不動産一括査定サイト選びに失敗してしまう原因は?5つの事例と対策も

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複数の不動産会社に査定依頼ができる不動産一括査定サイトは、不動産売却を便利および効率的にしてくれるサービスです。しかし、サイト選びに失敗して不動産の売却がスムーズにいかなったという事例もあるため、サイト選びは慎重に行うことが大切です。

そこで今回のコラムでは、不動産一括査定サイト選びに失敗した事例と対策について解説し、悪質な不動産会社の排除を積極的に行う不動産一括査定サイトをご紹介します。

目次

  1. 不動産一括査定サイト選びの失敗事例
    1-1.不動産会社からの営業電話の対応に時間を取られた
    1-2.多くの不動産会社に査定を依頼したかったが、上限があった
    1-3.不動産会社の数が多くて絞りきれなかった
    1-4.地元の事情に詳しい不動産会社に依頼できなかった
    1-5.査定価格だけで不動産会社を選んでしまった
  2. 不動産一括査定サイト選びで確認したいポイント
    2-1.サイトの仕組みを確認しておく
    2-2.提携している不動産会社の傾向を把握する
    2-3.個人情報の取り扱い方を確認する
    2-4.対象エリアを把握する
    2-5.査定してもらえる物件の種類を確認する
  3. 大手不動産一括査定サイト5社の特徴・比較
  4. まとめ

1 不動産一括査定サイト選びの失敗事例

不動産一括査定サイト選びでは、どのような失敗があるのか、代表的な失敗事例とその対策を紹介していきます。

1-1 不動産会社からの営業電話の対応に時間を取られた

「一括サイトと聞くと、業者から営業の電話がかかってくるという印象がありましたが、不動産一括査定サイトも同様でした。登録をするとすぐに複数の不動産会社から営業の電話がかかってきて、対応するのが大変でした。最終的には良い不動産会社さんに巡り会えましたが、電話に出るのが一時期億劫でした。」(40代・女性)

失敗しないための対策

不動産一括査定サイトでは、提携する不動産会社を審査したり、厳格な基準を設けているサイトがあります。そのため、不動産一括査定サイトがどのような基準を設けているのか、確認してから利用すると良いでしょう。具体的には下記のような対策を講じています。

  • 提携する際に不動産会社を審査している
  • 悪質な営業をしていないか、日々パトロールをしている
  • 相談窓口を設けている、など

なお、不動産一括査定を利用する場合、各社の査定金額だけでなく担当者の対応力やコミュニケーション能力も重要な比較ポイントと言えます。上記の事例でも「最終的に良い不動産会社に依頼することが出来た」と満足度は高くなっているため、より良い不動産売却につなげるためにも時間をとって電話連絡を受けることを検討されてみると良いでしょう。

1-2 多くの不動産会社に査定を依頼したかったが、上限があった

「相場価格を知りたかったので、たくさんの不動産会社に査定をしてもらいたかったが、利用したサイトでは4社までしか同時に依頼できませんでした。依頼できる不動産会社の数を、事前に調べておけば良かったと思いました。」(50代・男性)

失敗しないための対策

不動産一括査定サイトの仕組みは、各サイトによって異なります。例えば、同時に査定を依頼できる不動産会社の数は4社のところもあれば、10社のところもあります。そのため、それぞれの不動産一括査定サイトの仕組みを確認してから利用するようにしましょう。

ただし、不動産一括査定サイトは1つだけしか利用してはいけないというルールはありません。入力作業が面倒でなければ、サイトの特徴に合わせて使い分けるのも良いでしょう。

1-3 不動産会社の数が多くて絞りきれなかった

「たくさんの不動産会社の情報が載っているという不動産一括査定サイトを利用しましたが、情報が多すぎて不動産会社を絞り込みするのに時間がかかりました。情報が多すぎるのも、一長一短なんですね。」(50代・女性)

失敗しないための対策

各サイトによって、同時に査定を依頼できる不動産会社の数が違うように、査定を依頼できる不動産会社を表示するまでの仕組みも異なります。候補の不動産会社を利用者に表示するのが6社だったり、条件が合う不動産会社がすべて表示されるといったサイトもあります。

後者の場合は、条件が合う不動産会社が50社や100社以上になることもあり、不動産会社を絞り込むのに時間と労力が必要です。このような事態にならないためにも、各サイトの仕組みを確認しておくことが大切なのです。

1-4 地元の事情に詳しい不動産会社に依頼できなかった

「全国に対応している不動産一括査定サイトを利用しましたが、地元の事情に詳しい不動産屋さんを見つけることができませんでした。地方都市でもバラツキがあるようで、私の地域では不動産会社の数が少ないようでした。」(60代・男性)

失敗しないための対策

不動産一括査定サイトが提携している不動産会社は、多いところで4,000社程度、少ないところで6社となっています。全国47都道府県に対応しているサイトがほとんどですが、市町村単位になると対象外になってしまう可能性があります。そのため地方の不動産売却を検討されている場合は、あらかじめ不動産一括査定サイトの対象エリアを調べてから利用するようにしましょう。

1-5 査定価格だけで不動産会社を選んでしまった

「査定価格が最も高い不動産会社を避け、2番目に査定価格が高かった不動産会社に依頼して、売却活動を開始しました。しかし、売却活動がうまくいかなかったのか、売却までに半年以上かかってしまいました。物件価格は相場から大きく外れていないようでしたが、担当者は一戸建て売却の経験が少なかったようです。振り返ってみると、売却活動のポイントがずれていたように感じています。」(50代・男性)

失敗しないための対策

不動産一括査定サイトのメリットは、複数の不動産会社の査定価格を比較できることです。しかし、仲介業務を委託する不動産会社を査定価格だけで選ぶのは危険です。不動産と言ってもマンションや一戸建て、土地などがあり、不動産会社や担当者によって得意と不得意もあります。

また、不動産会社の査定価格はあくまでも売却可能な予想価格であるため、あえて相場よりも高い価格を提示して売却を促す悪質な不動産会社も存在しています。査定価格だけでなく、担当者の対応力や過去の取引実績などもあわせて確認していくことが大切です。

なお、査定価格には「仲介」と「買取」の二つがあり、買取価格は不動産会社が一時保有して再販する仕組みの売却方法です。買取の場合は不動産会社が利ざやを取るため仲介よりも価格が低くなる傾向がありますが、実際に不動産会社がどのような評価をしているのかを知ることが出来るというメリットがあります。

査定価格で不動産会社を比較していきたい場合には、仲介の査定価格だけでなく買取の査定価格も併せて提示してもらうことも検討されていくと良いでしょう。

2 不動産一括査定サイト選びで確認したいポイント

2-1 サイトの仕組みを確認しておく

不動産一括査定サイトの特徴は、複数の不動産会社に査定依頼できることです。しかし、査定依頼が完了するまでの流れは各サイトで異なります。

特に大きな相違点となるのが、同時に査定を依頼できる不動産会社の数です。多くの不動産会社に査定を依頼したいのに、同時依頼できる数が少ないサイトを選んでしまうと、期待通りの査定が受けられないといった事態になることもあるため、依頼可能数はあらかじめ見ておくと良いでしょう。

また、候補の不動産会社が表示される方法もサイトによって異なります。サイト自体が独自の基準で絞り込んでから表示するサイトもあれば、対象エリアの不動産会社をすべて表示するサイトもあります。そのため一度に50社や100社などが表示され、不動産会社選びに時間がかかることもあるのです。こうしたサイトによる仕組みの違いも確認してから、利用するようにしましょう。

サイトの仕組みを確認する際は、下記の点に注意すると良いでしょう。

  • 候補の不動産会社が表示される流れ
  • 同時に査定依頼できる不動産会社の数
  • 物件情報を入力する方法
  • 利用者情報を入力する方法
  • 不動産会社の情報の内容、など

2-2 提携している不動産会社の傾向を把握する

不動産一括査定サイトの違いは、提携している不動産会社の数です。例えば「LIFULL HOME’S」では4,000社、「すまいValue」は大手不動産会社6社にのみ依頼可能と、大きな違いがあります。

その他、大手と中小の両方に依頼可能な「HOME4U」、戸建やマンションなどの住宅に強い「SUUMO不動産売却」、投資用マンションやアパート売却の実績が豊富な「リガイド」など、サイトごとに提携している不動産会社に特徴があります。

「大手不動産会社に査定を依頼したい」「地域密着型企業に依頼したい」「両方バランスよく査定を依頼したい」といった意向を持たれている場合は、提携している不動産会社の傾向も把握した上でサイト選びを行うようにしましょう。

2-3 個人情報の取り扱い方を確認する

不動産一括査定サイトを利用する際、下記のような個人情報を提供することになります。

  • 名前・住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 売却予定の不動産の所在地
  • 売却予定の不動産の詳細情報、など

不動産一括査定サイトは、運営会社によって運営方針なども異なっています。このような個人情報についても、運営会社で広告などの情報提供に使用するとしているサイトもあれば、運営会社のグループが個人情報を使用するとしているサイトもあります。

不必要な勧誘の電話を回避するには、こうした運営会社の違い、運営方針の違いを確認することも必要です。そのためサイトを利用する際は、プライバシーポリシーや個人情報の取り扱い方などを確認し、適切に比較検討すると良いでしょう。

なお、個人情報を厳格に扱う不動産査定サイトとしては、「HOME4U」があります。運営会社であるNTTデータグループでは個人情報の扱いについて第三者機関からプライバシーマークを取得しており、同意なく個人情報を取得することはなく、また同意を得て提供された個人情報についても高いレベルで管理されることが期待できます。

2-4 対象エリアを把握する

不動産一括査定サイトは、提携している不動産会社しか査定を依頼できないというデメリットがあります。地方になればなるほど、査定を依頼できる不動産会社が少なくなる傾向があります。

対象エリアは全国47都道府県となっていても、地方都市は対象外もしくは提携不動産会社の数が少ないことも少なくありません。そのため、査定してもらいたい不動産が、対象エリア内かどうかまず確認してみましょう。

対象内であっても、査定を依頼できる不動産会社の数はサイトによって異なります。やや手間はかかりますが、対応可能な不動産会社の数を比較できるよう、複数の不動産一括査定サイトを利用するといった方法も検討してみましょう。

2-5 査定してもらえる物件の種類を確認する

それぞれの不動産一括査定サイトでは、査定の対象となる物件の種類が異なります。「マンション」「一戸建て」「土地」はほとんどのサイトで対応していますが、下記の物件種別は対応していないことがあります。

  • 収益物件
  • 事業用物件
  • 倉庫
  • 駐車場
  • 農地、など

上記の不動産売却に強いのは、投資用マンションやアパート売却の実績が豊富な「リガイド」です。リガイドでは全国の収益物件を含む不動産の査定依頼ができ、同時依頼可能な会社数は10社となっています。他の査定サイトで依頼が出来なかった場合は利用を検討されてみると良いでしょう。

3 大手不動産一括査定サイト5社の特徴・比較

不動産を売却する際に活用できる代表的な5つの不動産一括査定サイトについて、2023年7月時点の情報をもとに作成したのが下記の表です。それぞれの特徴を比較し、不動産一括査定サイト選びの際にお役立てください。

サイト名 参加企業数 同時依頼可能数 運営会社
すまいValue 6社 6社 野村の仲介PLUS、住友不動産販売、東急リバブル、三井のリハウス、三菱地所の住まいリレー(三菱地所ハウスネット)、小田急不動産
SUUMO不動産売却 約2,000店舗 10社 株式会社リクルート
LIFULL HOME’S不動産売却査定サービス 4,000社 6社 株式会社LIFULL
HOME4U 2,100社 6社 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
RE-Guide 900社以上 10社 株式会社ウェイブダッシュ

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まとめ

不動産一括査定サイトは便利なサービスですが、どのサイトも同じ仕組みではありません。まずは大まかに提携社数・対応エリア・依頼できる不動産の種類、というポイントから比較されていくと良いでしょう。

今回のコラムでは失敗事例を紹介し、対策方法についても解説しました。また大手不動産一括査定サービス5社の比較も紹介したので、不動産一括査定の利用を検討している方、どのサイトへ依頼をするか悩んでいた方はご参考ください。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。