くなったり、家賃減額リスクの可能性も高まります。
収益を安定的にするためにも、入居者のクレームは放置せずにすぐ対応するなど、管理業務を怠らないよう気をつけることが大切です。
入居者の入れ替わりが激しいと経費が大きくなることも
ワンルームマンションは、入居者の入れ替わりが早いのも特徴です。しかしその結果、経費が大きくなって収益を圧迫するリスクに注意する必要があります。
ワンルームマンションの借り手は独身者や学生、あるいは単身赴任のサラリーマンなどが多く、転勤・結婚・出産などのライフイベントで退去することが多くなります。
入居者が退去する際には入居者による原状回復が行われますが、入居者の負担範囲は通常使用の範囲の劣化分までであって、それ以上はオーナーが負担しなければなりません。入居者の回転が早いほど原状回復費用がコンスタントに発生するため、収益を圧迫しやすくなります。
ワンルームマンション投資で利回りを安定させるには、入居期間を長くすることがポイントになります。ターゲットが求める内装や設備にリフォームするなど入居者に「長く住みたい」と思わせる工夫が大切です。
1-3 空室になれば収入はゼロ
ワンルームで最も気をつけたいのが空室リスクです。ワンルーム投資では入居者が入らないと家賃収入がゼロになる一方で、固定資産税などの税金は発生したままのため、キャッシュフローは赤字となります。
アパートや一棟マンションは複数戸あるため、あらかじめ空室率を想定してリスクを分散した事業計画を立てることができます。例えば、年間20%の空室を見込み、収益を8割と設定することで投資金額を調整でき、発生する所得税や住民税を見越すことも可能です。
また、一般的に不動産の賃借契約は期間が2年間となる場合が多いのですが、借主側からの中途解約は、一定期間前に申請すれば退去が可能となります。オーナーにとっては、退去申告は入居者都合により突発的に発生するため予測することは困難です。
そのためワンルームマンション投資では、なるべく入居者が途切れないように需要の高い物件選びが重要となります。たとえば地方よりも人口が多い都心、中古よりも設備が新しく人気が高い新築・築浅、単身者が多く住むエリアなどが空室回避に効果的な選び方となります。このほか物件管理等を万全にし、入居者の退去をなるべく防ぐことも大切です。
1-4 大きな収益が得られにくい
ワンルームマンション投資は、物件購入コストが抑えられるメリットがある一方で、その分大きな収益が得られにくいというデメリットがあります。
不動産投資の収益は利回りで判断しますが、仮に5パーセントの利回りを得られる物件であっても、1500万円の物件では年間75万円程度と金額としては少額となります。1億を超えるような高額物件であれば収益も大きくなりますが、一般的なサラリーマンであれば最初から一棟マンションを狙うのも難しいでしょう。
初心者の方が大きな投資へとステップアップするためには、一定の収益と投資の実績を着実に積むことが大切になります。たとえば数年実績を積み、年収が上がったタイミングでもう1戸増やすなど、徐々に投資規模を拡大することで収益を大きくすることができます。
2 ワンルームマンションに投資する上で気を付けたい3つのポイント
ワンルームマンション投資で儲けるためには購入してから後悔しないために重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、「立地選定」「入居者選定」「管理会社選定」で気を付けたいポイントをご紹介します。
2-1 需要の高い立地を選定する
投資物件の立地は、空室リスクを抑えて収益を上げるためにとても重要です。特に都市部では駅からの「徒歩での距離」が物件需要に大きく関わります。たとえば「最寄駅から徒歩10分以内」「ターミナル駅に直結する路線沿い周辺」「その他通勤・通学に便利なエリア」などが優位性のある立地の選定が欠かせません。単身者向けのワンルームマンションでは、この影響が顕著にあらわれます。
また、騒音や悪臭など環境条件が悪い物件を避けるのも大切です。鉄道や幹線道路、あるいは下水処理場等の施設が近いかどうかなどがチェックポイントになります。このほか早期退去につながるような暴力団事務所なども近くにないかを現地視察で確認すると良いでしょう。
物件の確認は自分の目で直接確かめることが大切です。現地視察ではネットで調べただけではわからないような周辺環境の状況や物件の状態を調べることができます。面倒臭がらずにきちんと行いましょう。
2-2 入居者選びに注意する
賃貸借契約では一旦契約を結んでしまうと簡単には契約解除できないため、入居者の審査は厳しく行う必要があります。特に家賃滞納はオーナーにとって収入減少のもとになるので、毎月家賃をきちんと支払ってくれる可能性が高い入居者の選定が重要になります。
入居者審査では入居希望者の「属性(支払能力)」「人柄」を判断します。支払能力では入居希望者の職業、収入を審査します。家賃は収入の3分の1以下が良いとされているため、それ以下の収入しかない場合は注意したほうがいいでしょう。
また「人柄」を見るのも大切です。審査するなかで「受け答えがしっかりしているか」「不審な点はないか」「こまめに連絡のやり取りができるか」などを見極めることが大切です。
入居者の審査に時間を割くのが難しいという場合には、賃貸管理の実績が豊富な会社に依頼を検討してみて下さい。
借り手有利の賃貸事情
日本の賃貸借契約は借り手有利の性格があります。例えば、不動産の賃借契約書には、契約期間を2年とする例が多いのですが、契約期間が満了したからと言って、貸主から契約を終わらせることは出来ず、借主の退去申請が無ければ自動的に更新します。
また、たとえ入居者が家賃を何ヶ月滞納していても強制的に追い出すことは現実的に難しいため、オーナーは管理会社か弁護士に相談するなどして対応することになります。
2-3 不動産会社選びに注意する
不動産投資で成功するには不動産会社との付き合いも重要なポイントです。物件購入から管理委託、売却に至るまで、信頼できるビジネスパートナーを選ぶことがワンルームワンション投資で儲けるためのカギとなります。
たとえば利回りがよく入居率が高い物件は、付き合いが長いお客さんや過去に購入実績のある方、属性の良い方から打診していきます。不動産会社と良好な関係を築くためには足しげく通うなどして交流を深めましょう。収益の良い物件を購入するチャンスにつながります。このほか不動産会社は融資付けの強い味方にもなってくれます。
また、賃貸経営を始めたあとは管理会社との付き合いも大切です。「管理業務にコストをあまりかけたくない」と必要以上にコストダウンした結果、管理サービスの質が低下し、入居者が離れていったという例もあります。前述したとおり、入居者維持には管理サービスの適切な維持重要なもポイントです。
さらに、不動産売却では売却に強い不動産会社を選ぶことが大切です。不動産は取得後、年月が経てば値下がりしますが、都心の一部などでは値上がりする場合もあります。
また不動産会社にも「戸建ての売却が得意」「オフィスビルの売却が得意」「賃貸物件の売却が得意」といった種類があります。物件を良い条件で売却するためには、売却実績が豊富な不動産会社に依頼するのが良いでしょう。特に築浅ワンルームは流動性が高く、買い手がすぐに見つかる場合もあります。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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